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婚約解消のすすめ
転移の魔道具
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貴族の学校の入学式当日は、思ったよりもあっさりしていた。私の保護者は父と義母である。義兄義妹もいる。だけど、私の入学式をわざわざ見に来るような甲斐性なんてない。無視される。
鏡の前で、初めての女物を着ている私を見る。
「思ったよりも、似合ってない」
違和感が多すぎる。まず、女としての膨らみがない。そりゃそうだ。今も、質素な生活を続けているのだ。それなのに、貴族である私も農作業に参加しているのだ。体力、あるにはあるのだが、体質からか、すぐに筋肉が贅肉と一緒に落ちちゃうんだよね。
「ついて欲しいところにはつかないんだよね」
私は胸に触った呟く。くっそー、どうして、私の胸はこう、平べったいんだ。あまり気にしすぎるから、つかないのかな?
「アーサー、馬車の準備が出来ました」
「ありがとう」
今日は妖精憑きキロンが丁寧な言葉使いだ。締められたドアの向こうでキロンが声をかけてくれた。
まだまだ、時間に余裕はあるけど、私は小走りで部屋を出る。キロンは私の姿に、柔らかい笑顔を向けてくれる。
「俺のアーサー、帝国一、綺麗だ」
「まった、お世辞言って。でも、そう感じてるんだよね。嬉しい」
「俺だけの妖精姫、どうか、エスコートする栄光をください」
どこか芝居かかった声でいうキロン。こいつ、見た目がいいから、こんなこと言われちゃうと、女側は勘違いしちゃうよ。
「私の妖精憑き、許します」
私が手を差し出せば、キロンは蕩けるような笑顔を浮かべて、私の手を握った。
「大袈裟だなー」
けど、すーぐに恥ずかしくなって、私はふざけてしまう。エスコートなんて、私には似合わないな。
「アーサーの初エスコートは俺だ。嬉しい」
「キロンは私の初めて、好きだよね」
ずっとそうだ。妖精憑きだからだろう、私が初めてだ、というと、キロンはとても喜ぶのだ。
あ、私のための贈り物は、ヘリオスだな。黙っていよう。この事をキロンに話すと、ヘリオスが嫉妬される。力の強い妖精憑きは、扱いを間違えると、大変なこととなるのだ。
屋敷の外に出れば、私は驚いた。
「レオナ様!!」
つい、キロンの手を払って、女帝レオナ様の元に駆け寄ってしまう。うーわー、お忍びなんだけど、やっぱり、絶世の美女は、何着ても綺麗だよ。
「今日は妖艶ですね。こんな恰好したら、ラシフ様が嫉妬しちゃいますよ」
「心配いりません。認識阻害の魔法をかけていますから」
女帝レオナ様の側には、気配を消した賢者ラシフ様がいた。この人、女帝好きすぎだ。
「アーサー、綺麗!!」
そして、筆頭魔法使いティーレットもいた。この子は派手な筆頭魔法使いの服を着ているから、目立つな。それも、きっと、認識阻害の魔法で誤魔化しているのだろう。
そして、私たちの認識を妖精憑きキロンが認識阻害しているようで、周囲で動く使用人たちは素通りしたりしている。その中には、何やら企んでいる義兄と義妹が、うろうろとしていた。本当に、性根が腐ってるなー。あまりにも腐り過ぎて、最近、顔も腐った感じに見えてきた。私の感性がそう見せるのかな?
「どうして、レオナ様がここに?」
「今日は貴族の学校の入学式と聞いたからだ。アーサーはきっと、問題を起こしてくれるから、来たんだ」
「起こさないよ!!」
私をどういうふうに見てるの、この女帝!!
