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おめでとう
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セイの誕生日前日。
ソーマはいつも以上に帰りが遅くなった。
セイには先に食事をして寝ていてくれと伝えたため、日付が跨ごうとしている時間に出来るだけ音を立てずに家に入る。
しかし、
「おかえり、ソーマ」
と、静かな声がソーマを迎えてくれた。
いつも通り腕を広げてくれる胸に、すぐに雪崩れ込みそうになる体をソーマはグッと抑える。
疲れ果てた体で抱きついたら、そのまま動けなくなりそうだった。
「ね、寝ててくれって言ったのに……っんぅ」
遠慮がちに紡いだ言葉を遮り抱きしめられた。驚いている間に、唇を塞がれる。
柔らかく啄まれると、条件反射で唇が開いていく。そこから温かい舌が侵入してきた。
「……、っはぅ」
舌は歯列をなぞって、更に中に侵入してくる。
顎裏を舐められれば、背筋がゾクっと跳ねた。
いつもの「おかえりなさい」の儀式とは違う口付けに不意をつかれ、疲労も相まってソーマの足が力を失っていく。
ソーマがセイの寝巻きを掴んで縋ると、支えるように強く腰を引き寄せられ唇はゆっくり離れた。
熱を持った翡翠のような瞳が、気遣わしげに覗き込んでくる。
「……、こんなに遅くなるのは流石に珍しいだろ? 疲れてるに決まってる恋人を放って寝たりしないさ。風呂はどうする? 飯は食ったか?」
(ほんと好き……結婚して……)
朦朧とした頭に浮かんだ内容は言葉になることはなく。
「か、軽く、食べたから……シャワーだけでも、んっ……浴びようかな……」
乱れた息をセイの胸で整えながら、何とかまともな言葉を絞り出す。
その間もセイの尻尾がソーマの尻尾の周辺を撫でているせいでもどかしく腰が揺れた。
返答を聞いたセイは、茶色の耳を撫でて微笑みかけてくる。
「ん、じゃあ着替えをとってくる」
「ま、待ってくれ!」
離れそうな体を、改めて背中に腕を巻き付けて引き留めた。
細く引き締まった体の動きを止めて、セイは目を瞬かせてソーマを見る。
「どうした?」
「えっと……」
ソーマは目線をうごかし、靴箱の上に置いてある円形の置き時計の針を見た。
(3……2……1……!)
3本の針が一斉に天辺を指すと共に、改めてセイを強く抱きしめる。
体重をかけるとセイの体がぐらついたが、気にせずに明るい笑顔を向けた。
「セイ、誕生日おめでとう!」
「……!」
目を大きく見開くセイの頬に、ソーマは柔らかくキスを落とす。
驚きながらも傾きかけた体勢を立て直したセイは、小さく呟いた。
「そういえばそうだったな……」
「忘れてたのかよ! こないだ言ったばっかなのに!」
ソーマは思わず、至近距離で大きな声を放った。
自分の誕生日を忘れることがあるだろうか。ソーマには信じられないことであった。
しかし本気で頭から抜け落ちていたらしいセイは、穏やかに苦笑してソーマの後頭部を撫でる。
「お前が遅くなるから、どうやって迎えるかだけ考えてたよ。マッサージでもするか、とか」
頭の中がソーマのことでいっぱいなのだと、いつも言っているセイの言葉は本当だったらしい。
ソーマは嬉しさと照れくささが混ざって、大げさに溜息をついた。
ソーマはいつも以上に帰りが遅くなった。
セイには先に食事をして寝ていてくれと伝えたため、日付が跨ごうとしている時間に出来るだけ音を立てずに家に入る。
しかし、
「おかえり、ソーマ」
と、静かな声がソーマを迎えてくれた。
いつも通り腕を広げてくれる胸に、すぐに雪崩れ込みそうになる体をソーマはグッと抑える。
疲れ果てた体で抱きついたら、そのまま動けなくなりそうだった。
「ね、寝ててくれって言ったのに……っんぅ」
遠慮がちに紡いだ言葉を遮り抱きしめられた。驚いている間に、唇を塞がれる。
柔らかく啄まれると、条件反射で唇が開いていく。そこから温かい舌が侵入してきた。
「……、っはぅ」
舌は歯列をなぞって、更に中に侵入してくる。
顎裏を舐められれば、背筋がゾクっと跳ねた。
いつもの「おかえりなさい」の儀式とは違う口付けに不意をつかれ、疲労も相まってソーマの足が力を失っていく。
ソーマがセイの寝巻きを掴んで縋ると、支えるように強く腰を引き寄せられ唇はゆっくり離れた。
熱を持った翡翠のような瞳が、気遣わしげに覗き込んでくる。
「……、こんなに遅くなるのは流石に珍しいだろ? 疲れてるに決まってる恋人を放って寝たりしないさ。風呂はどうする? 飯は食ったか?」
(ほんと好き……結婚して……)
朦朧とした頭に浮かんだ内容は言葉になることはなく。
「か、軽く、食べたから……シャワーだけでも、んっ……浴びようかな……」
乱れた息をセイの胸で整えながら、何とかまともな言葉を絞り出す。
その間もセイの尻尾がソーマの尻尾の周辺を撫でているせいでもどかしく腰が揺れた。
返答を聞いたセイは、茶色の耳を撫でて微笑みかけてくる。
「ん、じゃあ着替えをとってくる」
「ま、待ってくれ!」
離れそうな体を、改めて背中に腕を巻き付けて引き留めた。
細く引き締まった体の動きを止めて、セイは目を瞬かせてソーマを見る。
「どうした?」
「えっと……」
ソーマは目線をうごかし、靴箱の上に置いてある円形の置き時計の針を見た。
(3……2……1……!)
3本の針が一斉に天辺を指すと共に、改めてセイを強く抱きしめる。
体重をかけるとセイの体がぐらついたが、気にせずに明るい笑顔を向けた。
「セイ、誕生日おめでとう!」
「……!」
目を大きく見開くセイの頬に、ソーマは柔らかくキスを落とす。
驚きながらも傾きかけた体勢を立て直したセイは、小さく呟いた。
「そういえばそうだったな……」
「忘れてたのかよ! こないだ言ったばっかなのに!」
ソーマは思わず、至近距離で大きな声を放った。
自分の誕生日を忘れることがあるだろうか。ソーマには信じられないことであった。
しかし本気で頭から抜け落ちていたらしいセイは、穏やかに苦笑してソーマの後頭部を撫でる。
「お前が遅くなるから、どうやって迎えるかだけ考えてたよ。マッサージでもするか、とか」
頭の中がソーマのことでいっぱいなのだと、いつも言っているセイの言葉は本当だったらしい。
ソーマは嬉しさと照れくささが混ざって、大げさに溜息をついた。
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