公爵令嬢の辿る道

ヤマナ

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辿り至ったこの世界で

求めしは

ここ数日で、例の発光現象について幾つか分かった事がある。
その原因は、ジーク曰く『聖霊』というアリステルの歴史の影に潜み隠れ、しかし、密かながらも多大な影響を与えた、在り方はおろか記録的にさえも不鮮明な存在による事象であったのだという。
その特徴は、私が把握出来た限りでも幾つかある。
一つ。 基本的には不可視であり、けれども私の側に在る『モノ』だという事。
王城内部で起こる固有の現象であるのだろうかと初めは思っていたけれど、そうであるならばジークから聞かされた話と擦り合わせた時に整合性が生まれない。 
ジークは、この『聖霊』と呼んだものを私に付随しているものであるかのように語っていたのだから。
ならば、王城に関わりこそあれど、おそらく本質はそのように非ず。 故に『聖霊』とは、今の私に憑いているモノであると考えられる。
二つ。 この『聖霊』は個体、あるいは群体としての意思を持つ存在だという事。
と言うのも、初めて発光現象と百合の異常成長が起きたあの日以降、『聖霊』は偶にではあるが、私のふとした些細な望みに感応してそれを叶えてくれるようになったのだ。
例えば、照る日の光が強いとサリーと話していれば例の光と共に雲が掛かり、花壇の雑草を煩わしく思えば同じように光と共に全て枯れ朽ちていった。
もしもそれらの現象を『聖霊』が起こしているとして、その上で私の言っている事や思っている事を理解しての行いであるならば、少なくとも『聖霊』とは知的存在であると言えるのではないだろうか。
それに加えて、彼らは私がお礼を言えば無数の光が辺りを縦横無尽に舞い飛ぶし、挨拶をすればより強く光を発して反応を示す。 人の言葉に反応して応じるような反射的機構である可能性は否定出来ないけれど、そのような機構が自然発生するものとも考え難い。
それに、私から観測した彼らはどうにも感情のある生き物にしか見えないのだ。
そうした、私の主観による観測と実際に起きた事象、そして数度に渡って私の些細な願いを叶えた実績を鑑みれば彼らに備わっているのが感情とまでは判断出来ずとも、少なくとも何らかの意思を持つ存在である可能性が非常に高いとは考えられるだろう。
三つ。 言わずもがな『聖霊』は超自然的な存在であるという事。
初めて認知した日の発光現象や百合の異常成長から始まり、朝起きて庭園へと向かえば前日に植えたはずの種が全て芽吹いていたり、雲を動かしたり雑草を枯らしたり。 
どれも明らかに、人知はおろか自然の摂理や物理法則さえ越えた現象である。 少なくとも、人間に出来る芸当でない事だけは確かだろう。
少なくとも全てを偶然と否定するには、あまりにも発生した超常現象の再現性が高過ぎた。
そして、そんな超常の存在が今、私に宿っている。
その要素は、本来であれば人に万能感と優越感を与え、熱に浮かされるが如く高揚だってさせるのだろう。 だって、他者には無い固有の特異性なんて、きっと誰だって憧れるような要素なのであろうから。
けれど、反して今の私には、まるでそれが自身にとって有益なものであるとは思えなかった。
確かに『聖霊』は超常現象を起こせるだろう。 それをこの身に宿すという特異性は、人に夢を見せるだろう。
でも、その特異性は同時に、日常を破壊する要素でもあるのだ。
特異なものであれば誰だって興味を示すし、それが有用な存在であるならば尚の事、欲しがり手に入れ利用したいと考えるのが自然だろう。 
新しいの道具があれば、古い道具よりも優先してそちらに手を伸ばすのと同じ事である。
問題なのは、此度の場合は私こそがその新しい道具であり、存在を知られれば誰かに利用されかねない危険性があるという事。 特に、それが好奇心旺盛で下世話な話を好む世界の住人、貴族達であるならば余計に。
であれば当然、利用されないためにも隠すより他に無い。
幸いにもジークは、この身の特異性を理解した上で私の自由を約束してくれた。 
先日、国王陛下に直談判し、私の身がジークの管轄に収められる事になりはすれども、王城で囲われる未来だけは回避してくれたのだ。
そしてこの特異性の秘匿もまた、同じように。
故に、このまま誰にも悟られなければ私は静かに貴族社会から縁を切る事が出来る。 そしてその目は今、強く現実味を帯びていた。
自由は、すぐそこまで近付いているのだ。
だからこそ、今はまだ安堵していられる。
今の私は、ただ誰にも知られず、貴族達の間に流れる私の噂もいつか消え去って、忘れ去られて、そうして市井に生きる1人の女として溶け込めるならばそれで良いのだ。 澱の世界も、狡賢い獣のような貴族達も、全てを振り切って逃げ出せるのなら、それで。
実際のところ、貴族社会なんて私には合わなかったのだ。 
だから、そこから離れられるだけでも、私の人生から見れば躍進であろう。
勿論、私の特異性は王族の秘匿事項に触れる事柄故に、王城から完全に去る時までは最低限の護衛と銘打たれた監視が付き、外出時だってある程度の行動制限を受けてはいる。 特異な身故に、市井に降ってからも定期的に王城の使いが訪ねて来るとも言われはした。
でも、今のところ特に不便とも不快とも感じていないから問題は無いし、そもそも今の私に拒否権などありはしないので、市井に出てからの事も含めて何一つとして気にも留めていない。
寧ろその程度の事で気楽に頼れるような身寄りの無い私を今まで王城に住まわせてくれて、その上新しい住まいを見つける手助けまでしてくれているのだから御の字だろう。 
私の先行きは、今のところ好調と言える。
この身に王家の秘匿事項に関わる要素を抱えてはいるけれど、当の王家はそれをさほど問題視はしておらず、外部に情報が漏れなければそれで良しとして監視こそすれど私の自由を認めてくれているのだから、余計な口さえ噤んでおけば望むようにさせてくれるし、ともすれば先行きへの障害はそう多くない。 強いて言えば、私生活の管理と定職に就けるかが少しだけ心配くらいのものである。
そうした事も、元平民として貧しい暮らしにも慣れているサリーが生活方面の色々をレクチャーしてくれるおかげであまり思い込む事もなくなったし、ジークと定期的に市井に出掛けて下見を繰り返したおかげで住まおうと考えている町の土地勘にも慣れて、雇ってもらえそうなお店や比較的商品の安いお店も幾つかピックアップは出来ている。
住まう家だってほぼ決定し、今は安くて長持ちしそうな家具類を吟味しているところだ。
それさえ購入出来ればすぐにでも新居へと移り住む予定で、つまりは王城でお世話になる、ひいては貴族社会からの完全な脱却も近い。
自由を得るまで、もうすぐなのだ。
そういう事で、これから迎える事となる新生活に、実は内心少しだけ浮き足立っている私である。 
けれど、何故か私以上に思考回路まで浮き上がっている娘がいたりする。 
というか、これに関してはもはや恒例行事である。

