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第1章
第8話 初夜伽とDT卒業
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「コンコン」
ドアをノックする音が聞こえる。オレは意識の奥底で聞いていたが、完全に覚醒することはなかった。昨日はシャロンの夜伽の相手をしていて、朝まで寝かせてもらえなかったからだ。何というタフネスなのだ。
「コンコンコン」
もう一度ノックする音が聞こえる。
「セシル様。そろそろ起きませんとパレードに遅れてしまいますわ」
そうだった。今日は龍退治と神の化身の降臨祭で祝日に決まったのだった。神都ベネベントでは、朝からパレードで盛り上がる予定だったんだよな。オレのために国中で色々と用意してくれているようだ。そろそろ起きるとしよう。
「入っていいぞ」
『ガチャ』
アリシアはドアを開けて部屋に入ってくる。入ってきて、オレたちをみた瞬間に顔がピクッと強張り、ピシッと音がした気がした。
シャロンはオレを抱き枕のようにして寝ていたからだ。オレは真上を向いて寝ていた。シャロンは横向きにオレの首に両手を回して抱きしめていて、片足を軽く曲げてオレの股間周囲にのせていた。
「シャ、シャロン様もそろそろ起きてください。お食事のご用意ができておりますわ」
アリシアはまたもや笑顔で威圧するという器用なことをした。ほのかに青筋でも額にできてそうだ。いや、よく見ると青筋ができている。瞳の中には凄まじい嵐が潜んでいる。
「うん~、よく寝た。そろそろ起きるか。シャロン、朝ごはん食べようぜ」
ピッタピッタとシャロンのほっぺを軽く叩いてみたが、無反応で全く起きる気配がしない。
昨日は全開で夜伽をやったことだし、最後の方は、何発シャロンの中で出したか記憶にないくらい、壮絶なバトルになってたからなぁ。
野獣のように求めてくるシャロンは圧巻だった。オレの上に乗り、数えきれないくらい腰を、陰茎に思いっきり叩きつけてきたのだ。絶対に普通の男だったら陰茎が折れているぞ。
さらに快楽を感じてくると、肩に思い切り噛みついてきたり、背中に爪をギリギリとたててきたり、最後は首を絞めてきたりと激しかった。
レベル40オーバーもあるサムライのパワーでそのようなことをされたら、普通の男性だったら血まみれになるか、窒息で確実に死んでいるぞ。
シャロンが今まで夜伽をした相手の中に死者はでなかったのだろうか気になる。30万オーバーの防御力がなかったら、命の危険を感じていたレベルだ。乱れるというのは、まさにこのことをいうのだろう。
お互いに死闘だったが、最終的にバックから責めている間にシャロンが気を失ってオレが勝ったぜ! ふっ♪ そのような激闘のあとだから起きれないのは当然だろう。
そういえば昨日、格上強者と夜伽をするとステータスがあがるという話があったがどうなったのだろう? シャロンのステータスを探査マップで見てみよう。
●名前:シャロン・グランディエ
●年齢:19歳
●種族:猫耳族
●所属:ヴァルビリス帝国
●身長/体重:176/64
●髪型:オレンジ髪ミディアム
●瞳の色:青色
●スリーサイズ:84/62/86
●カップ/形:G/皿型
●経験:多数あり、神液吸収12回、第一次進化まであと88回吸収
●状態:睡眠
●ベースレベル:73
●職業:レベル43サムライ
●HP:4359+522=4881
●MP:3618+470=4088
●腕力:2245+269=2514
●体力:2114+253=2367
●敏捷:2084+250=2334
●知力:1954+235=2189
●魔力:1954+235=2189
●器用度:2021+242=2263
●スキル
暗黒魔法レベル5、両手剣術5、生活魔法
●エキストラスキル
アレスの寵愛/戦闘狂
●通り名
帝国の双璧、帝国の戦闘狂、性獣
●装備
なし
なるほど! 確かに+の部分のステータスが増えている。彼女のステータスは、本来の腕力は2245だが、オレのユニークスキルである神液吸収効果により、12回の中出しで12%の補正が付いている。2245×12%=269が補正ポイントで、2245+269=2514がシャロンの腕力だ。
昨日は12回も神液吸収していたのか。初めてがシャロンっていうのはどうなのだろう? 今、考えるとオレのDT喪失はアリシアが相手の方が良かったな。
ん? 第一次進化までってなんのことだ?
《サポート》
第一次進化って何?