ある意味、問題を誘発させそうな義兄と義妹は、妖精憑きキロンのお陰で、隔離されている。このまま、馬車を走らせちゃえば、第一関門は無事、通過だな。
「さて、一緒に行くか」
「お見送りじゃないの!?」
「俺様たちは、今回、辺境の貴族の学校に用事がある。ついでだついで」
「そうなんだ。でも、我が家の馬車は乗り心地、最悪だよ」
我が家は貧乏貴族である。馬車の乗り心地は最悪といっていい。とても、皇帝を乗せられない。
「何故、馬車なんだ? 俺様は馬車で移動なんかしないぞ」
「私の女帝を馬車で移動させるわけがありません」
「じゃあ、別行動ね」
私はよいしょっと、乗り心地最悪な馬車に乗り込もうとした。それを筆頭魔法使いティーレットが腰から腕を回して、ひょいっと抱き上げて、馬車から離した。
「僕の皇族を馬車で移動なんか、させられないよ」
「おい、俺のアーサーだぞ!!」
「悔しかったら、道具使って、アーサーを運んでみろ」
私の頭の上で、キロンとティーレットが喧嘩する。
それよりも、一体、何の話かわからない。女帝レオナ様と賢者リブロ様は、私たちのやり取りを親目線みたいに微笑ましく見ている。確かに、あの二人、私の親世代に近そう。
「ティーレット、先に行っていますよ。お前は、アーサーを送ったら、すぐ、レオナ様の元に来るように」
「わかったー」
「心配だ」
苦労しているのだろう。ティーレットの元気いっぱいの返事に、賢者ラシフは苦悩な表情を見せる。それから、何か道具を取り出して、女帝レオナ様の手を握ると、瞬きをしている間に、消えた。
「消えた!!」
「転移の魔道具だよ。ほら、行くよ。ついでに、キロンも連れてってあげるよ。ほら、僕は、アーサーの側にはいれないから、僕の代わりに守るんだぞ」
「だったら、その道具を寄越せ!!」
「これは、帝国のなの!!」
「喧嘩しない!! キロン、闇市で探してあげるから、我慢しなさい」
「………わかった」
不承不承、キロンは手を引っ込めた。やばい、キロンのために、ティーレットが持ってる魔道具、探さないといけない。見つかるといいけど。
別のことを悩んでいる間に、ティーレットが私の手を握り、キロンも私の手を握り、と両側から手を握られてすぐ、景色が変わった。
「え? ついた?」
貴族の学校の敷地内らしい。見たことがあるような、ないような。ほら、入学試験を受けに来ただけだから。わざわざ、学校を見に行く暇なんて、私にはない。
「ごめん、もう行くから。アーサー、帰りも送っていくよ。ここでキロンと待っててね!!」
時間が差し迫っているのだろう。ティーレットはさっさと走って建物に入っていった。え、走るんだ、ここでは。魔道具使って、また飛べばいいのに。
色々と疑問は浮かぶが、私は、今のところ、問題なく貴族の学校に入れたので、満足だ。
「アーサー、こっちだ」
妖精に教えてもらっているのだろう。キロンは迷いなく進んでいく。
入学式会場近くには、成績表が貼りだされていた。席順は、成績順なんだって。見たくないな。
手抜きしたとはいえ、順位を見ると、恥ずかしくなる。やっぱり、本気を出して、上位クラスを目指せば良かったかな。試験は年に三回あるという。その時その時の結果で、クラスと席順が変わるという。無難に中級クラスを選んだけど、手を抜くのは面倒なので、すぐにクラス替えになりそうだ。友達、下手に作らないようにしよう。ていうか、友達、出来るのかな?
