【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

星井 悠里

文字の大きさ
191 / 255
第2章

「一生?」

しおりを挟む



 啓介にかなりいっぱい食べられたけど、サツマイモ、美味しかった。

「そろそろ一旦戻るか~?」

 先輩たちが言いだして、啓介を見る。
 なんとなく、この旅行のスケジュールは、啓介任せになるんだなあと思いながら、啓介が頷いてるのを眺める。

 ……そういうば、いっつもこうだっけ。

 なんか頼りにされちゃうというのか。自然と啓介に意見を求めちゃうというのか。クラスでも部活でも、いつもそんな感じだった気がする。

 さすがに高校時代の先輩たちが居た時は、先輩たちが上に居た気がするけど……でもまあ、それでも、一、二年をまとめるのは啓介の役目だったもんな。オレにとっても、頼れる奴だったけど、皆にとってもだったなあと、改めて思い出す。

「どした?」

 啓介の言葉に従って皆が宿に向かって歩き出してから、啓介がふとオレを振り返った。

「ううん。啓介、この旅忙しそうだね」
「別に、こんなん平気やけど」

 ほんとにそう思ってそうな感じで、ふ、と笑う。

「食事の時間守ればあとは適当でええんやないかな」
「そっか。手伝うことあれば言って」
「あぁ。頼むわ」
「うん」

 ふ、と見つめあって頷く。

 旅館について、啓介が宿の人に呼び掛ける、そのまま裏にまわるように言われた。
 行ってみると、広い芝生に、バーベキューの設備。

 何だかみんなワクワクしながら近づくと、炭からの火起こしから始めるってことで、やり方も詳しい説明の紙が置いてある。皆大盛り上がり。だって普段やらないもんね。
 協力しあいながら火を起こして、旅館から運ばれてくる食材を、色々焼き始める。

 先輩たちはもうやお酒を飲める人達も居るけど、ほとんどの皆はジュース。
 なんだけど、皆酔ってんのかなというはしゃぎっぷり。
 どんなに騒いでも、周りは大自然なので、全然気にしないで居られるところが、最高にイイのかも。

「雅己食べてる?」
「食べてますよー」

 先輩たちに言われて、ちよっと来い、と呼ばれる。

「なんですか?」
「まあまあ、座りな」

 三人の先輩の近くの椅子を指されて、やまもり色々乗ったままの皿を持って、座る。

「なんですか??」

 聞いたオレに、先輩たちは、ちょっとだけ顔を近づけてくる。

「お前、啓介と暮らし始めたんだって?」
「え。あ、はい。そうですけど……」

 何でひそひそ声なんだろう。

「……やめといた方が良いんじゃねえの?」
「え?」

 なんで?

「考えてみろよ」
「はい……」

「ただでさえお前ら仲良しすぎて、特にお前、彼女できたことないだろ」
「…………」

「モテそうなのに、それって、絶対啓介と居るからだと思うんよな」
「そうそう。話しかけにくいってのもあるし、お前の時間、啓介と使いすぎっつーのもあるんじゃねえの?」

 ……先輩たち、大学違うのに、まるで見てきたかのような……。

「その上一緒になんて暮らしちまったらさ」
「――――……」


「お前、一生彼女出来ないかもよ?」


 ……ちーん。

 ――――……なんかそのワードは嫌だ。


 いや、啓介が彼氏な訳で、オレは今、彼女を求めてはいけないのは分かっているのだけれど。
 でも、一生彼女出来ないとか。


 ……なんな訳。もう。

 むすーっとして先輩たちを見ると。
 あ、やべ、と、先輩たちは笑う。


 やべ、じゃないっつの。 





しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

処理中です...