例えβに生まれても

三日月

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31 撮影の王子様

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清人様に、わかっていただきたい!
俺、清人様のことが、その、そういう意味で好きなんだって自覚してから、まだそんなに経ってないんですよ!
それに、まだ、好きですって言えてないっ

清人様にキスされて、ふにゃふにゃになってる場合じゃないよ。
俺が好きですって言えば、清人様も落ち着いてくださるって陽太様からアドバイス頂いてるんだからっ


「っ、はぁ・・・あ、あのきよ」

「本物のハルを全部見せて」


唇を離してくださった清人様に、よし、言うぞって気合いをいれて口を開いたんだけどね。
その微笑みに、撃沈。
声が小さくなって途中で消えてしまった。

細く絞られた清人様の目尻から、涙がポロッと溢れる美しさに固まってしまう。
ふわぁぁっ、清人様を見ているだけで、俺も意味もなく泣きそうになっちゃてるっ
もらい泣きみたいに、じわって涙が・・・

涙が滲んだ視界に、いっそう妖しく輝く美貌。
心の中まで見透かされるような、濡れた1対の瞳に魅いられて、艶めく声で囁かれたら。

もう、「どうぞ」ってなっちゃうよね。

実際は、キスだけで腰を抜かしちゃってる俺は、返事なんて返せる余裕皆無。
息を吸って吐くのさえ忘れそうで。
途中で声を失った唇を開けたままだったから、そこから籠っていた息を吐いたつもりなのに喘いでるみたいな音が出ちゃっていたんだけど。

その間に、俺のベルトを外した清人様の指が、ジッパーを下ろして。
俺の足からズボンを強引に引き抜こうとされていた。
グイッとズボンを上に引っ張られ、力が全く入ってない両足も、お尻も、宙に浮いて落ちそうになっちゃう。


「ふわぁっ」


ビックリして、思わず清人様の首にしがみついちゃった俺なんてお構いなし。
清人様は、目の前まで持ち上がったふくらはぎをカプッて甘く噛まれて。
ジワリとそこから感じた疼くような痛みに、俺、なんでか、勃っちゃってました!
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