男装の皇族姫

shishamo346

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不完全な復讐

長期休暇前

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 長期休み前の試験の範囲が発表されて、どこも賑やかになった。試験、長期休み前と長期休み後の二回やるのかー。教師も大変だなー。この成績で、また、クラス編成し直すんだから。
 他人事のように、そんなことを考えながら、私は範囲を頭に叩き込んで、昼食をとるために、食堂に向かった。
 生徒会主催の舞踏会が終わり、我が家のこともちょっと落ち着いたのだけど、私は相変わらず、一人である。私の後ろには、妖精憑きキロンがぴったりとくっついて、周囲を威嚇している。やめてぇー。
 私も友達一人作ろう、なんてこれっぽっちも考えていない。むしろ、飛び級して、さっさと卒業しちゃおう、なんて計画をたてていた。皇族の権力で、さっさと卒業してもいいなー。試験さえ合格しちゃえば、出来るよね。
 問題は、実技だ。私は生まれてからずっと、女でありながら、爵位を受け継ぐために、男として生きていた。ほんの少し前まで、女を隠して、男として生活していたのだ。それが、女でも爵位を受け継げるように、法律が変わったので、私は女です、と申告し、見事、女になった。それでめでたしめでたし、となるはずだった。
 ならないんだなー!! 女になったんだから、実技も女なんだよ。生まれてこの方、男の実技ばっかり極めてたから、女の実技は未熟者である。
 まず、ダンスは男側で覚えてしまっている。礼儀作法も、男側。女は刺繍とかだけど、私がやっていたのは体術剣術である。ここにきて、とんでもない壁にぶちあたった。筆記は完璧なんだけどなー。
 友達一人作ろう、なんてやっている場合じゃない。今は、少しでも実技を頭で覚えるために、本を読んでいる。ちっくしょー、入学前に完璧に身に着けたってのに、全部、無駄になった!!
 食堂に入ってすぐ、キロンが空いている、いい感じの席へと私を誘導していくれる。先に行って、席を確保して、椅子をひいてくれた。私が座れば、すぐ、キロンお手製のお弁当である。
「アーサー、やはり、ここにいたな!!」
 そこに、伯爵令嬢フローラがかけてきた。
「フローラ、ご一緒にどうですか。キロンのお弁当、美味しいですよ」
「いいのか? お邪魔だろう」
「大歓迎です」
「ありがとう!!」
 私は席を立って、椅子を引いた。
「フローラ、座って」
「アーサー、それは、男がやることだ」
「キロンはやらないので、私がするしかない」
「これくらい、自分でやる」
「………嘘です、癖です」
「すっかり骨までしみ込んでしまってるな」
 苦笑するフローラ。本当にそうだ。
 伯爵令嬢フローラは、昔、我が領地で農業体験を一か月だけした。その頃から、文通友達のお付き合いである。それも、私が貴族の学校に無事、入学したので、こうやって、昼食を一緒にしたり、と親しくしてくれる。
「もう、あなたたち、ここでもくっついて」
 そして、私と伯爵令嬢フローラを見かけた侯爵令嬢シリアがお友達を置いてやってきた。
「私が寂しく一人弁当をしているから、フローラが情けで声をかけてくれているだけです」
「もう、入学して随分経つのに、友達いないの!?」
「私、どうやら、人見知りするようで」
「え? 何の冗談?」
「アーサー、人見知りって、どういう意味か知ってる?」
 本気で言ってるのに、シリアだけでなく、フローラまで、疑ってくる。
「人付き合いって、実際にやろうとすると、これがなかなか難しくて。話しかけるのは、とても勇気がいりますね」
「わたくしたちとは、普通に話してるじゃないの!!」
「フローラとは、元々、友達ですから。シリアは、なんだか、話しやすいものがありますね。それは、シリアのお陰です」
「そ、そう」
 照れてる侯爵令嬢シリア。可愛いな。私、同じ学年だけど、本当は、一年上なんだよね。家族のせいで、一年遅れて入学することとなったんだよね。
「シリア、お友達が待っていますよ。ほら」
「フローラはどうなの」
「私はアーサーの側にいたい。やっと、アーサーとこうして会えたんだから」
「そうですね。学年も違うから、フローラが卒業したら、また、文通友達ですよね。少しでも一緒にいられるように、私も、声をかけるようにします」
