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謝られても困ります
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「すまない、ビクトリア嬢」
突然生徒会室に呼び出され何を言われるのかと思ったら、冒頭からベルトランドに頭を下げられた。
「え、ちょ、何ですか?急に謝罪されても意味が分かりません」
困ったビクトリアは助けを求める様に周囲に視線を向けるが、ライモンドやヒースまでも頭を下げている。
何故か彼等の婚約者であるフロレンツィアやカサンドラは、苦笑しながらもこの謝罪劇を眺めているだけだ。
「あ、あの…フロレンツィア様、これは一体どういう…」
ビクトリアがフロレンツィアに助けを求める様に問いかけると、フロレンツィアがウフフと微笑んでビクトリアに歩み寄った。
「大丈夫ですわ、ビクトリアさん。まずは殿下達のお話を聞いてあげてくださいな」
「フロル、殿下と呼ばないでくれ…!」
「まあ、殿下。おかしなことを仰るんですね。殿下は殿下ですわ」
「フロル…!」
懇願するようにフロレンツィアを見つめるベルトランドだったが、フロレンツィアはそんなベルトランドの視線をまるっと無視している。
そしてようやく諦めたのか、ベルトランドが大きく溜息をつき、改めてビクトリアに視線を戻した。
「…と、言う訳だ。分かってくれたか、ビクトリア嬢」
「え、全然」
説明を省きすぎだ。
何が「と、言う訳だ」だ。
それをフロレンツィアが呆れたように眺め、そしてこちらも分かりやすい程わざとらしく溜息をついた。
「…殿下、それではあまりにもビクトリアさんに失礼ですわ。謝罪もまともにできないのであれば、お時間を割いていただいた意味がありません」
「わ、分かっている!」
「あ、あの…」
一体何に対する謝罪なのか分からずビクトリアがおずおずと声を出す。
すると助け舟を出すかのように、カサンドラが口を開いた。
「不甲斐ない男性達のせいでビクトリアさんが悪者にされた事を謝罪しているんですよ」
「ああ、マルカの事ですか。今更?」
「ぐっ…」
「そもそも最初にマルカが失礼な態度ばかりだからきちんと分からせる為に色々計画したのに、まさか殿下やヒース様達がマルカに落とされるなんて思いもしなかったです」
「「落とされてない!!」」
ベルトランドとヒースが見事にハモる。
けれどビクトリアはそんな二人を冷ややかな目で眺めた。
「マルカを名前で呼んでおいて?ご自分達の名を呼ぶ事も許可しておいて?お二人共ご自分の立場を分かってるんですか?殿下は勿論王族ですし、ヒース様はその護衛騎士なんでしょう?こうも簡単にハニートラップにかかるなんて、もう一度教育しなおしてもらったらどうです?」
「ビクトリア嬢…それはさすがに言い過ぎでは…!」
「一番殿下をお守りしないといけないヒース様がそれを言います?貴方が一番しっかりしないといけないんですよ?」
「ビクトリア、それもうアルフォンス様に言われた…」
「へー、知りませんが」
言い出したらムカムカしてきたビクトリアの口撃は止まらない。
アルフォンスに言われたのなら猶更何故まだマルカを放置しているのか。
本当に婚約者が大切なら、どちらを優先するべきか分かるだろうに。
「まあ、殿下やヒース様がマルカを選んだとしても私には全く関係ありませんし、もうマルカと友人関係を解消しましたのでこれ以上できる事はありませんから」
「ホークス嬢を選ぶ事なんて天地がひっくり返ってもありえない!」
「そうだぜ、ビクトリア!お、俺は…カシー以外選ぶ事なんてない!」
「そういうのはお互いの婚約者のお二人に直接仰ってください。私に宣言されても仕方ありません」
「…フロル、どうすればいい?ビクトリア嬢が全く取り合ってくれない…」
「頑張ってくださいませ」
「カシー、助けてくれ…」
「知らないわ」
フロレンツィアとカサンドラはとてもいい笑顔で二人を拒絶する。
それを黙って見ていたライモンドは、小さく息を吐いてビクトリアへ一歩近づいた。
「ビクトリア嬢、君が怒る気持ちも分かるが…二人を許してやってくれないか」
「許すも何も関係ないと言ってるんです」
