【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「ピザの具♡」*優月

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 今日はピザを作ろうってなって、ピザ生地二枚と具材を買ってきた。
 おなかすいたし、先に作ることになって、玲央とキッチンに並んだ。
 
「オレ、ジャガイモむくね。レンジであっためちゃう」
「ん。そっちがジャガイモと玉ねぎとソーセージだろ?」
「うん、あと、しらすと小葱だよね」
「ジャガイモの方はマヨネーズ?」
「んー……うん、マヨネーズがいいかなあ?」
「じゃあそっちは決まり」

 そう言ってから、玲央は、んー、とオレを見つめながら。

「しらすと小葱は? 味、何がいい?」
「んー……和風っぽいよねぇ……」

 なんだろうなぁ。マヨもケチャップもなんか違う気がする。

「オリーブオイルだけ塗る?」

 玲央を見上げながら、そう言うと。

「そうだなぁ……」

 と、玲央が結構真面目な顔で、考えてる。
 ふふ、と笑いながら、玲央の答えを待っていると。

「柚子胡椒とかは? うまそうじゃないか?」
「柚子胡椒……」

 味を想像してみる……。

「オリーブオイルと柚子胡椒塗って、チーズとシラスと小葱。どう?」

 玲央の笑顔に、オレも、うんうん頷いた。

「めちゃくちゃ美味しそう」
「ん」

「作ろう作ろう」

 ウキウキしながらジャガイモの皮を剥きだすと、横でクスクス笑っている玲央に、顔を覗き込まれた。

「上向いて?」
「?」

 上を向くと、なんだかすごく優しい顔してる玲央に、ちゅ、とキスされる。

 うわ……。

「――――……」

 柔らかく触れて、触れると同時に、目が細められる様を、間近で見てしまったオレは。

 多分、一瞬で、真っ赤になった。

 心臓が一気に速くなって、顔、熱くて。少し離れた玲央は、オレを少しびっくりした顔で見下ろしてから、クスクス笑いながら、頬にキスしてきた。

「……可愛すぎ」

 結局、食材を手放して、玲央はオレを抱き寄せて、頬に触れて、またキスを重ねる。

「――――……」

 舌が優しく触れてきて、優しく、噛まれる。

「……ん……」

 なんだかもう、すでにオレ、溶けそうなんだけど……。
 思った時、そっと離された。


「――――……ここでやめとく……ベッドに連れ込みそうだから」

 すり、と頬を撫でられて。


「トロトロしだしちゃったし。優月」

 ちゅ、と頬にキスされる。

 ……それは、でも……オレのせいじゃないんだけど……。
 なんて思って、玲央を見つめて返していると。

「ごめん」

 クスクス笑われる。

「……?」
「オレのせいって思ってたろ」

 ……何で分かるんだろうか……って、別に玲央が悪いなんて言ってるわけじゃないんだけど。
 と色々思ってると、玲央がますます笑う。

「ごめんって、悪かった。ピザ作ろ?」

 何だかすごく笑われてるけど。
 ……すごく楽しそうだし。優しい顔で笑ってるので。
 全然いいか。なんて思いながら。

 ジャガイモをむき始めると、玲央は、冷蔵庫に向かいながら。

「優月にキスすると、可愛くて、だめだなー……」

 なんて言ってて。
 ……恥ずかしいというか。……嬉しいというのか。

 なんとも言えない気分で、ジャガイモをむき続ける。
 


 
  
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