まだ、入学式当日だってのに、私はバカなことを考えてしまう。ここにきて、社交をしていない事実に、危ないものを感じた。周囲を見れば、それなりに知り合いで固まっている。側近のような者の手を引かれているのは、私くらいだ。
「アーサーの席は、ここだ。俺は、後ろから見てる」
「う、うん」
今更ながら、キロンと離れるのが怖くなった。家でも、外でも、妖精憑きキロンといつも一緒だ。
母亡き後、たった一年、一年も、屋敷の外にある物置のような小さな小屋に閉じ込められた時も、妖精憑きキロンだけは、私の側にいた。
私は、つい、去って行こうとするキロンの手を掴んでしまう。
「どうした、アーサー? 忘れ物はないと思うが」
「キロン、ずっと一緒だよ」
「ああ、アーサーがイヤだって言っても、俺はアーサーから離れない」
当然のようにいうキロン。それでも、私の不安は消えない。だって、ここには、知り合いなんていない。入学式で私をお祝いしてくれるのは、キロンだけだ。
「やはり、見に来てみれば、二人とも、離れなさい」
「ふ、フーリード様!?」
「なんでフーリードがいるんだよ!!」
辺境の教皇フーリード様が、私とキロンの間に入ってきた。私は慌てて、キロンから手を離した。
「キロンが我儘をいって、アーサーから離れないと心配して、見に来ました。アーサー、似合いますね。やはり、あなたは女性です。綺麗です」
「そ、そうかな」
今日は、知り合い皆に、綺麗と言われて、驚きだ。お世辞だと思うのだけど、こう、皆に言われると、そうかな? なんて勘違いしてしまう。
「私も、後ろから見ています。そうだ、今回の入学では、アーサーだけ、特別にキロン同伴の許可がおりています。教室に移動する時も、キロンと一緒に行ってください」
「どうして!?」
「あなたは、妖精憑きのお気に入りです。妖精憑きからお気に入りを離すと、後々、大変なこととなります。だから、特例です」
「そうなんだ」
思わず、私は安堵してしまう。そうか、学校でも、キロンが側にいてくれるんだ。
「ですが、入学式は離れてください。ほら、行きますよ」
「離せよ!!」
キロン、相変わらず、辺境の教皇フーリード様に対して、態度悪いな。辺境の貴族で、フーリード様を知らぬ者はいない。だから、普通にフーリード様と話していた私のことも、無駄に見られた。
私は思ったよりも、人見知りだった。入学式が開会する前まで、私の周囲では、知り合い同士、そうでない同士がお話している。だけど、私は床を見下ろしているばかりである。私の雰囲気が拒絶に感じるようで、誰も話しかけてこない。こーれーはー、友達ゼロになりそうだなー。
そうしていると、入学式が始まった。本で読んだ知識だけど、だいたい、偉い人の挨拶とか、成績優秀者の挨拶とか、そういうのがずーと続くという。だいたい、決まり文句だから、私は聞き流した。別に、試験に出るわけでもないし。貴族の学校の勉強なんて入学前には終わらせてるし。
突然、会場中がざわめいた。さすがに気になって、私は顔をあげた。
「っ!?」
壇上に、女帝レオナ様が立っていた。あの美女は、真面目な恰好しても、妖艶になっちゃうな。あれは、持って生まれた才能だ。
「お前たち、よく聞くがいい。辺境の貴族の学校には、貴族に発現した皇族がお忍びで入学することとなった」
いきなり、私のことを暴露された!! 私は頭の中で、どうしようか、と悩んだ。皇族とバラされたら、私は動きづらくなる。
「お忍びということで、名前も、性別も、教えることが出来ない」
ところが、私のお願い通り、女帝レオナ様は、内緒にしてくれた。それには、胸を撫でおろした。ごめんなさい、女帝のこと、疑いました。やっぱり、レオナ様、最高です!! 信じています!!!
「今回、わざわざ、お忍びで皇族が通うこととなったことを公表するのは、お前たちのためだ。皇族には、筆頭魔法使いの妖精が守護としてついている。皇族に対して、ちょっとした悪戯をしただけでも、妖精の復讐を受けることがある。そのようなことを起こさせないために、皆は、行動には気をつけるように。無駄な暴力をふるわず、無意味に悪戯をせず、嫌がらせをしてはならない!! 万が一、妖精の復讐を受けた者は、俺様の言葉に従わなかったということで、罰を受けることとなる!!!」
えー、それは理不尽だ。どこの誰が皇族かわからないから、防ぎようがない。
これは、きっと、逆だ。私が気をつけないといけない、ということだ。
本来なら、私は皇族だと名乗って、学校に通うべきなのだ。しかし、私は皇族をどうしても隠さなければならなかった。だからといって、不用意に、貴族の学校で妖精の復讐を起こしてしまような事に巻き込まれたら、結局、私が皇族だとバレてしまう。
女帝レオナ様は私のために、あえて、お忍びで皇族が通っている、と貴族の学校の入学式で喧伝することで、無駄な被害を出さないように、かつ、私が皇族だとバレないようにしてくれたのだ。
