【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「こういう時……」*優月

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「それにオレも映ってると余計ネタになるから、優月たち三人を待ち受けにしようかなぁ……」
「え、そうなの?」
「四人で撮った方は、大事に保存しとくってのもありか……」
「あ、撮るんだね」
「撮るよ。一緒に写りたい」
「うん」

 ふふ、と笑ってると、玲央が、なんだか、面白い顔をしてる。

「どうしたの? なんか、複雑そう……?」

 クスクス笑ってしまいながら聞くと、玲央は苦笑い。

「一緒に写真に写りたいとか言ってるの、あいつらが聞いたらなんて言うかな……というか、自分でも、何だそれって、言ってから思ったとこ」
「……どういう意味?」

「オレ写真好きじゃなくて」

 え、そうなの? と、今までのこの会話の流れで、その発言はちょっとびっくりする。

「……誰かがツーショット撮りたがるのを、写真めんどいって言い続けてきたからなぁ……」
「写真好きじゃないの?」

 あれ、でも、コンビニでクロと撮った時も、すごく楽しそうだったような……。

「……まあ。結論として」
「うん……?」

「優月と撮るのは、好きってことなのかも……」

 自分で納得するかのように、なんだか頷きながら言ってる玲央が、嬉しいんだけどちょっと面白くて、めちゃくちやニコニコしてしまう。

「ツーショット撮りたい意味とか、何なのって思ってたからな……」
「そうなんだ……皆玲央と撮りたがるでしょ?」
「意味分かんなかった」

「えーだって、カッコいいもん。一緒に撮って、眺めたいよねぇ」
「――――……むしろ、オレが居ないとこで、その写真が見られてんのもやだったし」
「…………」

 あらら。
 そうなんだ。そうか、でもなんか、なんとなく、玲央の立場だとわかる気もしてしまうような……。皆すごく一緒に撮りたかったろうし。そっちの気持ちもすっごく分かるけど。

 ……でもなんか。
 ――――……玲央と話してると、良く思うのが。


「なんかさ、玲央」
「ん?」

「……オレと居て、好きになったとか。嫌じゃなくなったって言ってくれることが、たまにある、でしょ?」
「うん。――――……あるよな、結構」

「……なんか、それって、すごく嬉しい」
「――――……」

「オレと居ることで、好きなものが増えるって……なんとなく、すっごく、良い関係な気がするような……」

 途中でちょっと恥ずかしくなりながらも、最後までそう言ったら、玲央はクスッと笑って、頷いた。

「……オレにとっては、そうだと思う」
「ん? ……何で、玲央限定な感じ……?」

「優月は元々好きなもの多そうだから」

 玲央はそう言って、クスクス笑う。

「オレと居て、好きになったものってある?」
「――――……」

 玲央と居て好きになったもの。

 ……そうか、確かに言われてみれば、オレはもともと、そこまでこれ嫌いとか……強く思わず生きてきたような。

 玲央と居るようになって、好きになったものかぁ……。

 考え始めてすぐ、ぱっと、出てきたものに、
 オレは、止めることもできずに真っ赤になった。

「え」

 玲央がびっくりした顔をした後。
 なんだかめちゃくちゃ楽しそうな顔で笑いながら。

「何考えたー?」

 と、オレの頬にすりすりと触れてくる。

「……っ」
「ほら、言ってみ?」

 クスクス笑う玲央。


「……っ…………き……」
「き??」

 ぷ、と笑いながら、先を促される。

「……キス……したり…………一緒に、寝たり……?」
「んー? 一緒に寝たり……? そこ、もうちょっと詳しく言ってみな?」

「……っっっ」

 わざとぼやかして言ってるのに、玲央が、ニヤニヤ楽しそうに笑いながらそう言ってくる。オレの頬に触れながら、顔、覗き込んで。



 うう。ちょっとこういう時、いじわるだ……。





(2022/9/30)
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