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崖へ⑥
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勝敗がついたところで、審判の笛の音が辺りに響き渡る。
リリアム含め鳥人は皆、競争現場へと足を運ぶ。
そして審判により告げられた。
「第二回戦、勝者…………カシム!!」
予想外の出来事にどよめく。
あの族長が二回戦目も負けるだなんて。
まだ本気を出していないのか?
最後に圧勝するためにワザと負けてるに違いない。
リリアムは小さくガッツポーズをする。
そして族長弟に視線を向け、ニヤリと笑ってみせた。
その視線に気づき、族長弟の笑顔が引きつる。
族長は息を切らしながら、それでもカシムを睨む。
まだ闘志はあるようだ。
カシムはカシムで涼しい顔をしている。
鳥人と悪魔では基礎能力がそもそも違う。
普段は知識が足りない為活かし切れてはいないが、絶大な魔力を保有している。
仮に魔力切れを起こしても、いつもは使用していない悪魔族特有の翼を出せばまだしばらくは飛ぶ事が出来たのだった。
対して鳥人は己の翼でのみ飛行が可能だ。
翼が疲労してしまえば当然飛び続けることは出来ない。
なので、第二回戦についてリリアムからの案は特になかった。
この勝敗は見る人が見れば当然の結果なのだ。
ただ、翼のみでの対決であれば鳥人の圧勝だったかもしれない。
今回ばかりはこちらを見下して、ろくに調査もせず勝負を仕掛けてくれて良かったと思った。
第二回戦は疲労が大きいという事で、第三回戦は翌日行われる事になった。
疲労困憊していた族長も回復し、最初の頃とは違い闘争心が剥き出しである。
ここで圧勝せねば、見下してた奴の仲間にならなければならない。
それだけは絶対に阻止したい。
カシムは相変わらずの涼しい顔をしている。
脳内では少女に言われた事を反復していた。
そして審判が前にやってきた。
「第三回戦!!ルールはこちらの弓と槍を使用し狩りを行ってもらいます」
指定の弓と槍を使い、指定された動物や魚を指定された数だけ狩ってくるというものだ。
魔法の使用不可。
狩りに掛かった時間数と前回までの時間数を合わせて、少ない方が力比べの勝者となる。
普段狩りで生計をたてている鳥人にとって、非常に有利なものだ。
ここで負けたら、笑い者である。
「位置について………よぉーい!!」
ピィィィィィィイイイイイ!!!
笛が鳴ると同時に狩りに向かう。
何度もやってきた狩り、当然どの生き物が何処にいるのかも把握している。
幸先良く、目当ての動物を見つけた。
いつものように狙いを定めて打つ。
一発命中、頭を貫いた。
複数の動物は持てない為、スタート地点へ一旦置きに戻る。
相手はまだ一匹も持ってきていないようだ。
すぐさま次の獲物を探しに行く。
が、少し苦戦。
なかなか獲物が見つからない。
それからややあって、遠くに姿が見えた。
この動物は警戒心が強いから、気をつけないとすぐに逃げてしまう。
殺気を出さないよう、ゆっくりと近付き矢を射る………命中。
これで動物のターンは終わりだ。
次は魚に取り掛かる。
動物を置きにいった後、槍を手に持ち、海面から様子を窺う。
目的の魚がチラッと見えた瞬間、翼をすぼめ、鋭く海に入る。
そして槍を構え、一気に突く。
魚の胴体に突き刺さった。
陸に上がり、獲物を網に入れ、次の魚を探しに行く。
しかも運良くすぐに見つかった。
逃げられない様注意しつつ狙いを定め飛び込む。
槍で一突き、捕らえることが出来た。
これで魚も終了。
もしかしたらいつもより早いのではないかとウキウキしながら急いで戻る。
しかし、既に相手が戻っているのが目に入り、高揚から一転、奈落にでも突き落とされた気持ちになった。
「うそ……でしょ……」
リリアム含め鳥人は皆、競争現場へと足を運ぶ。
そして審判により告げられた。
「第二回戦、勝者…………カシム!!」
予想外の出来事にどよめく。
あの族長が二回戦目も負けるだなんて。
まだ本気を出していないのか?
最後に圧勝するためにワザと負けてるに違いない。
リリアムは小さくガッツポーズをする。
そして族長弟に視線を向け、ニヤリと笑ってみせた。
その視線に気づき、族長弟の笑顔が引きつる。
族長は息を切らしながら、それでもカシムを睨む。
まだ闘志はあるようだ。
カシムはカシムで涼しい顔をしている。
鳥人と悪魔では基礎能力がそもそも違う。
普段は知識が足りない為活かし切れてはいないが、絶大な魔力を保有している。
仮に魔力切れを起こしても、いつもは使用していない悪魔族特有の翼を出せばまだしばらくは飛ぶ事が出来たのだった。
対して鳥人は己の翼でのみ飛行が可能だ。
翼が疲労してしまえば当然飛び続けることは出来ない。
なので、第二回戦についてリリアムからの案は特になかった。
この勝敗は見る人が見れば当然の結果なのだ。
ただ、翼のみでの対決であれば鳥人の圧勝だったかもしれない。
今回ばかりはこちらを見下して、ろくに調査もせず勝負を仕掛けてくれて良かったと思った。
第二回戦は疲労が大きいという事で、第三回戦は翌日行われる事になった。
疲労困憊していた族長も回復し、最初の頃とは違い闘争心が剥き出しである。
ここで圧勝せねば、見下してた奴の仲間にならなければならない。
それだけは絶対に阻止したい。
カシムは相変わらずの涼しい顔をしている。
脳内では少女に言われた事を反復していた。
そして審判が前にやってきた。
「第三回戦!!ルールはこちらの弓と槍を使用し狩りを行ってもらいます」
指定の弓と槍を使い、指定された動物や魚を指定された数だけ狩ってくるというものだ。
魔法の使用不可。
狩りに掛かった時間数と前回までの時間数を合わせて、少ない方が力比べの勝者となる。
普段狩りで生計をたてている鳥人にとって、非常に有利なものだ。
ここで負けたら、笑い者である。
「位置について………よぉーい!!」
ピィィィィィィイイイイイ!!!
笛が鳴ると同時に狩りに向かう。
何度もやってきた狩り、当然どの生き物が何処にいるのかも把握している。
幸先良く、目当ての動物を見つけた。
いつものように狙いを定めて打つ。
一発命中、頭を貫いた。
複数の動物は持てない為、スタート地点へ一旦置きに戻る。
相手はまだ一匹も持ってきていないようだ。
すぐさま次の獲物を探しに行く。
が、少し苦戦。
なかなか獲物が見つからない。
それからややあって、遠くに姿が見えた。
この動物は警戒心が強いから、気をつけないとすぐに逃げてしまう。
殺気を出さないよう、ゆっくりと近付き矢を射る………命中。
これで動物のターンは終わりだ。
次は魚に取り掛かる。
動物を置きにいった後、槍を手に持ち、海面から様子を窺う。
目的の魚がチラッと見えた瞬間、翼をすぼめ、鋭く海に入る。
そして槍を構え、一気に突く。
魚の胴体に突き刺さった。
陸に上がり、獲物を網に入れ、次の魚を探しに行く。
しかも運良くすぐに見つかった。
逃げられない様注意しつつ狙いを定め飛び込む。
槍で一突き、捕らえることが出来た。
これで魚も終了。
もしかしたらいつもより早いのではないかとウキウキしながら急いで戻る。
しかし、既に相手が戻っているのが目に入り、高揚から一転、奈落にでも突き落とされた気持ちになった。
「うそ……でしょ……」
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