【神液吸収100回で第一次進化を遂げ、ハーフ神族に進化する。寿命が1万年ほどになる。神液吸収1000回で第ニ次進化を遂げ神族になり、不老になる】
つまり神液吸収し続けると、強くなるだけでなく、寿命も延びる。そして最終的に種族がヒューマンから神族に変わるということか。なかなか微妙なシステムだ。
不老は古代からの人類の夢だが、それを望む人がいれば望まない人もいる。オレの相手になる人には、不老になりたいか確認が必要だな。
あ、でも不老だけど不死ではないのか? エロース神様もこのラティアリア大陸に来る前に、神の化身といえど普通に死ぬから気をつけてって、言ってたよな。シャロンがハーフ神族になるまで、まだ88発も神液吸収があるから、しばらく大丈夫だろう。毎回確認すればいいしね。
ゆっさゆっさと、シャロンを揺すっていると、ゆっくりとシャロンは目を開けた。オレを見つけると、ニコっと微笑みを浮かべて起き上がる。
「うふふ、昨日は激しかったわね。完全に満足しているわ。ありがとう、チュ」
「あれだけ叩きつけるような激しい夜伽だと、そのうちお前の相手をした男性が大怪我するか、死ぬぞ」
「そうなの。陰茎が折れなかったのは、あなたがはじめてなの。私は夢中になると、周りがみえなくなるタイプみたいね。あなたしか私を満足させてくれる相手はいないみたい。もう私はセシル専用ね」
そう彼女は言って可愛くウインクをする。
やはり怪我人がでていたのか。しかもオレ以外での折れ率100%とは恐ろしいことだ。さすが性獣と呼ばれるだけはある。
シャロンは立とうとしたが、ふらっとよろける。手をさしのべて体を支えてあげるとその手にしがみついてきた。その時に目と目が合わさると、ゾクッとするような、狂気を感じる笑顔だった。
「褒賞、貰いすぎちゃったみたいね。うふふっ」
そう言うと優しくオレに唇を合わせてくる。優しいと感じたのは一瞬だけだ。舌を口内に入れてきて蹂躙する本気のやつに変わっていく。本当に性獣らしく好き者なのだな。
『パンッ』
そんな空気を変えたいのかアリシアは手を軽やかに叩く。部屋中に音が鳴り響く。オレとシャロンはビクッとなり、唇を離す。
「さあ! お二人とも朝ごはんにしましょう!」
「……わざと邪魔したわね。せっかく良い雰囲気だったのに」
「もちろん、そんなことありませんわ。セシル様がパレードのときに着る服の調整など、あまりお時間がないのですわ」
「……そう言う事にしておくわ」
キラッとシャロンとアリシアの目が光る。お互いに笑顔を作りながら相手を威圧している。真っ直ぐに目を合わせ、そらさず睨みあっている。お互いに一歩も引かない女の戦いだな。
よし! この空気無視しよう。オレはスルー機能を発動してトコトコとお店に行く。
お店に入ると朝食の良い香りがした。クレタとルシィルが朝ご飯を運んできて準備をしている。
こちらの世界はデザートは果物を切って並べただけのように、あまり力が入っていないが、食事は普通に美味いのが救いだ。ここのは最高級と考えると、一般人の食べ物はどうなのだろうと気になる。
「3人は食べないのか?」
「はい、わたくしたちはもう済ませておりますから、お2人でゆっくりお食事なさってください」
オレとシャロンで朝ご飯を食べはじめる。
食事終了後、シャロンにもう1つ褒賞を与える事にした。
「シャロンに、もう1つ褒賞をあげよう。オレの世界の食べ物を食べさせてあげよう」
「セシルの世界の食べ物? ということは神界の食べ物なのかしら?」
「まあ、そんなところだ。名前はイチゴショートケーキと珈琲だ」
アイテムボックスからイチゴショートケーキを出して、珈琲も入れる。
「さあ、食べてくれ。オレが丹精を込めて作ったものだ」
シャロンはイチゴショートケーキを口に入れた瞬間、目を臨界点まで大きく開いた。
「な! ……なにこれ! 美味しすぎる! これが神界の食べ物だというの!」
一心不乱に食べ続けてあっという間にイチゴショートケーキは無くなった。やはり彼女もトランス状態に陥ったようだ。
「はぁ~。美味しい何かが体を突き抜けていったわ。セシルは私を驚かせてばかりね。うふふ、嬉しいわ。
私ばかり褒賞を貰ってばかりじゃ悪いから、私にできることあったら言ってほしいわ」
「うん? オレがシャロンにか? じゃあ、お前はここに残って一緒に暮らそう。暮らすって言ってもオレは今後、魔龍を倒しにこの国を出て行く。その時に強いお前がいると助かるしな。少数精鋭で行く予定でオレを含めて6人パーティーで魔龍を攻撃する。だからシャロンの力がオレには必要なのだ。魔龍を討伐したあとは、神域に後宮を作りのんびり暮らしたり、バレンシアの森を制覇したりと楽しいぞ。刺激があること間違いなしだ。どうだ?」
シャロンは妖艶な笑みを見せると舌なめずりをする。刺激のある生活は、戦闘狂にとって魅力的な提案なのだろう。
「まあ嬉しい~。私を必要としてくれるのね! 一生ついて行くわ! しかも魔龍って強いのでしょう? 幸せすぎてバチが当たりそうだわ!」
さすが戦闘狂、強いモンスターと戦うことが好きなのだな。ただ魔龍と戦えるのはオレだけだがな。
シャロンはオレに抱きつき、アリシアを見てニヤリと不適な笑みを浮かべる。
アリシアの中からピシって音が聞こえた気がするが、気がつかなかったことにしよう。
