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第2章
「ピンクの空」3
しおりを挟む「雅己、ちゃんと飯食えや? あとちゃんとドライヤーして。ソファで寝んなや?」
「うん」
「遊びに行っても良いけど、そんな遅くなんなや?」
「うん」
「冷たいもんばっか飲むなや?」
「うん」
「クーラー冷やし過ぎないで」
「うん」
「あとは――――……」
もう、苦笑いしか浮かばない。
「分かったってば」
しかもこの内何個かは、さっきも聞いた。
「啓介、たった二日間、オレ、ちゃんと生きて待ってるから」
「――――……」
「お前こそ、気を付けて行ってこいよな?」
「ん」
ぎゅー、と抱き締められる。
何なんだ、啓介。
ていうか、お前、ほんとにオレと離れらんないのかな……?
「なー、啓介」
「ん?」
「オレ、今日明日は家に居るから。こないだ買った本も読みたいし。ゆっくりしてる。散歩がてらご飯買いに行く位はするかもだけど」
「――――……」
「だからいつ電話しても出るから。啓介が空いてる時、連絡して」
「――――……ん、わーた」
むぎゅぎゅ。
抱き締められる。
と思ったら。少し離されて、深く深く、キスされた。
「……ん、ん、ンっ……」
いつまでしてんだ、と訴えるけど、全然離してくれない。
めちゃくちゃ息が上がってから。やっと、離された。
仕方なさそうにオレから離れて、靴を履いてから、また振り返った。
「――――……行ってくる」
むぎゅ、とまた抱き締めて。じっと見つめられる。
「電話するから」
「ん、あ、なあ」
「ん?」
「地元帰るんだからさ、友達とか会ってくれば?」
「――――……」
「久しぶりなんだし」
「――――……ん、考えとく」
「うん。いってらしゃい」
「雅己」
「ん?」
そっと頬に触れて、啓介が笑う。
「大好きやで、雅己」
言った啓介に、最後にまたキスされて。
「行ってくる」
「……うん。いってらっしゃい」
バイバイ、と手を振った。ドアが閉まる。
鍵を掛けて、玄関から離れて。
ソファに座った。
何か――――……しばらく会えない位のお別れ、してったな、あいつ。
……恥ずかしいな、ほんと。
大好きやで、じゃないっつーの。
もう……。
顔、熱い。
――――……顔熱いっつーのは。
恥ずかしいって事で。
――――……嫌じゃないって事で。
ほんとにもう。
何なんだ。
クッションを抱いて、ソファに倒れた。
二日間かー。
――――……とにかくすっげえ、静かそうだなあ。
とりあえず、まあ。
ゆっくりするか……。
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