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夢を叶えるには!
63 新しい絆創膏!?
しおりを挟む六十三話 新しい絆創膏!?
「そういえばナタリー、魔法書店で何を買いましたの?」
宿の部屋の中でお風呂上がりのウルゼッタが髪をドライヤーで乾かせながら尋ねてくる。
「あ、そうだった!」
私は小さなイチゴ型リュックから例の物を取り出してウルゼッタに見せつけた。
「あら、絆創膏ではないですか。」
「そうだよ。 なんか昔、冒険者の人が売らせてくれって頼んできて1ディアで買い取ったんだって。」
私は二枚セットになっている小さめの絆創膏を満足げに見つめる。
「これで今の絆創膏なくなっても大丈夫だよねー。なんたって予備までついてるんだし。」
ほんと二枚セットとは気前のいいことで。
「ー…それ、アソコに貼れるんですの? 少し小さすぎやしません?」
「大丈夫だって。ちょっと貼ってみるね。」
私は二枚セットの中の一枚をシートから剥がし、アソコに貼り付けた。
「ーー……あれ?」
消えてるはずなのにウルゼッタはしっかしと視線をこちらを向けてている。
「ーー…え、ウルゼッタ、見えるの?」
「はい。それはそれはくっきりと。」
「え……?」
私はステータス画面を表示させて細かく注意しながら見ていく。
ー…うん、変わってるところといえば【地獄の業火】を使ったデメリット効果のレベル-1くらいだ。
私はアソコから絆創膏を剥がして首をかしげる。
「え、なんで?」
「それ、ただの絆創膏なのでは?」
「ーー…あ、そっか。」
そうだよね。よくよく考えたら、私ったらなんで絆創膏ってだけでスキル【神の完全隠密】が発動すると思ってたんだろう。
「魔法の方はどうですの?」
「ー…え?」
「新しい魔法を習得するために魔法書店行ったのではなくて?」
「ーー……これに気を取られて忘れてた。」
私はシートに貼り直した二枚の小さな絆創膏を指先でツンツン突いた。
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