最果ての少女は祈れない

ヤマナ

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終わる世界

裏側の世界のお話

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「聖女様。 本日も聖女様宛てにお手紙が届いております」

「ありがとうございます。 では、いつものように読み聞かせていただけますか?」

「承知いたしました」

カルネから初めて生者達の街の話を聞いたお茶会から、もう数週間が経過しました。
あれからも、カルネは隙を見つけてはお城まで出向いてナナシに色々なお話を聞かせて下さっています。 レイド様が本当にお仕事から抜けられない時以外は、レイド様もお誘いになって。
しかし、カルネも公爵令嬢という王太子殿下であるレイド様のような立場に在られる方だそうで、なのでお仕事の時以外は暇をしているナナシと違って基本的には忙しくしていらっしゃられるそうなので、いつもお城まで来られるわけではありません。
でも、そういう時にはナナシにお手紙を下さるのです。
お手紙にはいつも、カルネが隙を見つけては街に出掛けた時のエピソードが書き連ねられています。 時にはお土産としてお菓子や髪留めなどを同封して下さって、そのおかげでカルネの体験談をナナシにも実感出来るようでした。
外の世界のお話。 
それは、ナナシがお世話になっているレイド様への恩返しのため、そのお力になるために知るべきもの。 けれど、今となってはカルネのおかげで外の世界のお話は、ナナシにとっての楽しみにもなっていました。
だから、今日もまたそのような気持ちで手紙を読み聞かせてくれるメイドさんの声に耳を澄ませていたのです。

「では、読みますね……『拝啓、聖女殿。 この度は突然のお手紙、申し訳ない』」

でも始まったのは、期待していた軽い挨拶から始まるいつものカルネの手紙とは違う、お堅い挨拶。
楽しみにしていた手紙とは明らかに違います。
そして、カルネ以外にナナシに手紙を送ってくるような人物とは誰なのでしょう……。

「あの、そのお手紙はどなたからの」

「『訝しまれるのも分かるが、先ずはご静聴願おう。 僕は貴女に、レイスラーク令嬢からでは聞く事の出来ない、この国の〝もう一つ〟の姿を教えたいと思い、この手紙をしたためたのだから』」

そのように言葉をもって御されれば、ナナシは大人しくするより他にありません。
だって、カルネのお話は楽しみながら聞いていましたが、けれど元よりナナシが生者達の世界を知りたいと思ったのは使命感からの事なのですから。
なので口元を引き締めて、手紙の話を聞く姿勢をとります。
すると、メイドさんはすぐに手紙の朗読を再開するのでした。
……その手紙に書き連ねられていたのは、カルネが話してくれたような、明るく、そして強かで活気ある暖かな雰囲気を感じさせるような生者達『命』の営みとはまた違うお話。
仄暗さを感じさせながらも、確かに生者達が生きるための営みの一側面であろうお話でした。
例えば、人は社会生活の中で生きるために働きます。
そして、働くのはお金を稼ぐためであり、お金を稼ぐのは生活に必要な物資を購入するためです。 そうする事で『だいたい』の人達は、社会の中で生活を営むための衣・食・住の全てを揃える事が出来ます。
それこそが貨幣制度という、現在の王国における社会制度の形なのですから。
でも、中にはそれに適応出来ない者もいる。
それは、様々な理由で定職に就けない者、劣悪な労働環境に身を窶した者、低所得者達。 そんな人達は皆、生活水準も低く、まともに食にありつけない事さえあるといいます。

「『国の保証制度も万全ではない。 故に、どうしてもそういった取り零しというものは発生するんだよ。 しかし、そういう者達の救いとなる存在がある。 いわゆる、闇市場というものだ』」

曰く闇市場とは、国の関税制度から逃れて違法に税金の掛かっていない品を商う場だそうで、他にも、国内で認可されていない人身売買なども行っているとか。
税金が掛かっていない分、当然正規の市場に流通している品よりも安く品を買う事が出来ます。
なので、あまりお金が無く、そして衣住はともかく日々の食に困る者は皆、その闇市場を利用しているのだそうです。
しかし、当然ながら闇市場は違法の場。 本来ならば取締られて然るべきです。
そして当然、この事実を知ったナナシは、このお話を手紙と共にレイド様にお知らせするべきなのでしょう。
けれど、まるでナナシのその意思を先読みしていたかのように手紙はまだ続きます。

