ヘタレαにつかまりまして

三日月

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29 初代

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胸の前で組んだ両手をブルブル震わせながら、緊張のあまり色が抜けた顔で三枝は俺を見返す。
俺と関わってしまったばかりに、振り回してばかりだな。
三枝の手を掌で包んでやると、目が潤んで泣きそうになってしまった。

生徒会任命では、名前と「これから頑張ります」くらいで済んだが今回はそうもいかないからな。
全校生徒を前に、今回は挨拶をしっかり行わなければならない。
集会前に理事長からも、「期待している」と三枝は激励されていた。


「挨拶文は、大丈夫か?」

「うん、ここに・・・」


ポケットに手を入れた三枝の顔が、ひきつる。
ん、まさか・・・?


「家(ウチ)に置いてきてしもたぁ」


眉がへの字に下がり、ふにゃぁとその顔が崩れた。
ちょ、大丈夫か?
声を掛ける前に、壇上からヤマが三枝の名前を呼んだ。
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