グラサン幼女の異世界とらべるっ! ~最強の【魔眼】を宿す転生幼女は、もふかわ神獣を連れてスローライフな旅路を楽しみます~

空戯ケイ

文字の大きさ
18 / 44
第1章 始まりの街『グリィト』

第16話  冒険者らしくドレスアップ!

 グリィトの街にある、とあるお洋服店。 
 わたしはシャラララ~、と試着室のカーテンを開ける。
 と、黄色い歓声があがる。

「きゃあ~~っ! 可愛いっ! とっても可愛いわぁ、アイリちゃ~~んっ!!」
「あ、あはは……そ、そうですかね?」

 わたしはもじもじと照れながらジェシーさんの絶賛を浴びた。
 試着室の全身鏡に映るのは、冒険者っぽい装いにチェンジした幼女わたしの姿。
 全体的にはひらりとしたワンピースっぼい形の可愛らしい服だけど、作りはしっかりとしていて、雰囲気的にも可愛さと冒険者らしさを併せ持ったデザインだった。

 拍手して大絶賛してくれるジェシーさんの後ろで同じく見守ってくれていた、ベルドさんとマーレスさんも頷く。

「いいじゃないか! 似合ってるぞ、アイリ!」
「可愛らしくもあり、冒険者らしくもある、ちょうど良いバランスの服だな」
「あ、ありがとうございます!」

『可愛い』だなんてこんなに連呼されたのは初めてだ。
 単純に反応に困るけど、とっても嬉しい。
 ただ、前から思っていたことではあるけど――――

「……グラサンしてると、どんな可愛い服でもやっぱ怪しさが勝っちゃうな」

 とはいえ、言っても仕方ないこと。
 わたしの人生はしばらくこのグラサンを手放せない縛りがあるのだから。
 モッフィが退屈そうにあくびをする。

「ほれ、アイリよ。いつまでこの店にいるつもりじゃ? 我はまだくろわっさんを食しておらんぞ!」
「モッフィはわたしより食い気が優先か……」

 わたしがせっかく冒険者っぽくドレスアップしたっていうのに、モッフィの反応は冷めたものだ。
 ふん、いいもん!
 わたしはわたしで満足できればいいんだから!
 昨日までのわたしはセリエーヌちゃんが山小屋で着ていたどこにでもあるような服だったけど、こうして装いを変えたら気分も上がってくるってもんだ!

 それに今のわたしはとってもキューティー!
 グラサンの怪しさを差し引いても、ちっちゃ可愛いセリエーヌちゃんの幼女ボディならば、どんなお洋服でも抜群に着こなしてしまうだろう。
 前世のもっさりした芋女だった頃のわたしとは大違いだ。

 試着室の全身鏡の前でふりふりと体を回してテンションを上げていると、ベルドさんが明るい声で言った。

「アイリも気に入ってるみたいだし、その洋服は俺たちがプレゼントしよう!」
「え!? いや、そんな悪いですよ!」

 わたしは反射的にお洋服のタグを見た。
 記載されている額は、金貨二十五枚――日本円にして、二十五万円!?
 うぎゃあ! なんだこの高級品は!?
 値段見てなかったけど、こんな高いお洋服だったの!? 
 余裕でわたしの全財産吹っ飛ぶ額なんだけど!!

「いいんだよ。昨日、俺たちをブラックアントの群れから助けてくれたお礼だ。それに、その洋服なら物理・魔法の両方に耐性があって防護性に優れてるから、これから仕事クエストをするにも安心だぞ」
「そうそう! まだちゃんとしたお礼できていなかったし、そのお洋服受け取ってアイリちゃん!」
「アイリはまだ子供だ。そう気を遣う必要はない」

 ベルドさんの提案に、ジェシーさんもマーレスさんも賛成した。
 金貨二十五枚という大金に申し訳なさは感じる。
 で、でも、そんなに言ってくれるなら、お言葉に甘えてもいいのかな……?
 わたしは笑顔でペコリと頭を下げた。

「あ、ありがとうございます! このお洋服で、冒険者活動がんばります!」

 こうして、わたしは異世界らしく可愛いお洋服をゲットしたのだった。
 ベルドさん、ジェシーさん、マーレスさん、ありがとうございます!!

感想 2

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~

草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。 勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。 だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。 勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。 しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ! 真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。 これは少女と世話焼き神獣の癒しに満ちた気ままな旅の物語!

ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~

うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」 探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。 探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼! 単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。 そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。 小さな彼女には秘密があった。 彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。 魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。 そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。 たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。 実は彼女は人間ではなく――その正体は。 チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

ma-no
ファンタジー
 神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。  その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。  世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。  そして何故かハンターになって、王様に即位!?  この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。 注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。   R指定は念の為です。   登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。   「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。   一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。