「そう意固地にならなくてもいいだろう。ベルトランド殿下もヒースも反省している」
「…状況が全く変わってないのに、どうやって許せと?」
ビクトリアがマルカを虐めているという図は全く変わっていない。
それどころか最近はレオカディオと一緒にいる事にも嫉妬され、どちらかと言えばビクトリアが嫌がらせをされている始末だ。
それなのにマルカは顔を合わせればビクトリアを非難し、涙を浮かべてライモンドに縋りついている。
これで「許せ」だなんて、どの口で言うのか。
「お話がそれだけでしたら失礼します」
「ま、待ってくれ!フ、フロル…!」
「…仕方ありませんわね」
ベルトランドが縋るようにフロレンツィアを見つめると、フロレンツィアがやれやれと言った様子でビクトリアに歩み寄り、そっと手を握った。
「ビクトリアさん、わたくし達も貴女に謝罪します。ビクトリアさんがわたくしやカサンドラ様を庇ってくださっていたのは分かっていたのに、自分可愛さに貴女を一人にしました」
「それは…」
「私も、保身にまわってしまってごめんなさい」
「カサンドラ様まで…」
カサンドラもビクトリアに近付き、頭を下げて謝る。
フロレンツィアとカサンドラに頭を下げられ、ビクトリアは盛大に溜息をついた。
「はぁ…もう、お二人共お顔を上げてください!フロレンツィア様とカサンドラ様にそんな風にされたら、許さない訳にいかないじゃないですか!」
「まあ、ビクトリアさん…」
「本当にごめんなさい」
「もういいですよ。それに殿下達も、反省してるのならもういいです」
「「ほ、本当か!?」」
これまたベルトランドとヒースの声が見事にハモる。
これ以上意地を張ってもいい事なんて一つもないし、後味も悪いだけだ。
だが、謝った以上これからの事をはっきりさせておきたい。
「それで殿下、今後はどうなさるんですか?」
ビクトリアがスッと表情を変え、ベルトランドを見つめる。
その視線にベルトランドも真顔になる。
「まずはホークス嬢を排除する」
「排除って」
「ああ、勘違いするなよ?とりあえず今まで通り近寄って来ても相手にしないって事だ」
「…ヒース様、それ最初からしてくださいよ」
「それを言うなって。だが、今後は厳しく注意するさ」
「分かりました。それで、ライモンド様はどうなさるんですか?」
今度はアルフォンスにハニートラップを命令されているライモンドに視線を向けると、ライモンドは少し考えるような素振りを見せた後、今後の事について意見を口にした。
「私の場合はアルフォンス様の命令が基本だが、ベルトランド殿下やヒースが正気に戻れば好きにしていいと言われてる」
「ではもう同じようにマルカを相手にしなくなると言ったところですか?」
「そうだな、正直もう疲れすぎて神経がすり減ってる」
「そ、それは…お疲れ様です…」
確かにマルカと一緒にいる時の、ライモンド様の表情は死んだような目をしていたなとビクトリアが苦笑する。
だが、そんなビクトリアにライモンドがとんでもない事を言い出した。
「ビクトリア嬢、笑ってはいるが私や殿下達が彼女を相手にしなくなれば、その矛先は間違いなくアクレスに行くぞ」
「…え、レオ様に…ですか?」
突然のレオカディオの名前にビクトリアが驚いて目を丸くする。
「私や殿下達にこだわる理由が良く分からんが、見目の良い高位貴族の子息と言えば、アクレスも間違いなくその条件に当てはまるだろう」
「それは…」
そうかもしれないが。
マルカの物語にはレオカディオの名前は出ていなかった。
「実際ビクトリア嬢がアクレスと一緒にいる時に、彼女は必ず声をかけて君を陥れるような言葉を投げかけていた」
「…」
確かに、いつもレオカディオにチラチラと視線を向け、意識した行動をしていた。
それは気付いてはいたが、彼女の攻略対象ではないので気にしないようにしていた。
「…私、ちょっと用事を思い出しましたので…失礼します」
表情を消したビクトリアは、突然思い立ったかのようにその場でお辞儀をすると、慌てて生徒会室から出て行く。
ベルトランド達が声をかけていたが、今はそんな事どうでもよかった。
(調べなきゃ…!マルカの言ってる話が、本当に未来の話なのか…それとも他の何かなのか…!)