「『当然、法に背く行いである事に間違いは無いだろう。 しかし、どうだろう。 実際にこの闇市場の存在で誰が困っているだろうか? 当然、国家としては税収が減っているのだから多少困りはするだろうが、それでも政の運営が破綻する程のものではない。 この闇市場を運営しているのは一部の貴族や資産家達だが、彼らが商売相手として選ぶのは貧しく、そして違法行為を容認して違法に手を出さなければ生活していけないからこそ違法を訴えない者ばかり。 そうでないと、すぐに違法行為が国にバレてしまうからね』」

品の値段から税収分の価格が減る分、一部の貧しくて生活が立ちいっていない者達の金銭的負担は軽くなる。 
なるほど、確かに双方にとっての利があれば、利害関係の構築は容易い。 それは信用というよりは共犯関係ですが、しかし共倒れの可能性がある以上は、情のみによって結ばれるような信頼関係より遥かに強固な関係性となるでしょう。
もちろん闇市場を運営する貴族や資産家側は慈善的というわけでも、まして貧者の救済が目的というわけでもなく、ただそうした方が儲けられるからというだけの事なのでしょう。 
しかしその行いは、結果的にはそうした貧者の助けにもなっている。
だからこそ、それが非合法なれども一つのシステムとして成立しているという部分もある。
それを善しか悪しかと問われれば法的には間違いなく悪であり、しかし、実際に生活を営む貧者達にとってはそれが例え法理に背く非合法であったとしても、助けとなる善業である事には違いないのです。
つたりこの闇市場というものは、違法という悪性の側面を持ちながら、貧者の生活の助けとなる善性も持っている、という事になります。

「『今はこんなご時世だ。 いくら貴女が私達の脅威を祓ってくれているとしても、元よりの貧富の差と、このご時世の不況による民の生活苦までは、今すぐにどうにかする事なんて出来はしない。 彼らが生活を送るには、どうしたって正しさや綺麗事だけでは足りない。 明確な、数理による救いが必要だ』」

そして、その救いというのが闇市場である。
手紙の主は、そのように仰りたいようです。
確かに、話を聞く限りでは良い事のように聞こえはします。 違法行為であるという一点に目を瞑れば、闇市場というものは貧しい生活を送る者達の救いとなっているのですから。
法治国家において、どうしたって人はその制度から逃れられません。
まして、敷かれているのが貨幣制度となれば尚の事。 
そんな社会に於いて、貧富の差はどうしたって発生するものですから。
だから、貧しさから逃れられないというのなら、社会制度の中で生活を営み生きていくというのなら、手を汚し罪を犯してでも生きる道を選ぶ。 悪と分かりながら、悪を為す。
全ては、生きる為ならば。
それこそが、生者の宿痾であり業なのでしょう。
正しく、善く。 
それが人の理想ではありますが、しかし現実はそうばかりともいかない。 誰しも、何処かで何かの弾みに理想から外れていくのです。

「『所詮、法やルールは定めた者が環境を統治し易く運営するための道具でしかない。 しかし、人は誰しもそれだけに縛られるものではない。 だからこそ僕は、正義ばかりの兄上を押し除けて玉座に座ろうと思う。 聖女ナナシ、君はどう考える? よければ、機会がある時にでも教えて欲しく思うよ』」

返信は不要だ、と手紙は締め括られました。
なんとも……実に濃い、お話でした。
カルネがいつも話してくれる事とは対極にあるような、平和や平穏の裏側に存在する者達のお話。 それは、人によっては本来秘匿されるべき汚点にも等しいものでしょう。
だって、本来ならば悪いものは是正すべきで、ましてそれが違法行為であるなら尚更の事なのですから。

