嫌われ者の皇族姫

shishamo346

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運命の出会い

事の顛末

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 女帝となってすぐ行ったのは粛清です。これまで、わたくしに悪意を持っていた皇族たちは、半分は処刑しました。数が多すぎると、筆頭魔法使いナインに言われて、処刑を半分にしました。
 残り半分は、まだ、筆頭魔法使いの屋敷の地下牢に拘束されています。
「メフノフ、ティッシー、お元気ですか?」
「シーア!!」
「ここから出して!!」
 元婚約者メフノフとわたくしを裏切った皇族ティッシーは、すがるように、鉄格子から手を伸ばした。
「もう、二人は運命の恋人なんですから、これで、心置きなく、愛を深められるではないですか。ここにいれば、面倒な皇族のお仕事もありませんよ」
「わ、悪かった!! 僕はティッシーに騙されたんだ!!! シーアの婚約者だから、とティッシーは僕に色目を使ってきたんだ!!!」
「試したのよ!! 簡単にわたくしなんかに転がるような男は、シーアには相応しくないと思ったの。だから、ちょっと誘ってみれば、その日の内に、メフノフはわたくしに口づけしたのよ!!!」
「なっ!! それは、ティッシーからだ!!! こう、体を密着させて、迫ってきたくせに」
「わたくしのこと、気持ち悪い目で見てきたくせに!!!」
 とうとう、つかみあって、互いを蹴ったり殴ったり始めてしまいました。
「もう、運命の恋人同士なんだから、仲良くしてください。あなたたちを参考に、これから、わたくし、運命の人との仲を深めていこうと考えているのですから」
「僕という婚約者がいながら、浮気していたのか!!」
「浮気していたのは、メフノフでしょう。その方は、皇帝シオンの殺害の罪で追われるわたくしを守ってくれた方です。運命の恋で、メフノフに裏切られたわたくしを優しく慰めてくれました。あんなふうに口説かれたのは、生まれて初めてです」
「騙されてるんだ。シーア、目を覚ませ」
「メフノフとティッシーが皇帝シオンをめった刺しした事後を見て、目が覚めました。あなた方二人から、きちんと告白してもらえると待っていたのに、残念です」
「本当は、ネフティには、シーアを殺すように言われたんだ」
「知っています。言ってましたもの」
 今更、メフノフは、皇帝の私室でのことを告白してきた。そっちの話は、今でも、どうだって良かった。わたくしは、メフノフとティッシーが愛し合っていることを告白してほしかった。
 だから、わたくしは、メフノフを冷たく見下ろした。
「お母様が言っていました。死ぬのはわたくしだったはずなのに、と。どうして、皇帝を殺すことになったのですか?」
「シオンとは、いくつかの契約関係だったんだ。シーアと婚約する代わりに、いくつかの条件がつけられた。まず、戦争への出陣免除だ」
 メフノフと皇帝シオンは、いくつかの裏取引をしていた。



 皇族メフノフは、まだ、何も知らない子どもの頃、わたくしを虐めたことで、皇帝シオンに目をつけられた。皇帝シオンは、わたくしを虐め、反省しない子どもたちを将来、戦争に強制的に出陣させる、と名簿まで作られたのだ。
 もちろん、子どもたちの両親は、皇帝シオンに平謝りした。
「まず、謝罪するべき相手が違うだろう。お前たちの子が虐めたのは、シーアだ。なのに、私に謝罪だと? だから、あんな愚かなガキが育つんだ!!! この決定事項は覆らない。こんなガキを作ったお前たちだ。あのガキどももまた、大人になって、家庭を持ったら、また、同じようなガキを作る。そんなバカな血筋は皇族に必要ない」
