最低最悪な魔法使い

shishamo346

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傾国

筆頭魔法使いの儀式

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 その日は、たまたま、大魔法使いアラリーラと魔法使いの修練場を歩いているところだった。
「ハガルは本当に、すごいんですよ。こう、あっという間に部屋も掃除して、食事も瞬間ですよ。私は、力技だけなので、羨ましい限りです」
「その力技で、敵側の聖域を乗っ取ってくれ」
「お任せください。永遠に、敵を追い払ってみせます」
 大魔法使いの実力は人外だ。人の力でコントロールが出来るような小さなものではない。世の理すら捻じ曲げるほどの力だからこそ、アラリーラ自身では、小さな魔法は使えないため、側仕えのハガルが力添えをするしかなかった。そこのところも、アラリーラ自身は理解し、受け入れ、ハガルのことを大事にしていた。
 しばらく、魔法使いたちの修練を見ていると、建物の裏で行われる嫌がらせの現場を見てしまう。
 それは、アラリーラも見ることとなる。
 ハガルは、立派な魔法使いたちに、建物の裏に連れ込まれて、随分と暴力を受けていた。
 本気になれば、ハガルは魔法使いたちを一掃出来る。しかし、平時に魔法を使うことは禁止されているため、ハガルは魔法を使わないで、ただ、やられるままだ。体術も剣術も封じられたのだ。対抗する手段がないのだ。
「何をしているのですか!?」
 アラリーラが珍しく、怒りに声を荒げて、傷だらけのハガルの前に出た。
 見つかってしまった魔法使いたちは逃げようとしたが、それを私と一緒に居たテラスが許さない。テラスは剣呑な顔を見せる。
「貴様たち、ハガルは大事な大魔法使いの側仕えだというのに、なんてことをしてくれた!?」
「アラリーラ様、我々を側仕えにしてください! このような子ども一人では、手が足りないでしょう。我々が交代でやれば、隙なく行ってみせます!!」
「ハガルは側仕えとして、隙なく行っています。それを複数で行うというのですか? 複数でやって、やっとハガル一人分になるなど、話にならない」
 アラリーラの怒りに火をつけた。私には見えないが、アラリーラに従う妖精が動き出したようだ。テラスが焦った。
「アラリーラ様、もう、怒らないでください」
 それを止めるのは、さっきまで暴力を受けていたハガルだ。あの偽装された容貌にも、怪我ある。ということは、あの美しい顔にも傷がついたということだ。そこには、私は怒りしかない。
「ハガル、こんなことをされて、何故、怒らないのですか!? それ以前に、私に言いつけなさい!! これでは、私は最低な主です」
 報告を受けていないことに、アラリーラは自らに怒りを持った。頼られていない、と思ったのだろう。仕方がない。ハガルは皇帝である私にすら、告げ口しない。
「いいんだ。こうして、妖精を押さえつけることは、いつか、役に立つことだ。この程度の怪我は、すぐに治るから。ほら、アラリーラ様の妖精を貸してください」
「ああ、許す」
 アラリーラが許可すれば、瞬間、ハガルの怪我は消える。それどころか、服の汚れも綺麗になくかった。
「ほら、簡単に治るから、いいよ。それにしても、立派な魔法使いになっても、子どもみたいなことをする奴らがいるってのは、残念だ。帝国では、魔法使いは雲の上の存在だってのに、こんな平民並のことをするんだからな」
「貴様、見習いの分際でっ!」
