8 / 12
第8話:勇者の頭脳と、賢い受付嬢
しおりを挟む
王都に戻った俺たちは、その足で裏通りの武具店へ向かった。 冒険者ギルドへ登録する前に、リリの格好をどうにかしなければならない。 今の彼女はボロ布を纏った不審者そのものだ。
「いらっしゃ……チッ、なんだ冷やかしか」
店主の親父が、俺たちの身なりを見て舌打ちする。 だが、俺は構わずカウンターに銀貨を5枚、チャリンと積み上げた。
「予算はこれだけだ。小柄な女性用の軽装鎧(ライトアーマー)と、フード付きのローブ。それと短剣(ダガー)を一本頼む」
「あん? 銀貨5枚でそんなに揃うわけ……」
「奥の棚にある『留め具が錆びた革鎧』と、仕入れすぎて余ってる『流行遅れのローブ』。短剣は刃こぼれした中古品でいい。研げば使える」
俺がスラスラと指定すると、親父はギョッとした顔をした。 すべて、店の在庫処分に困っていた品ばかりだからだ。
「……兄ちゃん、同業者か? 目ざといな」
「ただの貧乏人さ。どうなんだ、売るのか売らないのか」
「売るよ! 持ってけ泥棒!」
親父は嬉々として奥から商品を持ってきた。 俺はそれを受け取り、リリに押し付けた。
「ほら、着替えてこい」
「は、はいっ!」
店の隅で着替えてきたリリは、見違えるようだった。 サイズは少し大きいが、革鎧が急所を守り、厚手のローブが華奢な体を隠している。 フードを目深に被れば、目立つ銀髪も隠せる。 これでようやく「冒険者」らしい見た目になった。
「ど、どうでしょうか……ジン様」
リリが恥ずかしそうにローブの裾を摘まむ。
「似合ってるぞ。少なくとも、さっきまでの『捨てられた子犬』よりはマシだ」
「えへへ……ジン様が選んでくれた服……」
リリは頬を染め、ローブの生地に頬ずりをしている。 短剣を腰に差すと、彼女の纏う空気がピリリと引き締まった。 やはり本職は暗殺者だ。武器を持つと様になる。
「よし、行くぞ。本番はここからだ」
残りの銀貨は15枚。 当面の宿代を確保しつつ、俺たちは冒険者ギルドの重い扉を押し開けた。
◇
「おい聞いたか? また北の森でオークが出たらしいぞ」
「マジかよ、勇者パーティに頼めねえのか?」
「あの人らは今、王都の祝賀会で忙しいんだとよ」
ギルドの中は、昼間から酒臭い熱気と喧騒に包まれていた。 荒くれ者たちの視線が、新入りの俺たちに突き刺さる。 特にリリに向けられる視線は粘着質だったが、彼女がフードの奥から冷たい殺気をチラつかせると、男たちは慌てて目をそらした。
俺は真っ直ぐに受付カウンターへ向かった。 いくつかある窓口の中で、一番端の席。 分厚い眼鏡をかけた、神経質そうな女性職員が書類仕事を片付けている窓口を選んだ。
「新規登録を頼みたい」
俺が声をかけると、女性職員――名札には『ミライ』とある――は、顔も上げずに淡々と答えた。
「身分証の提示を。なければ登録料として銀貨1枚」
「以前登録していたカードがある。再発行扱いで頼む」
俺は勇者パーティ時代に使っていた古いギルドカードを差し出した。 すでに除名処分を受けているため、機能は停止しているはずだ。
ミライは面倒くさそうにカードを受け取り、魔道具にかざした。
「……ジン・クラウゼル様ですね。照会します」
彼女の目が、眼鏡の奥で光った。 魔道具に表示されたデータと、俺の顔を交互に見比べる。 そして、周囲には聞こえないほどの小声で呟いた。
「……あら。勇者パーティの『頭脳』が抜けちゃったのね」
「――!」
俺はわずかに眉を上げた。 こいつ、気づいたか。
世間一般では、勇者アルスの活躍は「アルスの実力」だと思われている。 俺の名前など、パーティメンバーの一覧の端に載っているだけの「荷物持ち」程度の認識だ。 だが、この受付嬢は正確に把握していた。 誰が作戦を立て、誰が兵站(へいたん)を管理し、誰が被害を最小限に抑えていたのかを。
「……買いかぶりだ。俺はただの『縁起の悪い』雑用係だよ」
「ふふ、そういうことにしておきましょうか」
ミライは意味ありげに笑うと、、手際よく新しいカードを発行した。