やっぱり、女帝レオナ様、最高です!! もう、一生、レオナ様には逆らいません。
私のために、とても面倒臭いこととなってしまった。学校側もざわざわとしている。どうやら、初めて聞いたんだな。これから大変そうだ。ごめんなさい。
女帝レオナ様は、ただ、皇族のことを伝えるだけで、すぐに壇上から下りていった。そうだよね、女帝が貴族の入学式に賓客として来ることなんてないよね。普通は、皇族の誰かだよ。
あっと驚くことがあったけど、無事、入学式は終わった。入学式が終われば、次は教室に移動である。
「アーサー、一緒に行こう!!」
「そうしよう」
目立つかな、と心配したけど、保護者と一緒に移動している新入生がちらほらと見られたから、大丈夫そうだ。
「入学式って、眠いな」
「否定できない」
「アーサーは心配ない。俺が側にいるから、変なことされないから」
「そうだね」
キロンがべったりだから、やっぱり、目立った。移動中も、教室に入ってからも、キロンが離れないから、とっても目立った。そして、皆、遠巻きである。もう、友達は出来ないな。
教室に集まれば、担任からの注意事項である。
「今回は、お忍びの皇族がいるだけでなく、魔法使いのお気に入りもいる。そのため、学校では、魔法使いが同伴している。皆さん、気をつけるように」
全員の視線が私の傍らに立つキロンに集中する。うーわー、恥ずかしいー。
明日からのこととか、説明が終わり、帝国から支給される教科書類の数が揃っているか確認してから、解散となった。
「俺が持つよ」
「半分こしよう」
「私が持ちましょう」
何故か、辺境の教皇フーリード様が私の横にきて、私の手から荷物を奪う。
「俺が全部持つ!!」
「明日からは、そうしてください。ほら、帰りますよ。キロンには、色々と、注意するべきことがあります。アーサーを屋敷に送って行ったあとは、私から、学校での注意事項を教えます」
「そんなの、紙で寄越せよ!! アーサーから離れるなんて、盗られちゃうだろう!!!」
「アーサーのことを信じてあげなさい。アーサーは、キロンが一番です」
「そうだけど、他の妖精憑きに盗られちゃうかもしれないだろう」
「こんなに匂い付けしておいて。妖精憑きだって、ここまで所有を示されたら、手を出しません」
「それでも、出すヤツがいるだろう!! アーサーはさ、ちょっと目を離すと、どっかの妖精憑きを拾ってくるんだよ」
王都での十年に一度の舞踏会のこと、キロンは根に持っていた。ティーレットのことだ。だって、ティーレットのこと、ただの子どもだと思ってたんだもん。ただの人には、妖精憑きかどうか、見分けられないよ。
だけど、私は貝のように口を閉ざした。ここで、余計な情報を周囲に与えてはいけない。周囲では、聞き耳をたてている。私がどこの誰で、どういう立場で、と興味津々だ。
友達は出来なさそうだけど、私を一方的に知っている人はたくさん出来そうである。
私は硬く口を閉ざして、キロンとフーリード様に挟まれて、教室を出た。廊下に出ても、やっぱり、辺境の教皇フーリード様が一緒なので、イヤでも目立った。
帰りはティーレットがまた、魔道具を使って、屋敷まで送ってくれた。馬車に揺られないって、最高だね!!
先に屋敷についていた女帝レオナ様と賢者ラシフ様は、何故か、私の頭を撫でてくれた。
「キロン、これは帝国から貸し出す。壊さないように」
賢者ラシフ様は、転移の魔道具をキロンに渡した。
「魔法使いのお気に入りとして、学校には登録されている。移動も、魔道具を使うように」
「わかった!!」
「遊ぶなよ」
「………」
キロン、返事しない!! 遊ぶつもりだ。でも、わかる。だって、一瞬で移動だよ。話を聞いたけど、行ったことがある場所なら、帝国中、どこでも転移出来るんだって。
でも、私もキロンも、領地から外に、あまり出たことないなー。出たとしても、辺境の神殿くらいだ。王都だって、キロンの力使ってひとっ飛びだ。あれ? 旅の醍醐味すら、私、味わってないな。
「ま、これから、色々と一緒に行けばいいか」
「アーサー、一緒に、旅に行こうな!!」
「そうだね、いつか、ね」
まずは、このどうしようもない領地の収入をどうにかしないと。まだ成人前、しかも、貴族の学校にやっと入学した私が領地を支えているのだ。まだまだ、私は暇じゃないな。
とても気が遠くなる話だが、キロンが持つ魔道具は、私に移動の時間の短縮を与えてくれる。意外と、近い未来、小旅行が出来るかもしれない。
鏡の前で、初めての女物を着ている私を見る。
「思ったよりも、似合ってない」
違和感が多すぎる。まず、女としての膨らみがない。そりゃそうだ。今も、質素な生活を続けているのだ。それなのに、貴族である私も農作業に参加しているのだ。体力、あるにはあるのだが、体質からか、すぐに筋肉が贅肉と一緒に落ちちゃうんだよね。
「ついて欲しいところにはつかないんだよね」
私は胸に触った呟く。くっそー、どうして、私の胸はこう、平べったいんだ。あまり気にしすぎるから、つかないのかな?