「というわけで、もうすぐ夢の同棲生活でございますねお姉様! いつ頃、サリーの荷物を新しいお家に持っていきましょうか?」

「何が、というわけでなのよ…。 貴女はこのまま王城で奉公を続けるか実家へと帰りなさいよ」

相も変わらず内心を隠す気も失せて引いてしまうくらい情熱的に迫ってくるサリーが、またおかしな事を言い出した。 
本当に、なんで一緒に住まう事が既に決定している体で話しているのかしら…。
サリー曰く「お姉様が心配だからです!」との事らしいのだけれど、だったら平民として一人暮らしをすると決めてから本日に至るまで彼女から習っていたお料理や平民としての生活に必要なアレコレを修得するための授業は何だったのか。 

「私の事が心配と言うけれど、サリーが色々と仕込んでくれたおかげで私、ちゃんと一人で生活していけるわよ? 家事だって一通り出来るようになったし、お料理だって」

サリーに負けないくらいとまではいかないけれど、これでも平民としての生活スキルは問題無いレベルで修得出来ているという自負はある。
お掃除にお洗濯にゴミの廃棄にetc…と知識としては申し分ない程に得ているし、王城生活の中でも、部屋のお掃除と自身の衣服のお洗濯はたまにお手伝いだってしていたもの。
それにサリーに習った通り、お料理の基本だってバッチリだ。
お料理は、バランスよく栄養を摂取できる献立を考えて。 そして食材は生焼けだとお腹を壊してしまうから、よく火を通して焦がさないように。
その基本さえ守れば、問題無いでしょう。
ちなみに、得意な料理はお肉とお野菜の炒め物である。
だから、今の私ならば、きっと一人暮らしだって大丈夫だと思うわ。

「えーっと……お姉様がちゃんと自活していけるかは別に構わないのです。 なんなら、いざという時はサリーが通い妻となればいいのですから」

「あんまり信用されていないように聞こえるのだけれど? 心配しなくても大丈夫よ。 お肉だってもう焦がさないし。 たまに一部分が赤いままだけれど……でも、あれって焼き加減で言えばミディアムレアでしょう? ちゃんとミディアムレアでも焼けるのだから、心配いらないわ」

「大丈夫じゃないですねー。 サリーは余計に心配になりましたよ。 また後で、お姉様には料理の特別研修ですね」

「やっぱり信用されてないわね!」

何がいけないと言うのかしら。 美味しかったわよ、令嬢時代に食べたミディアムレアのステーキ。
どうしてさっきの話の流れから料理の特別研修なんて話になるのかまるで分からなくて首を捻り、駄目なところがないかと言葉を何度も思い返す。
でもやっぱり、何がいけなかったのか分からなくてサリーに直接聞こうとしたその時、サリーが突然私の胸に飛び込んできた。 
思いっきり、顔を胸元に埋めている形である。

「やっぱり柔らかいですお姉様! まったく、神は不公平ですむにむに」

「ちょっ、サリーあなたっ……!」

この程度の奇行は慣れているけれど、まあ当然ながらセクハラである。 しかも、顔を押し当ててグリグリしているのでちょっと痛いし、何よりとてもくすぐったい!