「ランクは規定によりFからの再スタートになります。……ですが、実力テストは免除でよろしいですね? あなたが『雑魚』相手に本気を出すと、試験官が死にそうですし」
「助かる。話が早くていい」
やはり有能だ。 俺が「不運」という見えざる武器を使っていることまでは気づいていないだろうが、俺が「ただ者ではない」ことは嗅ぎ取っている。 こういう相手は敵に回すと厄介だが、味方にすれば頼もしい。
「そちらのお嬢さんは?」
「連れだ。新規登録で頼む」
リリがおずおずと前に出る。 ミライはリリを一瞥し、そして俺を見た。
「……『拾った』んですね? 相変わらず、厄介な物件がお好きなようで」
「性分でね。だが、性能は保証する」
「でしょうね。あなたの眼鏡に適うなら、化け物(モンスター)並みでしょう」
ミライは嫌味とも称賛とも取れる言葉を残し、リリの手続きも済ませてくれた。 リリのステータス――特にLUK値の異常さ――を見ても、彼女は眉一つ動かさなかった。 あるいは、俺が何かしらの細工をしていると察したのかもしれない。
「登録完了です。ようこそ、冒険者ギルドへ」
ミライは二枚の新品の銀プレートを差し出した。
「せいぜい、長生きしてくださいね。……今の勇者パーティ、あなたが抜けてから報告書の質が最悪なんですから」
「知ったことか。自業自得だ」
俺は短く切り捨て、カードを受け取った。 背後から、リリが心配そうに覗き込んでくる。
「あの……ジン様。あの方と、お知り合いなんですか?」
「いや? ただの『有能な他人』だ」
俺はニヤリと笑った。 勇者アルスは、自身の強運だけでなく、周囲のこうした「有能な裏方」たちの支えも失いつつあることに、まだ気づいていないだろう。
「行くぞリリ。まずはFランクの依頼(クエスト)で小銭稼ぎだ」
「はいっ! 頑張ります、ジン様!」
俺たちは喧騒の中、ギルドの掲示板へと向かった。 これで身分も装備も整った。 反撃の準備は完了だ。
「いらっしゃ……チッ、なんだ冷やかしか」
店主の親父が、俺たちの身なりを見て舌打ちする。 だが、俺は構わずカウンターに銀貨を5枚、チャリンと積み上げた。
「予算はこれだけだ。小柄な女性用の軽装鎧(ライトアーマー)と、フード付きのローブ。それと短剣(ダガー)を一本頼む」
「あん? 銀貨5枚でそんなに揃うわけ……」
「奥の棚にある『留め具が錆びた革鎧』と、仕入れすぎて余ってる『流行遅れのローブ』。短剣は刃こぼれした中古品でいい。研げば使える」
俺がスラスラと指定すると、親父はギョッとした顔をした。 すべて、店の在庫処分に困っていた品ばかりだからだ。
「……兄ちゃん、同業者か? 目ざといな」
「ただの貧乏人さ。どうなんだ、売るのか売らないのか」
「売るよ! 持ってけ泥棒!」
親父は嬉々として奥から商品を持ってきた。 俺はそれを受け取り、リリに押し付けた。
「ほら、着替えてこい」
「は、はいっ!」
店の隅で着替えてきたリリは、見違えるようだった。 サイズは少し大きいが、革鎧が急所を守り、厚手のローブが華奢な体を隠している。 フードを目深に被れば、目立つ銀髪も隠せる。 これでようやく「冒険者」らしい見た目になった。
「ど、どうでしょうか……ジン様」
リリが恥ずかしそうにローブの裾を摘まむ。
「似合ってるぞ。少なくとも、さっきまでの『捨てられた子犬』よりはマシだ」
「えへへ……ジン様が選んでくれた服……」
リリは頬を染め、ローブの生地に頬ずりをしている。 短剣を腰に差すと、彼女の纏う空気がピリリと引き締まった。 やはり本職は暗殺者だ。武器を持つと様になる。
「よし、行くぞ。本番はここからだ」
残りの銀貨は15枚。 当面の宿代を確保しつつ、俺たちは冒険者ギルドの重い扉を押し開けた。
◇
「おい聞いたか? また北の森でオークが出たらしいぞ」
「マジかよ、勇者パーティに頼めねえのか?」
「あの人らは今、王都の祝賀会で忙しいんだとよ」
ギルドの中は、昼間から酒臭い熱気と喧騒に包まれていた。 荒くれ者たちの視線が、新入りの俺たちに突き刺さる。 特にリリに向けられる視線は粘着質だったが、彼女がフードの奥から冷たい殺気をチラつかせると、男たちは慌てて目をそらした。
