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許しの功罪
皇帝を超える皇族
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ハガルは、筆頭魔法使いの屋敷で治療することとなった。屋敷に行けば、すぐに使用人が私をハガルの元へと案内してくれた。
普段、ハガルは筆頭魔法使いの屋敷を使わない。だから、ベッドは常に綺麗だ。そこに、顔を隠したハガルが座っていた。
「ハガル、休んでいなさい!!」
私はハガルの体を押して、無理矢理、横にした。
「ご心配なく。アラリーラ様に、最低限、治療してもらいました」
「では、治ったのか?」
ハガルは顔を隠す布を外して見せた。
両目の周辺の火傷が残っていた。両目は失明しているのが、見てわかった。それでも、ハガルは私のほうへと顔を向ける。
あの完璧な美貌が崩された。その事実に、私は怒りに震える。それ以上に、ハガルを傷つけられたことが許せない。
私はハガルの顔に触れる。それをハガルは嬉しそうに口元に笑みを浮かべた。
「アラリーラ様に治してもらいましたが、ここまでが限界でした」
「アラリーラでも、完璧に治すのは不可能なのか」
「いえ、出来ます。ただ、それをしてしまうと、私の契約紋が消されてしまいます」
「なっ!?」
大魔法使いアラリーラの恐ろしさを知った。まさか、筆頭魔法使いの儀式でつけられる契約紋の火傷の痕を消してしまう、とは、驚きだ。
妖精憑きは、ともかく化け物だ。ちょっとした傷なんて、瞬間で回復する。ハガルは帝国最強の妖精憑きである。火傷だって瞬間で回復出来る。だが、契約紋には、その回復を阻害する効果があるのだ。そうして、ハガルの背中に契約紋の火傷の痕が残るのだ。それは、いくら千年の才能の化け物といえども、消すことが出来ないのだ。
その契約紋を大魔法使いアラリーラは消してしまえるという。だから、ハガルは、中途半端な治療で止めたのだ。
「ラインハルト様、心配ありません。ラインハルト様が許せば、私自身で治せます」
「わかった。許そう」
「………これは、また、困りました」
私は祈るように、ハガルを許した。皇族である私が許せば、ハガルは皇族から受けた怪我を治せるようになるのだ。
ところが、ハガルは苦笑して、顔の治療を進めない。
「どうした?」
「どうやら、あの男、ラインハルト様よりも血筋的には上な皇族ですね。私の魔法が発動しません」
「なんだと」
「あの男、どこにいますか?」
「この屋敷の地下牢だ」
「行きましょう」
ハガルは治療されたばかりだというのに、ベッドから下りた。私は慌てて、ハガルを抱き上げた。
「あんなに痛がったんだ。無理をするんじゃない!!」
「痛いだけですよ。お見苦しい所をお見せしてしまいました」
「そんなこと、気にするんじゃない!!」
「顔に傷をつけるな、という、ラインハルト様のご命令を破ってしまいました」
「そうだな」
ふつふつと怒りがふくれあがってきた。ハガルの顔を傷つけた皇族が、よりによって、私よりも上の血筋だという。怒りと、さらには、ハガルを奪われるかもしれない恐れを感じた。
あの皇族が命じれば、ハガルは逆らえない。閨事だって、ハガルに強要出来るのだ。
腕の中に大人しくおさまっているハガルは、見えないというのに、私を見上げている。
「私の皇帝は、ラインハルト様です」
「わかっている」
「では、そんな顔、しないでください」
「見えるのか?」
「見えません。ですが、妖精からの情報でわかります」
ただの人にはわからないが、妖精憑きは常に、妖精から、様々な情報を受けているという。ハガルが失明しても、妖精からの情報で、日常的な不自由はないのだ。
ハガルの目は、表情以上に、色々と物語ってくれる。それを失われた事実は、怒りしかない。
「テラスは、来ないでください」
「わかりました」
テラスは、筆頭魔法使いハガルの命令に、頭を下げて従った。
筆頭魔法使いの屋敷の地下牢には果てがない。地下牢を含めて、この屋敷は邸宅型魔法具だ。主である筆頭魔法使いの力によって変化するという話だ。