「でも、わざわざそんなお話をナナシにするだなんて……ロイド様はいったい、何をお考えなのでしょうか」

手紙の最後は、野心を込めての言葉であろう記述で締められていました。
手紙の始めで差出人を暈していたのに、最後の最後で誰からの手紙であるかを明かすかのように隠す事の無い明確な意志とレイド様への敵意を綴っていましたけど、きっとそれも確信的な事なのでしょう。 
しかし、その目的は何だと言うのか。 ……皆目見当もつきません。
だって、書いてあったのはこの国の現在の善悪の在り方に関するお話や、実際に存在するのであろう違法な闇市場のお話ばかりでした。
それで、ロイド様は何を仰りたいのか……。 
何をナナシに伝えたかったのか。
そこまで考えて、しかし、やはり分からない。
何も、答えのような思考には至れない。
じゃあどうしようかと考えて、思考がぐるぐると坩堝に落ちていく……ならいっそのこと、直接真意を伺いに出向くか。 でも、レイド様からはロイド様に近付かないように言われていますし、いや、でも……。
そんな風にこの手紙についてどう対処すべきかと考えて、けれどもどうするのが正しい行いかを考えている最中、唐突に、何か「ゴクリ」と嚥下するような音がしました。

「えっ」

それにナナシが反応すれば、次いで謝る声がしてきます。

「ご、めんなさい聖女様っ!! でも、でも仕方がなくて、こうしろって言われていて………そ、それでは私はこれでお暇をいただきます。 しっ、失礼しました!」

急な事に反応が遅れましたが、その必死そうな声は直前まで手紙の読み聞かせをしてくれていたメイドさんの声でした。
ついさっきまで、何一つの疑念さえ抱かなかったメイドさん。
しかし本当は、メイドさんはロイド様の手先だった。
ナナシに付けられる使用人さん達は皆、レイド様が信頼する者達で構成されているという話でした。 なのにあのメイドさんはロイド様の命を受けてナナシの傍にいた。
裏切りか、或いは始めから味方ではなかったのか。
どちらかは分かりませんが、結局のところ結果に変わりはありません。
ナナシに手紙を読み聞かせ、そしてロイド様がナナシに接触した痕跡を隠蔽したのですから。
あのメイドさんは間違いなく、レイド様を欺いてロイド様の命を為したのです。

「……なるほど」

そしてその様に、そういう事かと、もう既にいなくなったメイドさんを思い返してナナシは納得しました。
要は、ロイド様はナナシに知らしめたかったのでしょう。 
カルネが聞かせてくれる楽しげな明るい世界の在り方とは違った、正しさや善業なんかではどうにもならないような日陰の如きこの世界の裏側の有り様を。 
もっとも、それでロイド様がナナシをどうしたいのかまでは分かりませんが。
でも、こうしてそんな話をナナシに聞かせるという事は、ロイド様はきっとそんな裏側の世界の在り方を容認しているのでしょう。 
……でも、それは本当に正しい事なのでしょうか?
そんなの、ナナシにはやっぱり分かりません。
分かりませんが……でも間違いなく、悪い事はいけない事だと、それだけは分かるのです。
だって悪い事をしたら、痛いですから。
目元に巻いた布の下の洞に手を当てて、ずっと昔のすごく恐ろしくてとても痛かった、瞳を失った時の記憶がフラッシュバックして架空の痛みに眉根を寄せる。
悪事を犯せば、罪を背負う。
罪を背負えば、罰せられる。
なのに、生きるために悪を為す事を許容し、あまつさえ前提に置く。 この場所には、そんな在り方も存在する。
なるほど、と理解すると同時に、しかしどうしてもナナシには解せませんでした。
だって、そんな風に悪が許されるのなら、どうしてナナシはあの時に罪を背負わされたのか、罰を受けたのか。
どうして……どうして赦されなかったのか……!

