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Preparedness to Break

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[アディビアの森]
森の真上で起きた黒い爆発、蝶男の死亡はすぐに気づかれたらしく、俺の前には何十名もの黒いスーツを来た兵士が囲んでいる。

「止まれ!」

「核石反応あり、やはりこの男が」

「貴様よくも...」

雑兵の戯言など聞く必要はない。
邪魔するなら殺すだけ。
進もう。今のこの力ならなんでもできる気がする。

...

...

段々意識が遠のいてきた。
きっと血を流しすぎたからだろう。
後ろには兵士の死体でひとつの道ができている。
一体どれくらいの兵士を殺しただろうか。どれほどの敵がまだいるのだろうか。
目指すはあの戦艦。

...

...

ようやく町が見えてきた。まあ今はただの瓦礫の山だが...
段々敵を殺すのが面倒になってきた。
無駄にこちらに向かってくる兵士を斬る、殴る、踏み潰す。
...足の感覚も...なくなってきた。
左腕はいつの間にかちぎれている。
少し、少しだけ休もう...

そう思った時、一人の男が目の前に現れる。

「まさか一つの星に二つの核石があるとはな」

肌色の肌をしていて、威厳のある顔つき。首から下は黒いローブによって隠されている。
明らかにいままでの雑兵とは雰囲気が違う。

「もしその体が万全なら、我と互角に戦えただろうが残念だったな。すでに我が兵の尽力によりお前の体はボロボロだ」

何...言ってんだ...まだ...たたかえ...る...ぞ...

言葉が口から出ない。
膝が崩れ落ちて目の前の景色が地面に変わる。

「いつもより被害は多いが、結果的には上々だ。これで我々の計画がまたひとつ進む」

頭の上から声が聞こえる。
胸のあたりになにかの感触がする。
もはや痛覚すら感じない。
視界が...暗く...

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END P[Preparedness to Break]
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