【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

文字の大きさ
446 / 856
◇「周知」

「だめに……」*優月※

しおりを挟む



 玲央とベッドに来て、どれくらい、経っただろ……。
 向かい合わせで座って、めちゃくちゃキスされて。
 キスだけで、頭真っ白で、力、抜けちゃって。

 そのまま、ベッドに倒された。

 完全に、反応してたオレのそれに、玲央が触れて。
 耳に舌が這って。もう片方の手は、体を好きになぞって、色んなところ、触れてくる。


 何かいっぺんに色々されて、頭おかしくなりそう。
 耳の側で、可愛い、とか、囁かれて。

 なんかもう、それだけで、ゾクゾクが最大限に高まっちゃって。
 

「……ん、ん……ぅ……」

 涙がじわ、と滲んで、視界がぼやける。

「優月――――……どこ触って欲しい?」
「……っえ?」
「どこが気持ちいい?」

 くす、と笑う玲央が、耳に舌、入れてくる。

「ひゃ……、や……」

 頭に中で、ぐちゅ、と音がする。
 ――――……かあっと体温が上がって。びく、と体が震えてしまう。

「どこ……?」
「あ……あの……」

「うん?」

 玲央の優しい瞳に見下ろされて。
 ――――……何も言えなくなる。

 ていうか。そもそも、どこ触られても気持ちよくて。おかしくなりそうで。
 めちゃくちゃ声、出しちゃいそうなのに。 どこって、聞かれても……っ。

「……あ、の……」
「ん」

 くす、と笑う玲央。

「……れお……の好き、で……」

 それだけ言うのに精いっぱい。
 頑張って言ったのに。

「それじゃつまんない。触って欲しいとこ、言って?」


 ……ううう。玲央の意地悪……。

 なのに、優しい手が、髪を撫でて、頬に触れて、唇に触れる。

「言えよ?」
「……っ……あ、の……」

 何て言うの、普通は、こういう時。
 どこって言えばいいの。

 さっきまで、体、色々くすぐるみたいになぞって。
 下は今も、なんか、緩く触られてて。もうめちゃくちゃキスはされたし。
 胸って……胸、あんまり触られるの、やだし。

 何て言えば……。

 もう頭の中は大混乱で。
 何も言葉になってくれない。

「…………っ」

 ずっと滲んでたまってた涙が、ぼろ。と零れてしまった。
 自分でもびっくり。

 あれ。オレ、泣いてる……。

 思った瞬間。
 玲央も、とってもびっくりした顔して。

 それから、めちゃくちゃふわふわと、優しく笑った。

「――――……可愛すぎるんだけど……マジでどうしよっかな……」 

 ちょっと苦笑いしながら、涙を舐められて。


「じゃあオレの好きにしてあげる」

 そう言った玲央は、急に、下触れてた手を激しくして。
 体、びくっと震えて、腹筋に力がめちゃくちゃ入ってしまう。

「……あ、っや……」

 そうしながら、きつく、首筋に吸いつかれて、唇噛みしめたら、顔を上げた玲央に深くキスされて、解かれる。


「ん、ンっ……」

 すぐにイっちゃいそうで、キスで動けないけど、小さく首を振る。

「イく時、言って……」
「……っ……ん」

 もう、オレ、先に、すぐイっちゃうってば……っ。
 

「れ、お……っ待って……イっちゃ……から、待っ……」

 唇の間で訴えてるのに、玲央は、イっていいよ、と囁いて、また舌を絡めてくる。

「――――……んんっ……や、っ……や……っぁっ……」

 びくん、と足が強張って。
 玲央の手の中で、イっちゃったのが分かるけど。
 そのまま、また、ゆっくり、刺激される。

「……ン、や……あ、も……」
「――――……良い子、優月……オレにされて、すぐイくの、すげー可愛い」

 ちゅう、と首筋に吸いつかれて。
 優しく囁かれると。体温がもう上がりっぱなしで。

「……れ、お……」
「可愛い」

 めちゃくちゃ甘く、耳のすぐそばで囁かれて。
 それだけで、もう、だめになっちゃう気がする。




しおりを挟む
感想 830

あなたにおすすめの小説

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。

下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。 大国の第一王子・αのジスランは、小国の第二王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。 ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄するから受け入れてほしいと言われる。 理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、 「必ず僕の国を滅ぼして」 それだけ言い、去っていった。 社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。

ヴァレンツィア家だけ、形勢が逆転している

狼蝶
BL
美醜逆転世界で”悪食伯爵”と呼ばれる男の話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

若頭の溺愛は、今日も平常運転です

なの
BL
『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』続編! 過保護すぎる若頭・鷹臣との同棲生活にツッコミが追いつかない毎日を送る幼なじみの相良悠真。 ホットミルクに外出禁止、舎弟たちのニヤニヤ見守り付き(?)ラブコメ生活はいつだって騒がしく、でもどこかあったかい。 だけどそんな日常の中で、鷹臣の覚悟に触れ、悠真は気づく。 ……俺も、ちゃんと応えたい。 笑って泣けて、めいっぱい甘い! 騒がしくて幸せすぎる、ヤクザとツッコミ男子の結婚一直線ラブストーリー! ※前作『ヤクザの恋は重すぎて甘すぎる』を読んでからの方が、より深く楽しめます。

処理中です...