千年の才能の化け物であるハガルの力は人外だ。だから、地下牢にも果てはない。どこまでも続く地下牢の一つに、私は捕らえた皇族を見つけた。
ハガルは私の腕から下りて、牢の前に立った。
皇族は、反省なんてしない。顔に火傷の痕を残したハガルを見て、嘲笑った。
「ぱっとしない顔が、まあまあ、見れた顔になったな」
「満足しましたか。では、許してください」
「何故、貴様のような下賤な者を許さなければならない!!」
「このままでは、大魔法使いの側仕えに支障が出ます」
「それはいい!! あの生意気な男が皇族より上だからと、偉そうに。元は平民の、しかも、貧乏農家だというじゃないか。側仕えなんて、贅沢だ!!!」
「戦争の英雄であるアラリーラ様に不自由があってはいけません。どうか、私に許しをください」
「貴様も、アラリーラも、許さん!! さっさと、ここから出せ!!!!」
「………そうですか」
そして、ハガルは私の横に立った。
「ラインハルト様、許しが得られませんでした」
「そうか、では、殺すしかないな」
私がそう言えば、皇族と私の間を切り離していた鉄格子が消えてなくなる。
目の前の出来事に驚く皇族。恐る恐ると、手を伸ばせば、鉄格子が本当になくなったということを体感した。
「なんだ、お前、役に立つじゃないか」
皇族が偉そうにふんぞり返って、牢から出てこようとした。ところが、鉄格子よりも通路側に足を踏み出した瞬間、見えない何かによって、牢側に吹き飛ばされた。
無様に床に転がり落ちる皇族。
「き、貴様ぁ、よりによって、皇族である私に魔法など」
「皇族であれば、私の魔法を防げます。だって、あなたには、賢者テラスの妖精が守護についています。見習い魔法使いの魔法なんて、テラスの妖精にとっては、子供だましですよ」
「ま、まさか」
ハガルは笑みを深くする。その瞬間、ハガルは顔の火傷を治した。
ハガルは隠された筆頭魔法使いだ。目の前の皇族から許しを得ていないので、火傷の治療は不可能のはずだ。
ハガルには、奥の手がある。ハガルは、千年の才能の化け物であるため、大魔法使いアラリーラの妖精の力が使えるのだ。
だが、ハガルはその事実を隠していた。賢者テラスですら、その事実に気づいていない。
私だって、知らないふりをしているのだ。なのに、私の目の前で、ハガルは、大魔法使いの妖精を使って、顔の治療をしたのだ。
皇族の前で美貌を晒すハガル。ハガルの美貌には、皇族は見惚れた。痛めつけられたことすら忘れただろう。それほどの美貌なのだ。
「私は、千年の才能の化け物ですから、賢者テラスよりも強い妖精憑きです。テラスの妖精では、私の攻撃は防げません」
「そ、そう、なの、か」
この男は、立派な皇族だ。ハガル、その事をあえて、濁した。嘘はついていない。ただ、言わないだけだ。ハガルがよく使う手法だ。
皇族は、真っ青になって、全身から汗を流した。皇族でないかもしれない、という可能性に、恐怖したのだ。そして、目の前にいる美貌の男が、次代の筆頭魔法使いだと悟るだけの頭はあった。
皇族は、ハガルが筆頭魔法使いの儀式をしていない、と思い込んだ。そうでないと、攻撃を受けたのは、皇族失格者だと証明されたようなものである。
「礼儀上、許してほしかったので、こうして、わざわざ、お願いしたというのに、許してもらえないとは」
「す、すまなかった。いや、許そう!!」
皇族は、ハガルの美貌に、慌てた。この美貌が損なってしまった罪を自覚したのだろう。ハガルが悲しそうに顔を歪めるから、さらに皇族は罪悪感を覚えた。
ハガルは、私の胸に顔を寄せて、涙目になる。
「ラインハルト様、とても痛かった」
「助けてやれなくて、すまぬ」
「いえ、ラインハルト様とアラリーラ様が無傷で良かったです。妖精憑きは頑丈です。どうか、盾としてお使いください」
「もっと、その体を大事にしなさい。ハガルの体に傷一つつくことだって、悲しい」
「悲しませてしまって、すみませんでした。どうか、お許しください」
「許す、全て、許す」
「うれしい!!」
綺麗な華が咲き誇るように笑い、ハガルは私に口づけする。
皇族は呆然となった。私とハガルが深く、舌まで絡めて口づけをするのだ。しかも、ハガルは男も女も狂わせる美貌である。それを見て、皇族は生唾を飲み込んだ。
