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第二章 始まりの街防衛戦‼
第百四十二話 初の強敵!《2》
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完全に本気の戦闘のモードに入ったナギと岩の巨人。両者の間にはどこか張り詰めた空気が流れていたが、反対にナギの浮かべる表情はこれからの戦闘を想像して笑みを浮かべていた。岩の巨人は顔がまず見難くて表情こそ分からないが真剣な雰囲気は伝わってくる。
そして四足歩行の獣のような体勢になったナギはしばらく様子を見ていたが、次の瞬間には岩の巨人が先に動き出す。
最初に格闘家のような構えのまま引いた右腕を全力で突き出した。距離的には届く距離ではない、だが突き出した拳は勢いそのままに撃ち出されたのだ。
「っ!」
ただナギは拳が付き出された瞬間には走り出していた。もちろん拳が飛んだ瞬間には驚いたように目を見開いていたが、同時に笑みもより深くなっていた。
飛んでくる拳だが先ほどの岩の砲撃程の勢いはないようでナギは冷静に見極めてから、躱しながら確実に前へと進む。もちろんただ躱すのではなく、すれ違いざまに拳へとファイヤーボールを発動して無駄だと思いながら放つ。
ろくに圧縮もされていないただの火球でしかないそれは、当たったか所に小さな焦げ跡を残しただけで予想戸落ちの何のダメージを残さなかった。
ただナギとしても元からダメだと思っていた事だったので、特に気にする事なく走り抜けた。
その先に居た岩の巨人を見てナギは二度目の驚愕の光景を見た。
そこでは拳を飛ばしたはずの岩の巨人のないはずの右拳が何故か再生していたのだ。さすがに完全に予想外の光景にほんの一瞬、ナギの足が止まってしまう。
それは本当に一秒にも満たない停止で普通なら問題にならなかっただろう、しかし今回は相手が悪かった。
一瞬だが動きの止まったナギの隙を見の画さずに岩の巨人は、向けたままの右手の指先から石弾を飛ばしてきた。それは鉱山の途中に居たストーン・バグのようだったが、指一つ一つから同等の数を放つのでナギから見ると壁のように見えた。
その光景にはナギも少なからず恐怖を感じた。だが今は完全に戦闘のスイッチが入っているため、恐怖はすぐに消えて一瞬で対抗策を決める。
『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』
同時に4発もの火球を出したナギはすぐさま魔力操作で3秒以内に可能な範囲で圧縮して、迫って来る石弾…ではなくその下の地面の1か所へと一斉に放つ。
ドガガガガガッ‼と放たれた火球は数も多かったのに加え、1か所に集中していたので連続する爆音を響かせながら地面を抉る。その影響で土煙が発生してどうなったか確認できなかったが、一切の躊躇なくナギはその中へと飛び込むように突撃する。
途中で煙に包まれて見えにくい中なのもあって地面のくぼみに足を取られたが、ギリギリ転ばずに走り続けた。
そして煙の中を走り抜けると目の前には石弾を放った体勢から、最初の拳を放った時の構えに戻っていた。岩の巨人はそのまま煙を抜けたナギに向かって左拳を放つ。
煙を抜けると同時に見えた巨大な拳に反応したナギは体を更に前に下げる。顔が地面につきそうなほど下げたナギだが、ギリギリつかない体勢で飛んでくる拳の下をくぐるように通り抜けようとする。
しかしそんなよけ方を許すほど相手も甘くはない。
岩の巨人はナギの姿が自分の拳で見えなくなると何か感じ取ったのか腕を無理やり止めて、振り下ろしへと無理やり変えた。
それを上の腕の動きから感じ取ったナギも見もせずに横へ転がるようにして回避する。
次の瞬間には地面に振り下ろされた拳で地面が砕けて破片がナギを襲うが、そんな事を一切気にせずに体勢を低くしたまま前に進む。