「と、言いたいところなのだけど。今は私も立場がある身分なのよね。今から引退するとなると、引き継ぎとか色々やる事があるから……数ヶ月といったところかしら。それが終わったら合流でいいかしら?」
「もちろんだ。オレはしばらく戦闘訓練も兼ねて冒険者をやるつもりでいる。まずは隣の剣闘士王が治めるステュディオス王国、迷宮都市フェロニア市に行くから、そこを目指してきてな」
「分かったわ。早速引退の準備をするからもう行くわね。すごく楽しみね。じゃあまたね、ダーリン、チュ♪」
《フライ/飛行魔法》
キスをしてシャロンは空を飛んで城壁を超えて出て行く。気が早いな。もう少しゆっくりして行けばいいのに。戦闘狂だし、一刻も早く魔龍と戦うために合流をしたいのだろう。
「それではセシル様、お時間が迫っておりますから、衣装合わせに行きましょう」
神殿内部の部屋に行き、お針子から詳細な寸歩を測ってもらう。寸法直しが終わった衣装を着る。
う~む、派手だ。ひたすら派手だ。恥ずかしいな。祭服は黄金色を主体に白と若干の赤が混じった法衣だ。王冠はもっと派手だ。顔の2倍もある大きさ。モスクみたいな形をしていて王冠の後ろから垂れ幕みたいのが伸びている。そして黄金と銀をふんだんに使った王冠をかぶると確かに神の化身みたいだ。演出なのだな。
「セシル様とてもお似合いですわ」
後ろから声がしたので振り返るとアリシアたち3人だ。アリシアは祭服の白をベースにした芸術的な衣装を着ていた。
あまりの美しさに一瞬ボーッとしてしまった。それを不思議にアリシアは思ったようだ。
「? どうかされたのですか? セシル様?」
「アリシアの美しさに見とれてしまったようだ」
「……お戯れを」
そう言うと、カァッと顔を真っ赤にして下を向く。めっちゃ良い! さすが 超絶美少女! ヒューマンの美しさを超え、神々しいものになっていた。
「セシル様、パレードにご出発のお時間です」
オレは例の装飾がこれでもか、これでもかと、施された車に1人で乗る。今回は1人なのか?
「アリシアは一緒に来ないのか?」
「本日はセシル様のお披露目と国をお救いくださった感謝のパレードです。わたくしは後ろから見ておりますわ」
でもオレは祭服衣装を来ている可愛いアリシアとパレードしたい。
よし! ここは神の化身の強権発動だ。神の化身のオレが言うことなら、それが法律になるのだ。
「教皇マクファーソンよ。アリシアをオレの隣に乗せてパレードに行くことにしたからな」
微妙に不愉快そうな顔を演出しながら教皇マクファーソンを威圧してみた。
「う、セ、セシル様のお好きなようにされる事が良いかと」
よっしゃ! 教皇の了解を得たぞ!
「そういうことだ。アリシア、オレの隣に来なさい」
「は、はい。セシル様」
アリシアは車を上がってきて、長イスの隣に座った。アリシアの腰に手を回し抱き寄せた。
「……お戯れを」
彼女は顔を赤くし小さい声でそう言ってきた。そのように照れていたが、オレは全く気にせずに、2人の体はピッタリと密着した。国中にアリシアはオレの女だと宣言するように。誰にもアリシアは渡さんぞ。絶対にだ!
そんなことを考えていると馬車が走り出した。
神殿の門を抜けると大通りには沢山の神民が埋め尽くしていた。この国の人口って、こんなに多かったんだな。神民の中を車はゆっくりと走り出す。後ろからはパルミラ管弦楽団がクラシック的な音楽を奏でついて来ている。
そんな中オレとアリシアは片手を軽くあげて手を振っていた。日本で尊敬する皇族の方々の上品さを思い出しながら、似た感じで出来たら神っぽくて素敵だなと、ゆったりと手を振る。
それにしても物凄い声援だ。国をあげて感謝とお祝いをしてくれる感がとても嬉しい。このパルミラ教皇国はとても気に入った。
《探査マップ/神愛》
なんとなく探査マップ/神愛を開いた。どのような人たちがこの国で生活しているか興味があったからだ。色々な神民をタップしてみた。
周囲を見ていると、マーカーの色が黄色の点が圧倒的に多く、濃い緑、黄色薄青があり、赤も少数ある。ついでにアリシアのマーカーを見ると黄色薄緑だった。
前から気になっていたがこの色ってなんだろう?
《サポート》
この色ってどういう意味だ?
【この色は点が示す人が、セシルをどう思っているかということを示している。
●黄色=喜び
黄色薄緑=愛
黄色濃い緑=罪悪感
黄色薄青=感動
●薄緑=信頼
薄緑濃い緑=服従
薄緑薄青=好奇心
薄緑濃い青=好意
●濃い緑=恐れ
濃い緑薄青=畏怖
濃い緑濃い青=絶望
濃い緑紫=恥辱
●薄青=驚き
薄青濃い青=拒絶
薄青紫=憤慨
薄青赤=憎悪
●濃い青=悲しみ
濃い青紫=後悔
濃い青赤=監視
濃い青オレンジ=悲観
●紫=嫌悪
紫赤=軽蔑
紫オレンジ=優越
紫黄色=疑問
●赤=怒り
赤オレンジ=攻撃
赤黄色=妬み
赤薄緑=殺意
●オレンジ=期待
オレンジ黄色=楽観
オレンジ薄緑=迷い
オレンジ濃い緑=不安
ということである。二種類のものは、色が半分半分になっている】
そうだったのか。ていうことは黄色薄緑=愛、アリシアはオレを愛してくれているのか。人の心が分かると楽でいいな。
アリシアとは会ったばかりだが、神にずっと祈ってきた女の子だから、最初から愛なのだ。彼女に幻滅されないように頑張らねば!