「こ、子どもがしたことです!! もう、二度と、こんなことはさせません!!!」
「そうです!!」
「育てた我々が悪いんです」
「だったら、お前たちがバカなガキの代わりに戦争に出ろ」
 そして、親たちは、子どもたちを見捨てた。
 この事から、わたくしの虐めはなくなったが、代わりに、物凄く恨まれたのだ。
 だが、その戦争の出陣名簿から、皇族メフノフだけを削除する、と皇帝シオンから打診があった。
「君は、皇族として、いい血筋だ。将来、シーアとの間に生まれた子は、いい感じの皇族となるだろう」
「で、ですが、シーアは、もしかしたら、使用人の子だと、噂されています。実際、似てませんし」
「私の祖母にそっくりだ。性格は、何故か、私に似たがな。なのに、両親に似ていない、の一点張り。それもこれも、私の祖母が、貴族に発現した皇族だからだ」
 まれに、貴族に皇族が発現することがある。貴族に発現した皇族は、皇族の血を健全にする、神からの贈り物だと言われている。
「君とシーアの血筋は、遠い。これは、皇族の血を健全にするために、丁度いいことなんだ」
「ですが、その、僕は、まだ、皇族の儀式を通過していません」
「ナインと相談した。君は立派な皇族だ。シーアも皇族だ」
「そうなんですか!?」
「筆頭魔法使いならば、一目で、皇族かそうでないかはわかる。便宜上、十年に一度、皇族の儀式を行っているだけだ。見栄えもいいしな。だから、年齢的、血統的に見て、君がシーアとの夫に丁度いい、となったわけだ」
「それで、戦争への出陣はしなくていいのであれば」
「まさか、それだけで、君の過去に行った過ちが許されると思っているのか?」
「そ、そんな!!」
「ガキの失敗と私の姪を虐めたことを同列と思うな。しかも、お前たちは、集団で行ったんだ。品性下劣すぎだ。他にも条件がある」
 そして、いくつかの条件を提示され、不承不承、メフノフは受け入れた。





「その中に、シーアを裏切ってはならない、という条件があったんだ」
「浮気しましたね」
「………」
 裏切っているよ。メフノフは、皇帝シオンの条件を破っている。その事を指摘してやれば、メフノフは黙り込んだ。
「それと、皇帝シオンを殺すことと、どう関係がありますか?」
「皇帝シオンを殺せば、シーアとの婚約自体、なくなる。だから、シオンを殺そう、となったんだ」
「ネフティは、わたくしを殺せと言ったのに?」
「シオンが死ねば………」
「そうですね、わたくしを殺しても、咎められる人はいなくなりますものね」
 メフノフの短絡的な考えに、わたくしは笑った。きっと、ネフティは、シオンを殺すな、とは言ってないから、なんて考えたのだろう。
 ネフティの皇帝シオンへの執念のような情念は、有名だ。わたくしだって、知っていた。それでも、家庭を持つネフティは、少しでも、夫に想いを持っているかに思われたのだ。
 ネフティは言った。
『あの男は、身代わりよ。産んでみれば、シオンによく似た子がいたわ。それで、満足したのよ』
 それを堂々というネフティに、夫であるわたくしの叔父は、寂しそうに笑って、黙って聞いていた。
「ごめんさい、わたくし、つい、裏切ってしまって」
 メフノフの隣りで、ボロボロと泣いて謝るティッシー。ティッシーは、綺麗で、お淑やかで、皇族としても優秀と、男子に人気がある子だ。
 つい、魔が刺したのだろう、なんて皆、見るだろう。
「わたくしのこと、空気の読めない、間抜けな女、と影で言っていましたね」
「そんなこと、誰が言ったのよ!!」
「ティッシーですよ。悪口をいう時は、もっと、周囲に気をつけないといけないですよ」
