【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇2人の関係

「何でこんなに」*玲央

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 もうすぐ着く、と連絡が来て、改札に向かう。
 もう優月が、改札の外に立っていた。なんだか少し、気持ちが、浮つく。


「優月」

 近付きながら、名を呼ぶと。


「玲央…」

 すごく嬉しそうに、ふわりと笑う。

 ……目立たないとか。素通りするとか。言ってたけど。
 今となってはなんだかもう――――……そんな訳ない、気がする。

 人が大勢いる中でも、すぐに見つけられてしまいそうな、気がする。


 ……可愛くてたまんねえのって……何でだ?
 勝手に動いた手が、優月の頭を撫でていた。

 撫でると、また嬉しそうに、微笑む。


「……早く、いこうぜ」


 何でこんな、可愛いと思うかな……。触りたくてしょうがない。
 優月の背に手を置いて、歩き出す。

 途中で一瞬、優月が歩くのを止めたというのか、緩めたというのか。何だかあらぬ方を向いていて。
 

「……優月?」

 聞くと、ん?と逆に不思議そうな顔で振り返ったのが可愛くて。つい、笑んでしまう自分に気づいては、いる。

 見つめあうと、少しして、ふ、と視線を逸らされる。
 照れてるんだろうなと思うしかない仕草なので、逸らされても、可愛い。


 「可愛い」が、自分の中に積もってく気がして、戸惑う。


 何でこんなに、可愛いんだろう。

 普通に男だし。背も別に小さいとか、めちゃくちゃ華奢だとか、そんなんではないし。……ぱっと見は、やっぱり普通だし。


「――――……」


 マンションについてエレベーターに2人になる。
 口元少し笑んだまま、優月が見上げてくる。


 やっぱ――――…無邪気。
 同じ年でも、表情はすごく、子供っぽい。

 でも――――……。



「――――……」

 そっと、頬に触れて、なぞると。ぴく、と肩が揺れる。
 ここで触んないでみたいな顔して、少し退いていく。

 普段こんな顔してるくせに、 触れるとすぐエロい顔をする。
 赤くなって、涙ぐんで、すぐ息があがって。


 ぞく、と背筋を走る、感覚。
 ――――……やば。 


 玄関を開けて、優月が靴を脱いで、荷物を下に置いた。

 首筋が、やたら綺麗に見えて。
 

 ――――……ダメだ。


 顔を上げた優月の頬に触れて、口づけた。


「……ん……?」

 不思議そうな声。
 ……やっと、触れた気がする。

 深くキスしながら、優月の背を壁に押し付ける。
 逃げられないように。


「――――……れ お……」

 名を呼ばれて、少しだけ唇を離す。
 少しの間、見つめあう。

 ふ、と瞬きをして、潤む。 浮かされたみたいに。


「……優月」
「――――……」

 唇を深く重ねて、好きに、舌を絡める。

 昨日から、何回、こんなキスしたかな。
 ――――……普段ここまで、キスしねーのに。


「……ん、ン……――――……は……っ」


 漏れる声が可愛いから。
 ――――……声、出させるためにキスしてる気もする。

 しがみついてくる、優月の脚を割らせて脚を入れる。
 崩れそうな体を支えようとしたのだけれど、もう反応してるのが分かって。刺激したら、唇が離されて、顎が上向いた。びっくりしたみたいな顔。

 昨日、初めて色々したけど――――……まだ全然慣れてないだろうし、少し、勢いを緩めないととは、思う。

「――――……優月……」
「……っ……」


 思いは、するのだけれど――――……。


「……もっとキスして……お前に触って、いい?」
「――――……っ……」


 ……ダメだな、もう、早く触りたい。
 自分の声が――――…興奮して、少し上がってるのが分かる。



「……嫌なんて……言うわけ、ない……」



 赤くなってるくせに、返ってきたのは、そんな言葉。



「――――……ほんと、お前……」



 ――――…すげえ可愛いし。








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