次の日。
ビクトリアは三週間の休暇を出して学園からいなくなったのだった。
突然生徒会室に呼び出され何を言われるのかと思ったら、冒頭からベルトランドに頭を下げられた。
「え、ちょ、何ですか?急に謝罪されても意味が分かりません」
困ったビクトリアは助けを求める様に周囲に視線を向けるが、ライモンドやヒースまでも頭を下げている。
何故か彼等の婚約者であるフロレンツィアやカサンドラは、苦笑しながらもこの謝罪劇を眺めているだけだ。
「あ、あの…フロレンツィア様、これは一体どういう…」
ビクトリアがフロレンツィアに助けを求める様に問いかけると、フロレンツィアがウフフと微笑んでビクトリアに歩み寄った。
「大丈夫ですわ、ビクトリアさん。まずは殿下達のお話を聞いてあげてくださいな」
「フロル、殿下と呼ばないでくれ…!」
「まあ、殿下。おかしなことを仰るんですね。殿下は殿下ですわ」
「フロル…!」
懇願するようにフロレンツィアを見つめるベルトランドだったが、フロレンツィアはそんなベルトランドの視線をまるっと無視している。
そしてようやく諦めたのか、ベルトランドが大きく溜息をつき、改めてビクトリアに視線を戻した。
「…と、言う訳だ。分かってくれたか、ビクトリア嬢」
「え、全然」
説明を省きすぎだ。
何が「と、言う訳だ」だ。
それをフロレンツィアが呆れたように眺め、そしてこちらも分かりやすい程わざとらしく溜息をついた。
「…殿下、それではあまりにもビクトリアさんに失礼ですわ。謝罪もまともにできないのであれば、お時間を割いていただいた意味がありません」
「わ、分かっている!」
「あ、あの…」
一体何に対する謝罪なのか分からずビクトリアがおずおずと声を出す。
すると助け舟を出すかのように、カサンドラが口を開いた。
「不甲斐ない男性達のせいでビクトリアさんが悪者にされた事を謝罪しているんですよ」
「ああ、マルカの事ですか。今更?」
「ぐっ…」
「そもそも最初にマルカが失礼な態度ばかりだからきちんと分からせる為に色々計画したのに、まさか殿下やヒース様達がマルカに落とされるなんて思いもしなかったです」
「「落とされてない!!」」
ベルトランドとヒースが見事にハモる。
けれどビクトリアはそんな二人を冷ややかな目で眺めた。
「マルカを名前で呼んでおいて?ご自分達の名を呼ぶ事も許可しておいて?お二人共ご自分の立場を分かってるんですか?殿下は勿論王族ですし、ヒース様はその護衛騎士なんでしょう?こうも簡単にハニートラップにかかるなんて、もう一度教育しなおしてもらったらどうです?」
「ビクトリア嬢…それはさすがに言い過ぎでは…!」
「一番殿下をお守りしないといけないヒース様がそれを言います?貴方が一番しっかりしないといけないんですよ?」
「ビクトリア、それもうアルフォンス様に言われた…」
「へー、知りませんが」
言い出したらムカムカしてきたビクトリアの口撃は止まらない。
アルフォンスに言われたのなら猶更何故まだマルカを放置しているのか。
本当に婚約者が大切なら、どちらを優先するべきか分かるだろうに。
「まあ、殿下やヒース様がマルカを選んだとしても私には全く関係ありませんし、もうマルカと友人関係を解消しましたのでこれ以上できる事はありませんから」
「ホークス嬢を選ぶ事なんて天地がひっくり返ってもありえない!」
「そうだぜ、ビクトリア!お、俺は…カシー以外選ぶ事なんてない!」
「そういうのはお互いの婚約者のお二人に直接仰ってください。私に宣言されても仕方ありません」
「…フロル、どうすればいい?ビクトリア嬢が全く取り合ってくれない…」
「頑張ってくださいませ」
「カシー、助けてくれ…」
「知らないわ」
フロレンツィアとカサンドラはとてもいい笑顔で二人を拒絶する。
それを黙って見ていたライモンドは、小さく息を吐いてビクトリアへ一歩近づいた。
「ビクトリア嬢、君が怒る気持ちも分かるが…二人を許してやってくれないか」
「許すも何も関係ないと言ってるんです」
「そう意固地にならなくてもいいだろう。ベルトランド殿下もヒースも反省している」