ハガル、私に対しては、親愛の情を見せるが、皇族に対しては、憎悪を向けた。その顔もまた、美しいときている。
「よくも、ラインハルト様の前で、私の無様な姿を晒すことをしてくれたな。貴様だけは許さん」
ハガルがそう言った瞬間、皇族の両足が引き裂かれた。
とんでもない悲鳴が地下牢に響き渡った。それを聞いて、ハガルは嬉しそうに笑う。
「無様だな」
「き、貴様、何をぉおおおおおーーーーーーーー!!!」
「まだ、そんな口を聞けるのか」
わざと痛いことをするハガル。皇族は悶絶し、苦痛の声をあげた。
「私のことだけであれば許した。よりによって、アラリーラ様を悪く言うとは。戦争の英雄アラリーラ様を悪くいうお前には、皇族として生きている資格はない」
ハガルは、そう言いながら、私の手をおさえる。私は皇族を殺そうと、剣に手をかけていた。それをハガルは優しく止めた。
「ラインハルト様、この男に、楽な死を与えてはいけません」
「………そうだな」
「真の皇帝だけが手に入れられる物を見せつけてあげましょう」
ハガル、皇族を痛めつけて興奮しているのだろう。人の目があるというのに、私の前で膝をつき、私の一物に手をつける。
「どうか、ラインハルト様の情けをこの口にください」
「許す」
私も興奮していた。皇帝の儀式でない行為だ。久しぶりのことに、私の一物はいきり立っていた。ハガルは、衣服の上でもわかる私の一物を見て、触れて、嬉しそうに笑う。服の上から一物に口づけした。
私の一物を衣服から出したハガルは、夢中で口に含んだ。そのハガルの後ろでは、両足を切り裂かれた皇族が、どうにか助かろうと、両手だけで這いずって、ハガルの後ろに迫っていた。
「た、たす、け………」
それも、鉄格子があった所で、また、皇族は吹き飛ばされて、とんでもない苦痛の声をあげた。それを背中に受けながら、ハガルは私の一物から吐き出される白濁を飲み込んだ。
嬉しそうに笑うハガルは、私を見上げる。
「どうか、ここにも、ラインハルト様の情けをください」
ハガルは、腹を撫でて私に願った。
すっかり満足したのか、ハガルは上機嫌で地下牢から屋敷へと戻った。
ハガルの姿が元に戻ったのを見た賢者テラスは心底、安堵した。
「許してもらえたのか」
「いえ、殺しました」
「………」
「アラリーラ様に無礼を働いたのです。そんな皇族の血を残してはいけない。あの皇族の親族は、地下牢にいれてください。ラインハルト様に殺してもらいます」
「わかりました」
穏やかに笑うハガルはテラスに命じる。テラスは、私を越える皇族の血筋を消滅させる命令に驚くも、逆らわなかった。
テラスはハガルの命令を実行するために、筆頭魔法使いの屋敷を出ていった。それを見送ってから、ハガルは私を部屋にある一番いい椅子に座らせ、傍らに立った。
そして、私たちの目の前に、筆頭魔法使いの予備ハサンが倒れるように姿を見せた。
「な、何を」
「ハサン、随分なことをしてくれましたね。見逃してやれば、つけあがって」
ハガルは怒りに顔を歪めた。それもまた美しいときている。
だが、その表情にハサンは恐怖を抱いた。無様に床に倒れたまま、後ずさるが、ハガルによって、無理矢理、引き戻され、顔を床に押し付けられたまま動けなくされた。
「テラスで成功したから、私にも同じようなことをしても、成功するわけがないでしょう。それなのに、私の皇帝を操ろうとするとは」
「どういうことだ?」
「ハサンが持つ妖精は、品性下劣なんですよ」
ハガルはハサンを蔑むように見下ろした。
「ハサンの魔法は、人を操るものです。洗脳に近いものですよ。妖精を使うので、ただの人にはその姿が見えません。人の頭に直接、囁くので、音が聞こえるというわけではありません。ほとんど無意識なんですよ。その上で、口でも提案するので、操られているとは思わないのです。提案を受けて、それがいいように思うわけです」
「それは、しかし、いくらテラスでも」
「テラスだって、完璧ではありません。その隙をついて、テラスは過去、ハサンに操られたのですよ。その事実をテラスは今も気づいていません。だから、私とラインハルト様、二人だけの秘密です」
