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第2章
「熱くなる理由」
しおりを挟む頬に触れる啓介が、クスクス笑って、オレを見上げる。
「ごめんな、て言うただけやけど…… 赤くなるの、何で?」
そんな風に聞かれて、言葉に詰まる。
「……だって……なんか、下から見られるのも、あんま無いし……」
「ないし?」
「――――……そんなまじめに謝られたら恥ずかしい、じゃん」
「なんでお前が恥ずかしいん??」
「……だってなんか……別にそれ、謝るとかそういう事じゃないと思うし」
「そおか?」
「……だってさ、別にそん時オレら付き合ってないし……自由にする権利は啓介にあったし。啓介が誰と付き合ってたって、オレが謝られることじゃない、と思う」
「……まあ、そうやけど」
くす、と笑って。両頬を挟まれる。
「……何で雅己が赤くなるんか分からんのやけど。めっちゃ熱いし」
引き寄せられて、唇にキスされる。
「……ほんま可愛ぇし」
じっと見つめられて、愛しそうに、言われると。
ますます恥ずかしくなってくる。
そうだよね。
……普通なら、今までの啓介が女の子と付き合ってたの、ごめんって言ってくれたなら、別に、今更だしいいよって言って、終わりにしちゃえばいいだけの話で。確かに、オレが赤くなるような話じゃない、気がするんだけど。
……だけど。
「……なんでって…… だから…」
「うん」
「啓介の自由、ではあるんだけど……でもやっぱり少しは、気に、なってたから」
「――――……」
啓介が、オレの言葉を待って、何も言わずにただ、じっと見つめてくる。
なんか。余計、恥ずかしくなってくる。
「……色んな子と付き合ってたし、女の子の方がいいんじゃないのかなとか何回も思ってたから……ごめんって言ってくれたのが――……」
そこで、言葉に詰まってると。啓介が、ふ、と笑んだ。
「――――……嬉しかったん?」
「……っ……」
……うん。別に謝る事じゃないのに、ごめんって謝ってくれるって。
オレが嫌なのも、分かってくれてて。もうしないって、言ってくれてるのかなと思ったら。
なんか。啓介、好きだなーと、思ったら。
……顔、熱くなった、だけな気がする。
――――……つーか、こんな事でこんなに顔が一気に熱くなるとか。
オレって、どんだけ、いつのまに、啓介、こんなに好きになってるんだろう。
ちょっと前まで、悩んでたのに。
ほんと。意味わかんない。
「――――…… お前、ほんまに、可愛ぇな」
「え」
ぐい、と引かれて、椅子から下ろされて。
啓介と、同じように、下に、膝をついた。と思ったら、啓介の腕の中に抱き込まれて。
「……っ――――……ん……」
すごい密着して抱かれたまま。 深く、キスされた。
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