「…状況が全く変わってないのに、どうやって許せと?」
ビクトリアがマルカを虐めているという図は全く変わっていない。
それどころか最近はレオカディオと一緒にいる事にも嫉妬され、どちらかと言えばビクトリアが嫌がらせをされている始末だ。
それなのにマルカは顔を合わせればビクトリアを非難し、涙を浮かべてライモンドに縋りついている。
これで「許せ」だなんて、どの口で言うのか。
「お話がそれだけでしたら失礼します」
「ま、待ってくれ!フ、フロル…!」
「…仕方ありませんわね」
ベルトランドが縋るようにフロレンツィアを見つめると、フロレンツィアがやれやれと言った様子でビクトリアに歩み寄り、そっと手を握った。
「ビクトリアさん、わたくし達も貴女に謝罪します。ビクトリアさんがわたくしやカサンドラ様を庇ってくださっていたのは分かっていたのに、自分可愛さに貴女を一人にしました」
「それは…」
「私も、保身にまわってしまってごめんなさい」
「カサンドラ様まで…」
カサンドラもビクトリアに近付き、頭を下げて謝る。
フロレンツィアとカサンドラに頭を下げられ、ビクトリアは盛大に溜息をついた。
「はぁ…もう、お二人共お顔を上げてください!フロレンツィア様とカサンドラ様にそんな風にされたら、許さない訳にいかないじゃないですか!」
「まあ、ビクトリアさん…」
「本当にごめんなさい」
「もういいですよ。それに殿下達も、反省してるのならもういいです」
「「ほ、本当か!?」」
これまたベルトランドとヒースの声が見事にハモる。
これ以上意地を張ってもいい事なんて一つもないし、後味も悪いだけだ。
だが、謝った以上これからの事をはっきりさせておきたい。
「それで殿下、今後はどうなさるんですか?」
ビクトリアがスッと表情を変え、ベルトランドを見つめる。
その視線にベルトランドも真顔になる。
「まずはホークス嬢を排除する」
「排除って」
「ああ、勘違いするなよ?とりあえず今まで通り近寄って来ても相手にしないって事だ」
「…ヒース様、それ最初からしてくださいよ」
「それを言うなって。だが、今後は厳しく注意するさ」
「分かりました。それで、ライモンド様はどうなさるんですか?」
今度はアルフォンスにハニートラップを命令されているライモンドに視線を向けると、ライモンドは少し考えるような素振りを見せた後、今後の事について意見を口にした。
「私の場合はアルフォンス様の命令が基本だが、ベルトランド殿下やヒースが正気に戻れば好きにしていいと言われてる」
「ではもう同じようにマルカを相手にしなくなると言ったところですか?」
「そうだな、正直もう疲れすぎて神経がすり減ってる」
「そ、それは…お疲れ様です…」
確かにマルカと一緒にいる時の、ライモンド様の表情は死んだような目をしていたなとビクトリアが苦笑する。
だが、そんなビクトリアにライモンドがとんでもない事を言い出した。
「ビクトリア嬢、笑ってはいるが私や殿下達が彼女を相手にしなくなれば、その矛先は間違いなくアクレスに行くぞ」
「…え、レオ様に…ですか?」
突然のレオカディオの名前にビクトリアが驚いて目を丸くする。
「私や殿下達にこだわる理由が良く分からんが、見目の良い高位貴族の子息と言えば、アクレスも間違いなくその条件に当てはまるだろう」
「それは…」
そうかもしれないが。
マルカの物語にはレオカディオの名前は出ていなかった。
「実際ビクトリア嬢がアクレスと一緒にいる時に、彼女は必ず声をかけて君を陥れるような言葉を投げかけていた」
「…」
確かに、いつもレオカディオにチラチラと視線を向け、意識した行動をしていた。
それは気付いてはいたが、彼女の攻略対象ではないので気にしないようにしていた。
「…私、ちょっと用事を思い出しましたので…失礼します」
表情を消したビクトリアは、突然思い立ったかのようにその場でお辞儀をすると、慌てて生徒会室から出て行く。
ベルトランド達が声をかけていたが、今はそんな事どうでもよかった。
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