11 / 17
第11話 女神様流、洋服の選び方①
しおりを挟む
バスに乗った俺達は隣町のショッピングモールに来ていた。
できたばかりということもあってか建物がデカくて綺麗で、吹き抜けになっている構造が建物全体の統一感を演出している。
「服を買いに行くハズなのにどうして本屋にいるんだ? 確かに僕は本が好きだけど利便性だけならネットで買えばお得だし、何より無くさない」
昔は文庫本派だったが家を出ずに本を購入できて、セール時にはお得に買える。それに最近視力が落ちたため最近は専ら電子書籍派である。
高倍率だと目が楽なのだ。
「本を買いに来たんじゃなくて見に来ただけよ? 服を選ぶにしても私が全て選ぶままだと、ママが選ぶようなファッションから脱却出来ないわよ? まあ勇気くんの場合はお義父さんのセンスだけど……永遠に彼女が途切れない前提なら彼女に服を選んで貰うって手段もあるけど……」
そんなヤリチンムーブができるほど、器用な人間になれる自信はない。
「分かった。ファッション誌で大体の方向性を見定めて実店舗に向かうってことか……」
「その通りだけど多くの場合はお店では買わないわ。実店舗はテナントや人件費分高いことが多いから、同じか似たものをネットで探すのよ……」
「家電屋と同じで服屋もネットと価格を比べられる時代なのか……」
「知識を持った強者が搾取するのは、いついかなる時でも変わらないってことね……センスの有無は気にしなくていいわよ、雑誌やマネキンはどれを選んでも基本的にはおしゃれだから。まあ、洋服には似合う似合わないがあるけど……それは客観的な判断ができる私が止めるから」
「お、おう……」
つまりマネキンや雑誌のコーディネートは、ゲームで言えば攻略サイトや動画で紹介されているテンプレ装備や、厨パのようなモノだと理解すれば分かり易い。
つまりゲームで言えば今はキャラ選択画面と言う訳だ。
格ゲーで言えば遠距離、近距離、投げ、弾幕、トリッキーのように大まかな方向性を定めつつ環境に沿った服装を選ぶことが重要なのだろう。
Ter1は長生きだとだいたい相場が決まっている。
雑誌を眺めると無難そうな服装が目に付いた。
シンプルな服装でもモデルが着るだけで絵になる。
昔プレイしたギャルゲの舞台が被服学校だったので、「日本人が洋服にかけるお金は収入比で言えば世界平均より高額だ。」なんてセリフが出ていたことを思い出した。
「これとか無難な気がする……」
「清潔感を言語的に理解した状態だからかしら、100点に近い装飾のない洋服を選んだわね……でもこれはイケメンにこそ許されるレベルのシンプル差よ。普通レベルは多少なりともアクセントが必要なのよ……」
「もっと腕にシルバー巻くとかって話?」
「シルバーは違うけれど方向性としては似たようなものね。冬服だとしすれば普通のコートではなく装飾のある……トレンチコートを着るとかそう言う感じ、もう一回今の踏まえて選んでみて」
華美ではなくいものの多少は装飾のある服装。
つまり100点ではなく90~80点近い組み合わせを選べと言うことだろう。
うーん。と唸なりながら、「条件に当てはまるか?」と思える組み合わせを見つけ指を指した。
指をさして気が付いたがズボンだけでも38,000円と大変高額だ。
ズボンは使い回しが効くとは言え、一着で万金をポンポン払えるほど金に余裕はない。
ズボンでこれならジャケットは……値札を見るのが正直怖い。
「合格よ。その洋服が売っているお店に行きましょうか」
春姫はそう言うと僕から雑誌を奪い取ると売り場に戻し、モール移動する。
そうして到着したのは小洒落た洋服店が立ち並んだ区画で、軒を連ねる店の展示物からして学生の僕には場違いな気がする。
“僕” であって “僕達” でないところが重要なんだけど……僕の隣にいる春姫さんは大人びた容姿や体型も相まって凄くマッチしているように感じる。
財布の中には六万ほど衣装代として父さんに貰ったけど、使い回しの効き辛い上着には払いたくない金額だ。
「高い洋服を何着も買う余裕はないぞ?」
「大丈夫よ。ここのお店そんなに高くないもの」
春姫は僕を先導するように歩いていく。
本来デートであれば男の僕がエスコートするべきなのだけど、これだけ頼もしい姉がいては口を挟むのは邪魔になる気がする。
春姫はそう言うとハンガーに掛かったジャケットを手渡す。
値札を見て見ると一万円を切っている。
ブランドモノと考えるとかなりお手頃と言える。
「意外と安いんだなちゃんとしたやつを買うんだろ?」
「高いものを買えばいいってわけじゃないのよ? 商品をきちんと見て安いやつを買うの。それが出来ない人って男女ともに多いのよ」
「そういうものか……」
春姫さんは口にしなかったが、そういう高級志向の女が簡単に稼ぐために、売春などに手を出して水商売のハードルが下がりなんやかんやで梅毒が流行るんだよ! 心の中の冷笑系が顔を覗かせる。
できたばかりということもあってか建物がデカくて綺麗で、吹き抜けになっている構造が建物全体の統一感を演出している。
「服を買いに行くハズなのにどうして本屋にいるんだ? 確かに僕は本が好きだけど利便性だけならネットで買えばお得だし、何より無くさない」
昔は文庫本派だったが家を出ずに本を購入できて、セール時にはお得に買える。それに最近視力が落ちたため最近は専ら電子書籍派である。
高倍率だと目が楽なのだ。
