修行のため、女装して高校に通っています

らいち

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第三章

親友になりたい2

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ホッとはしたけど、必死の思いで話していた僕はちょっと拗ねてしまった。

「あー、わり―。ククッ。確かに複雑で嫌~な気分だけど、でも沢村としては仕方の無かったことなんだろ? 親父さんに強制的にさせられて、しかも自分の進みたい将来のための事だから、嫌でもやらなきゃいけないと思ってしていた事なんだろ?」

…さすが佐藤だと思ってしまった。
自分が佐藤の立場だったら、たとえそれを理解できたとしても、ちゃんと佐藤のように受け止めることが出来ただろうか。

やっぱり良いなと思ってしまう。

「佐藤君」
「何?」
「…こんな事、僕が言えた話では無いとは思うんだけど…」
「ん?」
「えっと、あの…」

なかなか口に出せなくてモゴモゴしていると、それを察したように佐藤が僕の顔を覗き込んできた。

「何だ?言えよ」

テノールの優しい声。
僕の気持ちを落ち着かせようと配慮してくれてる。
僕は息を吸い込んで気持ちを落ち着かせ、佐藤の目をしっかり見た。

「僕の友達になってください。迷惑かけたのに烏滸がましいけど、僕は佐藤君の親友になりたいってずっと思ってた。お願いします!」

僕はそう言って、深々と佐藤に頭を下げる。

「おい、ちょっと」

頭を下げた僕に佐藤はびっくりしたようで、慌てて僕の上半身を引き上げようとした。
だけど了承してもらえるまで顔を上げないぞと、わけの分からない気持ちに取りつかれていた僕は、畳にへばりつくように力を込めて抵抗する。

「お願い! 佐藤君!」

ハアッと、何度目になるか分からないため息を佐藤が吐くのが耳に入って来る。
僕は呆れさせちゃった?と、恐る恐る佐藤の顔を見上げると、佐藤の苦笑交じりの顔が目に入る。

「そんな真似しなくても、嫌ってなんかないよ」
「え?」
僕はガバッと顔を上げる。

「女子だと思っていたにせよ、仮にも好きだった相手だぞ? 性格だって、気に入ってたんだから」
「ほん…とに…?」
「ああ、本当」
「良かったあ…」

僕は、ふにゃふにゃと体から力が抜けていく。
佐藤はそんな僕を笑って見ていた。

それから、僕たちは他愛のない話をたくさんした。

本当に友達になれたんだなーとしみじみとしていたら、突然佐藤にとんでもない提案をされてしまい、僕の頭の中は真っ白になっていくことになる。
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