修行のため、女装して高校に通っています

らいち

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第五章

訪問者、2人+2人 (1)

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そして日曜日。
中間試験が後10日もするとやって来るので、僕は午前中は試験に向けて勉強していた。
梓達の話しによると、やっぱり間近に遊びに行くのはヤバいだろうと、遊園地行きも一週間延期になったらしい。

で、今。
お昼ご飯を食べ終わって、僕は姉さんとまったりタイム。

「由紀也もケーキ食べるでしょ?」
「うん! ラズベリー系かオレンジ系でよろしく」
「分かった。彼女はどんなのが好きか知ってる?」
「梓? レアチーズとか…あ、ベリー系も好きみたい」
「そっか。じゃあ参考に買ってくるわ。みんな3時に来るって言ってたよね?」
「うん。僕が3時に休憩に入るって言ったから、それに合わせて3時前には来るって事になった」
「じゃあ、これから行ってくる。あとでね由紀也」
「うん。行ってらっしゃい」


「由紀也、そうじゃないっ!」
今、僕は立稽古に入っている。

僕の役は「お紗代」という大店の一人娘で、その店の奉公人と恋に落ちるという設定だ。お紗代の父親は、仲の良い別の大店の二男を婿養子にと考えているので、紗代の恋は前途多難だ。

そして今僕が怒られているのは、恋仲の奉公人の後姿を切なく見つめているというシーンだった。

「もう少し感情を込めろ。お前せっかく好きな人が出来たんだろ? その彼女と思うようにいかず、後姿を眺めるしかなかったという思いで演じてみろ」

親父のその言葉に、母さんや若手の団員が僕の方を見る。
母さんなんか、「あらまあ」といった感じで、心なしか頬が緩んでいるように見える。

なんてデリカシーのカケラも無い奴なんだ!
覚えてろよ~(返り討ちにされるのがオチだけどっ)

「ほら、分かったらもう一度、そっからやってみろ」

僕はフーッと息を吐き、立ち位置に戻った。

さんざん怒鳴られたまに褒められ、やっと3時の休憩に入った僕は、居間へと足を向けている。
廊下を歩いていると姉さんの声が聞こえてきた。

「由紀也もそろそろ休憩に入ると思うので、ちょっと待っててくださいね」

ああ、もう来てるんだな。
僕はひょこっと顔を覗かせて、「いらっしゃい」と声をかけた。
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