鬼ごっこ~あのこがほしい~

三日月

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弥勒過去編(瑛二&白銀)

目覚め 4

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「おまえ、大丈夫か・・・?」

僕の異変に気付いた瑛二。
その無防備な身体の上に覆いかぶさり、汗を舐め取る。
一粒一粒が、舌の上で溶けていく。
身体の中に、瑛二の香りが染み渡る。

肌に飛び散った僕の精液は、そのまま瑛二の身体に塗りこんでしまう。
この、身体は僕のもの。
他の鬼に、やりたくない。

それを、瑛二は不思議そうに、でも黙ってみていた。

ざっくりと傷ついた指にも舌を這わせて。
治癒をして、気付く。
これは、何のための傷?
まだ、出血している。
僕の体にも、こびり付いた瑛二の血が転々とついている。
僕が、傷つけた・・・傷つけさせた?
僕の血は、鬼の血。
青く変わっているはずだ。
だから、瑛二自身に赤い血がついているのは・・・潤滑に??

「この、傷・・・」
「そんなに、痛まねーよ。
ってか、もう、出ねーから休憩させろよ」

瑛二の息は、まだ整わない。
美味しそうな匂いは、溢れ続けている。

人の心は、悲鳴を上げていて。
嫌がり、逃げ出し、砂になりたいと叫んでいるのに。
今の僕には、わずらわしい。 

お腹が、空いている。

だから、食べタイ。

「・・・うわっ!
おい、何してっ!!」

自分の欲望が、前面に出る。
ありえない行動も、そのためなら出来てしまう。
半立ちの瑛二を、口の奥深くまで咥える。
口いっぱいに頬張り、舌で嘗め回し。
クチュクチュ音を立てて吸い上げる。

瑛二の味に、口の中から溶かされる。

「ちょ、彰姫サン、効きすぎだろう・・・」

瑛二が、他の人間の名前を呼んでいる。
なんで、僕はここにいるのに!
僕、だけしか見ないで。
僕だけ、求めて。
僕は、瑛二にもっと必要とされたい。

影で支えるなんて、もう、イヤだっ
もっと僕を分かって欲しい。
瑛二は、僕の全部。
瑛二がいるから、生きている。

そう、僕は。

ずっと前から、瑛二のために生きてきた。

僕は、これからも、瑛二のためだけに生きていたい。


カチリと。
僕の中で、最後のピースが嵌る。
人と鬼の、隙間が埋まる。


鬼になったから、変わったんじゃない。
僕はもっと前から、瑛二のことしか考えていなかった。

瑛二を守っているつもりで。
僕だけの弟で居続けて欲しかっただけだ。
僕の居なくなったあと、皆の当主となる瑛二が嫌だっただけだ。


僕は、なんて、欲が深いんだろう。


僕の全身が、瑛二を食べたいと求めている。
もう、僕の中で、それを止める声は無くなっていた。

「えーじ、もっと、チョウダイ?」

瑛二の下半身に、頬をうずめる僕を。
ゴクリと生唾を飲み込み凝視する瑛二。
驚いている、よね。
でも、これが、僕だ。

僕は瑛二を、全部食べてしまうよ?
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