【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇初めての夜

「イイかも」*玲央 ※

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 優月が、オレに何かしてくれようとしてたのが、可愛くてからかっていたら、それに対する反応がますます可愛くて。なんかあまりに可愛すぎて、正直少し困った。

 ……つか、全部初めてなのに。
 何をしてくれようとしてたんだか。

 深く、口づけて、思うままにキスしてると。

「……ふっ……ン」

 おずおずと、優月から舌を触れさせてきて。
 ゆっくりと、絡めてきた。


 ……可愛すぎ……。

 しばらく、優月の動きに合わせてやってると。
 は、と熱い息が、間で零れた。


「……ゆづき」

 少し、離して。赤い顔を見つめると。

「――――……お前、すげえ、かわい」


 思わず、その言葉が、漏れてしまう。

 脱衣所に連れ込んで、肌に触れると。
 柔らかさとか、滑らかな感じとか。
 好みとしか言いようのない感じ。ずっと触っていたくなる。

 オレが脱いでからは、オレからずっと視線を逸らす、そんな反応も新鮮。
 オレのする事に、いちいち、恥ずかしがって、でも、拒否らないのが、また可愛くて。無性にキスマークをつけたくなって、首筋に吸い付いたら、ものすごい驚いた顔で、何してるのか聞かれた。

 いちいち可愛くて。やばいし。
 なんか、オレ……すげえ浮かれてて。オカシイ。

 いつもなら脱がせて一緒にバスルームに連れ込むけれど。
 心の準備して、と少し離れたのは。

 少し、自分も落ち着こうと思ったのと。全部恥ずかしがって戸惑いまくりの優月に、ある程度覚悟して欲しかったから。

 すごく時間がかかるかもなと思いながら、先にシャワーを浴びていると。そんなに待たずに、ドアが開いた。

 振り返ると、まっすぐな瞳がオレを見て、また少し赤くなった。


「……準備、できた?」


 と聞くと。

「一応……した」

 小さな声で、でもちゃんと、そう返ってきた。


「一応でも十分。 ……優月、来いよ」


 手を出すと、すぐに触れてきた。そのまま引き寄せて抱き締めると、腕の中でまた真っ赤になった。

 どこを触っても、震える。こらえているようなのに、声が漏れる。

 ……なんでこんなに、可愛いかな。


 初めてのくせに。 
 ……初めてだからなのか? 

 肌白くて、色素が薄いのか、乳首や性器も綺麗で。
 同じ男なのに、なんでこんなに綺麗かな……。


「――――……綺麗、ここの色……」

 思わず、ふ、と笑ったら、真っ赤になった。
 首筋が弱すぎる優月。歯を軽く立てるだけで、大きく震える。


「ん……ぅン……」

 下を激しく刺激すると、仰け反る。


「――――……もうイきそう?」
「………っ」

「ちゃんと言って」
「……っうん、イき、そう……」


 ちゃんと、言う優月に、ふ、と笑んでしまう。
 恥ずかしがるくせに、我慢したりしなくて、ものすごく素直。

 
 つか、こんなの――――……どうしたって、可愛い、よな。


「ん。良く言えたな」

 つい、そんな風な言葉が出てきてしまう。
 
 普段、全く言わない言葉と、浮かばない感情に、自分でも戸惑うし、なんだか心の中が、くすぐったい。

 それでも。目の前にいる、優月を見てると。
 自然と、そうなってしまう。


「いいよ、ゆづき――――……好きな時に、イッて」
「……ん、んっ……っ……」

 抱き締めてる腕の中で、びくん、と、震えて。
 優月が手の中でイった。

 震える体も。声も、上がった息も。

 ――――……なんだろ、すげえ、イイかも。


「――――……優月」

 どんな顔でイったんだろうと、自分の方を向かせると。
 上気した頬と、涙が潤んだ瞳。

 
 ……ヤバい。
 ……可愛い。

 キス、したい。



「……んン……っ……」


 体、くっついてるのも。


「……裸でくっつくの、気持ちいい?」
「……うん」

「オレも、お前の肌、気持ちいい」

 頭を、撫でてしまう。

 そのままぼー、としてる優月の頭を洗い、自分も適当に洗うと、バスルームを出た。バスタオルで拭いてやって、バスローブを着せてやると、優月はくす、と笑った。

「何?」
「テレビとかでしか見ない」
「え?」
「バスローブって、着るの普通なの?」
「ああ、バスローブ…… 楽だから」


 どうせ、すぐベットで脱ぐから服要らないし。
 ……脱がせやすいし。そういう意味で楽。

 色々思うけど、無邪気にふうん、と言ってる優月にはとりあえず黙っとく。


「バスローブなんて、実家にもないし、うちにもないし」
「――――……まあ、そっか……」

 優月を鏡の前に立たせて、ドライヤーのスイッチを入れた。
 風を優月にあてると、きょとんとした顔で振り返った。

「かけてくれるの?」

 もうかけ始めてるのに、そんな質問。
 オレが頷くと、優月はじっとオレを見つめてから、ものすごい、嬉しそうに笑った。


「……玲央、優しい。ドライヤーかけてもらうとか、髪切る時位」

 前を向いて、鏡越しにオレに視線を向けて、にこにこ笑う。

「ありがと、玲央」
「……ああ」

 さっきまで、あんなエロイ顔して、びくびく震えてたのに。
 そんなのかけらもない顔で、微笑んでる。



 ――――……いつもならざっと乾かしておわりなのに、
 ……やたら丁寧に乾かしてしまった。
 



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