岩の巨人もその事はわかっているので阻もうとする。だが無理やり振り下ろした左腕を壁のようにされて、すぐに阻むことが出来ずにナギの接近を許してしまう。
『ファイヤーエンチャント』
接近したナギは楽しそうに笑みを浮かべたまま呟くように口を動かしてエンチャントを使用する。
その赤く染まった刃に二度も傷を付けられた岩の巨人は何とか阻止しようと蹴りを放つ。しか自分へと迫る巨大な足にナギは意味深にニヤリと笑みを深めた。
「ありがとう。ちゃんと攻撃してくれてっ」
そう言ったナギは向かって来る足を大きく避けることはせず。あえて当たるギリギリまで引き付けてから流れるように横へ逸れて、横を通る時にエンチャント済みの短刀で足を切りつける。
これだけなら先ほどの二度の攻撃と同様に小さな傷をつけるだけで終わっただろう。しかし今回は相手の蹴りの勢い×ナギ自身の走る速度も加わった威力となった。
そのため今回の攻撃は今までにない大きな傷跡を残す。走り抜けたナギが念のために岩の巨人のHPを確認すれば1㎝弱も一気に減っていた。
ただやはり痛覚は無いようでイラついてはいても痛がる様子は見られなかった。
「やっぱりただの攻撃よりも、こういう攻撃の方が効果的だな」
相手が痛がらなくて確かな傷を与えて、ダメージが入っているのを見たナギは満足そうに頷いて移動を開始する。数舜後、先ほどまでナギの立っていたところにガガガがガガガッ‼という何かを削る音と共に大量の石弾が撃ち込まれる。
いままでにない大きな傷を付けられた事に怒った岩の巨人が両手から放った石弾は、まるでガトリング法とでも言うべき勢いで間断のない攻撃を続ける。しかもナギの移動に合わせて追いかけるように上半身を回して石弾がナギの後を追う。
「ちっ…」
雨のように撃ち出され続ける石弾にナギはめんどくさそうに舌打ちをして走り出す。しかし追いかけるように打ち出される石弾はなかなか振り切ることができず、このままではまずいと判断したナギは1つの賭けに出る。
「っ‼」
追いかけて来る石弾の射線からそれるように動いた瞬間に一息で岩の巨人を目指して飛び出す。だが近寄ればそれだけ撃つ側は手の古範囲が狭くなって、狙いはより正確性を増していく。
証拠に今までは1m以上の間を空けて避けていた石弾だったが、今ではナギの後ろ30㎝ほどの場所をずっと打ち抜いているのだ。
それでも何とかギリギリのところで当たらないように時に飛ぶように横へ移動し、時にはわざと速度を落としてぶつかる寸前まで近寄るなどの変則的な動きをする事で避け続けていた。
危険なのを分かったうえでそんなギリギリのよけ方で走り続けたナギが岩の巨人との距離が後少しになると、小さな石弾が一発放たれただけで弾幕が止んだ。
そんな相手の変化にナギは警戒して足は止めなかったが慎重に観察する。岩の巨人は特に攻撃されたわけでもないのに何故か膝をついていた。
さすがにこの状況はナギも予想外だったのか首を傾げたが、すぐに確認したHPのバーの下にもう一つあった事を思い出す。そこにあるのは青いMPを表示するバーで残りがほんの少ししかない状態だった。
それを確認したナギは納得したように小さく頷いた。
「なるほどな。あのバカみたいに撃っていた石弾はMPを消費するのか。と言うかMPってバーがあったんだっけか?……見えてるんだし会ったんだな、きっと…」
あまり見た覚えのないMPのバーを見て少し首を傾げたが、戦闘中なので見えているならあるんだろう…と判断して考えを止める。
そしてナギの意識がずれている一瞬の隙を見逃さずに岩の巨人は動き出していた。
岩の巨人はMPの切れた反動で膝をついた体勢から立て直して、ナギに向けて両手の拳を連続で撃ちだした。それに気が付いたナギは特に慌てると言う事もなく冷静に対処しようと動き出す。
