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序章
戦争の話をしよう
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ウェインの口から離された歴史は、まさに「壮絶」としか言いようがなかった。
世界が分たれた日、それからの世界の動き、天使との戦い、人間の、悪魔の戦争を。
神が現れ、人々に告げた物語、世界が終わらない代わりにもたらされた「呪い」
それによって生きるために誰かの明日を奪わなければいけない悲劇を。
「私は戦争が始まる前から生きていた。そして全ての国を見て、何人をも見送り、そして屠ってきた…」
静かに口から語られる内容は、まさにセイラが視界から逸らし続けていたものだった。
村を襲い家族を奪い、生活を奪い、全てを奪った天使達の。
そんな彼らの心情も、生活も、生き様も、全てを。
「彼らは我々と同じ血肉で構成され、抱く感情も、その魂も、我々とは何1つ、そう…何1つも変わりはないものなのだろう…」
しかし、と静かに語られていたウェインの口調が徐々にヒートアップしていく事に違和感を感じた時
もうその目は爛々と輝き、まるで満月のような狂気的な瞳になっていた
そんな彼に、ウェインに、セイラは本能的な恐怖を抱いた。
「しかし、生きる人々の蠢く感情!!国が崩壊し、街が崩壊し、村が崩壊し、人々が死に、紳士然とした天使が顔を歪ませ、そして武器を構え死にたくないという本能に気づき死に物狂いでこちらへ向かってくるその自己愛的な矛盾!!」
机に拳を叩きつけ高揚した頬のまままるで凱旋のように手を広げ朗々と語る
「夢を語る者の絶望と希望に縋り付く命の輝き!!そのエネルギー!!私はそれらが大好きだ!!だあいすきだ!!」
無邪気な子供が楽しかった夢を語り終えたように、ウェインはスンっと真顔に戻り席に座る。
セイラはひたすら圧倒され続けたが、なんとか、なんとか大体の歴史と世界の仕組みについてを飲み込んだ。
恐る恐るウェインに視線を向けていセイラは、クレイグの呆れたようなため息で現実になんとか戻ることができた。
「ウェインちゃん、一回話に没頭すると熱弁し出すよねえ、……まあ、そこが面白いんだけどさ」
そういえば、自分と同じ人間で、ウェインのメイドとして使えているシトリーと契約した彼は、クレイグはどうして悪魔と契約することになったんどろうか。
ふとした疑問、聞いてみようか、とセイラが口を開く前にウェインが再び口を開いた。
「さて、小娘…、いや、下僕よ。お前に初めての仕事を与えよう。」
下僕と呼ばれたことにも突っ込みたかったが、仕事とはどういうことかと口を開く前にシトリーが一枚の報告書のようなものをセイラの前に置く
「ここから北に50キロほどの場所にある廃墟、そこでの天使と聖職者との戦闘だ。お前にとっては初めての戦いになるが私は手を貸さない。これ1つで戦ってみせろ。」
ゴトリ、と放るように置かれたのは一丁の大きな拳銃だった。
逆十字が刻まれ、厳つく、黒々と光る、誰かの命を打ち抜く凶器
その恐怖の象徴を前に、震えるセイラに歌うように、機嫌良くウェインはセイラにオーダーをした。
「有無は言わせない。何せ私が手を回してそこに悪魔がいると嘘の情報を流したからな。奴らは確実に”来る”…セイラ、我が下僕……お前の晴れ舞台にふさわしいだろう??」
セイラの前にいるのは紛れもない、本物の悪魔だ………嘘は言わないだろう。真実のみを語るだろう。
覚悟なんてできていない。銃なんて扱ったこともない、死ぬかもしれない、そんな不安しかない心持ちのまま、
彼女は初任務、初の”狩り”にいくことが主人によって決定づけられていたのだった。
世界が分たれた日、それからの世界の動き、天使との戦い、人間の、悪魔の戦争を。
神が現れ、人々に告げた物語、世界が終わらない代わりにもたらされた「呪い」
それによって生きるために誰かの明日を奪わなければいけない悲劇を。
「私は戦争が始まる前から生きていた。そして全ての国を見て、何人をも見送り、そして屠ってきた…」
静かに口から語られる内容は、まさにセイラが視界から逸らし続けていたものだった。
村を襲い家族を奪い、生活を奪い、全てを奪った天使達の。
そんな彼らの心情も、生活も、生き様も、全てを。
「彼らは我々と同じ血肉で構成され、抱く感情も、その魂も、我々とは何1つ、そう…何1つも変わりはないものなのだろう…」
しかし、と静かに語られていたウェインの口調が徐々にヒートアップしていく事に違和感を感じた時
もうその目は爛々と輝き、まるで満月のような狂気的な瞳になっていた
そんな彼に、ウェインに、セイラは本能的な恐怖を抱いた。
「しかし、生きる人々の蠢く感情!!国が崩壊し、街が崩壊し、村が崩壊し、人々が死に、紳士然とした天使が顔を歪ませ、そして武器を構え死にたくないという本能に気づき死に物狂いでこちらへ向かってくるその自己愛的な矛盾!!」
机に拳を叩きつけ高揚した頬のまままるで凱旋のように手を広げ朗々と語る
「夢を語る者の絶望と希望に縋り付く命の輝き!!そのエネルギー!!私はそれらが大好きだ!!だあいすきだ!!」
無邪気な子供が楽しかった夢を語り終えたように、ウェインはスンっと真顔に戻り席に座る。
セイラはひたすら圧倒され続けたが、なんとか、なんとか大体の歴史と世界の仕組みについてを飲み込んだ。
恐る恐るウェインに視線を向けていセイラは、クレイグの呆れたようなため息で現実になんとか戻ることができた。
「ウェインちゃん、一回話に没頭すると熱弁し出すよねえ、……まあ、そこが面白いんだけどさ」
そういえば、自分と同じ人間で、ウェインのメイドとして使えているシトリーと契約した彼は、クレイグはどうして悪魔と契約することになったんどろうか。
ふとした疑問、聞いてみようか、とセイラが口を開く前にウェインが再び口を開いた。
「さて、小娘…、いや、下僕よ。お前に初めての仕事を与えよう。」
下僕と呼ばれたことにも突っ込みたかったが、仕事とはどういうことかと口を開く前にシトリーが一枚の報告書のようなものをセイラの前に置く
「ここから北に50キロほどの場所にある廃墟、そこでの天使と聖職者との戦闘だ。お前にとっては初めての戦いになるが私は手を貸さない。これ1つで戦ってみせろ。」
ゴトリ、と放るように置かれたのは一丁の大きな拳銃だった。
逆十字が刻まれ、厳つく、黒々と光る、誰かの命を打ち抜く凶器
その恐怖の象徴を前に、震えるセイラに歌うように、機嫌良くウェインはセイラにオーダーをした。
「有無は言わせない。何せ私が手を回してそこに悪魔がいると嘘の情報を流したからな。奴らは確実に”来る”…セイラ、我が下僕……お前の晴れ舞台にふさわしいだろう??」
セイラの前にいるのは紛れもない、本物の悪魔だ………嘘は言わないだろう。真実のみを語るだろう。
覚悟なんてできていない。銃なんて扱ったこともない、死ぬかもしれない、そんな不安しかない心持ちのまま、
彼女は初任務、初の”狩り”にいくことが主人によって決定づけられていたのだった。
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