 ティッシーが、影で、わたくしのことを散々、悪く言っていたこと、知ってた。実際に、聞いたことだってある。
「わたくしに婚約者がいることは生意気だ、と言ってました。だから、メフノフを誘惑して、横取りしてやろう、なんて笑ってましたね」
「そ、それは、その、言わされていたのよ!!」
「今回、騒動に関わらなかった皇族たちから、告げ口がいっぱいきていますよ」
 ティッシーの裏の顔、わたくしは知っていた。親切な顔をして、影では、わたくしが孤立するように、年頃の近い皇族たちを脅していたのだ。
 ティッシーは、見た目もそうだが、両親の立場が皇族として高い。皇帝の仕事を手伝う立場の両親である。発言力は高いのだ。だから、自然とティッシーの立場も高くなった。それをティッシーは悪用した。
 わたくしは、メフノフとティッシーを嘲笑った。
「いつも、思っていました。二人はお似合いだ、と。戦争に行きたくない負け犬に、親の権力を振りかざす張りぼて。婚約者ごっこ、友達ごっこ、楽しかったですよ」
「そんな性格が悪いから、嫌われるのよ!!」
 とうとう、ティッシーは本性を出してきた。鉄格子から手を伸ばして、わたくしにつかみかかろうとした。
 あと少しで届くという位置にわたくしは居たのだが、この茶番劇を静観していた筆頭魔法使いナインが、わたくしの体を抱き寄せ、ティッシーの手はわたくしに届かなかった。
「そうやって、男に媚びを売って、汚らわしい!! さすが、片親は貧乏男爵の娘ね!!!」
「本音も言い合える、友達になろうと努力しました。あなたが本当のことを言ってくれれば、わたくしは許そう、と。裏切られる前でしたら、その言葉も許しました。ですが、裏切って、わたくしを殺そうとしたあなたは許せない」
 皇帝シオンが凄惨な姿となった寝室で、メフノフとティッシーは、わたくしを殺そうとした。口でもそう言ったのだ。
「メフノフ、あなたは、次の戦争には出陣です。ただ、出陣させるだけでは、罰になりません。だから、罰を与えます。メフノフ、ティッシーには失格紋の儀式を行います」
「なんだ、それ」
「失格紋って、まさか、本当にやるの!!」
 メフノフは皇族教育を不真面目に受けたようで、わかっていない。ティッシーは、さすが優秀で、失格紋の儀式を覚えていた。
 失格紋の儀式とは、筆頭魔法使いの儀式と同じようなことを皇族に対して行うものだ。筆頭魔法使いは、皇族に絶対服従の契約紋の焼き鏝を背中に押し付けられる。皇族が受ける失格紋の儀式は、筆頭魔法使いから受ける恩恵をなくす失格紋の焼き鏝を背中に押し付けられるのだ。皇族は、失格紋を背中に焼き付けられると、二度と、筆頭魔法使いを使役出来ないし、筆頭魔法使いが持つ妖精の守護をなくすのだ。
「皇位簒奪を失敗した者は、体の一部を失うか、失格紋の儀式を行うか、それとも両方か。その判決は、皇帝が行うこととなっています。大丈夫ですよ、失格紋の儀式をしたって、子は為せます。運命の恋人なんです。失格紋の儀式が終わりましたら、晴れて夫婦として、城に戻れますよ」
「い、いやいやいやいやいやいやーーーーーーーーーー!!!」
 ティッシーは気が狂ったように泣き叫んだ。





 今回、わたくしの手助けをしてくれた、貧民の支配者をこっそりと、城に招き入れた。
「まあ、コウエン、座ってください」
 お礼を言いたいだけなのに、王都の貧民の支配者コウエンは、床に頭を擦りつけるようにして土下座する。椅子を勧めても、座ろうとしない。
「エンジ、コウエンを座らせてください」
「ほら、俺様の運命が座れと言ってる」
 辺境の貧民の支配者エンジの手によって、コウエンは無理矢理、椅子に座らされた。
「その節は、大変、無礼でした!!」
「無礼ではありませんよ」
「女帝だとは知らず」