「黙ってあげた俺に対して、そういう口はどうなの。俺は告げ口したって良かったんだ。俺が見習いになったばっかの頃、俺をボコボコにした奴ら、今はどうなってるか知ってるか? 剣術や体術は立派だってのに、魔法はからっきしになっちゃって、魔法使いにはなれなかったんだって。妖精は、見てるんだよ、そういうの」
 本当のことだ。テラスは確かに妖精を返した。ところが、妖精の力が落ちたのだ。理由はわからないが、妖精の力が落ちてしまったため、件の見習い魔法使いたちは、魔法使いになれなかった。
「妖精は神様の使いだ。いくら、人に憑いてこの世に誕生したといっても、上司は神様だ。神様はしっかり見てる。あんたたちは、いつまで魔法使いでいられるかな? 俺は、魔法使いになりたいから、告げ口もしないし、妖精使って仕返しもしない」
「大した妖精憑きじゃないんだろう。俺たちの誰かは、筆頭魔法使いに選ばれた時は、見ていろよ」
「はあ!?」
 途端、ハガルは怒りの表情を見せた。
「お前たちが筆頭魔法使いになるだと!? 皇帝陛下の前で、その失礼な態度をとるお前たちがか!!」
 ハガルは、私の元に歩いていき、跪き、わざわざ、靴を舐める。
「皇帝陛下、お見苦しい所をお見せして、申し訳ございません」
 偽装をされたままだというのに、ハガルの動作は優雅だった。わざと靴を舐める仕草に、私はゾクゾクとした。物凄くうれしい。
 ここに来て、やっと、魔法使いたちは、皇帝である私がいることに気づいた。慌てて跪くが、これが、なんともお粗末だった。
「随分と、酷いな、最近の魔法使いは。テラス、これはどうなんだ。筆頭魔法使いとは、こんなお粗末な行儀でなれるものか?」
「まさか。このような見苦しい行儀では、とても筆頭魔法使いどころか、今度の戦争にも連れて行けませんよ。実力が、低すぎる、下っ端です」
 本当のことを言われて、魔法使いどもはかっと顔を真っ赤にする。魔法使いは妖精憑きだ。神の使いである妖精を憑けて生まれるため、プライドが高い。
 魔法使いたちの中では、皇帝は、たかが皇帝、と見ているのだろう。まだまだ、若いな。
 しかし、そこで妖精を使ってしまうのは、悪手だ。テラスが私の前に出て、妖精の攻撃に備えた。
「貴様らっ!!」
 ハガルが怒りに、攻撃に繰り出された妖精たち全てを盗ったようだ。魔法使いたちは、真っ青になった。
 ハガルは跪いたままだ。私が立つことを許していないので、その姿勢を崩さない。しかし、ギラギラと怒りで光らせた目で魔法使いたちを睨んだ。
「皇帝陛下に妖精を使って、それで、筆頭魔法使いになるとは、片腹痛いな」
「ハガル、許す。立て」
 私が許可すれば、ハガルはやっと立つ。そして、私に一礼して、アラリーラの後ろに戻る。
「アラリーラ様、勝手に妖精を使いました」
「かまわない。ハガルはいつも、正しい判断をする。今も、ハガルは正しい」
 アラリーラは怒りで表情を険しくする。蔑むように、無作法なまま座り込み、動けないでいる魔法使いたちを見下ろす。
「皇帝陛下、この者たちは、どうしますか?」
「通例通りだ。鞭打ち後、妖精を返してやれ。さて、魔法使いのままでいれるかな? テラス、鞭打ち後にテストしろ」
「はっ」
 騒ぎを聞きつけた他の魔法使いたちは、テラスに命じられ、妖精を盗られた魔法使いたちを懲罰房へと運ばせた。
「見習い魔法使いは、今後は、告げ口するように」
「………」
「ハガル!」
「………」
 妙な所で、ハガルは頑固だ。適当に返事をすればいいというのに、ハガルは固く口を閉ざす。それが、可愛い。
「あまり、お前を大事にする者たちに心配をかけるな。それは、お前を大事にする者たちの心を傷つける」
「………はい」
 言葉を変えてやれば、ハガルは肩を落として落ち込み、やっと、返事をした。