最初に打ち出された拳と同じように低姿勢に成る事でナギは躱そうとした。だがすぐに何か悪寒のような物を感じたナギは全身の力を使った大きく横に飛んだ。
すると放たれた2つの拳は最初のただ真っ直ぐ跳んだ拳とは違い。地面に這いつくばるような姿勢になったナギを潰すため、急に動きを変えて地面を抉るようにして飛んできた。
ドガガガガッ‼と地面を削りながら進むそれを確認すると楽しそうに笑っていたナギの顔がわずかに引きつる。
この攻撃がもし自分に当たっていたら…そう思ったら楽しんでいる気分ではなくなる。それでもすぐに楽しそうに笑みを浮かべ続けるナギは何処かずれているのだろう。
そんな笑顔を浮かべたナギは地面を削る拳と拳の間を縫うようにして通り抜ける。普通ならそんな危険な場所は通ったりなどしないが、ナギは横に移動するのは危険だと直感的に判断して危険な場所を選んだのだ。
そしてその予想は見事に的中した。ナギは地面に這うような低姿勢は変えずに走っていたのだが、両脇の拳が急に横移動を始めて間を狭めて来たのだ。完全に左右から挟まれた形になったナギは一貫の終わりで、先程の拳の間を通る判断は間違っているように思える。
しかしナギは近寄った事で幅の狭まった拳を蹴る事で高く上空へと跳んだ。
『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』
上空に飛んだナギは早口で魔法を発動して火球を2つ出す。徐々に落下して行く中でその2つの火球を魔力操作で全力で圧縮する。
最終的に地面に落ちるまでにピンポン玉程の大きさまで圧縮した2つの火球を、着地したと同時にすでに再生している岩の巨人の両こぶし目掛けて撃ち出した。その撃ち出された2つの火球は猛スピードで向かい、すぐに対応できなかった岩の巨人は直撃した。
「これがどこまで効くかだな…」
2つの火球が爆発した事で見えなくなった岩の巨人の居た場所を見つめながらナギは真剣な声音でそう言う。今までは満足に圧縮できずに攻撃力が下がっていたが、今回は全力で圧縮した攻撃だ。
つまり、この攻撃が効くのかによってこの後の戦闘の流れが大きく変わると言う事だった。そのためナギは煙の中を真剣に見つめるのだ、後ろなど気にもせずに…
そして四足歩行の獣のような体勢になったナギはしばらく様子を見ていたが、次の瞬間には岩の巨人が先に動き出す。
最初に格闘家のような構えのまま引いた右腕を全力で突き出した。距離的には届く距離ではない、だが突き出した拳は勢いそのままに撃ち出されたのだ。
「っ!」
ただナギは拳が付き出された瞬間には走り出していた。もちろん拳が飛んだ瞬間には驚いたように目を見開いていたが、同時に笑みもより深くなっていた。
飛んでくる拳だが先ほどの岩の砲撃程の勢いはないようでナギは冷静に見極めてから、躱しながら確実に前へと進む。もちろんただ躱すのではなく、すれ違いざまに拳へとファイヤーボールを発動して無駄だと思いながら放つ。
ろくに圧縮もされていないただの火球でしかないそれは、当たったか所に小さな焦げ跡を残しただけで予想戸落ちの何のダメージを残さなかった。
ただナギとしても元からダメだと思っていた事だったので、特に気にする事なく走り抜けた。
その先に居た岩の巨人を見てナギは二度目の驚愕の光景を見た。
そこでは拳を飛ばしたはずの岩の巨人のないはずの右拳が何故か再生していたのだ。さすがに完全に予想外の光景にほんの一瞬、ナギの足が止まってしまう。
それは本当に一秒にも満たない停止で普通なら問題にならなかっただろう、しかし今回は相手が悪かった。
一瞬だが動きの止まったナギの隙を見の画さずに岩の巨人は、向けたままの右手の指先から石弾を飛ばしてきた。それは鉱山の途中に居たストーン・バグのようだったが、指一つ一つから同等の数を放つのでナギから見ると壁のように見えた。