「……今日はもう、寝よう」

こんな事、考えたってしょうがない。
だって理不尽なんて今更で、そもそもナナシのそれはとっくの昔に終わった話で、今更どうにかなるものではないのですから。
だから流して、忘れて、そして明日を夢見る。
これまでもずっと、そうしてきたのですから。
だから、今日もそのようにとナナシは1人、寝室でベッドに身を横たえて眠るのです。
下らないナナシの過去なんてさっさと忘れて、明日には今日の手紙の事についてもっと深く考えるために。
おやすみなさいと、現実から夢の世界へと逃げ出すのでした。


◆  ◆  ◆  ◆  ◆


「無事、聖女様に読み聞かせを果たしたと報告が上がりました」

「ああ、ご苦労。 任を果たしたメイドには褒賞を。 それとそのメイドはすぐさま城から放逐しておくように。 縁者も含めて、痕跡から放逐後の足取りに至るまで、兄上に嗅ぎ付けられないよう完璧に消しておいてくれよ」

自らの侍従の報告に、ロイドは執務机の上に広げた書類から一切目を離す事も無いままにそのように返事をする。
そしてその後の処置についても同様に、何の事はないとばかりに自らが使っていたメイドの処遇をまるでチェスのコマを動かすかの如く決めて、そして後の扱いだけは侍従に投げた。

「……御意に」

そしてそんな主人に対し、侍従は少しの不服を滲ませた声音ではあるが指示を承諾する。

「なんだ、リンドにしては随分と不服そうじゃないか」

「ええ、それはまあ……」

「こんなの今更だろう。 いい加減、慣れてくれ」

つまらなそうにそう言い捨てて、ロイドはようやく書類から顔を上げると自らの侍従を見据えて「それ以上は何も言うな」とばかりに圧を掛ける。
侍従もまた、自らの主人がこのようになってしまっては忠言など一つも聞き入れられない事を理解しているが故に、今度は何の感情の色も乗らない無機質な声音で、再度「御意に」と返答した。
それを見てロイドも満足気に頷くと、ついでに集中力も切れたのか今度は立ち上がって凝り固まった身体を伸びをしてほぐし、欠伸を一つ漏らすと、話を始めに戻して話し始める。

「それにしても、あの手紙の中身を聞いてナナシはどう思ったかな? 僕に同調してくれるのならそれはそれで構わないけど、出来れば彼女には兄上の側に着いていてほしいんだよなぁ」

「そればかりはなんとも。 なにせ、人となりの掴めないお方ですから」

「まあ、そうだな。 周りの空気を読んだような動きをするかと思えば、話してみれば思ったよりも利己的だし。 何より、あれで意外と腹を割ったら相当な食わせ者みたいだからな」

本当に、何を考えているやら読めないな。
そうナナシの事を評しながら、ロイドは面白い事を思い付いたように「そうだ」と漏らした。

「そんな彼女が兄上の本性を知ったらどう思うかな。 多分、そう遠くないうちに知る機会が出来ると思うんだけど、リンドはどう思う? ナナシは兄上に引くかな」

「それもまた、なんとも。 しかし、個人的にはレイド殿下よりもロイド様の方が人として好きになれると思います」

「ははっ、そんな思ってもいない事言うなよ」

「いいえ、真実にございますよ。 ロイド様の方がマシと言う意味合いですので」

「はははっ、殴るぞコイツめ」

言葉とは裏腹に、ロイドは実に楽しそうにリンドの嫌味を笑って流す。 リンドもまた、幼い頃からの付き合いでロイドの気質を分かっているが故に、やれやれと困ったものを見やる。 
しかし、そんな慣れた者同士のじゃれ合いもそれまでで、ロイドが笑い終えると2人はすぐさま切り替えて己の役目に戻っていく。
ロイドは引き続き書類仕事に。
そしてリンドは、主人の意思を遂行しに。

「では、聖女様とレイド殿下の監視の目を増やしに行って参ります」

「古狸共の方もな。 それと、何か面白い事があったらすぐに報告に来てくれ」

「御意に」

こうして、主従は暗躍する。
これから起きるだろう騒動の予感に期待しながら、この動乱の世界で何がどう変遷していくのかを見定めるために。
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