会談道中

shishamo346

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祟り神の立ち退き

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 村から町、街へと発展していくにつれ、車の通りが激しくなってきた。それにしては、道路が発展していないし、区画整理も出来ていないそこに、行政がメスをいれたのだ。

 木野家の自宅があった所も、道路を作るということで、立ち退きを要求された。

 木野家としては、別にかまわない。しかし、大問題が一つあった。


『我が家の祠の移動の費用をそちらで持っていただきたい』


 祟り神の祠も移動しなければならなかった。しかし、これは行政の事情であるため、費用は全て、行政持ちなのは、当然のことだった。


『そんなもの、あんたたちの持ち物だろう。あんたたちでどうにかしなさい』

『では、立ち退きはしません』


 そうして、木野家は立ち退きの拒否した。

 まだ、土地の売買の契約にも至っていない話だ。木野家だけが立ち退かず、その他は立ち退き、すっかり空き家の中に埋もれることとなった。


『金を釣り上げようとしてるんだよ』

『強欲だね』

『せっかく、住人全てで、良くしようとしているってのにね』


 そんなふうに悪く言われても、木野家は立ち退かなかった。

 そうして、木野家だけ残して、周りの開発が強行されたのだ。その際、色々と嫌がらせもされたし、事故っぽいことも起こされたという。

 そうして、もうそろそろ人死にが出るかも、という所で、祟り神の祠が壊されたのだ。


『すみませんね、若いのがやっちまって』


 軽く謝る現場責任者。木野家は諦めて、すでに買ってあった別宅に祠をそのまま残して、引っ越した。それでも、土地の売買は行われなかったという。

 そうして、工事中に、この道路工事の計画を進め、木野家に色々としてきた行政の者たちが次々と亡くなっていった。担当が変わり、工事関係者も亡くなり、そうして、五人目の犠牲者が出た所で、新しい担当者が木野家に泣きついた。


『どうか、土地を売ってください!!』

『祠の移動の費用をどうにかしてください。それが筋というものです。あと二人、死にますよ』


 木野家は、人が死ぬことを知っていた。それに恐れおののいた新しい担当者は、上のほうにかけあったが、無理だったという。土地の金額は決まっている。それ以上の費用は出せないという。

 どうしたか? その新しい担当者は六人目の犠牲者になりたくなくて、自腹をきったのだ。そうして、無事、祠の移動はされ、工事は終了したという。
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