 この問題を起こした魔法使いたちは、妖精に嫌われたのか、魔法使いでなくなった。



 私はハガルの能力の報告をテラスから受け、さすがに、危機感を覚えた。
「もう、ハガルはアラリーラ様の許可なく、アラリーラ様の妖精を使役出来るそうです」
 ハガルは問題の魔法使いたちから妖精を盗る時、アラリーラの妖精を使った。その時は、アラリーラの許可を得ていなかったのだ。

 つまり、ハガルは、大魔法使いが使役する妖精を全て使えるということになる。

 この事実が、今回の小さな事件で発覚した。ハガルはそれまで、そのことに気づいていなかったのだ。今回のことで気づき、色々と試して、ハガルは素直にテラスに報告したのだ。それが当然というように、ハガルは教育されていた。
「テラス、特別製の契約紋の焼き鏝を準備しなさい。これまでの焼き鏝では、ハガルの背中には大きすぎる」
「皇帝陛下、まさか、ハガルに儀式を行うのですか!? まだ、十にも満たない子どもですよ!!」
「だからだ。今ならば、それなりの魔法使いを集めれば、どうにかなるだろう。これ以上、成長させてからでは、不可能だ。私だって、いつまで生きているかわからない。私は実際、孫までいる年寄りなんだ。最悪の場合、私が命をかけて、ハガルをおさえこもう」
「まだ、あなたは皇帝でいてもらわなければいけません!! だったら、私が」
「皇帝の代わりはいくらだっている。魔法使いは貴重だ。価値を見誤るな」
 私は笑うしかない。私の命は、実は軽いんだ。ハガルがあんなに慕って、逆らえないというのに、私の価値は、帝国の平穏に比べれば、ちょっとした犠牲だ。
 テラスもまた、筆頭魔法使いとしての教育を受けている。だから、歯を噛みしめて、私の命令に従った。

 命じれば、すぐだ。筆頭魔法使いの儀式に立ち会うのは、それなりに有力な魔法使いたちと、宰相と、皇帝である私だ。本来ならば、魔法使いたち全てと見習い魔法使いたちまで集めて、次代の筆頭魔法使いの力を抑え込むのだが、ハガルの存在を表に出せなかった。
 ハガルは、大魔法使いの影に隠れ、魔法を行使するためだけに、側仕えにしたのだ。大魔法使いは、実は、妖精憑きではない。ただ、妖精に溺愛されるただの人だ。あまりに溺愛されるため、魔法使いとして保護するしかなかった。大魔法使いなんて、元々、存在しない役職を作ってまで、アラリーラを縛ったのだ。アラリーラは妖精を視認出来ず、操ることも出来ない。しかし、アラリーラは魅了した妖精を魔法使いに貸し与えることが出来る。ただ、そこには、アラリーラとの信頼関係が重要だった。いくら、アラリーラでも、不満のある者には妖精を貸し与えない。
 そこで、アラリーラに側仕えをつけ、試したのだ。アラリーラとの間に信頼関係が築かれれば、何か、奇跡が起こるかもしれない、と私とテラスは期待した。ところが、これが大変だった。側仕えは全く使えなかった。アラリーラは何も言わなかったが、アラリーラを溺愛する妖精たちは激怒したのだ。そうして、何度も側仕えを取り換え、仕方なく、ハガルにした途端、アラリーラは酷く満足した。それどころか、アラリーラはハガルを手放せなくなった。そして、それは、アラリーラを溺愛する妖精もそうだった。

 アラリーラを溺愛する妖精たちは、ハガルをも愛したのだろう。

 結果、ハガルは、アラリーラよりも手に負えない妖精憑きとなった。私の予想では、ハガルはもう、筆頭魔法使いの儀式で契約紋を背中につけたとしても、皇族に魔法が使える。ハガルに憑いている妖精は使えないが、アラリーラを溺愛する妖精は使えるだろう。そうなったら、ハガルの首輪は役立たずだ。ハガルは、皇族を殺せる。
 ここまでくれば、ハガルの心に賭けるしかない。本当に、とんでもない化け物を作り出してしまったものだ。
 こうして、秘密裡に筆頭魔法使いの儀式は執り行われた。