「わたくしがお邪魔ね。じゃあね」
 私とフローラの会話に呆れて、侯爵令嬢シリアは待たせている友達の元へと戻っていった。友達、いっぱいだなー、羨ましい。
「アーサー、長期休暇はどうするんだ?」
「うーん、いつも通りかなー。ほら、辺境の食糧庫だから、長期休暇は私だって労働力だよ」
 普通の貴族の子息令嬢であれば、遊んだり、旅行に行ったりするのだろう。実際、そういう会話があちこちで聞こえた。
 だけど、私は領地から離れるわけにはいかない。労働力、ということもあるが、内部にはまだ、悪さを企む父、義母、義兄、義妹がいる。
 父は去勢され、別宅に幽閉されている。別宅で一応、監視がついている。最低限の衣食住は与えているので、不便はないだろう。使用人たちには、妙なことはしないように、ときつく注意している。私が小屋に閉じ込められていた時は、使用人たちも、散々なことをしてくれたなー。
 義兄と義妹は、色々とやらかして、貴族の学校の退学処分を受けてしまった。貴族の学校を卒業不可能となったため、二人は永遠に貴族になれないことが決定となった。それでも、成人までは平民以上、貴族未満の扱いである。父と同じく別宅に幽閉である。父と同じように、最低限の衣食住は与えられているから、死ぬことはあるまい。
 義母は、犯罪奴隷となって、実家で過ごしている。きちんと罪を償うように、大人しく労役をしていればいいのに、義母は子爵夫人だと言って、何もしていない。あまりの傲慢ぶりに、実家も手がつけられないという。
 こういう人たちの共通点は、しつこく、妙なところで元気なのだ。私が領地から離れたら、絶対に、何かやらかすだろう。
 私は領地のことを考えると、溜息しか出ない。理不尽しかないな。私、まだ、学生なのに。
「そ、そうかー、そうだよなー。アーサーは、忙しいのかー」
「学校がないだけで、いつものことですよ。今が、忙しい」
 逆だ、逆。学校休みだから、その分、楽なのだ。
 学校に通っているから、時間が足りない。今、未処理の仕事が着々と溜まってきてしまっている。私、凡人なんだよ。そんなに、仕事はやく裁けないよ。
「じゃあ、わたくしが、アーサーのところに泊りがけで遊びに行っても、迷惑、だよね」
「え、いいですよ。ただ、うーん、義兄上とエリザと顔をあわせるかもしれませんよ。今は、私、学校に行っているから、義兄上とエリザとはこれっぽっちも顔を見ることすらないけど、長期休暇中だと、そういうわけにはいかないですからね」
「幽閉しているんじゃないのか?」
「幽閉といっても、家の中でずっと、というのは不健康ですから、散歩するくらいの自由は与えています。監視つきですけどね」
「それじゃあ、逃げられるだろう」
「ええ、逃げました」
「危ないじゃないか!!」
「義兄上とエリザがね」
「っ!?」
 驚く伯爵令嬢フローラ。危ないのは私だと思ったんだな。
 違うんだな。逃げたって、あの二人に行く所はないんだ。義兄と義妹は、仲良く逃亡して、義母の実家とか、領地内の手下の所と行ったわけである。あの二人、片親は貴族と領地内では威張り散らしていて、手下までいたんだ。
 だけど、今は、あの二人に従うような領地民はいない。義母の実家に行けば、すぐに捕縛され、別邸に戻されるのだ。
 領地民なんか酷いものだ。集団で二人を殴る蹴るである。散々なことを領地民たちに対してしていたのだ。もう、義兄と義妹は貴族にもなれないと知った領地民たちは、過去の恨みを晴らしたのである。領主代行が保護するまで、義兄と義妹は、酷いことになっていたのだ。
 領地外に逃亡しようとしたのだ。どこも領地民の目があり、何度か失敗した。それでも、どうにか、領地外に出ても、右も左もわからず、何より、金銭もないときている。結局、無銭飲食で役人に突き出され、神殿を通して、私へと通報である。恥ずかしい。
 こうして、義兄と義妹は、無様にも、別邸に戻るしかなかったのだ。
 そういう話をすると、呆れる伯爵令嬢フローラ。
「とんでもないな!! 根性も曲がって、世間知らずで、傲慢で」
「仕方がありません。領地の外を本当に知らないのですよ。領地民がまさにそうです。妖精憑きを忌避しているから、神殿通いもしていません。皆、領地で始まり、領地で終わるのが当然なんです。そういう風習で育った義兄上とエリザは、領地の外のこと、知らないのですよ」