《サポート》
(マーカーが赤=怒りが少数いるのはなぜだ?)
【彼らは自称アリシア親衛隊。神民ではなくアリシアに好意を持ちこの国に留まる者たち。アリシアの腰に手を回して密着しているセシルに対して怒っている】
そうだったのか。アリシアを好きになりすぎ、変なことを考える前に、アリシアがオレの女だということを教えてやろう。
隣で一生懸命手を振るアリシアに耳打ちする。探査マップでオレを愛していると知ったから安心だ。断られるというのはないだろう。
「アリシア、キスして良いか」
「え? ええ~! 今、こんなところでですか?」
「そうだ。オレとアリシアの親密性を神民に知らしめたい。嫌か」
「もちろん嫌ではありませんが、こんな大勢の前では恥ずか……し……い……ですわ」
「オレは恥ずかしくないからいくぞ」
「ん……ちゅっ……」
その言葉にアリシアは観念したのか、オレの方を向いて目をつぶる。彼女の柔らかい唇にキスをした。プニプニもちもちしていて、とても柔らかくていい香りだ。
ディープではなくフレンチキスだ。彼女はカァッと耳まで真っ赤になる。ヤカンを頭の上に置いたらお湯が沸きそうだ。
「「「キャ~キャ~キャ~。セシル様~! アリシア様~!」」」
マーカーの色がどうなったかを確認してみた。神民はこの行為に驚くものの、国の代表聖女と神の化身が仲が睦まじいことに喜んでいるようだ。
特に女子の黄色い声援が大音量で鳴り響く。そういったうわさ話がご飯より好きな女子は多いから、すぐに拡散するだろうな。キスのあと、若い女子の盛り上がり方は異常なほどであった。
さっき赤かった人のマーカーを見たら、赤から薄青紫に変わっていた。怒りから憤慨に変わっていた。数名は薄青赤に変わっている。怒りから憎悪になっている。人の女の親衛隊など勝手に作った神罰だ。わっはっは!
パレードは歓声から国歌斉唱に変わっていた。大声援の中を車は進んで行き、神殿に戻ってきて終了した。
クレタが走ってくる。
「セシル様、アリシア様本日はお疲れ様でした。休憩室をご用意しております。こちらへどうぞ」
休憩室で休んでいると入れ替わり立ち替わり、神の化身と関係を持ちたい有力者たちが頭を下げて挨拶しに来ていた。応対は全てアリシアに任せているのでオレは何もしなくて楽チンだ。
教皇マクファーソンと数名がオレのところにやってきた。
「セシル様パレードを疲れ様でした。神民は、ご尊顔を拝見でき、大変光栄だと喜んでおります。
今、枢機卿が全員到着いたしましたのでご紹介いたします。こちらに皆来なさい」
「「「はは!」」」
4人の枢機卿が近づいてきた。4人が横並びになり胸に右手をおく。左からシュライヒ・モラレス、ヴェロニカ・ブライズ、ノリス・オルセン、ライクト・エムデンだ。
「セシル様、お初にお目にかかります! 私たちは神の化身であらせられるセシル様に忠誠を生涯誓うことをお約束させていただきます! どうか我らの忠義をご信頼いただきたく」
枢機卿の代表でエムデンが発言をしてきた。
「うむ、皆の忠義はよく分かった。これからよろしく頼む」
「「「はは!」」」
皆ガチ宗教国家の上の方だけあってすごい気合いだ。みなぎっているというか、エネルギッシュだ。
ヴェロニカ・ブライズは枢機卿で唯一の女性だ。確か地球の宗教では女性が枢機卿にはなることができないと記憶している。異世界では男女平等が強いのだろう。
そういえば肉体の強さを見てもレベル制だ。もし、男性よりも女性がレベルが1つでも高いと、女の腕力が強くなるのだ。それがMMORPGモンスターハンターの世界であり、レベル制のシステムだと男女間はその程度の差にしかならない。
ただ、ヴェロニカの視線が妙に気になる。信仰心っていう感じよりも何か、病的なもののような熱い視線だ。温かな春の陽射しのような心地よいアリシアの眼差しに対して、体を貫くような鋭く不安感を抱くような眼差しだ。
まあ、地球でも狂心的な宗教者っているから、そのようなものか。
それよりも気になっていることがある。パレードから探査マップをずっと開きっぱなしにして、いろいろな人物のマーカーを見ていた。
教皇はオレンジ、モラレスは濃い緑薄青、メイスはオレンジ、オルセンは濃い緑。神に関しては期待と恐れ。そんな感じだよね。
ただ1人問題人物がいる、エムデンだ。エムデンを表す丸が赤オレンジになっている。敵対して攻撃も考えているということを示す色だ。マジか! 神の化身である、オレに敵対するとは何を考えているんだ、コイツはバカなのか?