甘えるようにハガルは後ろから抱きついていう。まるで、恋人に睦言を囁かれているようだ。
しかし、その内容は、聞き捨てならないことだ。
「テラスでさえ、操られたということは、まさか」
「私が筆頭魔法使いとなってからは、皇族は完璧に守っています。しかし、ハサンが直接動いた場合は、防ぐのは困難です。今回は、よくもやってくれたな」
「な、何の話だ」
「あの皇族を操って、アラリーラ様ごと、私を害そうとしたな」
「そ、そんな恐れ多いこと」
「だから、筆頭魔法使いの試験に落ちるんだ。あんな簡単な試験に落ちるなんて、これが兄弟子だなんて、恥ずかしい」
「貴様は、千年の化け物だから、筆頭魔法使いになれだだけだ!!」
「私だって、試験を受けて、合格を貰っている」
「私だって、全て、完璧にこなした!! 不合格だなんて」
「完璧にやってはいけないのですよ」
「っ!?」
筆頭魔法使いの試験には、落とし穴があるのだ。その落とし穴にハサンは見事、はまってしまったのだ。
「筆頭魔法使いの試験は、満点が合格なわけではありません。お前は、その品性下劣な魔法が不合格にしたんだ」
「そ、そんな」
「それでも、私が誕生しなければ、ハサンが筆頭魔法使いとなっていたでしょう。先に死ぬのはテラスです。テラスが死ねば、ハサンが筆頭魔法使いになっていました。しかし、神は私を誕生させた」
「く、くそぉ」
床を叩くことすら許されないハサン。そんなハサンを嘲笑って見下ろすハガル。
「私の皇帝にまで、手を出そうとするとは。塵芥のような皇族どもに何をやろうとも、見逃してやるが、私の皇帝に、あの下劣な魔法の行使を許さぬ。いいか、テラスが生きている内は、見逃してやろう。しかし、テラスが死に、しかるべき時を迎えた時、貴様は、屈辱の罰を受けることとなる。それは、私がやることではない」
「甘いな、ハガル」
「次の筆頭魔法使いの予備が誕生していませんし、だいたい、私が、ハサンのために、何かするなんて、バカらしい」
「………は?」
「お前は、塵芥です。私が手を下す価値すらない。」
「こ、このっ」
怒りは原動力となるのだろう。ハガルの見えない拘束がありながら、ハサンは動いた。それでも、ハガルは驚きもしない。それどころか、笑みを深くした。
「聖域を飛べなくなったお前に、価値があるというのですか」
「ど、どうして、それを」
ハサンは油断していたのだろう。認めるようなことを言ってしまう。
ハガルは、私から離れ、ハサンの側に立って、わざわざ、ハサンの頭を踏みしめた。
「試験をしなくても、わかります。ハサンが聖域を飛んだ記録が、私が生まれる前からありません。ハサン、格を落とすようなことをしたのですね。それは、一体、どんなことでしょうか」
「………」
「あの皇族も可哀想に。お前のせいで、血族ごと、処刑です。大魔法使いアラリーラ様の権威を見せつけるための、生贄になってしまいましたね」
「わ、私のやること、見逃したくせにぃ!!!!」
「試したんです。私の代わりに筆頭魔法使いになれるんじゃないか、と期待しました。期待外れでした。やっぱり、不合格は不合格ですね!! あははははははは!!!」
ハサンの頭を踏みしめて、ハガルは楽しそうに笑った。
ハサンは、千年の化け物に玩具にされたのだ。ハサンはハガルの上に立った気でいただろう。皇族を操り、ハガルを痛い目にあわせて、自尊心を満たしたのだ。
しかし、ハガルはあえて、ハサンを見逃した。ついでに、大魔法使いアラリーラの権威のために、皇族を失敗させ、血族ごと処刑へと持ち込んだのだ。
帝国で最強といわれる大魔法使いアラリーラの妖精を使役出来るハガルであれば、ハサンの魔法も、皇族も、全て、防げるのだ。それをあえてしなかったのは、ハガルが遊んでいたのだ。
ハガルはハサンを絶望させるのに飽きたのか、私の元に戻って、私の膝に座った。ハガルからするのは、とても珍しい。普段は、不敬だと固辞する。
私は喜んで、ハガルの腰を抱いた。
「ラインハルト様、お見苦しい姿を見せてしまいました」
「もう、あんなことをするんじゃない。ハガルのほうが、遥かに大切だ」
「ご命令ですか?」
「お願いだ」
「努力します」
