【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇気持ち

「胸が」*優月

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 夜中に玲央と、セフレとか、そんな話をした。

 ――――……セフレのルールみたいなの、言われて。
 頷いた所から。

 急に、キスされて。
 何か――――……思い出すのすら恥ずかしい位。
 乱された。

 今までと一緒で、優しいんだけど、
 なんか――――……容赦なくて。

 今度は、完全に、気を失うみたいに、意識なくなった、と思う。
 最後の方、よく覚えてない。

 ――――……何で……急に、
 めちゃくちゃ気持ち良くする、とか言って。
 あんな事に……。



「……優月?」

 玲央の声がして、ドアが開く音。動けないでいると。
 ぎし、とベッドが軋んで、玲央が座った気配。

「……起きれるか?」

 優しい声がして。優しい手が、頭に触れた。
 ゆっくり動いて、玲央を見上げて、目が合うと。


 玲央がほっとしたように笑った。


「……大丈夫か?」

 よしよし、と頭、撫でられる。

「――――……ちょっと、やりすぎたかも」

 そんな風に言う玲央を、じっと、見つめる。


「ごめんな?」

 ……ていうか。謝られるのも。
 …………すっごい恥ずかしい。

 そう思った瞬間、かああっと赤くなってしまったオレに。
 玲央は一瞬きょとん、として。
 それから、ふ、と笑って。玲央は、オレの手首を掴んだ。
 
「――――……」

 玲央の腕の中に引き寄せられて。
 よしよし、と、撫でられる。


「――――……っ……」

 こういうのも、めちゃくちゃ恥ずかしいし……。
 思った瞬間。
 ふわ、と抱き上げられて。

 またそのまま、移動。
 暴れても無駄な気がして、玲央の肩に手を置いて少しバランスだけ取ってる間に、あっという間にバスルームで。すとん、と下ろされる。


「シャワー浴びといで。着るもの置いとく」
「……うん。あり、がと……」


 ぼー、としたまま、シャワーを浴びる。


「……」


 ……なんで。
 あんなに、昨日…………。


 ……なんかもう――――……ほんとに気持ち良すぎて。死ぬかと思った。
 なんか腰が重い。

 玲央の触り方が、やらしすぎて。
 キスも、ずっと、激しくて。 
 息ができないから余計になんか……熱くなって――――……。

 ぞく、と背中におかしな感覚が走る。

 ……やだな、もう。
 なんか。 体、やばい。

 ――――……今までそんな欲、あんまり無かったのに。
 まあ、あったらもっと、合コン行ったり、そういう機会持ってたと思うけど……。

 ほんとにあんまり無かったのに。
 ……短期間で、急激に、そういう欲を、呼び起こされてるみたいで。

 体、変になりそうな気がする。

 ぶる、と頭を振って、妙な感覚を振り切って。

 きゅ、とシャワーを止めた。
 外に出ると、バスタオルが置いてあって。その横に洋服が置いてあった。


「――――……?」

 なんか、サイズ、ピッタリな気がする。
 玲央のにしては、細身だし。

 不思議に思いながら、リビングに入ると、玲央が振り返って、優月を見て、ふっと笑った。


「サイズは? ぴったりか?」
「あ、うん。 これ……?」

「昨日お前待ってる間に、駅ビルの店で買ってみた」
「――――……」

「洗濯して乾燥機入れといた。その生地、着心地よくねえ?」
「うん。気持ちいい。……オレ用に、わざわざ買ってくれたの?」

「泊らせるつもりだったから。オレの服だとちょっとデカいしな?」

 うん、と、答えておいて。
 玲央のすぐそばに、近づく。

「玲央……?」
「ん?」

 間近で名を呼んだオレをふ、と見下ろしてくる、玲央の形の良い唇に。
 軽く、ちゅ、とキスした。

「……ありがと」


 どうしたって、微笑んでしまう。

 オレが居ない時に、オレの事考えて、服、選んでくれたって。
 ……なんか、すごく、嬉しい。


「――――……」


 玲央は、少しの間、オレを見つめて。
 それから、両手で、オレの頬をつまんで、左右に軽く引っ張る。

「……っ?」
「――――……初めてちゃんと、自分からキスしたよな?」

 くす、と玲央が笑って。頬を摘まんでいた手を離し、そのまま包むみたいに、触れ直した。
 そのまま、唇が重なってくる。

 少し触れて、離された。


「――――……朝、昨日と同じ店のサンドイッチにした。食おうぜ。今日、2限からだよな?」
「うん。ありがと、玲央」


「あ。ちょっと待って」
「ん?」

 止められて、じ、と見つめられて。



「ん、似合う」

 そんな風に言って、よしよし、と撫でられる。



 ……なんかもう……優しすぎて。
 これは、胸がいっぱい、というのかな……?



 ――――……玲央を見上げて、ありがと、と笑った。






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