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出会い!

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 二十話  自己紹介


 「ー…え、私が?」


 いきなりの台詞に頭が真っ白になる。
 女の子は私の顔を見上げながらゆっくりと頷いた。


「決して怪しい者ではありませんの。」

「いやもうその台詞が怪しいよ。。」


 手を振り解こうとしても頑なに離す気配がない。


 「宿代も後日返しますので…。」

 「ー…当てはあるの?」

 「はい、後日集会所で稼ぎますわ。」
 

 集会所?


 なんかまた分からない単語来たなぁ。


 私にとっての集会所は村の老人たちがお茶を飲みながらお話する場所だ。流石にそのことではないとは思うが、全く想像つかない。


 ーー…ていうかここでこんな意味のない押し問答をしてるのも時間の無駄だよね。


 「あー、もう。わかったよ。一緒に来て。」


 私はこの子に肩を貸しながら宿屋へと向かった。


 ◆◇◆◇


 宿をとってご飯を食べ、そして入浴。女の子はすっかり元気になったようだった。


「いやー! ありがとうございました。なんとか復活しましたわ!」


 女の子は眩しい笑みを私に向ける。


 「元気になったのは良かったけどさ、あなた本当にお金返せるの?」


 疑いの視線を女の子に送る。
 しかし。


 「だいじょーぶですわ!」


 女の子は腰に両手を当てて鼻をフンと鳴らす。


 「何と言っても私、ヴォラルの姫ですもの!」

 「ーー……。」


 ヴォラル? どこですか?


 私は首を傾げながら女の子を見上げる。


 「え! あなた、ヴォラル国を知りませんの!?」


 女の子が前のめりになりながら私に顔を近づけてくる。


 「うん、あまり村から出たことなくて…。」

 「だったら教えて差し上げますわ!」


 女の子はポケットからヨレヨレになった地図を取り出す。


 「ここが今私たちのいるマギル。ー…で、ここから西に進んだ先にあるのが盗賊の国・ヴォラルですわ!」


 「へぇ、盗賊の国。」

 「えぇ! 私はそこの姫・ウルゼッタと申します。 よろしくお願いいたしますわ!」





 女の子ー…ウルゼッタは服の両裾を掴み、足をクロスさせ上品に頭を下げた。
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