その光景にはナギも少なからず恐怖を感じた。だが今は完全に戦闘のスイッチが入っているため、恐怖はすぐに消えて一瞬で対抗策を決める。
『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』
同時に4発もの火球を出したナギはすぐさま魔力操作で3秒以内に可能な範囲で圧縮して、迫って来る石弾…ではなくその下の地面の1か所へと一斉に放つ。
ドガガガガガッ‼と放たれた火球は数も多かったのに加え、1か所に集中していたので連続する爆音を響かせながら地面を抉る。その影響で土煙が発生してどうなったか確認できなかったが、一切の躊躇なくナギはその中へと飛び込むように突撃する。
途中で煙に包まれて見えにくい中なのもあって地面のくぼみに足を取られたが、ギリギリ転ばずに走り続けた。
そして煙の中を走り抜けると目の前には石弾を放った体勢から、最初の拳を放った時の構えに戻っていた。岩の巨人はそのまま煙を抜けたナギに向かって左拳を放つ。
煙を抜けると同時に見えた巨大な拳に反応したナギは体を更に前に下げる。顔が地面につきそうなほど下げたナギだが、ギリギリつかない体勢で飛んでくる拳の下をくぐるように通り抜けようとする。
しかしそんなよけ方を許すほど相手も甘くはない。
岩の巨人はナギの姿が自分の拳で見えなくなると何か感じ取ったのか腕を無理やり止めて、振り下ろしへと無理やり変えた。
それを上の腕の動きから感じ取ったナギも見もせずに横へ転がるようにして回避する。
次の瞬間には地面に振り下ろされた拳で地面が砕けて破片がナギを襲うが、そんな事を一切気にせずに体勢を低くしたまま前に進む。
岩の巨人もその事はわかっているので阻もうとする。だが無理やり振り下ろした左腕を壁のようにされて、すぐに阻むことが出来ずにナギの接近を許してしまう。
『ファイヤーエンチャント』
接近したナギは楽しそうに笑みを浮かべたまま呟くように口を動かしてエンチャントを使用する。
その赤く染まった刃に二度も傷を付けられた岩の巨人は何とか阻止しようと蹴りを放つ。しか自分へと迫る巨大な足にナギは意味深にニヤリと笑みを深めた。
「ありがとう。ちゃんと攻撃してくれてっ」
そう言ったナギは向かって来る足を大きく避けることはせず。あえて当たるギリギリまで引き付けてから流れるように横へ逸れて、横を通る時にエンチャント済みの短刀で足を切りつける。
これだけなら先ほどの二度の攻撃と同様に小さな傷をつけるだけで終わっただろう。しかし今回は相手の蹴りの勢い×ナギ自身の走る速度も加わった威力となった。
そのため今回の攻撃は今までにない大きな傷跡を残す。走り抜けたナギが念のために岩の巨人のHPを確認すれば1㎝弱も一気に減っていた。
ただやはり痛覚は無いようでイラついてはいても痛がる様子は見られなかった。
「やっぱりただの攻撃よりも、こういう攻撃の方が効果的だな」
相手が痛がらなくて確かな傷を与えて、ダメージが入っているのを見たナギは満足そうに頷いて移動を開始する。数舜後、先ほどまでナギの立っていたところにガガガがガガガッ‼という何かを削る音と共に大量の石弾が撃ち込まれる。
いままでにない大きな傷を付けられた事に怒った岩の巨人が両手から放った石弾は、まるでガトリング法とでも言うべき勢いで間断のない攻撃を続ける。しかもナギの移動に合わせて追いかけるように上半身を回して石弾がナギの後を追う。
「ちっ…」
雨のように撃ち出され続ける石弾にナギはめんどくさそうに舌打ちをして走り出す。しかし追いかけるように打ち出される石弾はなかなか振り切ることができず、このままではまずいと判断したナギは1つの賭けに出る。
「っ‼」
追いかけて来る石弾の射線からそれるように動いた瞬間に一息で岩の巨人を目指して飛び出す。だが近寄ればそれだけ撃つ側は手の古範囲が狭くなって、狙いはより正確性を増していく。