 本来ならば、だまし討ちのように行う。次代の筆頭魔法使いには、儀式のことは教えないで、突然、襲うように行うのだ。
 ハガルもそうだった。肝心の儀式の内容は隠されていた。だから、ハガルは騙されるように儀式の場に連れて行かれ、腕っぷしの確かな騎士二人におさえこまれた。
 体術と剣術は封じた。残る妖精は、その場にいる魔法使い全てと、儀式の場となったそこに古代からかけられた魔法で抑え込めるはずだった。
「いやだーーーーーーー!!!!」
 ところが、ハガルは全力で抵抗した。その力は、目に見えないものだが、賢者テラスを蒼白とさせるものだった。
「私の妖精まで盗られた。陛下、逃げてください!」
 その場にいる魔法使い全ての妖精をハガルは盗った。それでも、ハガルは騎士二人に抑え込まれたままだ。本気になれば、この騎士たちだって、吹き飛ばせるだろう。
 ハガルは、偽装を解除して、縋るように私を見上げた。
「陛下、いけません!」
 テラスが止めるが、私は走った。
 ハガルに駆け寄り、騎士二人の拘束を解かせた。
「ハガル、どうした!?」
「儀式は、今はやりたくありません。どうか、もっと大人になってからにしてください。絶対に、逆らいませんから」
 ボロボロと涙を流し、私に縋るハガルの姿は、その場にいる全ての者を魅了した。宰相は、初めてみるハガルの姿に生唾を飲み込む。魔法使いたちは、呆然となった。それほどの美貌を晒し、私だけに縋るハガルに、私は心が揺れる。
「許さぬ」
 しかし、私は皇帝として、ハガルの儀式を推し進める。すでに、ハガルのための作られた焼き鏝は、熱せられていた。
「こんなことしなくても、戦争には行きます!」
 タイミングが悪かった。儀式を急いだのは、戦争に行かせるためだと、ハガルは思い込んでいた。
 本当のことを私は黙った。その思い込みをそのまま、利用した。
「ハガル、見なさい」
 私は上の服を脱いで見せた。
「ラインハルト様、なんてことを!?」
 私の胸の中心に、ハガルのために作られた焼き鏝が押されていた。火傷はまだ、治りきっていなかった。
「これは、かなり痛いな。やってみて、よくわかった。だが、儀式を止めることは出来ない。止めたかったら、私を殺しなさい」
「出来ません!! 私の皇帝は、ラインハルト様です!!!」
「なら、儀式を受けなさい。そうすれば、お前は、私のものだ」
「………はい」
 ハガルは覚悟を決めて、私の腕に縋った。
 私は、抵抗をやめたハガルの服を脱がせた。あの、誰にも汚されていない綺麗な背中だ。ここに、契約紋を押すのだ。これは、やりたくなくなる。
 実際、ハガルの背中に焼き鏝を押すように指示された者たちは、躊躇った。この美しい男に、傷を付けるような行為は、恐れ多いのだ。
「ハガル、さあ、私に背中を向けなさい」
「ラインハルト様」
「私がやろう。ほら、痛いだろうから、私の指を噛みなさい」
 焼き鏝を受け取り、私はハガルの口に指をいれる。ハガルは恐る恐ると、私の指に歯をあてる。
 そうして、ハガルが心構えなど出来る前に、さっさと私はハガルの背中に焼き鏝を押し当てた。
 一瞬、ハガルはぐっと歯に力をいれた。しかし、すぐに、力を緩め、私の指を舐めた。私の指をハガルはどうしても噛んで傷つけられなかった。
 私は焼き鏝を放り投げて、ハガルを抱きしめる。
「ハガル、よく頑張った」
「ラインハルト様、どうか、許すと言ってください」
 相当な苦痛だろうに、ハガルは笑顔で私を見上げてくる。私の胸に手をあてる。魔法が使えないのだろう。契約紋は、しっかりと、ハガルの中で根付いていた。
「許す」
 このまま、殺されてもいいと思った。許可を出せば、ハガルは私に魔法が使える。
 私が許可をした途端、あれほどの苦痛だった胸の火傷はすっとなくなった。見れば、ハガルは私の胸についた契約紋の火傷を綺麗に治してしまった。契約紋は綺麗に消えてしまう。
「ラインハルト様、私には怪我をするなと言ったくせに、あなたがこのような怪我をしていてはいけません。あなたの身は、私よりも尊く、大事です」
 ハガルは綺麗になった私の胸を優しくなでると、そのまま、意識を失った。気力だけで、魔法を行使したのだ。
「わかっていないな、お前は。私の代わりなど、いくらだっている」
 私は、意識を失ったハガルを抱き上げ、筆頭魔法使いの屋敷へと向かった。




