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第一章
男前な女子2
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「どうした?由紀」
顔を上げるとさっきの梓が僕の席の前に座り、覗き込んでいた。
「あ、なんか男子にガン見されてて、ちょっと…」
そう言って僕は腕を摩って見せた。
「あー、由紀ならそれこそ日常茶飯事なんじゃねーの?」
「え?」
「ほら、だって由紀可愛いし」
そう言って、ニコッと笑った。僕は、途端に顔が熱くなる。
あ、でも可愛いって言われたからじゃないぞ!
梓の笑顔は、なんというかギャップ萌えみたいな感じで、どちらかというとキリッとした感じの表情が、一変してふわっと優しくなるんだ。そしてその感じが、僕にとってはなんというかツボみたいなようなんだ。なのに!
「かわいいなあ、由紀は」
そう言って、ポンポンと頭を優しくたたかれた。
止めてくれ!ますます顔が熱くなる!パタパタと顔を手で煽いでいると、後ろから声がかかった。
「あれー?牧野もココ?」
「そうだけど、あ、佐藤も?」
「そ、一年よろしく頼むわ」
「おう」
…なんか、男同士の会話だな。梓ってなんというか、ずいぶん男らしい、ハンサムガールって感じだよな。
不意に、佐藤がこちらに目を向けた。
「…牧野、友達?」
「ああ、沢村由紀さん。さっき知り合って友達になった。可愛いだろ?」
「うん、可愛い、よろしくな。俺、佐藤大輔」
「よ、よろしくお願いします…」
二人とも、僕の事を目を細めてにこやかに見つめている。礼儀の正しい気弱な女子だと思われているんだろう。何だか複雑な気分だ。
当たり前のように梓に話しかけてきた佐藤に、以前から仲良さげな雰囲気を感じる。どちらかが、どちらかを好きとか、そういう関係だったりするのだろうか?
梓が佐藤を好きとかだったら嫌だな…。
仲良さげに話し込んでいる二人を見て、漠然とそんな事を考えていた。
「梓―、はよー」
そう言いながら、今度はもう一人、女子が僕らの所にやってきた。
「わー、可愛いー、誰?誰?」
そう言って、僕の背後から抱き着いて体を押しつけてくる。それと同時に、僕の背中に柔らかく丸いものが二つ押し当てられる。
ちょっ…!ヤバいんだけど、うああ~、ぐりぐりと押し付けんなっ!
女子にはない、変なところが変に反応したらどうするんだ!
「あ、あの、あの…ちょっと…」
顔を真っ赤にして、抱き着いている腕を放そうと手を添えたら、すんなりと体は離れていった。
はー、ヤバかった。女子って男子と違ってスキンシップが激しいから気を付けないと。
そんな事を考えながら顔を上げると、佐藤が僕の顔をまじまじと見つめていた。
「…?」
「あ、じゃな。牧野」
そう言って、片手を上げて離れていった。
…?
なんだったんだろ。あ!
もしかして僕の反応に変な女、男みたいとか思われたんじゃ…っ!
マジヤバい、気をつけなくちゃ。
「まどか―、由紀は人見知り激しい恥ずかしがり屋なんだからな」
「でも梓の友達なんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、まどかも友達。梓はさ、人を見る目は確かだから」
「だからよろしく由紀ちゃん」
「あ、こちらこそよろしく」
まどかは、梓と違って可愛い甘えん坊タイプみたいだ。
まどかの目は印象的で、大きくて丸くてちょっぴり釣り目。いわゆる猫目といった感じ。きっと、男子にモテるタイプだ。
とにもかくにも、女の子の友達なんて出来るとは思っていなかったので、ぼっち覚悟だったのだけど、どうやらそれは稀有に終わりそうだった。
顔を上げるとさっきの梓が僕の席の前に座り、覗き込んでいた。
「あ、なんか男子にガン見されてて、ちょっと…」
そう言って僕は腕を摩って見せた。
「あー、由紀ならそれこそ日常茶飯事なんじゃねーの?」
「え?」
「ほら、だって由紀可愛いし」
そう言って、ニコッと笑った。僕は、途端に顔が熱くなる。
あ、でも可愛いって言われたからじゃないぞ!
梓の笑顔は、なんというかギャップ萌えみたいな感じで、どちらかというとキリッとした感じの表情が、一変してふわっと優しくなるんだ。そしてその感じが、僕にとってはなんというかツボみたいなようなんだ。なのに!
「かわいいなあ、由紀は」
そう言って、ポンポンと頭を優しくたたかれた。
止めてくれ!ますます顔が熱くなる!パタパタと顔を手で煽いでいると、後ろから声がかかった。
「あれー?牧野もココ?」
「そうだけど、あ、佐藤も?」
「そ、一年よろしく頼むわ」
「おう」
…なんか、男同士の会話だな。梓ってなんというか、ずいぶん男らしい、ハンサムガールって感じだよな。
不意に、佐藤がこちらに目を向けた。
「…牧野、友達?」
「ああ、沢村由紀さん。さっき知り合って友達になった。可愛いだろ?」
「うん、可愛い、よろしくな。俺、佐藤大輔」
「よ、よろしくお願いします…」
二人とも、僕の事を目を細めてにこやかに見つめている。礼儀の正しい気弱な女子だと思われているんだろう。何だか複雑な気分だ。
当たり前のように梓に話しかけてきた佐藤に、以前から仲良さげな雰囲気を感じる。どちらかが、どちらかを好きとか、そういう関係だったりするのだろうか?
梓が佐藤を好きとかだったら嫌だな…。
仲良さげに話し込んでいる二人を見て、漠然とそんな事を考えていた。
「梓―、はよー」
そう言いながら、今度はもう一人、女子が僕らの所にやってきた。
「わー、可愛いー、誰?誰?」
そう言って、僕の背後から抱き着いて体を押しつけてくる。それと同時に、僕の背中に柔らかく丸いものが二つ押し当てられる。
ちょっ…!ヤバいんだけど、うああ~、ぐりぐりと押し付けんなっ!
女子にはない、変なところが変に反応したらどうするんだ!
「あ、あの、あの…ちょっと…」
顔を真っ赤にして、抱き着いている腕を放そうと手を添えたら、すんなりと体は離れていった。
はー、ヤバかった。女子って男子と違ってスキンシップが激しいから気を付けないと。
そんな事を考えながら顔を上げると、佐藤が僕の顔をまじまじと見つめていた。
「…?」
「あ、じゃな。牧野」
そう言って、片手を上げて離れていった。
…?
なんだったんだろ。あ!
もしかして僕の反応に変な女、男みたいとか思われたんじゃ…っ!
マジヤバい、気をつけなくちゃ。
「まどか―、由紀は人見知り激しい恥ずかしがり屋なんだからな」
「でも梓の友達なんでしょ?」
「ああ」
「じゃあ、まどかも友達。梓はさ、人を見る目は確かだから」
「だからよろしく由紀ちゃん」
「あ、こちらこそよろしく」
まどかは、梓と違って可愛い甘えん坊タイプみたいだ。
まどかの目は印象的で、大きくて丸くてちょっぴり釣り目。いわゆる猫目といった感じ。きっと、男子にモテるタイプだ。
とにもかくにも、女の子の友達なんて出来るとは思っていなかったので、ぼっち覚悟だったのだけど、どうやらそれは稀有に終わりそうだった。
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