上 下
28 / 70

BULLET-27:落ちた!?

しおりを挟む
 □■□

「はちゃめちゃやな、あれじゃ宝の持ち腐れや。」

 上空から降下しながら戦況を見ていたタカ人族のアアカッタが、苦笑にがわらいながらつぶやいた。

「お、動きが止まってる。」

 銃を持った少女が動きを止め、なにかごそごそやっているのが見える。

「チャーンス。」

 好機だと判断したアアカッタが、にっと笑って速度を上げて急降下し、

「もーらい!」

 通り抜けながら、銃を足でつかみ取った。
 そのまま上昇していったけれど、

 バチバチッ!

 突然、銃から強烈な電撃を感じ、

「いったーーー!」

 叫び声を上げて、銃を落としてしまった。

「びっくりした、今のなんやったんや。」

 かなり強めの衝撃に驚きはしたものの、

「なんかわからんけど、あきらめへんで。」

 大急ぎで追いかけた。

 □■□

『な、なんや!?』

 突然、すごい速さで周りの景色が流れていき、薄れかけていた意識が強制的に戻された。

『空、やな。
 って、ああ、なんか鳥みたいなんに捕まったんか。』

 自身が鳥のような何かの足につかまれている事に気付いた。
 その時、

主人マスターではない者の接触を確認】
【危険度レベル最大マックス
【防衛措置発動します】

 そんな電子音声こえが聞こえてきた。
 と同時に、

 バチバチッ!

 と電気が弾けたような感じがした。 
 すると、

「いったーーー!」

 誰かの悲鳴が響き、

 ひゅるるるるるぅ~

 落下が始まった。

『これ、落ちてんな。』

 なんだか冷静にその事を感じ取っていた。

『まぁ、痛ないし、なんとかなるや、、あ!?』

 楽観しながら落ちていたら、 

 ゴン!

 モッキーキの頭の上に落ち、

 バチバチッ!

 また、防衛措置の電撃が発動した。

 ウッキャー!

 モッキーキが電撃に驚き頭をさすろうとした手に真丸まんまるが弾き飛ばされ、

 ぼどん!

 ルゥーアに受け止められた。

 □■□

「あれはタカ人族、ほぉ。」

 まんまるをうばい取って空に逃げたのがタカ人族だと認識した。

「あ、あんなとこ、届かない、ほぉ。」

 どうしようかとにらみつけていたら、突然まんまるが落ちてきた。
 
「あれ、落ちてきた、ほぉ?」

 不思議そうに目で追っていたら、

 ゴン!

 モッキーキの頭の上に落ちて、

 バチバチッ!

 小さないかづちまたたくのが見えた。
 と思ったら、まんまるがはたき飛ばされた。

「ああ、まんまるさんが飛んでった、ほぉ。」

 受け止めようと思ったが、飛び上がるだけでは届きそうになかった。

「あれくらいなら、はねを使ったら、届くはず、ほぉ。」

 あまり使いたくはなかったのだが、やむを得ない。
 決意したルゥーアが、

鳥人バードマン変態トランス、ほぉ!』

 翼が生え、鳥足になり、

「いくっ、ほぉー!」

 飛び上がり、翼を羽ばたかせた。
 普通だと50センチくらいしか飛べないのが、翼を使って2メートルほど飛び上がり、

 ぽどん!

 まんまるを受け止めた。
 けれど、

「む、むりっ、ほぉーーー!」

 受け止めた反動(だけではないんだけど)で、落ちていった。
しおりを挟む

処理中です...