この異世界でも当然こういうやつっているんだな。ゴキブリみたいに沸いてくるものだ。何か仕掛けてくるまでほっておこう。その気になればオレ個人の武力で討伐できるしな。
ドアをノックする音が聞こえる。オレは意識の奥底で聞いていたが、完全に覚醒することはなかった。昨日はシャロンの夜伽の相手をしていて、朝まで寝かせてもらえなかったからだ。何というタフネスなのだ。
「コンコンコン」
もう一度ノックする音が聞こえる。
「セシル様。そろそろ起きませんとパレードに遅れてしまいますわ」
そうだった。今日は龍退治と神の化身の降臨祭で祝日に決まったのだった。神都ベネベントでは、朝からパレードで盛り上がる予定だったんだよな。オレのために国中で色々と用意してくれているようだ。そろそろ起きるとしよう。
「入っていいぞ」
『ガチャ』
アリシアはドアを開けて部屋に入ってくる。入ってきて、オレたちをみた瞬間に顔がピクッと強張り、ピシッと音がした気がした。
シャロンはオレを抱き枕のようにして寝ていたからだ。オレは真上を向いて寝ていた。シャロンは横向きにオレの首に両手を回して抱きしめていて、片足を軽く曲げてオレの股間周囲にのせていた。
「シャ、シャロン様もそろそろ起きてください。お食事のご用意ができておりますわ」
アリシアはまたもや笑顔で威圧するという器用なことをした。ほのかに青筋でも額にできてそうだ。いや、よく見ると青筋ができている。瞳の中には凄まじい嵐が潜んでいる。
「うん~、よく寝た。そろそろ起きるか。シャロン、朝ごはん食べようぜ」
ピッタピッタとシャロンのほっぺを軽く叩いてみたが、無反応で全く起きる気配がしない。
昨日は全開で夜伽をやったことだし、最後の方は、何発シャロンの中で出したか記憶にないくらい、壮絶なバトルになってたからなぁ。
野獣のように求めてくるシャロンは圧巻だった。オレの上に乗り、数えきれないくらい腰を、陰茎に思いっきり叩きつけてきたのだ。絶対に普通の男だったら陰茎が折れているぞ。
さらに快楽を感じてくると、肩に思い切り噛みついてきたり、背中に爪をギリギリとたててきたり、最後は首を絞めてきたりと激しかった。
レベル40オーバーもあるサムライのパワーでそのようなことをされたら、普通の男性だったら血まみれになるか、窒息で確実に死んでいるぞ。
シャロンが今まで夜伽をした相手の中に死者はでなかったのだろうか気になる。30万オーバーの防御力がなかったら、命の危険を感じていたレベルだ。乱れるというのは、まさにこのことをいうのだろう。
お互いに死闘だったが、最終的にバックから責めている間にシャロンが気を失ってオレが勝ったぜ! ふっ♪ そのような激闘のあとだから起きれないのは当然だろう。
そういえば昨日、格上強者と夜伽をするとステータスがあがるという話があったがどうなったのだろう? シャロンのステータスを探査マップで見てみよう。
●名前:シャロン・グランディエ
●年齢:19歳
●種族:猫耳族
●所属:ヴァルビリス帝国
●身長/体重:176/64
●髪型:オレンジ髪ミディアム
●瞳の色:青色
●スリーサイズ:84/62/86
●カップ/形:G/皿型
●経験:多数あり、神液吸収12回、第一次進化まであと88回吸収
●状態:睡眠
●ベースレベル:73
●職業:レベル43サムライ
●HP:4359+522=4881
●MP:3618+470=4088
●腕力:2245+269=2514
●体力:2114+253=2367
●敏捷:2084+250=2334
●知力:1954+235=2189
●魔力:1954+235=2189
●器用度:2021+242=2263
●スキル
暗黒魔法レベル5、両手剣術5、生活魔法
●エキストラスキル
アレスの寵愛/戦闘狂
●通り名
帝国の双璧、帝国の戦闘狂、性獣
●装備
なし
なるほど! 確かに+の部分のステータスが増えている。彼女のステータスは、本来の腕力は2245だが、オレのユニークスキルである神液吸収効果により、12回の中出しで12%の補正が付いている。2245×12%=269が補正ポイントで、2245+269=2514がシャロンの腕力だ。
昨日は12回も神液吸収していたのか。初めてがシャロンっていうのはどうなのだろう? 今、考えるとオレのDT喪失はアリシアが相手の方が良かったな。
ん? 第一次進化までってなんのことだ?
《サポート》
第一次進化って何?
