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御山3
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ただ、この事前申請制。
悪いシステムじゃないことはわかっているけど。
申請するモノにもよるのだと先月知った。
申請書を書くくらいなら、出来れば自腹で買いたかったけれど出来なかったもの。
年齢制限や条例で、自分では購入出来なかったもの。
瑠璃丸の女体化のために、必要に迫られていたとはいえ。
成人誌を申請するのが、どれほど恥ずかしかったか。
あの書類、どれだけの人の目に触れたんだろう。
親名義のカード決済、うらやましい・・・
「俺、どっちでもいいや。
あーっと、京一郎だったよな。
全然頭がついてってないけど、俺は他の鬼にもう喰われたくない。
いろいろ教えてくれ」
手を差し伸べられ、力強く握手。
強面だけど、笑うと悪がきのような御子息様。
さばさばしてるのは、お師匠様に似てる。
「はい、よろしくお願いします、雅様」
「や、止めてくれよっ!
様なんてコエーッ!!
雅でいいよ、雅で。
あと、堅い言葉も止めてくれ、苦手なんだよ」
本気で照れている・・・雅。
感情も素直で、とてもあの二人のお子様とは思えない。
外で育てられてよかったなぁ。
それにしても。
本家からずっとソワソワしている隣の瑠璃丸を見上げる。
わ、わかっている。
これから瑠璃丸の食事、の続き。
「今日は、お互い疲れている。
教えるのは、明日からにしてもいいか?」
「りょーかい。
何時にどこで始めるんだ?」
「ログハウスの前に、7時で。
山の気温は低いから、上着は絶対要る。
あの・・・雅一人のほうが集中できるから、出来れば黒曜様は留守番で」
恐る恐る。
無言の黒曜様にも話しかける。
が、やはり無視。
こちらを見ずに、周囲に気を配ったままだ。
「おい、ある・・・黒曜、ちゃんと聞いてるのか?
俺がいろいろ教えてもらうってことは、お前も関係してくるかもしれない。
京一郎のことは、ちゃんと聞いとけよ?」
黒曜様は、渋々顔しかめて頷いた。
人と話したくないことは隠さないが。
雅が頼めば許容するんだな。
「じゃ、明日」
そういって片方の鍵を渡し。
とたんに機嫌のよくなった瑠璃丸と。
ログハウスに入ろうとして。
「え、俺、黒曜と・・・?」
どうやら、雅の中では。
人と角無し鬼、それぞれでの組み合わせになっていたらしい。
まるで捨てられた子猫のような目で見られても・・・なぁ。
「当たり前やろ。
オレは、これから京ちゃんを喰うんやから邪魔すんな!
やっと、どこでも喰ぅてえぇと言われたんやで」
瑠璃丸は雅を睨みつけ、強引に私の手を引きログハウスの中に入ってしまう。
「そ、んな」
バンッ!
乱暴に綴じられた扉が閉まる間際。
雅の顔は、青ざめていた。
悪いシステムじゃないことはわかっているけど。
申請するモノにもよるのだと先月知った。
申請書を書くくらいなら、出来れば自腹で買いたかったけれど出来なかったもの。
年齢制限や条例で、自分では購入出来なかったもの。
瑠璃丸の女体化のために、必要に迫られていたとはいえ。
成人誌を申請するのが、どれほど恥ずかしかったか。
あの書類、どれだけの人の目に触れたんだろう。
親名義のカード決済、うらやましい・・・
「俺、どっちでもいいや。
あーっと、京一郎だったよな。
全然頭がついてってないけど、俺は他の鬼にもう喰われたくない。
いろいろ教えてくれ」
手を差し伸べられ、力強く握手。
強面だけど、笑うと悪がきのような御子息様。
さばさばしてるのは、お師匠様に似てる。
「はい、よろしくお願いします、雅様」
「や、止めてくれよっ!
様なんてコエーッ!!
雅でいいよ、雅で。
あと、堅い言葉も止めてくれ、苦手なんだよ」
本気で照れている・・・雅。
感情も素直で、とてもあの二人のお子様とは思えない。
外で育てられてよかったなぁ。
それにしても。
本家からずっとソワソワしている隣の瑠璃丸を見上げる。
わ、わかっている。
これから瑠璃丸の食事、の続き。
「今日は、お互い疲れている。
教えるのは、明日からにしてもいいか?」
「りょーかい。
何時にどこで始めるんだ?」
「ログハウスの前に、7時で。
山の気温は低いから、上着は絶対要る。
あの・・・雅一人のほうが集中できるから、出来れば黒曜様は留守番で」
恐る恐る。
無言の黒曜様にも話しかける。
が、やはり無視。
こちらを見ずに、周囲に気を配ったままだ。
「おい、ある・・・黒曜、ちゃんと聞いてるのか?
俺がいろいろ教えてもらうってことは、お前も関係してくるかもしれない。
京一郎のことは、ちゃんと聞いとけよ?」
黒曜様は、渋々顔しかめて頷いた。
人と話したくないことは隠さないが。
雅が頼めば許容するんだな。
「じゃ、明日」
そういって片方の鍵を渡し。
とたんに機嫌のよくなった瑠璃丸と。
ログハウスに入ろうとして。
「え、俺、黒曜と・・・?」
どうやら、雅の中では。
人と角無し鬼、それぞれでの組み合わせになっていたらしい。
まるで捨てられた子猫のような目で見られても・・・なぁ。
「当たり前やろ。
オレは、これから京ちゃんを喰うんやから邪魔すんな!
やっと、どこでも喰ぅてえぇと言われたんやで」
瑠璃丸は雅を睨みつけ、強引に私の手を引きログハウスの中に入ってしまう。
「そ、んな」
バンッ!
乱暴に綴じられた扉が閉まる間際。
雅の顔は、青ざめていた。
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