「アーサー、馬車の準備が出来ました」
「ありがとう」
今日は妖精憑きキロンが丁寧な言葉使いだ。締められたドアの向こうでキロンが声をかけてくれた。
まだまだ、時間に余裕はあるけど、私は小走りで部屋を出る。キロンは私の姿に、柔らかい笑顔を向けてくれる。
「俺のアーサー、帝国一、綺麗だ」
「まった、お世辞言って。でも、そう感じてるんだよね。嬉しい」
「俺だけの妖精姫、どうか、エスコートする栄光をください」
どこか芝居かかった声でいうキロン。こいつ、見た目がいいから、こんなこと言われちゃうと、女側は勘違いしちゃうよ。
「私の妖精憑き、許します」
私が手を差し出せば、キロンは蕩けるような笑顔を浮かべて、私の手を握った。
「大袈裟だなー」
けど、すーぐに恥ずかしくなって、私はふざけてしまう。エスコートなんて、私には似合わないな。
「アーサーの初エスコートは俺だ。嬉しい」
「キロンは私の初めて、好きだよね」
ずっとそうだ。妖精憑きだからだろう、私が初めてだ、というと、キロンはとても喜ぶのだ。
あ、私のための贈り物は、ヘリオスだな。黙っていよう。この事をキロンに話すと、ヘリオスが嫉妬される。力の強い妖精憑きは、扱いを間違えると、大変なこととなるのだ。
屋敷の外に出れば、私は驚いた。
「レオナ様!!」
つい、キロンの手を払って、女帝レオナ様の元に駆け寄ってしまう。うーわー、お忍びなんだけど、やっぱり、絶世の美女は、何着ても綺麗だよ。
「今日は妖艶ですね。こんな恰好したら、ラシフ様が嫉妬しちゃいますよ」
「心配いりません。認識阻害の魔法をかけていますから」
女帝レオナ様の側には、気配を消した賢者ラシフ様がいた。この人、女帝好きすぎだ。
「アーサー、綺麗!!」
そして、筆頭魔法使いティーレットもいた。この子は派手な筆頭魔法使いの服を着ているから、目立つな。それも、きっと、認識阻害の魔法で誤魔化しているのだろう。
そして、私たちの認識を妖精憑きキロンが認識阻害しているようで、周囲で動く使用人たちは素通りしたりしている。その中には、何やら企んでいる義兄と義妹が、うろうろとしていた。本当に、性根が腐ってるなー。あまりにも腐り過ぎて、最近、顔も腐った感じに見えてきた。私の感性がそう見せるのかな?
「どうして、レオナ様がここに?」
「今日は貴族の学校の入学式と聞いたからだ。アーサーはきっと、問題を起こしてくれるから、来たんだ」
「起こさないよ!!」
私をどういうふうに見てるの、この女帝!!
