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第11話:歩く誘引剤と、効率的な乱獲
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Eランクへの昇格を果たした俺たちは、その翌日、早速「北の森」の深層エリアへと足を運んでいた。ここは本来、Cランク以上の熟練パーティが挑むべき危険地帯だ。鬱蒼と茂る木々は視界を遮り、どこから凶暴な魔物が飛び出してくるか分からない。湿った空気には、濃密な魔素と獣の臭いが漂っている。
だが、俺たちに「探索」の文字はない。
「……来ました、ジン様」
森に入ってわずか5分。リリが足を止め、鼻をクンクンと鳴らして茂みの奥を指差した。
「右前方、オークの群れが10体。左後方、キラーマンティスが3体。……さらに上空から、グリフォンが1体接近中です」
「上出来だ。予想以上の入れ食いだな」
俺はニヤリと笑った。普通なら、こんな短時間でこれほどの種類の魔物に、しかも同時に囲まれることはあり得ない。魔物にも縄張りがあるし、自分より強い気配を感じれば隠れる知能もある。
だが、リリは違う。彼女の存在そのものが、魔物たちにとって「極上の獲物」であり、同時に「生理的な不快感」を刺激する特異点なのだ。
黙って歩いているだけで、半径1キロメートルの魔物が殺意を持って、あるいは理性を失って引き寄せられる。
まさに『歩く誘引剤』。通常なら全滅必至のバッドステータスだが――圧倒的な「処理能力」がある場合、それは最強の「集客スキル」に変わる。
「やれるな、リリ」
「はい。ジン様の邪魔は、一匹たりともさせません!」
リリが短剣を抜き、地面を蹴った。その華奢な背中から、爆発的な殺気が放たれる。
◇
「ブモォォォッ!!」
先頭のオークが、丸太のような腕を振り上げ、リリに襲いかかる。一撃で大岩をも砕く暴力的な質量。だが、リリは避けない――いや、避ける必要すらなかった。
振るわれた拳がリリの鼻先に迫った瞬間、彼女の上体がゆらりと揺らめく。
ブンッ!!
豪腕が空を切り、風圧だけがリリの銀髪を揺らす。紙一重。いや、数ミリの見切り。AGI(敏捷):SSSの超反応速度に加え、長年の「死の不運」を回避し続けてきた経験値が、彼女の動きを芸術の域にまで高めていた。
「遅いです」
リリの身体が懐に滑り込む。オークが驚愕に目を見開いた時には、既に彼女の短剣が太い首筋を真横に薙ぎ払っていた。
ドサリ。巨体が沈む。
それと同時に、背後からキラーマンティスの鎌が迫る。死角からの音無き一撃。だが、リリは振り返りもせずに跳躍し、鎌を踏み台にして宙へと舞い上がった。
「――パスだ」
俺は後方から、戦況全体を俯瞰(ふかん)し、指揮(タクト)を振るう。上空から、仲間の死角を突こうと急降下してくるグリフォンの影があった。 リリは空中のため、回避行動が取れない。
俺はポケットの中で指を鳴らす。
【確率操作】――不運譲渡。 対象:グリフォン。 内容:動体視力の『見誤り』および、平衡感覚の『喪失』。
「ギャッ……!?」
獲物を捉えていたはずのグリフォンの瞳が、一瞬だけ焦点を失う。突風に煽られたかのように翼のバランスが崩れ、鋭い爪の軌道が大きく外れた。
ズドォォォンッ!!
