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第四章
はっ? 嘘でしょ?
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堂々と、格好よく。執事になった気分で。
……とは言っても執事の知り合いがいるわけないので、勝手に妄想してみた。ドラマやアニメの執事って、どちらかというと紳士でスマートで優雅だよなあ。
頭の中で勝手に色々想像しながら、壇上の端まで歩いて委員長を見た。
「オッケー、合格。その歩き忘れないで!」
「わかったー」
「じゃあ次、鎌谷行って」
「了解」
神は今度は私とは正反対に、しずしずと歩いて来た。きっと花嫁さんになりきって演技をしているんだろう。目立つことに慣れている、神らしいんだけどね。
「よし、いいよ。佐倉さん、そこから鎌谷の手をとって階段を下りて来て!」
言われた通りに私は神の手を取った。顔を上げると神と目が合って、優しくにっこりと微笑まれる。
……良かった、神の相手が他の人じゃなくて。誰にも神に触れてほしくないし、こんな優しい笑顔、他の人になんて向けてほしくないもの。
ドキドキしながらも、一生懸命平常心を装いながら歩く。
ギュッ。
「……!」
神が今、私の手を握りしめたよ!
もうこんなことを連続で仕掛けて来るんだもの。脈ありだって思ってもいいんだよね?
そんな思いで窺う私の視線に気づいた神が、チラリとこちらに視線を向け、意味ありげに色っぽく口角を上げた。
ねえ、ねえ! 今の表情ヤバいよね! 絶対ヤバいよね!
「お疲れ、二人とも良かったよ。明日もこの調子で頼むよ」
「えっ、はっ、えっ……?」
どこか夢見がちになっていた私は、委員長の呼び掛けに一瞬対応出来なかった。おかげで委員長は、眉をひそめて小首を傾げる。
「おう、任せろよ。明日はしっかり観客を盛り上げないとな」
「う、うん。そうだね」
慌てて私も大きく頷く。
「その意気だ、二人ともよろしく頼むよ」
「任せろ」
堂々と返す神の横で、私はコクコクと頷いた。それに笑った委員長は、今度は皆が並んでいる方に視線を向ける。
「じゃあ次、田野中さん行って」
「はあい」
皆に見られて歩くのは、やっぱり緊張するのだろう。彼女も私と同じようにギクシャクと歩き始めた。
「見ろよ、あれ。ぎこちなくて可愛いなあ」
はっ?
さっきまであんなに私に甘い雰囲気を漂わせていたくせに、舌の根も乾かない内に今度は他の子を褒めている。
嘘でしょ?
私は信じられない気持ちで神をねめつけた。
「何だ、どうした?」
信じらんない!
「べっつに!」
「そうか? 落ちついて行けよー」
もう神は私の方を気にもしないで、壇上の田野中さんを見つめている。さっきまでのあれは何だったの!
「…………」
今までのことは夢だったのかと思うくらいに、神の態度はいつものそれへと変わっていた。
そして私は半分モヤモヤした気持ちのまま、明日の学園祭の準備を終えたのだった。
……とは言っても執事の知り合いがいるわけないので、勝手に妄想してみた。ドラマやアニメの執事って、どちらかというと紳士でスマートで優雅だよなあ。
頭の中で勝手に色々想像しながら、壇上の端まで歩いて委員長を見た。
「オッケー、合格。その歩き忘れないで!」
「わかったー」
「じゃあ次、鎌谷行って」
「了解」
神は今度は私とは正反対に、しずしずと歩いて来た。きっと花嫁さんになりきって演技をしているんだろう。目立つことに慣れている、神らしいんだけどね。
「よし、いいよ。佐倉さん、そこから鎌谷の手をとって階段を下りて来て!」
言われた通りに私は神の手を取った。顔を上げると神と目が合って、優しくにっこりと微笑まれる。
……良かった、神の相手が他の人じゃなくて。誰にも神に触れてほしくないし、こんな優しい笑顔、他の人になんて向けてほしくないもの。
ドキドキしながらも、一生懸命平常心を装いながら歩く。
ギュッ。
「……!」
神が今、私の手を握りしめたよ!
もうこんなことを連続で仕掛けて来るんだもの。脈ありだって思ってもいいんだよね?
そんな思いで窺う私の視線に気づいた神が、チラリとこちらに視線を向け、意味ありげに色っぽく口角を上げた。
ねえ、ねえ! 今の表情ヤバいよね! 絶対ヤバいよね!
「お疲れ、二人とも良かったよ。明日もこの調子で頼むよ」
「えっ、はっ、えっ……?」
どこか夢見がちになっていた私は、委員長の呼び掛けに一瞬対応出来なかった。おかげで委員長は、眉をひそめて小首を傾げる。
「おう、任せろよ。明日はしっかり観客を盛り上げないとな」
「う、うん。そうだね」
慌てて私も大きく頷く。
「その意気だ、二人ともよろしく頼むよ」
「任せろ」
堂々と返す神の横で、私はコクコクと頷いた。それに笑った委員長は、今度は皆が並んでいる方に視線を向ける。
「じゃあ次、田野中さん行って」
「はあい」
皆に見られて歩くのは、やっぱり緊張するのだろう。彼女も私と同じようにギクシャクと歩き始めた。
「見ろよ、あれ。ぎこちなくて可愛いなあ」
はっ?
さっきまであんなに私に甘い雰囲気を漂わせていたくせに、舌の根も乾かない内に今度は他の子を褒めている。
嘘でしょ?
私は信じられない気持ちで神をねめつけた。
「何だ、どうした?」
信じらんない!
「べっつに!」
「そうか? 落ちついて行けよー」
もう神は私の方を気にもしないで、壇上の田野中さんを見つめている。さっきまでのあれは何だったの!
「…………」
今までのことは夢だったのかと思うくらいに、神の態度はいつものそれへと変わっていた。
そして私は半分モヤモヤした気持ちのまま、明日の学園祭の準備を終えたのだった。
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