「わたくしも知りませんでしたから。亡き皇帝と筆頭魔法使いが勝手にやったことです。あれ、異例すぎですよ」
 本来は、きちんと話し合って決めるのだ。そりゃ、最後は筆頭魔法使いの判断だけど。それを筆頭魔法使いナインの独断でやってしまったのだ。
 皇帝を選ぶのは筆頭魔法使いである。間違ってはいない。皇帝は、筆頭魔法使いのご機嫌とりが上手でないといけない。だから、筆頭魔法使いが気に入る皇族が皇帝となるのだ。
 王都の貧民の支配者コウエンは、恐る恐る、とわたくしの後ろに立つ筆頭魔法使いナインの顔色を伺う。ナインは、わたくしの前ではいつも不機嫌だ。今も、不機嫌な顔をしている。
「その、まさか、筆頭魔法使い様が、エンジの、弟、とは」
「血のつながりはない」
「そうなの!!」
「そういえば、エンジの顔が、変わりましたね。あんなにナインに瓜二つだったというのに」
 目の前にいる辺境の貧民の支配者エンジの素顔が変わっていた。話してみればエンジなのだが、その素顔は別人だ。
「俺様の顔に魔法をかけてたんだ。生き別れの弟を知る奴には、弟の顔に見えるようにしたんだ」
「そうなんですか。では、今の顔は、素顔ですか?」
「いや、これは偽装している。ほら、俺様は、弟に負けず劣らずの男前だからな」
「どれどれ」
 わたくしは、机を挟んで、反対側に座るエンジへと顔を近づけて見た。こうすると、ナインの素顔も見えるのだ。
「やだ、本当、ナインに負けず劣らす、綺麗なご尊顔!!」
「ち、近い!!」
 照れるエンジは、両手で顔を覆ってしまう。そんな、照れなくていいのに。
「お前は、異性に顔を近づけるんじゃない!!」
「だって、そうすると、ナインの綺麗な顔が見えるのだもの」
「あのなぁ、それは………」
 何故か、ナインは顔を真っ赤にして黙り込んでしまう。素顔を見られるのは、やっぱり、恥ずかしいことなのかもしれない。
「それにしたって、皇帝が寿命で死んでたなんて、すごい偶然だな」
 そもそも、皇帝シオンが寝室で死んでいたことが、事の発端である。
 後から考えれば、皇帝シオンが簡単に殺されるはずがないのだ。戦争に出陣した経験もあり、実際に先陣で戦ったほど、血の気が多い人なのだ。今も、しっかりと体を鍛え、次の戦争に備えていた。
「元々、シオンの寿命は、もっと前に尽きていました。それをナインが無理矢理、延命していたんです」
 わたくしは、シオンから、そのことを聞いていた。本来は、わたくしの皇族の儀式前に、シオンの寿命は尽きていたのだ。
 皇帝は、だいたい、筆頭魔法使いに寵愛される。皇帝の見た目は若くても、実際は、かなり歳をとっているのだ。その若さも、筆頭魔法使いが勝手に保っているだけだ。
 そもそも、皇帝シオンは、孫までいるお年寄りだ。実際、叔父夫婦には孫がいた。叔父よりも年上のシオンは、かなり高齢なのだ。
「シオンの延命は、俺様の我儘だ。もっと、側にいてほしかった。だから、シーアを理由に、延命してたんだ。だけど、皇帝の私室に客人を迎える夜に、延命を解除するように命じられた」
「それで、シオンが寿命で亡くなっていたのですね」
「そうだ。死んでるってのに、あいつら、シオンの亡骸を滅茶苦茶にしやがって。あれを綺麗に戻すのは、大変だった」
「どうせ、燃やしてしまうのに」
「お前は、どうしてそう、怖いんだよ!!」
「お陰で、最後に、綺麗な父が見れました。ありがとうございます」
「………」
 無駄なことをと言われたが、わたくしにとっては、嬉しいことだ。ほら、わたくしが見た最後の皇帝シオンが、あの凄惨なめった刺しだなんて、辛い。最後の最後に、綺麗な皇帝シオンの死に顔で良かった。