【神液吸収100回で第一次進化を遂げ、ハーフ神族に進化する。寿命が1万年ほどになる。神液吸収1000回で第ニ次進化を遂げ神族になり、不老になる】
つまり神液吸収し続けると、強くなるだけでなく、寿命も延びる。そして最終的に種族がヒューマンから神族に変わるということか。なかなか微妙なシステムだ。
不老は古代からの人類の夢だが、それを望む人がいれば望まない人もいる。オレの相手になる人には、不老になりたいか確認が必要だな。
あ、でも不老だけど不死ではないのか? エロース神様もこのラティアリア大陸に来る前に、神の化身といえど普通に死ぬから気をつけてって、言ってたよな。シャロンがハーフ神族になるまで、まだ88発も神液吸収があるから、しばらく大丈夫だろう。毎回確認すればいいしね。
ゆっさゆっさと、シャロンを揺すっていると、ゆっくりとシャロンは目を開けた。オレを見つけると、ニコっと微笑みを浮かべて起き上がる。
「うふふ、昨日は激しかったわね。完全に満足しているわ。ありがとう、チュ」
「あれだけ叩きつけるような激しい夜伽だと、そのうちお前の相手をした男性が大怪我するか、死ぬぞ」
「そうなの。陰茎が折れなかったのは、あなたがはじめてなの。私は夢中になると、周りがみえなくなるタイプみたいね。あなたしか私を満足させてくれる相手はいないみたい。もう私はセシル専用ね」
そう彼女は言って可愛くウインクをする。
やはり怪我人がでていたのか。しかもオレ以外での折れ率100%とは恐ろしいことだ。さすが性獣と呼ばれるだけはある。
シャロンは立とうとしたが、ふらっとよろける。手をさしのべて体を支えてあげるとその手にしがみついてきた。その時に目と目が合わさると、ゾクッとするような、狂気を感じる笑顔だった。
「褒賞、貰いすぎちゃったみたいね。うふふっ」
そう言うと優しくオレに唇を合わせてくる。優しいと感じたのは一瞬だけだ。舌を口内に入れてきて蹂躙する本気のやつに変わっていく。本当に性獣らしく好き者なのだな。
『パンッ』
そんな空気を変えたいのかアリシアは手を軽やかに叩く。部屋中に音が鳴り響く。オレとシャロンはビクッとなり、唇を離す。
「さあ! お二人とも朝ごはんにしましょう!」
「……わざと邪魔したわね。せっかく良い雰囲気だったのに」
「もちろん、そんなことありませんわ。セシル様がパレードのときに着る服の調整など、あまりお時間がないのですわ」
「……そう言う事にしておくわ」
キラッとシャロンとアリシアの目が光る。お互いに笑顔を作りながら相手を威圧している。真っ直ぐに目を合わせ、そらさず睨みあっている。お互いに一歩も引かない女の戦いだな。
よし! この空気無視しよう。オレはスルー機能を発動してトコトコとお店に行く。
お店に入ると朝食の良い香りがした。クレタとルシィルが朝ご飯を運んできて準備をしている。
こちらの世界はデザートは果物を切って並べただけのように、あまり力が入っていないが、食事は普通に美味いのが救いだ。ここのは最高級と考えると、一般人の食べ物はどうなのだろうと気になる。
「3人は食べないのか?」
「はい、わたくしたちはもう済ませておりますから、お2人でゆっくりお食事なさってください」
オレとシャロンで朝ご飯を食べはじめる。
食事終了後、シャロンにもう1つ褒賞を与える事にした。
「シャロンに、もう1つ褒賞をあげよう。オレの世界の食べ物を食べさせてあげよう」
「セシルの世界の食べ物? ということは神界の食べ物なのかしら?」
「まあ、そんなところだ。名前はイチゴショートケーキと珈琲だ」
アイテムボックスからイチゴショートケーキを出して、珈琲も入れる。
「さあ、食べてくれ。オレが丹精を込めて作ったものだ」
シャロンはイチゴショートケーキを口に入れた瞬間、目を臨界点まで大きく開いた。
「な! ……なにこれ! 美味しすぎる! これが神界の食べ物だというの!」
一心不乱に食べ続けてあっという間にイチゴショートケーキは無くなった。やはり彼女もトランス状態に陥ったようだ。
「はぁ~。美味しい何かが体を突き抜けていったわ。セシルは私を驚かせてばかりね。うふふ、嬉しいわ。
私ばかり褒賞を貰ってばかりじゃ悪いから、私にできることあったら言ってほしいわ」
「うん? オレがシャロンにか? じゃあ、お前はここに残って一緒に暮らそう。暮らすって言ってもオレは今後、魔龍を倒しにこの国を出て行く。その時に強いお前がいると助かるしな。少数精鋭で行く予定でオレを含めて6人パーティーで魔龍を攻撃する。だからシャロンの力がオレには必要なのだ。魔龍を討伐したあとは、神域に後宮を作りのんびり暮らしたり、バレンシアの森を制覇したりと楽しいぞ。刺激があること間違いなしだ。どうだ?」
シャロンは妖艶な笑みを見せると舌なめずりをする。刺激のある生活は、戦闘狂にとって魅力的な提案なのだろう。
「まあ嬉しい~。私を必要としてくれるのね! 一生ついて行くわ! しかも魔龍って強いのでしょう? 幸せすぎてバチが当たりそうだわ!」
さすが戦闘狂、強いモンスターと戦うことが好きなのだな。ただ魔龍と戦えるのはオレだけだがな。
シャロンはオレに抱きつき、アリシアを見てニヤリと不適な笑みを浮かべる。
アリシアの中からピシって音が聞こえた気がするが、気がつかなかったことにしよう。