制御を失ったグリフォンは、リリの横をすり抜け、地上で鎌を振り上げていたキラーマンティスの背中に激突した。鎌がグリフォンの腹を裂き、グリフォンの質量がマンティスを押し潰す。 同士討ち。
「今だ、リリ!」
「はいっ!」
リリは空中で身をひねり、落下エネルギーを乗せた踵落としを、もつれ合う二体の魔物の脳天へと叩き込んだ。
グシャリ。嫌な音が響き、魔物たちが沈黙する。
「ふぅ……終わりました、ジン様!」
着地したリリが、パッと顔を輝かせて駆け寄ってくる。返り血一つ浴びていない。足元には、十数体の魔物の死体が積み上がっているというのに、彼女のローブは新品同様に清潔だった。
俺は散らばった死体の山を見渡し、満足げにうなずいた。
「見事だ。……よし、解体(バラ)すぞ。もっとも、俺たちにはマジックバッグなんて便利なもんはない。持って帰れる量には限りがあるからな」
俺はナイフを取り出し、手際よくオークの口をこじ開けた。
「一番高く売れる『魔石』と『希少部位』だけを抜き取れ。安い肉や皮は捨てていく。効率重視だ」
◇
その日の狩りは、まさに「乱獲」と呼ぶにふさわしかった。本来なら遭遇率1%以下のレアモンスター『ゴールデンスライム』までもが、木の上からリリの頭上に「偶然」落ちてきた時は、流石に俺も笑いが止まらなかった。(もちろん、俺が直前に「落ちてくる確率」を操作したのだが)
選別したとはいえ、戦利品は相当な量になった。持参した麻袋だけでは足りず、死んだ盗賊たちが残していった荷袋まで動員し、パンパンに詰め込んだ。その総重量は、優に100キロを超えているだろう。
「……おいリリ、本当に大丈夫か? 無理なら捨てていくぞ」
俺は呆れながら声をかけた。 リリの華奢な背中には、彼女の体積の3倍はあろうかという巨大な荷物が積み上げられている。 まるで荷物が歩いているようだ。
「へ、平気ですっ! これくらい、羽毛布団みたいに軽いです!」
リリは顔を真っ赤にしながら(重さのせいではなく、やる気によるものだ)、地面を強く踏みしめた。
「ジン様が稼がせてくれた宝物ですから……私、ひとつも残したくないです!」
「……そうかよ」
健気なことだ。AGI特化とはいえ、STR(筋力)はCランク。決して怪力ではないはずだ。それでも彼女を突き動かすのは、「ジン様の役に立ちたい」という強烈な忠誠心なのだろう。
俺は苦笑しながら、自分が持つ荷物の位置を少しだけ背負いやすく調整した。
◇
夕暮れ時。冒険者ギルドは、一日の仕事を終えた荒くれ者たちでごった返していた。 そんな中、俺たちが扉を開けて入ると、一瞬だけ場が静まり返った。
山のような荷物を背負った小柄な少女と、涼しい顔をした黒髪の男。 異様な光景に、誰もが目を丸くする。
俺たちはそのまま換金カウンターへ直行し、ドスン、ドスンと荷物を降ろした。 カウンターが悲鳴を上げ、木屑が舞った。
「……なんですか、これは」
受付嬢のミライは、書類から顔を上げ、引きつった笑みを浮かべた。彼女の視線の先には、オークの牙、マンティスの鎌、グリフォンの羽毛……そして極めつけに、黄金色に輝くスライムの核が鎮座していた。
「オークの牙が50本。マンティスの鎌が12対。……それにこれ、ゴールデンスライムの核ですよね?」
彼女は震える手で核を持ち上げた。 周囲の冒険者たちが、ざわつき始める。
「おい見ろよ、あれゴールデンスライムじゃねえか?」
「マジかよ、一生に一度拝めるかどうかだぞ……」
「あいつら、一体どこの迷宮に行ってきたんだ?」
ミライは大きなため息をつき、俺を睨んだ。
「これ、市場に出回るのは数年に一度レベルの激レア素材ですよ? 北の森を散歩しただけで拾えるものじゃありません。一体どこをほっつき歩けばこんなものに出くわすんですか」 「運が良かっただけだ。向こうから勝手に飛び込んできた」
俺は平然と答えた。 嘘ではない。リリという「不運の引力」が引き寄せた結果だ。
「はぁ……。まあいいでしょう。査定します」
ミライは手早く計算を始め、やがて重々しく金額を告げた。
「締めましておよそ……金貨50枚になります」
「ごじゅっ!?」
「金貨50枚だとぉ!?」
ギルド内がどよめきに包まれた。金貨50枚。一般市民なら3年は遊んで暮らせる大金だ。それを、たった一日で、しかもEランクの新人が稼ぎ出したのだ。
「……あなたたち、本当に何者なんですか」
「ただのEランク冒険者さ」
俺はミライから金貨がぎっしりと詰まった重い革袋を受け取ると、それをリリに放り投げた。
「えっ、あ、わわっ!?」
リリは慌てて受け止める。ずしりとした重みが、彼女の腕にかかる。
「持ってろ。お前の稼ぎだ」
「で、でも……こんな大金……!」
「俺の財布代わりだ。落とすなよ」
「――っ!」
