【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇そばに居る意味

「特別」*玲央

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 ――――……オレの中で、優月はかなり特別。

 こんなに誰かを、可愛いと思った事がない。
 そばに居たいと思う気持ちも、自分でおかしいと思う位強くて。

 まして一緒に暮らそうなんて口に出る時点で、ほんとに、意味不明なんだよな……。
 今の、感情が全部。正直、よく分からない。

 今、他のセフレに触れてる暇があるなら、優月に触りたいと思う。

 いままで、誰と寝ても大して変わらないと思ってたのに。
 自分の中での優月が大事なのは、何度も思い知らされている。

 でも、優月が言うように、まだ1週間。

 特別なのは分かってるけれど、それが、この先もずっと続くかが、分からない。……なにせ、全部、初めての感情ばかりで。

 ずっと、好きだからとか。
 ずっと居たいとか。

 適当に言うのは、なんだか躊躇われる。
 しかも――――……優月はきっと、ずっとなんて言っても、今は信じない。それを今、痛感した。


 何だか――――…… 足場の悪い所にただ浮かべただけの板の上を、ふらふら歩いてるみたいな。
 危うい関係なんだと感じて。

 ――――…… なんだか、胸のあたりが、物凄くモヤモヤする。


 いつ切れても良い、セフレが相手の時は、
 かけらも感じた事のない想い。


 優月と切れたくないと思ってるのは、もう、嫌というほど分かってる。


「優月…」
「ん?」


「あー……。……あとで言う」

 何かを言おうとしたのだけれど。テーブルを挟んで、優月が遠く感じて、やめた。近くで、視線を外されない状態で、話したい。


「? ……うん。 玲央も食べたら? すごく、美味しいよ」

 ふんわり、と笑う。
 頷いて、オレも、さっさと食べ終えてしまう事にする。


 ――――…… 優月はオレにとって、かなり特殊。

 あまり周りには居ないタイプ。

 なんとなく全体的に、ふわふわしている。
 優月が笑うと和む。表情が素直で、可愛い。
 ふわふわしてるけど、はっきり言うし、会話は続くし、楽しいと思う。

 パッと見、派手じゃないし目立たないとか思っていたが。これはオレが今まで、派手な奴らとばかり居たせいな気もする。

 普通にちゃんと見ると、肌綺麗で、瞳が大きくて、唇も可愛い。
 触り心地、抱き心地が良すぎ。

 エロイ事すると、すぐ真っ赤になるし、でも反応は素直だし。
 涙目が可愛くてしょうがない。

 優しくしてやってる時の優月が、あまりにふわふわ嬉しそうで可愛くて。なんだかもう、可愛がる事しか出来ない気がしてくる。

 セフレで適当にと思ってたオレに、「恋人」とか「一緒に住む」とか、信じられない単語が、頭にぱっと浮かんでくるのも、優月が初めて。


 ……まあ、優月は――――…… 。
 多分、皆に可愛がられて生きてきてる気がすると、何度か思った。
 他の奴らにとっても、優月は可愛いのだと思うのだけど。

 そう考えると、その中でも、オレが一番、甘やかしたい、とも、思ったりする。

 優月が、セフレを嫌がらないのがムカつくのは。
 ……嫉妬するほど、オレを好きではないのかと、思う、からかも。


 ………端から諦めてるみたいだと分かって、
 どこをどうすればいいのか悩むあたり。


 オレ、まさか、嫉妬して欲しいのか。

 ………………謎。

 

 ………………ただ、可愛い?


 ……というより。これは。
 




 ………………………………惚れてる……とか?






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