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◇週末の色々
◇濃すぎな*玲央
しおりを挟む唇を重ねさせて、ゆっくりと、離す。
顎に触れて、下唇に、指をかける。
「口、開けて、優月」
「――――……ん」
素直に開く。
可愛い。
…………としか、思えない。
先週まで、知らなかった相手。
オレの事を変わりすぎておかしいと、皆が口をそろえて言うのも、まあ……分かる。
自分でだって、こんなに、穏やかで、なのに、激しい感情。
……知らなかったし。
ずっと自分の側に居てほしいなんて、思う事があるなんて、謎すぎるし。
「優月――――……」
開いた唇に、深くキスする。ゆっくり舌を絡めて、そのまま挿し入れる。
「……んっ」
ぴく、と震えて、声が漏れる。
1週間で、キス、うまくなったな。優月。
最初した時は、息できなくて、酸素不足で大変そうだったけど。
少しは。
途中で頑張って、吸えるようになった気がする。
「……ん、ふっ」
と思ったけど。やっぱり、ちょっと、苦しそう。
すぐ頬が赤くなって。涙目になって。息が上がる。
――――……可愛すぎ……。
「ン、んっ……っぅ」
――――……もう、可愛いとしか思えないんだから。
何でこうなってるとか考えても意味が無い。どうして優月なのかとか、考えるまでもない。
少しだけ離して「優月?」と呼ぶ。ふ、と瞳が開いて、見つめられる。
息をさせてから、また重ねると、またぎゅ、とつむった。
睫毛、濡れてる。
――――……今日、何かいっぱい泣いてたな……。
ふと色々思い出して、ぎゅ、と抱き寄せる。
「ん、ふ……っぁ」
シャツの上からゆっくり体に触れる。
ぴく、と小さい震えが走る。
「……っ……玲央」
「ん?」
「……キスだけ、って」
「――――……無理みてぇ」
胸を擦った手で、シャツの上から突起に触れて、掠める。
びくん!と大きく震える優月。
「はは。……可愛すぎ」
「や、だ、玲央」
「何が嫌?」
「……っだって、人が」
「来るけど、ドアんとこでオレが受け取るから、大丈夫」
「……っでも……」
「無理、触らせて」
「……っ……」
恥ずかしいのか、涙目が、更に潤む。
あー可愛い……。
左目の下にある、小さなほくろ。
――――……ほんとこれ、なんか、エロい。
涙ごと、ほくろに舌を這わすと、優月が震える。
「な、に?」
「ここにあるほくろ……」
「あ、うん……?」
「なんか、エロい……」
「……っ………何言って……っ」
ますます赤くなって、オレから退こうとする。
「逃げんなよ」
言って、背中に置いた手で、引き寄せる。
「……っれお、恥ずかしいってば」
――――……慣れねーなぁ。いつまでも。
クスクス笑みが零れてしまう。
まあ。慣れないか。
まだ、1週間だった。
…………優月のファーストキス、勝手に奪ってから。
なんか。
毎日感情の動きが激しすぎて。
こんなに考えたのが初めてという程、自分の気持ちと向き合う日々で。
――――……なんか濃すぎな1週間だった。
優月はこういう事するのが全部初めてだっただろうけど。
オレの方だって、こんなに、この類の気持ちを深く考えるとか。
初めてで。
正直、初体験すませた時だって、何も考えた記憶のないオレとしては。
こっちの初めての方が、よっぽど、重い。
……けどまあ、今はそんな事考えるより。
可愛い優月をエロくしたい。
優月の顎を捕らえて、キスする。
「ん、んっ」
抵抗、しようか迷ってるのか。
少し、眉を寄せて、優月がオレを見つめてくるけど。
舌を絡めた瞬間。
「……っン」
ゆっくりと瞳が伏せて。
オレの腕に触れてた手が、服を握る。
――――……可愛い。優月。
優月のシャツのボタンを上から1つずつ外して。思う存分、触れようと、した瞬間。
来客を告げる音が鳴り響いて。
「あ…………っれお、来たよっ、来たっ」
せっかく開いたシャツを、咄嗟に閉じながら、優月が、ぱっと後ろに退いていく。
思わず、はー、と深くため息。
「……食べたら、覚悟、しろよ」
思わず言った言葉に、優月は真っ赤になった。何も返せない、らしい。
再度、ため息をつきつき、オレはドアに向かった。
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