ある意味、問題を誘発させそうな義兄と義妹は、妖精憑きキロンのお陰で、隔離されている。このまま、馬車を走らせちゃえば、第一関門は無事、通過だな。
「さて、一緒に行くか」
「お見送りじゃないの!?」
「俺様たちは、今回、辺境の貴族の学校に用事がある。ついでだついで」
「そうなんだ。でも、我が家の馬車は乗り心地、最悪だよ」
我が家は貧乏貴族である。馬車の乗り心地は最悪といっていい。とても、皇帝を乗せられない。
「何故、馬車なんだ? 俺様は馬車で移動なんかしないぞ」
「私の女帝を馬車で移動させるわけがありません」
「じゃあ、別行動ね」
私はよいしょっと、乗り心地最悪な馬車に乗り込もうとした。それを筆頭魔法使いティーレットが腰から腕を回して、ひょいっと抱き上げて、馬車から離した。
「僕の皇族を馬車で移動なんか、させられないよ」
「おい、俺のアーサーだぞ!!」
「悔しかったら、道具使って、アーサーを運んでみろ」
私の頭の上で、キロンとティーレットが喧嘩する。
それよりも、一体、何の話かわからない。女帝レオナ様と賢者リブロ様は、私たちのやり取りを親目線みたいに微笑ましく見ている。確かに、あの二人、私の親世代に近そう。
「ティーレット、先に行っていますよ。お前は、アーサーを送ったら、すぐ、レオナ様の元に来るように」
「わかったー」
「心配だ」
苦労しているのだろう。ティーレットの元気いっぱいの返事に、賢者ラシフは苦悩な表情を見せる。それから、何か道具を取り出して、女帝レオナ様の手を握ると、瞬きをしている間に、消えた。
「消えた!!」
「転移の魔道具だよ。ほら、行くよ。ついでに、キロンも連れてってあげるよ。ほら、僕は、アーサーの側にはいれないから、僕の代わりに守るんだぞ」
「だったら、その道具を寄越せ!!」
「これは、帝国のなの!!」
「喧嘩しない!! キロン、闇市で探してあげるから、我慢しなさい」
「………わかった」
不承不承、キロンは手を引っ込めた。やばい、キロンのために、ティーレットが持ってる魔道具、探さないといけない。見つかるといいけど。
別のことを悩んでいる間に、ティーレットが私の手を握り、キロンも私の手を握り、と両側から手を握られてすぐ、景色が変わった。
「え? ついた?」
貴族の学校の敷地内らしい。見たことがあるような、ないような。ほら、入学試験を受けに来ただけだから。わざわざ、学校を見に行く暇なんて、私にはない。
「ごめん、もう行くから。アーサー、帰りも送っていくよ。ここでキロンと待っててね!!」
時間が差し迫っているのだろう。ティーレットはさっさと走って建物に入っていった。え、走るんだ、ここでは。魔道具使って、また飛べばいいのに。
色々と疑問は浮かぶが、私は、今のところ、問題なく貴族の学校に入れたので、満足だ。
「アーサー、こっちだ」
妖精に教えてもらっているのだろう。キロンは迷いなく進んでいく。
入学式会場近くには、成績表が貼りだされていた。席順は、成績順なんだって。見たくないな。
手抜きしたとはいえ、順位を見ると、恥ずかしくなる。やっぱり、本気を出して、上位クラスを目指せば良かったかな。試験は年に三回あるという。その時その時の結果で、クラスと席順が変わるという。無難に中級クラスを選んだけど、手を抜くのは面倒なので、すぐにクラス替えになりそうだ。友達、下手に作らないようにしよう。ていうか、友達、出来るのかな?
まだ、入学式当日だってのに、私はバカなことを考えてしまう。ここにきて、社交をしていない事実に、危ないものを感じた。周囲を見れば、それなりに知り合いで固まっている。側近のような者の手を引かれているのは、私くらいだ。
「アーサーの席は、ここだ。俺は、後ろから見てる」
「う、うん」
今更ながら、キロンと離れるのが怖くなった。家でも、外でも、妖精憑きキロンといつも一緒だ。
母亡き後、たった一年、一年も、屋敷の外にある物置のような小さな小屋に閉じ込められた時も、妖精憑きキロンだけは、私の側にいた。
私は、つい、去って行こうとするキロンの手を掴んでしまう。
「どうした、アーサー? 忘れ物はないと思うが」
「キロン、ずっと一緒だよ」
「ああ、アーサーがイヤだって言っても、俺はアーサーから離れない」