リリは革袋を胸に抱きしめ、何度も頷いた。その瞳には涙が溜まっていた。
「はいっ! 私……私、頑張ります! もっともっと稼ぎます!」
今まで「呪い」として忌み嫌われ、生きるために逃げ回るしかなかった彼女の力が、初めて「価値」として認められた瞬間だった。その笑顔は、金貨の輝きよりも眩しく見えた。
「さて、今日は豪勢にいくか。宿もマシな所に移ろう」
「はい! あ、でもご飯は昨日のシチューがいいです!」
「安上がりな奴だな……まあ、好きにしろ」
俺たちは羨望と嫉妬、そして畏怖の視線を背中に浴びながら、ギルドを後にした。 懐は温かい。腹も満たせる。隣には最強の護衛。追放された軍師の「第二の人生」は、これ以上ないほど順調に滑り出していた。
――この時はまだ、俺も油断していたのだ。「金が増える」ということは、生活水準が上がり、それすなわち「部屋のグレードも上がる」ということに。それが、リリにとって最大の「パニック」を引き起こすとも知らずに。
だが、俺たちに「探索」の文字はない。
「……来ました、ジン様」
森に入ってわずか5分。リリが足を止め、鼻をクンクンと鳴らして茂みの奥を指差した。
「右前方、オークの群れが10体。左後方、キラーマンティスが3体。……さらに上空から、グリフォンが1体接近中です」
「上出来だ。予想以上の入れ食いだな」
俺はニヤリと笑った。普通なら、こんな短時間でこれほどの種類の魔物に、しかも同時に囲まれることはあり得ない。魔物にも縄張りがあるし、自分より強い気配を感じれば隠れる知能もある。
だが、リリは違う。彼女の存在そのものが、魔物たちにとって「極上の獲物」であり、同時に「生理的な不快感」を刺激する特異点なのだ。
黙って歩いているだけで、半径1キロメートルの魔物が殺意を持って、あるいは理性を失って引き寄せられる。
まさに『歩く誘引剤』。通常なら全滅必至のバッドステータスだが――圧倒的な「処理能力」がある場合、それは最強の「集客スキル」に変わる。
「やれるな、リリ」
「はい。ジン様の邪魔は、一匹たりともさせません!」
リリが短剣を抜き、地面を蹴った。その華奢な背中から、爆発的な殺気が放たれる。
◇
「ブモォォォッ!!」
先頭のオークが、丸太のような腕を振り上げ、リリに襲いかかる。一撃で大岩をも砕く暴力的な質量。だが、リリは避けない――いや、避ける必要すらなかった。
振るわれた拳がリリの鼻先に迫った瞬間、彼女の上体がゆらりと揺らめく。
ブンッ!!
豪腕が空を切り、風圧だけがリリの銀髪を揺らす。紙一重。いや、数ミリの見切り。AGI(敏捷):SSSの超反応速度に加え、長年の「死の不運」を回避し続けてきた経験値が、彼女の動きを芸術の域にまで高めていた。
「遅いです」
リリの身体が懐に滑り込む。オークが驚愕に目を見開いた時には、既に彼女の短剣が太い首筋を真横に薙ぎ払っていた。
ドサリ。巨体が沈む。
それと同時に、背後からキラーマンティスの鎌が迫る。死角からの音無き一撃。だが、リリは振り返りもせずに跳躍し、鎌を踏み台にして宙へと舞い上がった。
「――パスだ」
俺は後方から、戦況全体を俯瞰(ふかん)し、指揮(タクト)を振るう。上空から、仲間の死角を突こうと急降下してくるグリフォンの影があった。 リリは空中のため、回避行動が取れない。
俺はポケットの中で指を鳴らす。
【確率操作】――不運譲渡。 対象:グリフォン。 内容:動体視力の『見誤り』および、平衡感覚の『喪失』。
「ギャッ……!?」
獲物を捉えていたはずのグリフォンの瞳が、一瞬だけ焦点を失う。突風に煽られたかのように翼のバランスが崩れ、鋭い爪の軌道が大きく外れた。
ズドォォォンッ!!
制御を失ったグリフォンは、リリの横をすり抜け、地上で鎌を振り上げていたキラーマンティスの背中に激突した。鎌がグリフォンの腹を裂き、グリフォンの質量がマンティスを押し潰す。 同士討ち。
「今だ、リリ!」
「はいっ!」
リリは空中で身をひねり、落下エネルギーを乗せた踵落としを、もつれ合う二体の魔物の脳天へと叩き込んだ。
グシャリ。嫌な音が響き、魔物たちが沈黙する。
「ふぅ……終わりました、ジン様!」
着地したリリが、パッと顔を輝かせて駆け寄ってくる。返り血一つ浴びていない。足元には、十数体の魔物の死体が積み上がっているというのに、彼女のローブは新品同様に清潔だった。
俺は散らばった死体の山を見渡し、満足げにうなずいた。
「見事だ。……よし、解体(バラ)すぞ。もっとも、俺たちにはマジックバッグなんて便利なもんはない。持って帰れる量には限りがあるからな」
俺はナイフを取り出し、手際よくオークの口をこじ開けた。
「一番高く売れる『魔石』と『希少部位』だけを抜き取れ。安い肉や皮は捨てていく。効率重視だ」
◇