「と、言いたいところなのだけど。今は私も立場がある身分なのよね。今から引退するとなると、引き継ぎとか色々やる事があるから……数ヶ月といったところかしら。それが終わったら合流でいいかしら?」
「もちろんだ。オレはしばらく戦闘訓練も兼ねて冒険者をやるつもりでいる。まずは隣の剣闘士王が治めるステュディオス王国、迷宮都市フェロニア市に行くから、そこを目指してきてな」
「分かったわ。早速引退の準備をするからもう行くわね。すごく楽しみね。じゃあまたね、ダーリン、チュ♪」
《フライ/飛行魔法》
キスをしてシャロンは空を飛んで城壁を超えて出て行く。気が早いな。もう少しゆっくりして行けばいいのに。戦闘狂だし、一刻も早く魔龍と戦うために合流をしたいのだろう。
「それではセシル様、お時間が迫っておりますから、衣装合わせに行きましょう」
神殿内部の部屋に行き、お針子から詳細な寸歩を測ってもらう。寸法直しが終わった衣装を着る。
う~む、派手だ。ひたすら派手だ。恥ずかしいな。祭服は黄金色を主体に白と若干の赤が混じった法衣だ。王冠はもっと派手だ。顔の2倍もある大きさ。モスクみたいな形をしていて王冠の後ろから垂れ幕みたいのが伸びている。そして黄金と銀をふんだんに使った王冠をかぶると確かに神の化身みたいだ。演出なのだな。
「セシル様とてもお似合いですわ」
後ろから声がしたので振り返るとアリシアたち3人だ。アリシアは祭服の白をベースにした芸術的な衣装を着ていた。
あまりの美しさに一瞬ボーッとしてしまった。それを不思議にアリシアは思ったようだ。
「? どうかされたのですか? セシル様?」
「アリシアの美しさに見とれてしまったようだ」
「……お戯れを」
そう言うと、カァッと顔を真っ赤にして下を向く。めっちゃ良い! さすが 超絶美少女! ヒューマンの美しさを超え、神々しいものになっていた。
「セシル様、パレードにご出発のお時間です」
オレは例の装飾がこれでもか、これでもかと、施された車に1人で乗る。今回は1人なのか?
「アリシアは一緒に来ないのか?」
「本日はセシル様のお披露目と国をお救いくださった感謝のパレードです。わたくしは後ろから見ておりますわ」
でもオレは祭服衣装を来ている可愛いアリシアとパレードしたい。
よし! ここは神の化身の強権発動だ。神の化身のオレが言うことなら、それが法律になるのだ。
「教皇マクファーソンよ。アリシアをオレの隣に乗せてパレードに行くことにしたからな」
微妙に不愉快そうな顔を演出しながら教皇マクファーソンを威圧してみた。
「う、セ、セシル様のお好きなようにされる事が良いかと」
よっしゃ! 教皇の了解を得たぞ!
「そういうことだ。アリシア、オレの隣に来なさい」
「は、はい。セシル様」
アリシアは車を上がってきて、長イスの隣に座った。アリシアの腰に手を回し抱き寄せた。
「……お戯れを」
彼女は顔を赤くし小さい声でそう言ってきた。そのように照れていたが、オレは全く気にせずに、2人の体はピッタリと密着した。国中にアリシアはオレの女だと宣言するように。誰にもアリシアは渡さんぞ。絶対にだ!
そんなことを考えていると馬車が走り出した。
神殿の門を抜けると大通りには沢山の神民が埋め尽くしていた。この国の人口って、こんなに多かったんだな。神民の中を車はゆっくりと走り出す。後ろからはパルミラ管弦楽団がクラシック的な音楽を奏でついて来ている。
そんな中オレとアリシアは片手を軽くあげて手を振っていた。日本で尊敬する皇族の方々の上品さを思い出しながら、似た感じで出来たら神っぽくて素敵だなと、ゆったりと手を振る。
それにしても物凄い声援だ。国をあげて感謝とお祝いをしてくれる感がとても嬉しい。このパルミラ教皇国はとても気に入った。
《探査マップ/神愛》
なんとなく探査マップ/神愛を開いた。どのような人たちがこの国で生活しているか興味があったからだ。色々な神民をタップしてみた。
周囲を見ていると、マーカーの色が黄色の点が圧倒的に多く、濃い緑、黄色薄青があり、赤も少数ある。ついでにアリシアのマーカーを見ると黄色薄緑だった。
前から気になっていたがこの色ってなんだろう?
《サポート》
この色ってどういう意味だ?
【この色は点が示す人が、セシルをどう思っているかということを示している。
●黄色=喜び
黄色薄緑=愛
黄色濃い緑=罪悪感
黄色薄青=感動
●薄緑=信頼
薄緑濃い緑=服従
薄緑薄青=好奇心
薄緑濃い青=好意
●濃い緑=恐れ
濃い緑薄青=畏怖
濃い緑濃い青=絶望
濃い緑紫=恥辱
●薄青=驚き
薄青濃い青=拒絶
薄青紫=憤慨
薄青赤=憎悪
●濃い青=悲しみ
濃い青紫=後悔
濃い青赤=監視
濃い青オレンジ=悲観
●紫=嫌悪
紫赤=軽蔑
紫オレンジ=優越
紫黄色=疑問
●赤=怒り
赤オレンジ=攻撃
赤黄色=妬み
赤薄緑=殺意
●オレンジ=期待
オレンジ黄色=楽観
オレンジ薄緑=迷い
オレンジ濃い緑=不安
ということである。二種類のものは、色が半分半分になっている】
そうだったのか。ていうことは黄色薄緑=愛、アリシアはオレを愛してくれているのか。人の心が分かると楽でいいな。
アリシアとは会ったばかりだが、神にずっと祈ってきた女の子だから、最初から愛なのだ。彼女に幻滅されないように頑張らねば!