子どもに戻ったように、甘えるハガル。そして、まだ、起き上がることも許されないハサンを見下ろす。
「屋敷の外に出ていけ。邪魔だ」
瞬きをすると、ハサンの姿はなくなった。
普段、ハガルは筆頭魔法使いの屋敷を使わない。だから、ベッドは常に綺麗だ。そこに、顔を隠したハガルが座っていた。
「ハガル、休んでいなさい!!」
私はハガルの体を押して、無理矢理、横にした。
「ご心配なく。アラリーラ様に、最低限、治療してもらいました」
「では、治ったのか?」
ハガルは顔を隠す布を外して見せた。
両目の周辺の火傷が残っていた。両目は失明しているのが、見てわかった。それでも、ハガルは私のほうへと顔を向ける。
あの完璧な美貌が崩された。その事実に、私は怒りに震える。それ以上に、ハガルを傷つけられたことが許せない。
私はハガルの顔に触れる。それをハガルは嬉しそうに口元に笑みを浮かべた。
「アラリーラ様に治してもらいましたが、ここまでが限界でした」
「アラリーラでも、完璧に治すのは不可能なのか」
「いえ、出来ます。ただ、それをしてしまうと、私の契約紋が消されてしまいます」
「なっ!?」
大魔法使いアラリーラの恐ろしさを知った。まさか、筆頭魔法使いの儀式でつけられる契約紋の火傷の痕を消してしまう、とは、驚きだ。
妖精憑きは、ともかく化け物だ。ちょっとした傷なんて、瞬間で回復する。ハガルは帝国最強の妖精憑きである。火傷だって瞬間で回復出来る。だが、契約紋には、その回復を阻害する効果があるのだ。そうして、ハガルの背中に契約紋の火傷の痕が残るのだ。それは、いくら千年の才能の化け物といえども、消すことが出来ないのだ。
その契約紋を大魔法使いアラリーラは消してしまえるという。だから、ハガルは、中途半端な治療で止めたのだ。
「ラインハルト様、心配ありません。ラインハルト様が許せば、私自身で治せます」
「わかった。許そう」
「………これは、また、困りました」
私は祈るように、ハガルを許した。皇族である私が許せば、ハガルは皇族から受けた怪我を治せるようになるのだ。
ところが、ハガルは苦笑して、顔の治療を進めない。
「どうした?」
「どうやら、あの男、ラインハルト様よりも血筋的には上な皇族ですね。私の魔法が発動しません」
「なんだと」
「あの男、どこにいますか?」
「この屋敷の地下牢だ」
「行きましょう」
ハガルは治療されたばかりだというのに、ベッドから下りた。私は慌てて、ハガルを抱き上げた。
「あんなに痛がったんだ。無理をするんじゃない!!」
「痛いだけですよ。お見苦しい所をお見せしてしまいました」
「そんなこと、気にするんじゃない!!」
「顔に傷をつけるな、という、ラインハルト様のご命令を破ってしまいました」
「そうだな」
ふつふつと怒りがふくれあがってきた。ハガルの顔を傷つけた皇族が、よりによって、私よりも上の血筋だという。怒りと、さらには、ハガルを奪われるかもしれない恐れを感じた。
あの皇族が命じれば、ハガルは逆らえない。閨事だって、ハガルに強要出来るのだ。
腕の中に大人しくおさまっているハガルは、見えないというのに、私を見上げている。
「私の皇帝は、ラインハルト様です」
「わかっている」
「では、そんな顔、しないでください」
「見えるのか?」
「見えません。ですが、妖精からの情報でわかります」
ただの人にはわからないが、妖精憑きは常に、妖精から、様々な情報を受けているという。ハガルが失明しても、妖精からの情報で、日常的な不自由はないのだ。
ハガルの目は、表情以上に、色々と物語ってくれる。それを失われた事実は、怒りしかない。
「テラスは、来ないでください」
「わかりました」
テラスは、筆頭魔法使いハガルの命令に、頭を下げて従った。
筆頭魔法使いの屋敷の地下牢には果てがない。地下牢を含めて、この屋敷は邸宅型魔法具だ。主である筆頭魔法使いの力によって変化するという話だ。
千年の才能の化け物であるハガルの力は人外だ。だから、地下牢にも果てはない。どこまでも続く地下牢の一つに、私は捕らえた皇族を見つけた。
ハガルは私の腕から下りて、牢の前に立った。
皇族は、反省なんてしない。顔に火傷の痕を残したハガルを見て、嘲笑った。