当然のようにいうキロン。それでも、私の不安は消えない。だって、ここには、知り合いなんていない。入学式で私をお祝いしてくれるのは、キロンだけだ。
「やはり、見に来てみれば、二人とも、離れなさい」
「ふ、フーリード様!?」
「なんでフーリードがいるんだよ!!」
辺境の教皇フーリード様が、私とキロンの間に入ってきた。私は慌てて、キロンから手を離した。
「キロンが我儘をいって、アーサーから離れないと心配して、見に来ました。アーサー、似合いますね。やはり、あなたは女性です。綺麗です」
「そ、そうかな」
今日は、知り合い皆に、綺麗と言われて、驚きだ。お世辞だと思うのだけど、こう、皆に言われると、そうかな? なんて勘違いしてしまう。
「私も、後ろから見ています。そうだ、今回の入学では、アーサーだけ、特別にキロン同伴の許可がおりています。教室に移動する時も、キロンと一緒に行ってください」
「どうして!?」
「あなたは、妖精憑きのお気に入りです。妖精憑きからお気に入りを離すと、後々、大変なこととなります。だから、特例です」
「そうなんだ」
思わず、私は安堵してしまう。そうか、学校でも、キロンが側にいてくれるんだ。
「ですが、入学式は離れてください。ほら、行きますよ」
「離せよ!!」
キロン、相変わらず、辺境の教皇フーリード様に対して、態度悪いな。辺境の貴族で、フーリード様を知らぬ者はいない。だから、普通にフーリード様と話していた私のことも、無駄に見られた。
私は思ったよりも、人見知りだった。入学式が開会する前まで、私の周囲では、知り合い同士、そうでない同士がお話している。だけど、私は床を見下ろしているばかりである。私の雰囲気が拒絶に感じるようで、誰も話しかけてこない。こーれーはー、友達ゼロになりそうだなー。
そうしていると、入学式が始まった。本で読んだ知識だけど、だいたい、偉い人の挨拶とか、成績優秀者の挨拶とか、そういうのがずーと続くという。だいたい、決まり文句だから、私は聞き流した。別に、試験に出るわけでもないし。貴族の学校の勉強なんて入学前には終わらせてるし。
突然、会場中がざわめいた。さすがに気になって、私は顔をあげた。
「っ!?」
壇上に、女帝レオナ様が立っていた。あの美女は、真面目な恰好しても、妖艶になっちゃうな。あれは、持って生まれた才能だ。
「お前たち、よく聞くがいい。辺境の貴族の学校には、貴族に発現した皇族がお忍びで入学することとなった」
いきなり、私のことを暴露された!! 私は頭の中で、どうしようか、と悩んだ。皇族とバラされたら、私は動きづらくなる。
「お忍びということで、名前も、性別も、教えることが出来ない」
ところが、私のお願い通り、女帝レオナ様は、内緒にしてくれた。それには、胸を撫でおろした。ごめんなさい、女帝のこと、疑いました。やっぱり、レオナ様、最高です!! 信じています!!!
「今回、わざわざ、お忍びで皇族が通うこととなったことを公表するのは、お前たちのためだ。皇族には、筆頭魔法使いの妖精が守護としてついている。皇族に対して、ちょっとした悪戯をしただけでも、妖精の復讐を受けることがある。そのようなことを起こさせないために、皆は、行動には気をつけるように。無駄な暴力をふるわず、無意味に悪戯をせず、嫌がらせをしてはならない!! 万が一、妖精の復讐を受けた者は、俺様の言葉に従わなかったということで、罰を受けることとなる!!!」
えー、それは理不尽だ。どこの誰が皇族かわからないから、防ぎようがない。
これは、きっと、逆だ。私が気をつけないといけない、ということだ。
本来なら、私は皇族だと名乗って、学校に通うべきなのだ。しかし、私は皇族をどうしても隠さなければならなかった。だからといって、不用意に、貴族の学校で妖精の復讐を起こしてしまような事に巻き込まれたら、結局、私が皇族だとバレてしまう。
女帝レオナ様は私のために、あえて、お忍びで皇族が通っている、と貴族の学校の入学式で喧伝することで、無駄な被害を出さないように、かつ、私が皇族だとバレないようにしてくれたのだ。
やっぱり、女帝レオナ様、最高です!! もう、一生、レオナ様には逆らいません。
私のために、とても面倒臭いこととなってしまった。学校側もざわざわとしている。どうやら、初めて聞いたんだな。これから大変そうだ。ごめんなさい。