その日の狩りは、まさに「乱獲」と呼ぶにふさわしかった。本来なら遭遇率1%以下のレアモンスター『ゴールデンスライム』までもが、木の上からリリの頭上に「偶然」落ちてきた時は、流石に俺も笑いが止まらなかった。(もちろん、俺が直前に「落ちてくる確率」を操作したのだが)
選別したとはいえ、戦利品は相当な量になった。持参した麻袋だけでは足りず、死んだ盗賊たちが残していった荷袋まで動員し、パンパンに詰め込んだ。その総重量は、優に100キロを超えているだろう。
「……おいリリ、本当に大丈夫か? 無理なら捨てていくぞ」
俺は呆れながら声をかけた。 リリの華奢な背中には、彼女の体積の3倍はあろうかという巨大な荷物が積み上げられている。 まるで荷物が歩いているようだ。
「へ、平気ですっ! これくらい、羽毛布団みたいに軽いです!」
リリは顔を真っ赤にしながら(重さのせいではなく、やる気によるものだ)、地面を強く踏みしめた。
「ジン様が稼がせてくれた宝物ですから……私、ひとつも残したくないです!」
「……そうかよ」
健気なことだ。AGI特化とはいえ、STR(筋力)はCランク。決して怪力ではないはずだ。それでも彼女を突き動かすのは、「ジン様の役に立ちたい」という強烈な忠誠心なのだろう。
俺は苦笑しながら、自分が持つ荷物の位置を少しだけ背負いやすく調整した。
◇
夕暮れ時。冒険者ギルドは、一日の仕事を終えた荒くれ者たちでごった返していた。 そんな中、俺たちが扉を開けて入ると、一瞬だけ場が静まり返った。
山のような荷物を背負った小柄な少女と、涼しい顔をした黒髪の男。 異様な光景に、誰もが目を丸くする。
俺たちはそのまま換金カウンターへ直行し、ドスン、ドスンと荷物を降ろした。 カウンターが悲鳴を上げ、木屑が舞った。
「……なんですか、これは」
受付嬢のミライは、書類から顔を上げ、引きつった笑みを浮かべた。彼女の視線の先には、オークの牙、マンティスの鎌、グリフォンの羽毛……そして極めつけに、黄金色に輝くスライムの核が鎮座していた。
「オークの牙が50本。マンティスの鎌が12対。……それにこれ、ゴールデンスライムの核ですよね?」
彼女は震える手で核を持ち上げた。 周囲の冒険者たちが、ざわつき始める。
「おい見ろよ、あれゴールデンスライムじゃねえか?」
「マジかよ、一生に一度拝めるかどうかだぞ……」
「あいつら、一体どこの迷宮に行ってきたんだ?」
ミライは大きなため息をつき、俺を睨んだ。
「これ、市場に出回るのは数年に一度レベルの激レア素材ですよ? 北の森を散歩しただけで拾えるものじゃありません。一体どこをほっつき歩けばこんなものに出くわすんですか」 「運が良かっただけだ。向こうから勝手に飛び込んできた」
俺は平然と答えた。 嘘ではない。リリという「不運の引力」が引き寄せた結果だ。
「はぁ……。まあいいでしょう。査定します」
ミライは手早く計算を始め、やがて重々しく金額を告げた。
「締めましておよそ……金貨50枚になります」
「ごじゅっ!?」
「金貨50枚だとぉ!?」
ギルド内がどよめきに包まれた。金貨50枚。一般市民なら3年は遊んで暮らせる大金だ。それを、たった一日で、しかもEランクの新人が稼ぎ出したのだ。
「……あなたたち、本当に何者なんですか」
「ただのEランク冒険者さ」
俺はミライから金貨がぎっしりと詰まった重い革袋を受け取ると、それをリリに放り投げた。
「えっ、あ、わわっ!?」
リリは慌てて受け止める。ずしりとした重みが、彼女の腕にかかる。
「持ってろ。お前の稼ぎだ」
「で、でも……こんな大金……!」
「俺の財布代わりだ。落とすなよ」
「――っ!」
リリは革袋を胸に抱きしめ、何度も頷いた。その瞳には涙が溜まっていた。
「はいっ! 私……私、頑張ります! もっともっと稼ぎます!」
今まで「呪い」として忌み嫌われ、生きるために逃げ回るしかなかった彼女の力が、初めて「価値」として認められた瞬間だった。その笑顔は、金貨の輝きよりも眩しく見えた。
「さて、今日は豪勢にいくか。宿もマシな所に移ろう」
「はい! あ、でもご飯は昨日のシチューがいいです!」
「安上がりな奴だな……まあ、好きにしろ」
俺たちは羨望と嫉妬、そして畏怖の視線を背中に浴びながら、ギルドを後にした。 懐は温かい。腹も満たせる。隣には最強の護衛。追放された軍師の「第二の人生」は、これ以上ないほど順調に滑り出していた。
――この時はまだ、俺も油断していたのだ。「金が増える」ということは、生活水準が上がり、それすなわち「部屋のグレードも上がる」ということに。それが、リリにとって最大の「パニック」を引き起こすとも知らずに。
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