「ぱっとしない顔が、まあまあ、見れた顔になったな」
「満足しましたか。では、許してください」
「何故、貴様のような下賤な者を許さなければならない!!」
「このままでは、大魔法使いの側仕えに支障が出ます」
「それはいい!! あの生意気な男が皇族より上だからと、偉そうに。元は平民の、しかも、貧乏農家だというじゃないか。側仕えなんて、贅沢だ!!!」
「戦争の英雄であるアラリーラ様に不自由があってはいけません。どうか、私に許しをください」
「貴様も、アラリーラも、許さん!! さっさと、ここから出せ!!!!」
「………そうですか」
そして、ハガルは私の横に立った。
「ラインハルト様、許しが得られませんでした」
「そうか、では、殺すしかないな」
私がそう言えば、皇族と私の間を切り離していた鉄格子が消えてなくなる。
目の前の出来事に驚く皇族。恐る恐ると、手を伸ばせば、鉄格子が本当になくなったということを体感した。
「なんだ、お前、役に立つじゃないか」
皇族が偉そうにふんぞり返って、牢から出てこようとした。ところが、鉄格子よりも通路側に足を踏み出した瞬間、見えない何かによって、牢側に吹き飛ばされた。
無様に床に転がり落ちる皇族。
「き、貴様ぁ、よりによって、皇族である私に魔法など」
「皇族であれば、私の魔法を防げます。だって、あなたには、賢者テラスの妖精が守護についています。見習い魔法使いの魔法なんて、テラスの妖精にとっては、子供だましですよ」
「ま、まさか」
ハガルは笑みを深くする。その瞬間、ハガルは顔の火傷を治した。
ハガルは隠された筆頭魔法使いだ。目の前の皇族から許しを得ていないので、火傷の治療は不可能のはずだ。
ハガルには、奥の手がある。ハガルは、千年の才能の化け物であるため、大魔法使いアラリーラの妖精の力が使えるのだ。
だが、ハガルはその事実を隠していた。賢者テラスですら、その事実に気づいていない。
私だって、知らないふりをしているのだ。なのに、私の目の前で、ハガルは、大魔法使いの妖精を使って、顔の治療をしたのだ。
皇族の前で美貌を晒すハガル。ハガルの美貌には、皇族は見惚れた。痛めつけられたことすら忘れただろう。それほどの美貌なのだ。
「私は、千年の才能の化け物ですから、賢者テラスよりも強い妖精憑きです。テラスの妖精では、私の攻撃は防げません」
「そ、そう、なの、か」
この男は、立派な皇族だ。ハガル、その事をあえて、濁した。嘘はついていない。ただ、言わないだけだ。ハガルがよく使う手法だ。
皇族は、真っ青になって、全身から汗を流した。皇族でないかもしれない、という可能性に、恐怖したのだ。そして、目の前にいる美貌の男が、次代の筆頭魔法使いだと悟るだけの頭はあった。
皇族は、ハガルが筆頭魔法使いの儀式をしていない、と思い込んだ。そうでないと、攻撃を受けたのは、皇族失格者だと証明されたようなものである。
「礼儀上、許してほしかったので、こうして、わざわざ、お願いしたというのに、許してもらえないとは」
「す、すまなかった。いや、許そう!!」
皇族は、ハガルの美貌に、慌てた。この美貌が損なってしまった罪を自覚したのだろう。ハガルが悲しそうに顔を歪めるから、さらに皇族は罪悪感を覚えた。
ハガルは、私の胸に顔を寄せて、涙目になる。
「ラインハルト様、とても痛かった」
「助けてやれなくて、すまぬ」
「いえ、ラインハルト様とアラリーラ様が無傷で良かったです。妖精憑きは頑丈です。どうか、盾としてお使いください」
「もっと、その体を大事にしなさい。ハガルの体に傷一つつくことだって、悲しい」
「悲しませてしまって、すみませんでした。どうか、お許しください」
「許す、全て、許す」
「うれしい!!」
綺麗な華が咲き誇るように笑い、ハガルは私に口づけする。
皇族は呆然となった。私とハガルが深く、舌まで絡めて口づけをするのだ。しかも、ハガルは男も女も狂わせる美貌である。それを見て、皇族は生唾を飲み込んだ。
ハガル、私に対しては、親愛の情を見せるが、皇族に対しては、憎悪を向けた。その顔もまた、美しいときている。
「よくも、ラインハルト様の前で、私の無様な姿を晒すことをしてくれたな。貴様だけは許さん」
ハガルがそう言った瞬間、皇族の両足が引き裂かれた。
とんでもない悲鳴が地下牢に響き渡った。それを聞いて、ハガルは嬉しそうに笑う。
「無様だな」
「き、貴様、何をぉおおおおおーーーーーーーー!!!」
「まだ、そんな口を聞けるのか」
わざと痛いことをするハガル。皇族は悶絶し、苦痛の声をあげた。
「私のことだけであれば許した。よりによって、アラリーラ様を悪く言うとは。戦争の英雄アラリーラ様を悪くいうお前には、皇族として生きている資格はない」
ハガルは、そう言いながら、私の手をおさえる。私は皇族を殺そうと、剣に手をかけていた。それをハガルは優しく止めた。
「ラインハルト様、この男に、楽な死を与えてはいけません」
「………そうだな」
「真の皇帝だけが手に入れられる物を見せつけてあげましょう」
ハガル、皇族を痛めつけて興奮しているのだろう。人の目があるというのに、私の前で膝をつき、私の一物に手をつける。
「どうか、ラインハルト様の情けをこの口にください」
「許す」
私も興奮していた。皇帝の儀式でない行為だ。久しぶりのことに、私の一物はいきり立っていた。ハガルは、衣服の上でもわかる私の一物を見て、触れて、嬉しそうに笑う。服の上から一物に口づけした。
私の一物を衣服から出したハガルは、夢中で口に含んだ。そのハガルの後ろでは、両足を切り裂かれた皇族が、どうにか助かろうと、両手だけで這いずって、ハガルの後ろに迫っていた。
「た、たす、け………」
それも、鉄格子があった所で、また、皇族は吹き飛ばされて、とんでもない苦痛の声をあげた。それを背中に受けながら、ハガルは私の一物から吐き出される白濁を飲み込んだ。
嬉しそうに笑うハガルは、私を見上げる。
「どうか、ここにも、ラインハルト様の情けをください」
ハガルは、腹を撫でて私に願った。
すっかり満足したのか、ハガルは上機嫌で地下牢から屋敷へと戻った。
ハガルの姿が元に戻ったのを見た賢者テラスは心底、安堵した。
「許してもらえたのか」
「いえ、殺しました」
「………」
「アラリーラ様に無礼を働いたのです。そんな皇族の血を残してはいけない。あの皇族の親族は、地下牢にいれてください。ラインハルト様に殺してもらいます」
「わかりました」
穏やかに笑うハガルはテラスに命じる。テラスは、私を越える皇族の血筋を消滅させる命令に驚くも、逆らわなかった。
テラスはハガルの命令を実行するために、筆頭魔法使いの屋敷を出ていった。それを見送ってから、ハガルは私を部屋にある一番いい椅子に座らせ、傍らに立った。
そして、私たちの目の前に、筆頭魔法使いの予備ハサンが倒れるように姿を見せた。
「な、何を」
「ハサン、随分なことをしてくれましたね。見逃してやれば、つけあがって」
ハガルは怒りに顔を歪めた。それもまた美しいときている。
だが、その表情にハサンは恐怖を抱いた。無様に床に倒れたまま、後ずさるが、ハガルによって、無理矢理、引き戻され、顔を床に押し付けられたまま動けなくされた。
「テラスで成功したから、私にも同じようなことをしても、成功するわけがないでしょう。それなのに、私の皇帝を操ろうとするとは」
「どういうことだ?」
「ハサンが持つ妖精は、品性下劣なんですよ」
ハガルはハサンを蔑むように見下ろした。
「ハサンの魔法は、人を操るものです。洗脳に近いものですよ。妖精を使うので、ただの人にはその姿が見えません。人の頭に直接、囁くので、音が聞こえるというわけではありません。ほとんど無意識なんですよ。その上で、口でも提案するので、操られているとは思わないのです。提案を受けて、それがいいように思うわけです」
「それは、しかし、いくらテラスでも」
「テラスだって、完璧ではありません。その隙をついて、テラスは過去、ハサンに操られたのですよ。その事実をテラスは今も気づいていません。だから、私とラインハルト様、二人だけの秘密です」
甘えるようにハガルは後ろから抱きついていう。まるで、恋人に睦言を囁かれているようだ。
しかし、その内容は、聞き捨てならないことだ。
「テラスでさえ、操られたということは、まさか」
