歩く災害と呼ばれた【薄幸の美少女】を救ったら、俺にしか懐かない最強の守護者になった件。~運を下げるスキルで追放されたけど、彼女と一緒なら無敵

ジョウジ

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第119話:最後の一撃

 ヒヒイロカネの双剣『緋蜂』が放つかつてない輝きは、単なる魔力の光などではなく、グレンの剛力、カエデの技、リエルの強運、ティアの祈り、ヴォルグの情熱、そしてラクの献身といった、仲間たちが託してくれた全ての想いが虹色の光となって刃に収束した結果だった。

「……重いな」

 俺はリリの手の上から柄を握りしめ、その重みを感じたが、それは物理的な重量ではなく、俺たちがこの旅で積み重ねてきた絆の重さそのものだった。だが、今の俺たちなら、この重さを武器に変えられる。

『認めぬ……! 不完全な者たちが、理を超えるなど……あり得ぬッ!!』

 城と化したデウスが絶叫し、全方位の壁を槍として隆起させ、天井を牙として落下させるという、逃げ場のない全方位からの圧殺攻撃を仕掛けてきた。

「前だけを見ろ、リリ!」 

「はい!」

 俺の声にリリが頷いた瞬間、二人の意識は完全に同調した。俺の演算がリリの直感となり、リリの力が俺の意志となるその感覚には恐怖も迷いもなく、ただ目の前にある「壁」をぶち壊すという一点のみに全霊が注がれる。

「私たちは、道具じゃありません!」

 リリが叫んだその声は、かつて運命に怯えていた少女のものではなく、自らの足で立ち、未来を掴み取ろうとする一人の人間の叫びだった。

「誰かに消費されるためじゃない! 愛し、愛され、幸せになるために生きている人間です!」

 彼女の背中の光翼が爆発的に広がり、迫りくる瓦礫の雨を光の粒子へと蒸発させていく。

「その通りだ。……俺たちの邪魔をするなら、神だろうが運命だろうが叩き斬る!」

 俺は全身の魔力を魂の底から絞り出した。 強欲に、貪欲に、世界も、リリも、仲間たちも、全て手に入れるために。

「行くぞッ!!」 

「はああああああああッ!!!」

 俺たちは同時に踏み込み、空中で時間が止まったように感じる中、デウスの放つ絶望の闇と俺たちが放つ希望の光が衝突した。

 ズッ……!

 抵抗を感じたのはほんの一瞬であり、虹色の刃はデウスの障壁、城の外壁、そして凝縮された魔力の防壁さえも紙切れのように切り裂いていった。

『ガ、アアアア……!? バカ、な……。私の計算が……理が……』

 デウスの驚愕の声が光に飲み込まれていく中、俺たちの刃は止まることなく、世界の中心、天理の心臓部にある「核(コア)」へと一直線に突き進む。

「天理になんか負けない! 私たちは――!」

 リリが涙を流しながら、けれど満面の笑みで叫ぶ。

「幸せになるんですッ!!!」

 ズバァァァァァァンッ!!!!!

 轟音と共に奔った閃光は破壊の光などではなく、世界を縛り付けていた鎖を断ち切り、新しい夜明けを告げる始まりの光であり、真っ二つに割れた天空城の中枢の向こう側には、どこまでも澄み渡る青い空が見えていた。
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