【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「嬉しい」*優月

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 玲央の部屋に戻ると、皆はリビングではなくて、別の部屋に入った。

「ここ、防音だから、こっちでやってたんだよ」

 そうなんだ。楽器とかはこっちの部屋でやるんだ。
 なんだか、色んな楽器が並んでて、カッコいいなぁ、と思っていると。

「あ、そういや、お前ら今日、帰ンの?」

 玲央がそう聞いたら、皆、そういえば、と顔を見合わせてる。

「どうする? 帰る?」
「ちょっとめんどくさいかも。玲央、服借りれる? ズボンはこのままでいいから」

 勇紀がそう言うと、「別にいーけど」と玲央が言う。

「なあ、派手じゃないのある?」
「オレ、そんな派手なのばっか着てないだろ」

 颯也の言葉に玲央が苦笑すると、ああ、と颯也が笑う。

「玲央が着ると派手になるだけか」
「何だそれ」

 玲央が笑って答えて、それに勇紀も甲斐も笑ってるけど。

 ……うん、なんか分かる。
 玲央が着ると、派手というか、目立つんだよね。

 ただの白いシャツでも、なんか目立つし。
 ……カッコよすぎるもんね、うんうん。目立ちすぎる。うんうん。

「ん? どした?」
 はっ。なんか普通にうんうん頷いていたみたいで、玲央に面白そうに笑われて、見つめられる。 

「あ、いや。……目立つよね、玲央、て思って」
「なんだそれ」

 クスクス笑う玲央に、頭をくしゃくしゃ撫でられる。

「じゃあ、皆泊まってくのか?」

 そう聞いた玲央に、皆、そーだな、と頷いてる。
 わぁ、お泊りだ。なんか、楽しいなぁ。

「そしたら少し遅くまでやってられるか」
「だね」

 玲央の言葉に勇紀が答えて、皆も頷いてる。

「お前ら、教科書とかは?」
 玲央が聞くと、少しの間考えてから、無くても明日一日くらい何とかなる、と皆が言って笑ってる。

「オレと優月は明日一旦家帰ってから学校行くつもりだけど。な?」
 玲央がオレを見てそう言うので、うん、と頷く。

 とりあえず、じゃあ皆泊まってくなら……。

「お布団とか出すなら出しとくよ、オレ」

 そう言ったら、玲央は、ん?とオレを見つめて、それから、ふわ、と笑った。

「良いよ。こいつらあるとこ知ってるし」
「あ、そうなんだ。良く泊まるの?」
「んー、たまにな?」
「そっか。オレ、なんも、しとくこと、無い?」

 そう言うと、皆はクスクス笑う。玲央も笑いながら。

「優月は、先に風呂入ってきていいよ。何かあったら頼むけど」
「あ、うん。分かった」

 今やることないなら、とりあえずシャワー浴びてきちゃおう。
 皆もあとから浴びるんだろうし。

「いってきまーす」

 言うと、皆に、「いってらー」「いってらっしゃーい」と見送られて部屋を出た。ふふ。なんか楽しいな。お泊り会だ。

 あ。ここに来た時って、前はバスローブだったけど……皆居るのに変だよね……と思った時。後ろでドアが開いた。

「優月、着替え渡す。おいで」
「あ、うん」

 ……玲央が、おいでって言ってくれるの、優しくて、大好き。
 …………とか言っても、来いよ、て言うのも、好きなんだけど。……ていうか、なんでも好きなんだけど。

 とか、そんなことを思いながらついて行って、別の部屋のクローゼットへ。


「あいつらの服も一緒に出すか……」

 ぽいぽいと、部屋着と下着を次々出して、置いてあった棚の上に積んでいく。

「部屋着、いっぱいあるんだね。すごいねー」
 感心しながら言うと、玲央が振り返って笑う。

「ここ泊まるのってほぼあいつらだから、人数分ある」
「あ、そっか、なるほど……」

 皆のところに持っていこうと服を抱えようとしたら、待って、と言われて、ん?と玲央の方を向いた瞬間。

 腕を取られて、引き寄せられて。
 唇が、触れてきた。


「――――……」

 ……玲央だー……。玲央の、キス。
 ……なんか今日離れてたから。……嬉しいな。


「……優月」

 少しだけ唇を離してオレの名を呼んで。
 目を開けたオレを見つめて、ふ、と笑って。


「――――……」


 優しいキスがまた触れてきた。


 胸が、とくとく、速くなる。



 

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