俺は真っ直ぐに受付カウンターへ向かった。 いくつかある窓口の中で、一番端の席。 分厚い眼鏡をかけた、神経質そうな女性職員が書類仕事を片付けている窓口を選んだ。
「新規登録を頼みたい」
俺が声をかけると、女性職員――名札には『ミライ』とある――は、顔も上げずに淡々と答えた。
「身分証の提示を。なければ登録料として銀貨1枚」
「以前登録していたカードがある。再発行扱いで頼む」
俺は勇者パーティ時代に使っていた古いギルドカードを差し出した。 すでに除名処分を受けているため、機能は停止しているはずだ。
ミライは面倒くさそうにカードを受け取り、魔道具にかざした。
「……ジン・クラウゼル様ですね。照会します」
彼女の目が、眼鏡の奥で光った。 魔道具に表示されたデータと、俺の顔を交互に見比べる。 そして、周囲には聞こえないほどの小声で呟いた。
「……あら。勇者パーティの『頭脳』が抜けちゃったのね」
「――!」
俺はわずかに眉を上げた。 こいつ、気づいたか。
世間一般では、勇者アルスの活躍は「アルスの実力」だと思われている。 俺の名前など、パーティメンバーの一覧の端に載っているだけの「荷物持ち」程度の認識だ。 だが、この受付嬢は正確に把握していた。 誰が作戦を立て、誰が兵站(へいたん)を管理し、誰が被害を最小限に抑えていたのかを。
「……買いかぶりだ。俺はただの『縁起の悪い』雑用係だよ」
「ふふ、そういうことにしておきましょうか」
ミライは意味ありげに笑うと、、手際よく新しいカードを発行した。
「ランクは規定によりFからの再スタートになります。……ですが、実力テストは免除でよろしいですね? あなたが『雑魚』相手に本気を出すと、試験官が死にそうですし」
「助かる。話が早くていい」
やはり有能だ。 俺が「不運」という見えざる武器を使っていることまでは気づいていないだろうが、俺が「ただ者ではない」ことは嗅ぎ取っている。 こういう相手は敵に回すと厄介だが、味方にすれば頼もしい。
「そちらのお嬢さんは?」
「連れだ。新規登録で頼む」
リリがおずおずと前に出る。 ミライはリリを一瞥し、そして俺を見た。
「……『拾った』んですね? 相変わらず、厄介な物件がお好きなようで」
「性分でね。だが、性能は保証する」
「でしょうね。あなたの眼鏡に適うなら、化け物(モンスター)並みでしょう」
ミライは嫌味とも称賛とも取れる言葉を残し、リリの手続きも済ませてくれた。 リリのステータス――特にLUK値の異常さ――を見ても、彼女は眉一つ動かさなかった。 あるいは、俺が何かしらの細工をしていると察したのかもしれない。
「登録完了です。ようこそ、冒険者ギルドへ」
ミライは二枚の新品の銀プレートを差し出した。
「せいぜい、長生きしてくださいね。……今の勇者パーティ、あなたが抜けてから報告書の質が最悪なんですから」
「知ったことか。自業自得だ」
俺は短く切り捨て、カードを受け取った。 背後から、リリが心配そうに覗き込んでくる。
「あの……ジン様。あの方と、お知り合いなんですか?」
「いや? ただの『有能な他人』だ」
俺はニヤリと笑った。 勇者アルスは、自身の強運だけでなく、周囲のこうした「有能な裏方」たちの支えも失いつつあることに、まだ気づいていないだろう。
「行くぞリリ。まずはFランクの依頼(クエスト)で小銭稼ぎだ」
「はいっ! 頑張ります、ジン様!」
俺たちは喧騒の中、ギルドの掲示板へと向かった。 これで身分も装備も整った。 反撃の準備は完了だ。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました
ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」
優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。
――僕には才能がなかった。
打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる