【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「渋滞…」*優月

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 階段を上って教室に入る。

「おはよー」
 今日初めて会った皆に挨拶しながら席に着いた。

「今日もご機嫌だなー?」
 クスクス笑われて、ん、と微笑む。

「ちょっとお昼いいことあって」
「そっかそっか」

 クスクス笑って、頷かれる。

「あ。そーだ、優月さぁ」
「ん」
「合宿免許の話聞きたいって言ってたよな?」
「あ、うん」
「オレの行ってる教習所のパンフレット貰ってきた」
「あ、ありがと~」

 鞄から取り出されて渡されたパンフレットをパラパラとめくる。

「やっぱり二週間くらいだね……」
「そーだね。それが微妙だったら通う感じかな」
「うん。オレ、通うことになりそうなんだ」
「そっか。なんか色々プランあるんだよね」
「そうなの??」
「あ、そこらへん」

 机で開いてたところで、友達が指さしてくれる。

「……なるほど。大学生割引とかあるんだね」
「VIPプランだとちょっと高いけど、キャンセルとかも色々無料で出来たりするけど」
「ふうん……学科って家で見れるの?」
「そう。オンラインで受けれるみたい」
「そうなんだ。じゃあ、実技だけ行くの?」
「一応、教室でもやるよ。どっちで受けてもいいって感じかな」
「そうなんだ」

 へー。オンライン授業。すごいなあと思いながらパラパラとめくっていく。

「これ貰ってもいいの?」
「いいよ。あげるために持ってきたし」
「ありがと~。楽しそうだなあ……」

 楽しみ。教習所。
 と思ってると、また別の友達にも話しかけられる。

「優月、免許とるの?」
「うん。取りたいな」
「優月が運転かー……」
「優月が……」

 はて。
 何か皆、んー、と考えてる。

「何?」
「なんか優月、すごくゆっくり走りそう」
「え、そう?」
「制限速度よりゆっくり走りそう……」
「そんな感じ。しない?」

 一瞬時があいて、すぐに、「するー」と皆が笑う。

「そんなこと……んー。あるかな?」
 ふふ、と笑うと、一人がちょっと笑いながらオレを見る。
「制限速度よりゆっくりだと、渋滞うまれるからね。一車線でいつも空いてる道がすごい込んでるから何かと思ったら、一番先頭に超遅い車がいるとかさー。……優月が後ろに大行列連れて走ってたら、面白いな?」

「ちょっとそれは、さすがに面白くないかも……」

 クスクス笑って、答えた所に教授が入ってきた。
 すぐ授業が始まるので、パンフレットを鞄にしまった。


 そっかー。ゆっくり走ると渋滞になっちゃうのか。
 まあなんとなく分かるような。
 ……ふむふむふむふむ。

 よく考えたら、オレ、運転できるかな。
 とっさの判断とか、いけるかな。ちょっとドキドキしてきたかも。

 あ、そうだ。
 玲央、運転、すごく上手だから、玲央の運転見て勉強させてもらおう~。

 ていうかまだ普通に乗れるようになるまで結構かかりそうだけど。
 楽しみ。いつか玲央を乗せたり、友達や家族をのせて、どこかいけるようになりたいし。

 ……うん、迷惑だし、渋滞は生まないように、気を付けよ。

 電車ごっこの、先頭、みたいな。
 ……さすがにちょっと嫌だな~。

 でもちょっと面白いかも。ふふ。笑っちゃうな。


 玲央に、オレがゆっくり走りそうか聞いたら、何ていうかな。

 意外とスピード出しそう、とか。言ったりするかな。後で聞いてみよっと。
 




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