「アーサーはさすがに、知っているよな」
「私は神殿通いをしているだけです。私もまた、世間知らずなんですよ」
「アーサー、帰りに、一緒に、買い物に行こう!!」
「まだ、領地が安定しませんから、無駄遣い出来ません。時間も有限なので」
「そ、そうか」
 肩を落として落ち込む伯爵令嬢フローラ。せっかく声をかけて、お誘いとかしてくれるというのに、私側の都合で、全部、お断りしてしまっている。
「学校にいる間だけでも、こうやって、お話しましょう」
「そうだ、生徒会に入れば」
「私は、絶対に成績を上げませんよ。そこまでの時間がありません」
「そ、そうだな」
 また、伯爵令嬢フローラを落ち込ませてしまった。もっと、喜ばせてあげたい。
 フローラは、私の数少ない味方だ。私が母を亡くして、たった一年、一年も、小さな小屋で閉じ込められている間、フローラだけは、私の異変に気づいてくれた。私の現状を知ろうと、出来る限りのことをしてくれていたのだ。
 私にとって、フローラはかけがえのない人だ。それは、言葉で表現できるような、そんな安っぽい存在ではない。
「長期休暇中は、いつでも、遊びに来ていいですよ。ただし、護衛を連れて来てください。正直、まだ、安全とは思えませんから」
「私だって、それなりに護身を身に着けている」
「知っています」
 護身なんてものじゃない。伯爵家は、あらゆるものを身に着ける教育を施しているのだ。体術剣術だけではない。あらゆる職業を体験して、身に着けて、としている。その身に着けたものは、フローラの身を守るものだ。
 暴力だけではない。外で生きていくための手段をフローラはたくさん持っている。世間をよく知っているから、私みたいに困ることはないだろう。
「ですが、執念というものは恐ろしいですよ。決して、我が家は安全とは言えません」
「なあ、もう、リブロもエリザも、平民にしてしまえばいいだろう。わたくしたち、辺境の三大貴族なら、それが出来る。母親も含め、あの二人は、手放したほうがいい」
「必ず、私が印籠を渡してやります。もうすぐ、彼らは、何もかも失います」
 私はただ、待っているのだ。
「フローラ、こうやって、一緒に過ごせるだけで、私は十分、幸せです。少しずつ、こういうことを増やしていきましょう。急ぐ必要はありません。人生は長いのですから」
「そうだな。こうやって、触れるようになれたんだな。もっと一緒に過ごせれば、と思ったんだ。私が学校を卒業したら、アーサーとはなかなか会えなくなるからなー」
「その時は、文通の頻度をあげましょう」
「約束だ」
「はい!」
 私は笑顔で頷いた。もうすぐ、私には、終わりが見えていた。







 休み前試験が終われば、長期休暇である。教室は、これからの長期休暇のことで賑やかだった。そんな中で、私はいつもと変わらない。
「アーサー、せっかくなんだから、今日はゆっくりしたらどうだ」
「うーん、ちょっと眠い」
 妖精憑きキロンが私のことを心配して言ってくれる。最近、油断すると、うとうととしてしまう。うーん、学生と領主、休みには領地の視察をして、と忙しい毎日を送っているから、ちょっと疲れが出てきた。若いから、なんて誤魔化していたが、それにも限界があるというものである。
 妖精憑きキロンが帰りの支度をぱぱっと済ませた。長期休暇に入るから、学校に来ることはない。貴重品は特にないなー。一応、私は机の中を確認する。
「明日から、大変だー」
「学校がない分、楽だろう」
「これまで溜まっていたものを処理するんだよ。楽じゃない」
「あいつら、本当にろくなことをしないな!!」
 本当に、父に、義母、義兄、義妹は最後の最後まで、悪あがきしてくれる。
 父が起こした内乱の前に、散財してくれたのだ。借金したんだよ、あいつら。私は信用があるから、私の名前で勝手にやられたのだ。
 伯爵令嬢フローラのお陰で、義兄と義妹の無駄遣いしたあげく、知り合いにぽんぽんとあげてしまっていた物は全て、私の元に戻ってきた。だけど、これがまた、値段は高いが、大して価値のない物ばかりだ。お陰で、二束三文にもならなかった。
 もう、勝手な買い物が出来ない状態になっている。辺境では、父、義母、義兄、義妹は要注意人物である。万が一、物を売ったりなんかしたら、伯爵令嬢フローラに睨まれることとなる。そうなると、もう辺境では生きていられないのだ。
