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◇そばに居る意味
「ちょっと切ない」*優月
しおりを挟む月曜から木曜まで4日間。
すっごく濃く、玲央と居てしまった。
……どれだけキスしたかな。
キスが大好きっぽい玲央は、ずーーっとずーっと、キスしてくるし。
キスしてた時間、トータルで何分?とか、思ってしまう。
唇って、腫れないのかな?と、純粋に思う位。
他の人とキスしないとか言うけど……。
そこはきっと嘘、かなあ……。
だって、何してたって、キスしてくるし。
キス大好きな人だと、思うし。
昨日……じゃないかもう、今朝か…。
4時頃からふたりでベッドに入って、色々話してて。
蒼くんの話をした後、結局めちゃくちゃキスされて。
なんか酸欠というのか……頭ぼうっとしすぎてるというか。
その間に、また、うとうとして。目覚めたらもう7時だった。
シャワーを浴びて、髪を乾かしてもらってセットしてもらって。
――――……玲央は1限は取ってないのに、また一緒に来てくれて。
もう部室の方に行ってしまったけれど、昼はカフェに行こ、と誘われて、クロの所で待ち合せた。
……玲央が大好き。
何してても、思ってしまう。
離れたばっかりなのに、今すぐ、会いたい。
――――……なんて、本気で思ってしまう。
お昼が待ち遠しいなあ。
……でも何だか、本当に、まずいかな、と思う。
好きになるスピードというか。
知り合ってから、あまりに一気に、好きになりすぎてしまって。
改めて思うと、不思議すぎて。ちょっと怖い。
しかも相手。男の人、なのに。
……しかも、色んな人と関係のある人。
……少しだけでも一緒に、と始まったから。
すぐ終わるものだと思ってたから。
――――……こんな風にずっと一緒に、とか居てしまうと。
……少し迷う所は、出てきてしまう。
一緒に暮らす?とか。
……びっくりしたけど。
ていうか、玲央自身も、自分で言って驚いてたみたいで。
ちょっとおかしかったけど。……なんか、可愛かった、けど。
もし一緒に暮らすとしたら、だよ……?
……ん? 他の人とする時は、オレを玲央の家に置いて、いつものあのマンションで、玲央はするの……??とか。
……実はそんな事も、ちらっと。
1人の時に、頭をよぎったりもした。
――――……オレが見てない所で知らない内に、今まで玲央が関係していた関係を続けて、ていうのは、ある意味諦めているというか。
……別に最初から分かってたし、と思うのだけれど。
……今この瞬間、玲央が誰かと、してるのかな、と、思うのは。
しかもそれを、玲央の家で待つの?とか思うと。
さすがに……ちょっと、切ないかな。なんて……。
……でもまあ。
玲央は、オレ何言ってんだろ、ってすごい戸惑ってたし。
今すぐ一緒に暮らそうって言われた訳じゃないし。
一緒に暮らしてもいいって、少しでも、思ってくれたのは。
そこは素直に、すごく、嬉しいのだけれど。
たまに複雑な想いが、よぎるのは。
……オレが玲央を、好きになり過ぎてて。
一緒に居てほしいとか。
……最初よりも思っちゃってるから、だよな、きっと。
……でもさ。
……あんなにあんなに、優しくされて。
可愛いって言われて、すごく可愛がられて。
抱き締められたり、キスされたり
ずーっとで。
一緒に居たいって言われて。
…………しかも、あんな、立ってるだけで、人目を引く、
ヤバいくらい、カッコ良すぎる人がさ。
こんな風に、隣に居てくれちゃったら。あんなに優しかったら。
……誰だって、好きになっちゃうよね……。
オレが玲央を好きなのは、もう、オレのせいじゃないもんね。
もう必然というか。
……そうなるしか、ない、というか。
うん。何がと言う事は無いのだけれど。
漠然と、なんとなく、好き度が高すぎて、やばい気がしてる。
でも。
――――……やばいんだけど。
……会える限りは、会いたいから。
……お昼が楽しみ過ぎなんだけど。
もう、さっき最後に玲央が触れていった頬が、
思い出すだけで、くすぐったい。
別れる時、ふ、と優しく笑った瞳が。
思い出すだけで、大好きすぎて。
胸の中が、熱くなる。
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