証拠に今までは1m以上の間を空けて避けていた石弾だったが、今ではナギの後ろ30㎝ほどの場所をずっと打ち抜いているのだ。
それでも何とかギリギリのところで当たらないように時に飛ぶように横へ移動し、時にはわざと速度を落としてぶつかる寸前まで近寄るなどの変則的な動きをする事で避け続けていた。
危険なのを分かったうえでそんなギリギリのよけ方で走り続けたナギが岩の巨人との距離が後少しになると、小さな石弾が一発放たれただけで弾幕が止んだ。
そんな相手の変化にナギは警戒して足は止めなかったが慎重に観察する。岩の巨人は特に攻撃されたわけでもないのに何故か膝をついていた。
さすがにこの状況はナギも予想外だったのか首を傾げたが、すぐに確認したHPのバーの下にもう一つあった事を思い出す。そこにあるのは青いMPを表示するバーで残りがほんの少ししかない状態だった。
それを確認したナギは納得したように小さく頷いた。
「なるほどな。あのバカみたいに撃っていた石弾はMPを消費するのか。と言うかMPってバーがあったんだっけか?……見えてるんだし会ったんだな、きっと…」
あまり見た覚えのないMPのバーを見て少し首を傾げたが、戦闘中なので見えているならあるんだろう…と判断して考えを止める。
そしてナギの意識がずれている一瞬の隙を見逃さずに岩の巨人は動き出していた。
岩の巨人はMPの切れた反動で膝をついた体勢から立て直して、ナギに向けて両手の拳を連続で撃ちだした。それに気が付いたナギは特に慌てると言う事もなく冷静に対処しようと動き出す。
最初に打ち出された拳と同じように低姿勢に成る事でナギは躱そうとした。だがすぐに何か悪寒のような物を感じたナギは全身の力を使った大きく横に飛んだ。
すると放たれた2つの拳は最初のただ真っ直ぐ跳んだ拳とは違い。地面に這いつくばるような姿勢になったナギを潰すため、急に動きを変えて地面を抉るようにして飛んできた。
ドガガガガッ‼と地面を削りながら進むそれを確認すると楽しそうに笑っていたナギの顔がわずかに引きつる。
この攻撃がもし自分に当たっていたら…そう思ったら楽しんでいる気分ではなくなる。それでもすぐに楽しそうに笑みを浮かべ続けるナギは何処かずれているのだろう。
そんな笑顔を浮かべたナギは地面を削る拳と拳の間を縫うようにして通り抜ける。普通ならそんな危険な場所は通ったりなどしないが、ナギは横に移動するのは危険だと直感的に判断して危険な場所を選んだのだ。
そしてその予想は見事に的中した。ナギは地面に這うような低姿勢は変えずに走っていたのだが、両脇の拳が急に横移動を始めて間を狭めて来たのだ。完全に左右から挟まれた形になったナギは一貫の終わりで、先程の拳の間を通る判断は間違っているように思える。
しかしナギは近寄った事で幅の狭まった拳を蹴る事で高く上空へと跳んだ。
『ファイヤーボール』『ファイヤーボール』
上空に飛んだナギは早口で魔法を発動して火球を2つ出す。徐々に落下して行く中でその2つの火球を魔力操作で全力で圧縮する。
最終的に地面に落ちるまでにピンポン玉程の大きさまで圧縮した2つの火球を、着地したと同時にすでに再生している岩の巨人の両こぶし目掛けて撃ち出した。その撃ち出された2つの火球は猛スピードで向かい、すぐに対応できなかった岩の巨人は直撃した。
「これがどこまで効くかだな…」
2つの火球が爆発した事で見えなくなった岩の巨人の居た場所を見つめながらナギは真剣な声音でそう言う。今までは満足に圧縮できずに攻撃力が下がっていたが、今回は全力で圧縮した攻撃だ。
つまり、この攻撃が効くのかによってこの後の戦闘の流れが大きく変わると言う事だった。そのためナギは煙の中を真剣に見つめるのだ、後ろなど気にもせずに…
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