 そして、皇帝の私室にメフノフとティッシーを招き入れた日は、全ての審判の日となった。皇帝シオンは、自らの死を使って、わたくしの敵となる皇族たちを炙り出したのだ。
 思ったよりも多すぎて、処刑しすぎましたけど。
 冷たい女だ、と影では言われている。でも、わたくしは冷たいわけではない。わたくしなりに、猶予を与えたのだ。過去を振り返れば、いっぱい、酷いことをされ、酷いことを言われ、悪者にされた。それをきちんと反省して、謝罪すれば、わたくしは許した。
 家族だと信じていた人たちに、家族ではない、と言われた時から、わたくしは、色々と諦めていた。味方となってくれた皇帝シオンだって、苦言を呈していたが、わたくしを嫌った皇族たちは無視したのだ。自業自得だ。
「では、俺様と運命の結婚は、いつにしようか。親もいないということだし、許可なんていらないだろう」
 暗い空気を吹き飛ばすように、辺境の貧民の支配者エンジがわたくしの手を握っていう。
「そうですね。わたくしの両親はいません。ですが、兄がいます」
「許可するわけがないだろう!!」
 父であるシオンによって、兄になれ、と命じられた筆頭魔法使いナインは、わたくしの手を握るエンジの手を払いのけた。
 エンジは、ニヤニヤ笑いながら、ナインを見た。
「嫉妬だ嫉妬。素直じゃないな」
「違う!! 俺様には、シオンの代わりに、こいつを見守る義務がある」
「血のつながりなんかないのに? お前、シーアのこと、皇帝の実の娘だと嫉妬してたんだってな」
「誰から聞いたんだ!! まさか、シーア、話したのか!!」
「生き別れの弟のことを色々と教えてほしい、と言われましたので」
「どうしてお前は、こう、他人を苛立たせることばっかりするんだ!!!」
 ナインは、頭をがしがしとかきむしって叫んだ。
「そんな、怒らなくても。本当のことを話しただけなのに」
「よりによって、俺様が知られたくない事を」
「兄弟なんだから、いいではないですか」
「俺様とエンジは、兄弟じゃない!! エンジは、捨てられた赤ん坊の俺様を拾って育てただけだ!!! しかも、こいつ、俺様が妖精憑きだってのに、妖精憑きじゃない、と教え込んだんだぞ。だから、俺様が帝国に捕縛された時、大変なことになったんだ」
「そういえば、どうして、エンジは、ナインのこと、妖精憑きじゃないと勘違いしたのですか?」
 妖精憑き同士ならばわかるはずだ。しかも、エンジはナイン並に強い妖精憑きのようだ。ほら、ナインの妖精に守られている皇族をエンジは魔法で吹き飛ばした。もしかしたら、ナインよりも強い妖精憑きかもしれない。
「そりゃ、こいつは、俺様の妖精が見えなかったからな」
「それは、あんたがっ………」
 そこで、ナインは黙り込んだ。ナイン、まだ、エンジのことで隠し事しています。
 だけど、エンジは、思い当たる事がないようで、首を傾げた。
「まあ、俺様のせいで、お前が苦労したというのなら、悪かったな」
「ガキ扱いするな!!」
 エンジはナインの頭を撫でるのだけど、それを払いのけるナイン。それでも、エンジは気にしない。
「それにしても、お前、いつから、俺様なんていうようになった? 昔は、僕、と言ってただろう。俺、と言わせようとしても、僕、と言ってたのになぁ」
「っ!?」
「えー、そうなんですかー!! ナイン、僕、と言ってください!!! ほら、昔みたいに!!!」
「煩い!!! お前ら、もう離れろ!! お前ら二人が一緒だと、苛立つことばかりだ」
「でも、エンジはわたくしの運命ですから」
「そうそう、シーアは、俺様の運命だ」
 エンジは、そう言って、座っているわたくしを後ろから抱きしめてくれた。
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