【FairyTale】 ノンケ同士×お互い一目惚れ。甘い恋♡

星井 悠里

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第2章

◇勝てない*圭

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 目の前の高瀬が、ビールの栓を抜いて差し出してくれるので、コップを持って入れてもらう。

「ありがと。……入れるよ?」
「ん」

 瓶を受け取って、高瀬のコップにもビールを注いで。
 2人でコップを合わせた。

 一口、飲む。
 

 ――――……ドキドキドキドキ。
 弾んだ心臓が、戻らない。 

 なんで、高瀬、あんな風に、急にキスするかな……
 もう ――――…… 無理。

 なんかもう……キツイ。
 ……なんでだろ、もう、どうしてあんなにキスうまいかな。

 受けるだけで精一杯って、情けないけど。
 ――――…… もー……。


 あやうく、反応するとこだった。
 ……もうギリギリ。 キスされただけで、なんて。もう。

 でも、オレがわるいんじゃない……。
 高瀬のキスがエロイからいけないんだー!

 心の中は色々叫んでる。

 でも、なるべく普通に、箸を進める。

 美味しいけど。 すごく美味しいけど、
 ――――……もう、体熱いし……顔もまだ熱いし。

「――――……焼き鳥うまい?」
「え…… あ、うん、すごく美味しい」

「たれと塩、どっちが好きなんだっけ?」
「どっちも好きだけど……塩の方が好きかな……」

 何とか答えられてる。はず。

 ……もう。……高瀬のバカ―!
 もうもう、オレ、なんか、背筋が、ゾワゾワするし。

 落ち着け。――――……早く、ご飯、食べて……風呂いけるかな……温泉入りたい……。

 せっかくのご飯に集中できなくて辛いので、なんとか意識を体から背けようとしてみる。

「高瀬、後で露天いこ? さっき行かなかった方」
「ん、いーよ」

「星、見えるかな」
「たぶん見れるよ。船でも割と見えてたし。さっきよりもっと暗くなってきたし」

「……オレ、星見るの好き」
「ふうん。そうなんだ」

 くす、と笑う高瀬。

「プラネタリウムとか、好きでさ。よく行ってた」

 星の話をしていたら、やっと、体から意識を離せて。ほっとする。

 ……てか。
 高瀬は、あんな風にキスしといて、全然平気な顔って。

 ……ずるい……。

「――――……織田、これ食べた?」
「え?」
「その緑のお皿」
「まだ。なに?」

「鶏肉。うまいよ。織田好きそう」

 ふ、と優しく笑う高瀬に、どき、と弾む胸。

 こんな事言ったらおかしいから言わないけど……。
 今……オレの事、まっすぐ、見ないでほしい。

 なんかオレ。
 ――――……見られるだけでドキドキすんの、ほんとやばい。

「あ。ほんとだ。美味しい」

 すっごい、美味しい。
 口に入れた料理が、思ったよりももっと美味しくて、もぐもぐ味わってたら。高瀬がふ、と笑った。

「プラネタリウム、今度連れてって」
「――――……え、あ。 プラネタリウム?」

「ん。オレ行った事ないから」
「――――……ん、いいよ。連れてく」

 なんか、なんか。
 ……連れてってって。

 ……可愛い、高瀬。
 連れてく連れてく。絶対連れてく。


「来週いこう、来週」

 乗り出して誘ったら、高瀬が「いいよ」と、楽しそうに笑う。


 楽しいな。
 ――――……なんかもう。ほんとに、高瀬が大好きすぎだよな、オレ。


「織田、酒頼む?」
「……ううん。もういいや」

 酔っぱらうと、ろくな事がない気がする。


「――――……高瀬、飲みたかったら飲んでもいいよ、頼む?」
「んー……オレもいいや。 眠くなりたくないし」
「うん?」


 ……て。眠くなりたくないって。

 ……眠らずに、何するか……。
 …… っ。


 わー、もう何も考えるな、オレ。
 高瀬ってば、完全に普通なのに。


 ぐるぐる色々考えていたら――――……。
 高瀬が、ぷ、と笑った。


「ごめん、わざと言ったけど――――……そんな、混乱されると」
「――――……」

「……そっち行きたくなるから、やめて」
「――――……」

 クスクス笑われて、もう、何も言い返せない。


 ――――……く……っ。高瀬、ひどい……。
 オレで遊ぶのやめて欲しい。



 まだ笑ってるし。
 …………だめだな、この笑ってくれてるのだけでも好きとか。


 からかわれて笑われてんのに、好きとか。
 ヤバいよね、オレ。

 ヤバいの分かってても、好き過ぎて。
 


「織田のそういうほんと素直ーな反応が、オレすっごい好きなんだけど」
「――――…………」


 そんな事言って、優しく笑ってるし……。
 ……勝てる訳ない……。



 



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