「それで、じいさんが来るんだよな」
「私の名前で借金されましたからね。一応、借金は返済しましたが、名前が出たので、心配になったんでしょう」
 母方の祖父が、敏感に反応してしまったのだ。長期休暇に入ったら、我が家の財政を見るという。祖父は、男爵を引退し、商売からも手を引いたから、暇なんだろうな。
「私の名前で、やりたい放題してくれて。あんな奴ら、野放しにしたら、また、大変なことをしてくれる」
 伯爵令嬢フローラがいう通りには出来ないのは、義母、義兄、義妹は、最後まで、私の名前を悪用するからだ。
 そういう話をしていると、伯爵令嬢フローラが教室に飛び込んできた。
「アーサー、借金をするなんて、どうしたんだ!?」
「情報が古いです。借金はもう、返済しました」
「そういう問題ではないだろう!! 借金をしたということは、領地で何かあったのか!?」
「わたくしも聞いたわ!!」
 そして、侯爵令嬢シリアも教室に入って、私に迫ってきた。どうして古い情報が出回ってるんだよ!! 借金が見つかったから、すぐに返済したってのに。
「辺境の食糧庫なんだから、アーサーだけで解決するんじゃない」
「そうよ!! 辺境を支える、大事な場所なのよ。借金で、差し押さえられたら、大変よ!!!」
「………」
 私が生まれる前に、借金の証文を買い取った私の母方の祖父が、お家乗っ取りをしているけどね。内心で、突っ込んだ。すでに、大変なこととなっているよ。
 そういう、余計なことは言わず、私は弁明する。
「私の名前を勝手に使って、父たちがしたことだ。相手も、私の名前だから、と簡単に借金しちゃったんだ。ただ、今回のことは、悪質なこととして、祖父に頼んで、調停をしてもらっている」
 我が家の事情を知らないわけがないのだ。我が家は幾度となく、借金をしている。それで、辺境を支えているといっていいのだ。
 本来は、領地から出る農作物の価格をあげてるべきなのだ。それをしないのは、色々な優遇措置を受けているからである。だから、価格はお手頃で、辺境中の胃袋を満たしているのだ。それなのに、借金を増やすようなことをされると、辺境中が困ることとなるのだ。
 今回の相手は、何らかの悪意がある。ただ、相手は、辺境外の商人だ。辺境の事情なんか知ったことではない、と考えたのだろう。
 というわけで、私は、今回、借金の証文に書かれている商人の名前を伯爵令嬢フローラと侯爵令嬢シリアに渡した。
「知っていると思いますけど、念のためです。たぶん、我が家を潰したいのでしょう。そうすれば、辺境は外部から食糧を買うしかない。辺境では、我が家が一人勝ちしています。それは、価格が安いからです。残念ながら、辺境外では、あの低価格での販売は非常識なんですよ。だったら、我が家を潰して、せめて、適正価格の物を流通させればいい、と考えたのでしょう」
「辺境は色々と金がかかる場所なんだ。そんなことをされては、飢える者が出てくるだろう」
「辺境には辺境の決まり事があるのよ」
「外部の商人は、そんなこと、どうだっていいんですよ。だけど、敵に回す相手を間違えましたね」
 私の母方の祖父は、もともと、帝国中の商売を牛耳る人である。私と祖父の繋がりは、あまり知られていない。そりゃ、そんな話題を祖父は提供しない。商売をするのは、ほとんどが平民である。余程の商人は気をつけるが、今回の商人は、私を甘く見たのだ。
 実際に懐に入ってみれば、父、義母、義兄、義妹は頭が悪くて、言われるままだったのだろう。ちょっとおだてれば、ほいほいと買ってくれる。借用書だって、私の名前でも、笑顔で応じたのだろう。こうして、私が借金したように見せて、義兄と義妹は学校で、私が無駄遣いしている、と噂を流したのである。悪知恵だけは働くなー。
 私の名前の借金だから、すーぐに、私の母方の祖父が察知した。だから、私はすぐに返済出来たのだ。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「心配になってきた。やっぱり、時々、様子見に行こう」
「わたくしも」
「もう、させないから」
 たぶん。父、義母、義兄、義妹は生きている。生きている限り、私から搾取しようと考えるのだ。きっと、またやるな。内心では、二人に謝った。
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