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本編

お礼の食事

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 部屋に戻ると、ガイルは、ソファーで寝転んで居て、クマさんは、ベッドで転がっていた。
 あれ?
 2人ともお喋りしてなかったのかな?

 保温機能付きのバスケットの中には、焼き立てのパンが入っている。
 美味しそうで、歩きながら、何度味見しようかと思ったことか。

 マジックバッグの中には、お肉やサラダ、果物やお菓子など、食べきれないほど沢山買ってきた。
 今日は、これからパーティーだ!

 マジックバッグの中の物を、全てテーブルの上に出そうとしたけど、テーブルが小さ過ぎて全てを出すことが出来なかった・・・。
 
 しまった。
 そこまで、考えて無かったよ・・・。

 どうしたものかと、頭を悩ませていると、ガイルが、マジックバッグから、簡易テーブルを取り出した。
 ガイル・・・凄すぎない?
 何にでも対応出来るの!?

 「しかし、凄い量だな。流石に、俺でも食べきれねーぞ?」

 「良いんだよ!僕からのほんの気持ちなんだ。ガイルには、いつもお世話になってるからね。ついつい買い過ぎちゃったよ」

 「分かった。じゃ、食べるか」

 「うん」

 食事を摂らないクマさんは、相変わらず、ベッドでゴロゴロと転がったり、足をバタバタさせて遊んでいた。
 クマさん、前から、ベッドの上好きだったよね。

 カードで遊んでて貰おうかなと思ったけど、クマさんが大分小さくなっちゃったから、以前の様に、1人でカードゲームするのも難しい。

 小さなカードを特注してみようかな。
 そうすれば、クマさんも遊べるよね。

 そんなことを、考えながら、目の前で、食事をしているガイルを見つめる。
 相変わらず、良く食べる。
 大きな口で、ガブリとお肉を齧る姿は、まるで肉食獣の様だと思ったけど、ガイルって行儀悪く無いんだよね。
 あんな大口開けて食べてるのに、何でだろう。

 「ん?なんだ?イズも食えよ?」

 「うん。ガイルが食べているのを見ると、何故か僕も食べた気分になるんだよね」

 「何だそれ。俺が食ったって、お前の栄養にはならないんだぞ。しっかり食えよ」

 「ふっ、そうだよね。頂きます」
 
 やっぱり、焼きたてのパンは美味しい。
 午前と午後にそれぞれ焼いてくれるから、午後でも焼きたてのパンが買えるのは、嬉しい。

 僕は、スープとサラダ、果物をメインに食べて、お肉を少し摘む程度にした。
 これでも、十分お腹が一杯。

 ガイルは、そんなに何処に入るの?という位、お肉を食べていた。
 お肉が好きなら、野菜は苦手かと思いきや、ガイルは、何でも食べる。
 好き嫌いがないって凄い。
 肉の比率が高いけど、全く野菜を食べないわけじゃないから、健康なのかな。

 それから、食事を済ませ、お土産として、買ったお酒を持たせた。
 
 何故か、ガイルが帰ってから、部屋が広く感じる。

 不思議だな。
 今まで、僕とクマさんで過ごしていた時は、邸の自室と比べて、狭いなと感じてた位なのに。

 少しの寂しさを感じつつも、戻ってきたクマさんを見て、ほっこりする。
 今日から、またクマさんとの毎日が始まる。
 
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