《サポート》
(マーカーが赤=怒りが少数いるのはなぜだ?)
【彼らは自称アリシア親衛隊。神民ではなくアリシアに好意を持ちこの国に留まる者たち。アリシアの腰に手を回して密着しているセシルに対して怒っている】
そうだったのか。アリシアを好きになりすぎ、変なことを考える前に、アリシアがオレの女だということを教えてやろう。
隣で一生懸命手を振るアリシアに耳打ちする。探査マップでオレを愛していると知ったから安心だ。断られるというのはないだろう。
「アリシア、キスして良いか」
「え? ええ~! 今、こんなところでですか?」
「そうだ。オレとアリシアの親密性を神民に知らしめたい。嫌か」
「もちろん嫌ではありませんが、こんな大勢の前では恥ずか……し……い……ですわ」
「オレは恥ずかしくないからいくぞ」
「ん……ちゅっ……」
その言葉にアリシアは観念したのか、オレの方を向いて目をつぶる。彼女の柔らかい唇にキスをした。プニプニもちもちしていて、とても柔らかくていい香りだ。
ディープではなくフレンチキスだ。彼女はカァッと耳まで真っ赤になる。ヤカンを頭の上に置いたらお湯が沸きそうだ。
「「「キャ~キャ~キャ~。セシル様~! アリシア様~!」」」
マーカーの色がどうなったかを確認してみた。神民はこの行為に驚くものの、国の代表聖女と神の化身が仲が睦まじいことに喜んでいるようだ。
特に女子の黄色い声援が大音量で鳴り響く。そういったうわさ話がご飯より好きな女子は多いから、すぐに拡散するだろうな。キスのあと、若い女子の盛り上がり方は異常なほどであった。
さっき赤かった人のマーカーを見たら、赤から薄青紫に変わっていた。怒りから憤慨に変わっていた。数名は薄青赤に変わっている。怒りから憎悪になっている。人の女の親衛隊など勝手に作った神罰だ。わっはっは!
パレードは歓声から国歌斉唱に変わっていた。大声援の中を車は進んで行き、神殿に戻ってきて終了した。
クレタが走ってくる。
「セシル様、アリシア様本日はお疲れ様でした。休憩室をご用意しております。こちらへどうぞ」
休憩室で休んでいると入れ替わり立ち替わり、神の化身と関係を持ちたい有力者たちが頭を下げて挨拶しに来ていた。応対は全てアリシアに任せているのでオレは何もしなくて楽チンだ。
教皇マクファーソンと数名がオレのところにやってきた。
「セシル様パレードを疲れ様でした。神民は、ご尊顔を拝見でき、大変光栄だと喜んでおります。
今、枢機卿が全員到着いたしましたのでご紹介いたします。こちらに皆来なさい」
「「「はは!」」」
4人の枢機卿が近づいてきた。4人が横並びになり胸に右手をおく。左からシュライヒ・モラレス、ヴェロニカ・ブライズ、ノリス・オルセン、ライクト・エムデンだ。
「セシル様、お初にお目にかかります! 私たちは神の化身であらせられるセシル様に忠誠を生涯誓うことをお約束させていただきます! どうか我らの忠義をご信頼いただきたく」
枢機卿の代表でエムデンが発言をしてきた。
「うむ、皆の忠義はよく分かった。これからよろしく頼む」
「「「はは!」」」
皆ガチ宗教国家の上の方だけあってすごい気合いだ。みなぎっているというか、エネルギッシュだ。
ヴェロニカ・ブライズは枢機卿で唯一の女性だ。確か地球の宗教では女性が枢機卿にはなることができないと記憶している。異世界では男女平等が強いのだろう。
そういえば肉体の強さを見てもレベル制だ。もし、男性よりも女性がレベルが1つでも高いと、女の腕力が強くなるのだ。それがMMORPGモンスターハンターの世界であり、レベル制のシステムだと男女間はその程度の差にしかならない。
ただ、ヴェロニカの視線が妙に気になる。信仰心っていう感じよりも何か、病的なもののような熱い視線だ。温かな春の陽射しのような心地よいアリシアの眼差しに対して、体を貫くような鋭く不安感を抱くような眼差しだ。
まあ、地球でも狂心的な宗教者っているから、そのようなものか。
それよりも気になっていることがある。パレードから探査マップをずっと開きっぱなしにして、いろいろな人物のマーカーを見ていた。
教皇はオレンジ、モラレスは濃い緑薄青、メイスはオレンジ、オルセンは濃い緑。神に関しては期待と恐れ。そんな感じだよね。
ただ1人問題人物がいる、エムデンだ。エムデンを表す丸が赤オレンジになっている。敵対して攻撃も考えているということを示す色だ。マジか! 神の化身である、オレに敵対するとは何を考えているんだ、コイツはバカなのか?
この異世界でも当然こういうやつっているんだな。ゴキブリみたいに沸いてくるものだ。何か仕掛けてくるまでほっておこう。その気になればオレ個人の武力で討伐できるしな。
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