ホラーの詰め合わせ

斧鳴燈火

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その他

中間テスト

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高校に入るとイジメられるようになった。
しばらく不登校ののち、久しぶりに学校にいくといじめっ子は転校していた。
それでもイジメは終わらない。
ある日クラスに転校生がやってくる。
長い金髪に耳には校則違反のピアスをした女の子だ。
その子は軽い挨拶をすると席につく。
僕の隣の席だ。僕はクラスで孤立していたが、何の事情も知らない彼女は、話しかけると笑顔で答えてくれた。

彼女は素行が悪く、よく先生に呼び出された。
ヤンキーで暴力的だったため、クラスでもういていた。
話し相手も僕くらいなものだ。

中間テストが始まる。
「それでは始め!」先生の声で一斉に問題に取り掛かる。
クラスには鉛筆の音だけが聞こえる。
転校生の手が止まる。「う~ん」と唸っている。
早くも問題に詰まっているようだ。
「なあ、問三の答え教えろよ」
横をみると転校生だ。
「駄目だよ。テスト中だよ」
と僕が言うと「いいから、教えろよ」と催促してくる。
「テストの不正をして先生にバレたらどうするんだよ。君はいいけど、僕を巻き込まないでくれ!」
それを聞くとクスクス笑う。
「バレるわけないだろ」
「…だってお前もう死んでるじゃん」
彼女の言葉は僕の心を砕いた。
「死んでいる?僕が…」
「そうだよ。だから安心しろ、先生には見えないから」
「そんなはずない!だって、君には見えてるじゃないか」
「もー面倒くさいなー」
彼女は手を伸ばす。手は僕の体に触れることなく、突き抜ける。あっ。
走馬灯のように過去の映像が思い出される。
僕はいつものように屋上に呼び出される。ふざけて、いたぶられたあと、突き飛ばされたんだ。そうだ。落ちて行くときも笑い声が聞こえてたっけ。
グシャリ。西瓜が割れるように頭蓋が飛散した。
過呼吸になりながら僕は全てを理解した。
「それでも駄目です」
僕は不正をするのが嫌いだった。そんなのだから虐められた。でもそれが僕の性分なのだ。
「なんでだよ。死んでたこと教えてあげたじゃん!」
「駄目です」
「教えてくれたら、ほら」
彼女はチラッとスカートの裾を捲る。
僕には刺激が強すぎた。
あ、僕の体は透明になり、空気に混じって消えてしまう。
最後の力を振り絞った。
「問3の答えは◯です」
それが僕のだした答えだ。多くは語るまい。
色即是空。僕はこの世に未練がなくなり、成仏した。
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