女帝レオナ様は、ただ、皇族のことを伝えるだけで、すぐに壇上から下りていった。そうだよね、女帝が貴族の入学式に賓客として来ることなんてないよね。普通は、皇族の誰かだよ。
あっと驚くことがあったけど、無事、入学式は終わった。入学式が終われば、次は教室に移動である。
「アーサー、一緒に行こう!!」
「そうしよう」
目立つかな、と心配したけど、保護者と一緒に移動している新入生がちらほらと見られたから、大丈夫そうだ。
「入学式って、眠いな」
「否定できない」
「アーサーは心配ない。俺が側にいるから、変なことされないから」
「そうだね」
キロンがべったりだから、やっぱり、目立った。移動中も、教室に入ってからも、キロンが離れないから、とっても目立った。そして、皆、遠巻きである。もう、友達は出来ないな。
教室に集まれば、担任からの注意事項である。
「今回は、お忍びの皇族がいるだけでなく、魔法使いのお気に入りもいる。そのため、学校では、魔法使いが同伴している。皆さん、気をつけるように」
全員の視線が私の傍らに立つキロンに集中する。うーわー、恥ずかしいー。
明日からのこととか、説明が終わり、帝国から支給される教科書類の数が揃っているか確認してから、解散となった。
「俺が持つよ」
「半分こしよう」
「私が持ちましょう」
何故か、辺境の教皇フーリード様が私の横にきて、私の手から荷物を奪う。
「俺が全部持つ!!」
「明日からは、そうしてください。ほら、帰りますよ。キロンには、色々と、注意するべきことがあります。アーサーを屋敷に送って行ったあとは、私から、学校での注意事項を教えます」
「そんなの、紙で寄越せよ!! アーサーから離れるなんて、盗られちゃうだろう!!!」
「アーサーのことを信じてあげなさい。アーサーは、キロンが一番です」
「そうだけど、他の妖精憑きに盗られちゃうかもしれないだろう」
「こんなに匂い付けしておいて。妖精憑きだって、ここまで所有を示されたら、手を出しません」
「それでも、出すヤツがいるだろう!! アーサーはさ、ちょっと目を離すと、どっかの妖精憑きを拾ってくるんだよ」
王都での十年に一度の舞踏会のこと、キロンは根に持っていた。ティーレットのことだ。だって、ティーレットのこと、ただの子どもだと思ってたんだもん。ただの人には、妖精憑きかどうか、見分けられないよ。
だけど、私は貝のように口を閉ざした。ここで、余計な情報を周囲に与えてはいけない。周囲では、聞き耳をたてている。私がどこの誰で、どういう立場で、と興味津々だ。
友達は出来なさそうだけど、私を一方的に知っている人はたくさん出来そうである。
私は硬く口を閉ざして、キロンとフーリード様に挟まれて、教室を出た。廊下に出ても、やっぱり、辺境の教皇フーリード様が一緒なので、イヤでも目立った。
帰りはティーレットがまた、魔道具を使って、屋敷まで送ってくれた。馬車に揺られないって、最高だね!!
先に屋敷についていた女帝レオナ様と賢者ラシフ様は、何故か、私の頭を撫でてくれた。
「キロン、これは帝国から貸し出す。壊さないように」
賢者ラシフ様は、転移の魔道具をキロンに渡した。
「魔法使いのお気に入りとして、学校には登録されている。移動も、魔道具を使うように」
「わかった!!」
「遊ぶなよ」
「………」
キロン、返事しない!! 遊ぶつもりだ。でも、わかる。だって、一瞬で移動だよ。話を聞いたけど、行ったことがある場所なら、帝国中、どこでも転移出来るんだって。
でも、私もキロンも、領地から外に、あまり出たことないなー。出たとしても、辺境の神殿くらいだ。王都だって、キロンの力使ってひとっ飛びだ。あれ? 旅の醍醐味すら、私、味わってないな。
「ま、これから、色々と一緒に行けばいいか」
「アーサー、一緒に、旅に行こうな!!」
「そうだね、いつか、ね」
まずは、このどうしようもない領地の収入をどうにかしないと。まだ成人前、しかも、貴族の学校にやっと入学した私が領地を支えているのだ。まだまだ、私は暇じゃないな。
とても気が遠くなる話だが、キロンが持つ魔道具は、私に移動の時間の短縮を与えてくれる。意外と、近い未来、小旅行が出来るかもしれない。
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