「本を買いに来たんじゃなくて見に来ただけよ? 服を選ぶにしても私が全て選ぶままだと、ママが選ぶようなファッションから脱却出来ないわよ? まあ勇気くんの場合はお義父さんのセンスだけど……永遠に彼女が途切れない前提なら彼女に服を選んで貰うって手段もあるけど……」
そんなヤリチンムーブができるほど、器用な人間になれる自信はない。
「分かった。ファッション誌で大体の方向性を見定めて実店舗に向かうってことか……」
「その通りだけど多くの場合はお店では買わないわ。実店舗はテナントや人件費分高いことが多いから、同じか似たものをネットで探すのよ……」
「家電屋と同じで服屋もネットと価格を比べられる時代なのか……」
「知識を持った強者が搾取するのは、いついかなる時でも変わらないってことね……センスの有無は気にしなくていいわよ、雑誌やマネキンはどれを選んでも基本的にはおしゃれだから。まあ、洋服には似合う似合わないがあるけど……それは客観的な判断ができる私が止めるから」
「お、おう……」
つまりマネキンや雑誌のコーディネートは、ゲームで言えば攻略サイトや動画で紹介されているテンプレ装備や、厨パのようなモノだと理解すれば分かり易い。
つまりゲームで言えば今はキャラ選択画面と言う訳だ。
格ゲーで言えば遠距離、近距離、投げ、弾幕、トリッキーのように大まかな方向性を定めつつ環境に沿った服装を選ぶことが重要なのだろう。
Ter1は長生きだとだいたい相場が決まっている。
雑誌を眺めると無難そうな服装が目に付いた。
シンプルな服装でもモデルが着るだけで絵になる。
昔プレイしたギャルゲの舞台が被服学校だったので、「日本人が洋服にかけるお金は収入比で言えば世界平均より高額だ。」なんてセリフが出ていたことを思い出した。
「これとか無難な気がする……」
「清潔感を言語的に理解した状態だからかしら、100点に近い装飾のない洋服を選んだわね……でもこれはイケメンにこそ許されるレベルのシンプル差よ。普通レベルは多少なりともアクセントが必要なのよ……」
「もっと腕にシルバー巻くとかって話?」
「シルバーは違うけれど方向性としては似たようなものね。冬服だとしすれば普通のコートではなく装飾のある……トレンチコートを着るとかそう言う感じ、もう一回今の踏まえて選んでみて」
華美ではなくいものの多少は装飾のある服装。
つまり100点ではなく90~80点近い組み合わせを選べと言うことだろう。
うーん。と唸なりながら、「条件に当てはまるか?」と思える組み合わせを見つけ指を指した。
指をさして気が付いたがズボンだけでも38,000円と大変高額だ。
ズボンは使い回しが効くとは言え、一着で万金をポンポン払えるほど金に余裕はない。
ズボンでこれならジャケットは……値札を見るのが正直怖い。
「合格よ。その洋服が売っているお店に行きましょうか」
春姫はそう言うと僕から雑誌を奪い取ると売り場に戻し、モール移動する。
そうして到着したのは小洒落た洋服店が立ち並んだ区画で、軒を連ねる店の展示物からして学生の僕には場違いな気がする。
“僕” であって “僕達” でないところが重要なんだけど……僕の隣にいる春姫さんは大人びた容姿や体型も相まって凄くマッチしているように感じる。
財布の中には六万ほど衣装代として父さんに貰ったけど、使い回しの効き辛い上着には払いたくない金額だ。
「高い洋服を何着も買う余裕はないぞ?」
「大丈夫よ。ここのお店そんなに高くないもの」
春姫は僕を先導するように歩いていく。
本来デートであれば男の僕がエスコートするべきなのだけど、これだけ頼もしい姉がいては口を挟むのは邪魔になる気がする。
春姫はそう言うとハンガーに掛かったジャケットを手渡す。
値札を見て見ると一万円を切っている。
ブランドモノと考えるとかなりお手頃と言える。
「意外と安いんだなちゃんとしたやつを買うんだろ?」
「高いものを買えばいいってわけじゃないのよ? 商品をきちんと見て安いやつを買うの。それが出来ない人って男女ともに多いのよ」
「そういうものか……」
春姫さんは口にしなかったが、そういう高級志向の女が簡単に稼ぐために、売春などに手を出して水商売のハードルが下がりなんやかんやで梅毒が流行るんだよ! 心の中の冷笑系が顔を覗かせる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
洗脳機械で理想のヒロインを作ったら、俺の人生が変わりすぎた
里奈使徒
キャラ文芸
白石翔太は、いじめから逃れるため禁断の選択をした。
財閥令嬢に自作小説のヒロインの記憶を移植し、自分への愛情を植え付けたのだ。
計画は完璧に成功し、絶世の美女は彼を慕うようになる。
しかし、彼女の愛情が深くなるほど、翔太の罪悪感も膨らんでいく。
これは愛なのか、それとも支配なのか?
偽りの記憶から生まれた感情に真実はあるのか?
マッチポンプ(自作自演)の愛に苦悩する少年の、複雑な心理を描く現代ファンタジー。
「愛されたい」という願いが引き起こした、予想外の結末とは——
高校生なのに娘ができちゃった!?
まったりさん
キャラ文芸
不思議な桜が咲く島に住む主人公のもとに、主人公の娘と名乗る妙な女が現われた。その女のせいで主人公の生活はめちゃくちゃ、最初は最悪だったが、段々と主人公の気持ちが変わっていって…!?
そうして、紅葉が桜に変わる頃、物語の幕は閉じる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる