ホラーの詰め合わせ

斧鳴燈火

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その他

狂気の箱

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「ども、こんにちは!」
お笑いコンビの2人は舞台に立つ。
「あかん、ホテル代一人分しかない。どないしよー」
「それなら任せて」
相方の女が鞄の中にはいる。
「これで代金一人分でホテル泊まれる!」
「それは名案!あかん、重くて運べへん」
相方の男が、女の入った鞄を運ぼうとするが、重すぎて動かないアクションをする。
「「どうもありがとうございました!」」


華やかな舞台とは対照的に楽屋の2人は深刻な顔をしている。
「コンビ解散しよ…」男の芸人が決心したように言う。
「十年やって、ずっと考えてた。ちっとも売れないしこのままじゃ、駄目だって」
「でも…そしたら私はどうなるのよ…」
「ごめん、」
楽屋に重苦しい空気が流れた。


先輩芸人が一人になった女芸人を励ます為に、飲みに誘う。
「私、どうしたら、いいですかね?今までネタは相方が作ってまして…」ネタ作りは相方が殆ど作っていて、それで舞台にたっていた。自分で一から作ったことなどほぼなかった。
「そやな、いままでのネタをベースに、自分の笑いをやりきったらいいんちゃうかな」
「いままでのをベースに…」
「突き抜けた先にお笑いあんねん」
「はい!そうします。アドバイスありがとう御座います!」
今まで体の柔らかさをいかしたお笑いをやってきた。それをベースにネタ作りしてみよう。
光明がみえてきた気がした。


それから、暫くたった。
「なんや、あいつ呼び出してからに…」
相方の男は女に呼び出されていた。
それで昔住んでいた古アパートにやってきた。
解散してから、会うのは久しぶりだ。
今はソロで頑張っているらしい。
「ピンポーン」
チャイムを鳴らすが誰もでない。
「何だよ。呼び出しといて、留守か…」
何の気なしにドアノブを回すと扉が開く。
「ギィィ」
「不用心やな。おい、いるか!あがらせて貰うで」
テーブルの上に木箱が置いてある。
「なんやこれ…」
木箱は血だらけで、床下にノコギリが落ちている。
携帯のラインがなる。
「ソロでやる新作のネタ出来たんだ。見てくれないか?」
とメッセージには書かれている。
「新作?」それより箱が気になって仕方ない。
「それより、何処にいるんだ?」と返信する。
「箱を開ければわかるで」
「はこぉ?」
恐る恐る箱を開けた。
「アッハッハッハ、箱入り娘だよ!」
中には、木箱の中にみっちり詰まった相方の姿があった。
箱に入る為に足を切断したのだろう。中は血だらけである。
「アッハッハッハ!」「アッハッハッハ!…」
まるで壊れたビックリ箱のように笑い続け。
その笑いは耳にこびりついて離れなかった。




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