「も、もうサリー、急に何!?」

「もがもごごご」

「胸から離れて喋りなさい!」

なんかモゴモゴ言っているサリーを力一杯引っぺがし、その後で距離を取るために後ろへ飛び退いた。
だってこの子、一旦引き剥がした時に手をワキワキさせていたのだもの! なんだか卑猥な手つきで怖かったわ!

「久し振りのお姉様のお胸、ご馳走様です!」

「本当に気持ち悪いからやめて。 ……貴女、実は令嬢の皮を被っているだけの助平な殿方とかじゃないでしょうね?」

「何を言いますか! こんな、うら若き乙女を捕まえておいて」

「貴女が迫って来てるんじゃない。 あと、自分の事を乙女とか言いたいのなら普段の私への態度を鑑みて、その上で言えるものなら言ってみなさい……それで、急にどうしたのよ。 変態的な発言はあっても、こんな直接的なセクハラなんて今までしなかったのに」

「……だって、後もう少ししたらお姉様と過ごす日々も終わってしまうじゃないですか」 

そうしてポツポツと語られたのは、簡潔な動機であった。
要は、やがて終わる王城で過ごした日々を惜しんでの事。 私と、もっと一緒にいたいと思ってくれていたという事。
……本当に、不思議なものである。

「なによそれ。 貴女、どうしてそんなにも私の事がす……すき、なのよ。 記憶を失くす前の私、貴女に何かした?」

「だってお姉様、編入してきたばかりの私を助けてくれたじゃないですか。 そして、それと同じくらい、いつも真剣に私の事を怒ってもくれました。 後は……いえ。 まあ、ただそれだけなんですけどね! でも、私がお姉様の事を大好きなのは間違いありません!」

「そう…………あ、ありがと」

その飾り気の無い言葉と笑顔に、私はサリーを直視出来ずに顔を背けた。
普段の態度が普段だけに、その好意はよく知っていたけれど、このように面と向かってハッキリと言葉にされるのは、やはり気恥ずかしいものがある。 
それに、そうした純粋な『好き』を向けられる事が新鮮でもあった。 何せ、これまで生きてきた令嬢としての日々の中では向けられる事の無かった感情だっだから。

「だいたい、前にも言っていたように、好きな時に遊びにでもくればいいだけの話でしょう。 べつに、私の生活環境が変わるというだけの事なのだし」

「それはそうですけど、それとこれとは違うのですよ~。 ほら、一つ屋根の下にお姉様がいると思うだけでこうふ、もとい、嬉しみが」

「誤魔化せていないわよ。 ……もう、変態なんだから」

先のちょっとした感動を返しなさい、思いながら、とりあえず変態言動の罰として頬を引っ張っておく。
「いひゃいいひゃい」と言いながらもどこか嬉しそうなサリーにちょっと引きながら、けれども私は、それこそが特異なものよりもずっと尊いのだと、そう感じた。
これくらいの幸福が、ちょうど良いのだと。


◆  ◆  ◆  ◆  ◆


些細な幸せとは、あのように。
特異も特別も必要無く、ただ普通の平穏があればこそ、それらはかけがえの無い記憶となって残り続けるのです。
……けれど、片一方が「要らぬ」と言えど、もう片一方も同じとは限らず。
灯りの消えた暗闇の中で、揺れる蝋燭の灯りの中にその影はあった。 それは先の一節とはまるで対照的な、昏い世界の光景である。
影の手には、一通の手紙が握られていた。

「あら、やっぱり欲しがっているのね。 ならば丁度いいわ、手土産として持って行きましょう」

彼女は今しがた読んだ手紙を証拠隠滅のために蝋燭の火で燃やすと、チリチリと灰になっていく手紙を眺めながら獰猛な笑みを浮かべて、これより先の展望をシミュレートする。
全ての事象は予定の通りになんて運ばない。
それを知っている彼女は、ならば二の手の準備とリスクのケアまで気を配るべきであろう、と考える。 何せ一人目はそれを怠ったが故にこそ、この座より滑落していったのだから。
だからこそ、同じ轍を踏まないためにも、今度の仕込みは念入りに。

「うふふ、ふふふふふふふ!」

思考、立案、シミュレート。
根回しは万端に、手回しは慎重に。
これより先がどう転ぼうと、何も失わず、何も奪われないように。
シミュレート、改善、再検証。
底辺から上り詰めるために、頂上を絡め取るために。
その獰猛な笑顔の蛇は、暗闇の中に微かに灯る蝋燭の火の下で、静かに、そしてひっそりと、策謀を巡らせるのであった。

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