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ヤキモチ焼いてよ! 2
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……翔くん、気にもしてくれなかった。
他の子たちは一瞬びっくりしたように私の所を向いたのに。
「じゃあな」
カタッと立ち上がった金沢君の動きでハッと我に返った。
「うん、部活頑張って」
手を振る私に笑って、金沢君は教室を出て行った。
「どうしたの? 香子、翔くんのこともう諦めたの?」
「まあ、諦めてくれたんならライバルが減ってうれしいけどね」
「…………」
翔くんがあまりにも無反応すぎて、落ち込むどころかなんだかじわじわと怒りのようなものが込み上げて来た。
……これは、意地でも翔くんにヤキモチ焼かせたくなってきた!
だってそうでしょ?
小学校の頃からずっと翔くんだけを見続けて来たのに、それなのにまるで気にもしてくれないだなんてあんまりじゃないの!
決めた!
明日も翔くんの所には行かないもん。
絶対絶対意識させて見せるんだから!
「望、帰ろ!」
「うん。……翔くん、思いのほか手強かったね」
「ホント。あんまりよね。もうこうなったら明日も翔くんのこと無視して、気になって気になって仕方がないって思わせてやる!」
「香子……。うん、そうだよね! それにこれで翔くんが香子のこと少しも意識もしてくれないような奴だったら、そのまま放っちゃえばいいよ。あんな女の子と遊ぶのが大好きな奴なんてやめて、もっといい人見つけた方がいいわ」
「それはヤだ」
「え~っ?」
「だって翔くんのこと好きだもん」
翔くん以外なんて考えられないんだもん。
そして翌日。私は朝から翔くんの所に行くのを我慢して、お昼休みも教室に残り望たちと一緒に食べた。
「はあ……」
「香子……」
どう見てもちっとも計画通りにはいっていないこの作戦に、さすがの望みも心配そうな顔で私を見た。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよっ! こんなことで凹む私じゃないし! ……あ、えーと、お手洗い行ってくるね!」
望にまで同情の目で見られるのは、ちょっと辛い。
だって普段の望みはこういう他人の恋愛ごとにはびっくりするくらい無関心なんだよ?
それなのに、そんな望にまで心配されてしまってはうれしいなんて気持ちになんてなれるわけが無い。むしろ惨めだ。
私は弁当箱をささっと片付けて、行きたくもないトイレへと急いだ。
他の子たちは一瞬びっくりしたように私の所を向いたのに。
「じゃあな」
カタッと立ち上がった金沢君の動きでハッと我に返った。
「うん、部活頑張って」
手を振る私に笑って、金沢君は教室を出て行った。
「どうしたの? 香子、翔くんのこともう諦めたの?」
「まあ、諦めてくれたんならライバルが減ってうれしいけどね」
「…………」
翔くんがあまりにも無反応すぎて、落ち込むどころかなんだかじわじわと怒りのようなものが込み上げて来た。
……これは、意地でも翔くんにヤキモチ焼かせたくなってきた!
だってそうでしょ?
小学校の頃からずっと翔くんだけを見続けて来たのに、それなのにまるで気にもしてくれないだなんてあんまりじゃないの!
決めた!
明日も翔くんの所には行かないもん。
絶対絶対意識させて見せるんだから!
「望、帰ろ!」
「うん。……翔くん、思いのほか手強かったね」
「ホント。あんまりよね。もうこうなったら明日も翔くんのこと無視して、気になって気になって仕方がないって思わせてやる!」
「香子……。うん、そうだよね! それにこれで翔くんが香子のこと少しも意識もしてくれないような奴だったら、そのまま放っちゃえばいいよ。あんな女の子と遊ぶのが大好きな奴なんてやめて、もっといい人見つけた方がいいわ」
「それはヤだ」
「え~っ?」
「だって翔くんのこと好きだもん」
翔くん以外なんて考えられないんだもん。
そして翌日。私は朝から翔くんの所に行くのを我慢して、お昼休みも教室に残り望たちと一緒に食べた。
「はあ……」
「香子……」
どう見てもちっとも計画通りにはいっていないこの作戦に、さすがの望みも心配そうな顔で私を見た。
「大丈夫?」
「うん、大丈夫だよっ! こんなことで凹む私じゃないし! ……あ、えーと、お手洗い行ってくるね!」
望にまで同情の目で見られるのは、ちょっと辛い。
だって普段の望みはこういう他人の恋愛ごとにはびっくりするくらい無関心なんだよ?
それなのに、そんな望にまで心配されてしまってはうれしいなんて気持ちになんてなれるわけが無い。むしろ惨めだ。
私は弁当箱をささっと片付けて、行きたくもないトイレへと急いだ。
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