「私が筆頭魔法使いとなってからは、皇族は完璧に守っています。しかし、ハサンが直接動いた場合は、防ぐのは困難です。今回は、よくもやってくれたな」
「な、何の話だ」
「あの皇族を操って、アラリーラ様ごと、私を害そうとしたな」
「そ、そんな恐れ多いこと」
「だから、筆頭魔法使いの試験に落ちるんだ。あんな簡単な試験に落ちるなんて、これが兄弟子だなんて、恥ずかしい」
「貴様は、千年の化け物だから、筆頭魔法使いになれだだけだ!!」
「私だって、試験を受けて、合格を貰っている」
「私だって、全て、完璧にこなした!! 不合格だなんて」
「完璧にやってはいけないのですよ」
「っ!?」
筆頭魔法使いの試験には、落とし穴があるのだ。その落とし穴にハサンは見事、はまってしまったのだ。
「筆頭魔法使いの試験は、満点が合格なわけではありません。お前は、その品性下劣な魔法が不合格にしたんだ」
「そ、そんな」
「それでも、私が誕生しなければ、ハサンが筆頭魔法使いとなっていたでしょう。先に死ぬのはテラスです。テラスが死ねば、ハサンが筆頭魔法使いになっていました。しかし、神は私を誕生させた」
「く、くそぉ」
床を叩くことすら許されないハサン。そんなハサンを嘲笑って見下ろすハガル。
「私の皇帝にまで、手を出そうとするとは。塵芥のような皇族どもに何をやろうとも、見逃してやるが、私の皇帝に、あの下劣な魔法の行使を許さぬ。いいか、テラスが生きている内は、見逃してやろう。しかし、テラスが死に、しかるべき時を迎えた時、貴様は、屈辱の罰を受けることとなる。それは、私がやることではない」
「甘いな、ハガル」
「次の筆頭魔法使いの予備が誕生していませんし、だいたい、私が、ハサンのために、何かするなんて、バカらしい」
「………は?」
「お前は、塵芥です。私が手を下す価値すらない。」
「こ、このっ」
怒りは原動力となるのだろう。ハガルの見えない拘束がありながら、ハサンは動いた。それでも、ハガルは驚きもしない。それどころか、笑みを深くした。
「聖域を飛べなくなったお前に、価値があるというのですか」
「ど、どうして、それを」
ハサンは油断していたのだろう。認めるようなことを言ってしまう。
ハガルは、私から離れ、ハサンの側に立って、わざわざ、ハサンの頭を踏みしめた。
「試験をしなくても、わかります。ハサンが聖域を飛んだ記録が、私が生まれる前からありません。ハサン、格を落とすようなことをしたのですね。それは、一体、どんなことでしょうか」
「………」
「あの皇族も可哀想に。お前のせいで、血族ごと、処刑です。大魔法使いアラリーラ様の権威を見せつけるための、生贄になってしまいましたね」
「わ、私のやること、見逃したくせにぃ!!!!」
「試したんです。私の代わりに筆頭魔法使いになれるんじゃないか、と期待しました。期待外れでした。やっぱり、不合格は不合格ですね!! あははははははは!!!」
ハサンの頭を踏みしめて、ハガルは楽しそうに笑った。
ハサンは、千年の化け物に玩具にされたのだ。ハサンはハガルの上に立った気でいただろう。皇族を操り、ハガルを痛い目にあわせて、自尊心を満たしたのだ。
しかし、ハガルはあえて、ハサンを見逃した。ついでに、大魔法使いアラリーラの権威のために、皇族を失敗させ、血族ごと処刑へと持ち込んだのだ。
帝国で最強といわれる大魔法使いアラリーラの妖精を使役出来るハガルであれば、ハサンの魔法も、皇族も、全て、防げるのだ。それをあえてしなかったのは、ハガルが遊んでいたのだ。
ハガルはハサンを絶望させるのに飽きたのか、私の元に戻って、私の膝に座った。ハガルからするのは、とても珍しい。普段は、不敬だと固辞する。
私は喜んで、ハガルの腰を抱いた。
「ラインハルト様、お見苦しい姿を見せてしまいました」
「もう、あんなことをするんじゃない。ハガルのほうが、遥かに大切だ」
「ご命令ですか?」
「お願いだ」
「努力します」
子どもに戻ったように、甘えるハガル。そして、まだ、起き上がることも許されないハサンを見下ろす。
「屋敷の外に出ていけ。邪魔だ」
瞬きをすると、ハサンの姿はなくなった。
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