 しばらくは、意識のないまま、ハガルは苦しんでいた。ほとんど寝ずの看病をしてやっていたので、賢者テラスに叱られた。
「あなたが倒れたら、ハガルが悲しみますよ」
「これくらいはしてやりたい。皇帝としては、どうしても、ハガルを自由には出来ないのだからな」
 我が子にすらやったことがない。やらないけどな。皇帝には子も孫もない。皇帝とは、帝国が第一でないといけないのだ。皇妃が私に愛想つかしているのも、よくわかる。私は良い夫ではない。
 しかし、ハガルには、良い何かでいたかった。
 ハガルは三日ほどで目を覚ました。私が側にいるのを見て、嫣然と微笑む。もう、子どもようには笑えない。筆頭魔法使いにする儀式は、ハガルのあどけなさを奪った。
「ラインハルト様、私を見捨てないでください」
 ハガルは私の手にそっと自らの手を伸ばす。まだ、苦痛やら何やらで苦しいだろう。体力だって、随分と奪われている。だから、私から握ってやった。
「見捨てるはずがないだろう。むしろ、見捨てられるのは私だ」
「いえ、私の皇帝はラインハルト様ただ一人です」
 縋るように見てくるハガル。何か、あったのだろう。私への依存度がいつもよりも高い。
「どうかしたのか?」
「………祖母に、私が実は血の繋がりがないことを言われました」
 私は呆然とした。今更な話だった。私はそれを知っていた。
 ハガルは、本当に知らなかったことのほうが驚きだ。あれほど強い妖精憑きだというのに、家族でないことを知らなかったのだ。
「私が戦争に行く話をしましたら、祖母がいうんです。命をかけてまで、もう、尽くす必要はないんだ、と。泣いていうんです。もう、やめていいんだ、と」
「そうか」
 だから、ハガルは儀式を拒否したのだ。心のバランスが不安定で、ハガルは儀式に耐えられないと思ったからだ。
「弟や妹は知っているのか?」
「言っていないそうです。私のことをすごい兄だと自慢しているとか」
「だったら、これからも、普通に家族としていればいい。その、祖母には、しっかりと口止めしなさい」
「………家族がいなくても、戦争には行きます」
「わかっている。だが、お前は兄でいたいのだろう。だから、落ち込んだのだろう。だったら、知らん顔して、兄として、居座ってしまえ」
「いいんですか?」
「いいも悪いも、家族として、ずっと一緒なんだろう。同じものを食べて生きている。だったら、家族のようなものだ。祖母が言ったことなど、忘れてしまえ」
「………うっ、うう」
 ハガルは痛いからか、それとも、辛いからか、大粒の涙を流した。
「包帯をかえてやろう。ほら、座れるか?」
「出来ません」
「この皇帝自らが、やってやろう」
 弱っているハガルは、やはり、まだ、子どもだ。私に甘えてきた。



 結局、ハガルは完全に傷を回復させる前に、戦争に行くこととなった。
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